3:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:17:18.81 ID:2T3z+1U20
~帰路~
女「」zzZZ
男(疲れて眠っている女をおぶって帰ることになってしまった。少し重いな。言ったら殴られるんだろうが)
女「」zzZZ
男(幸せそうな寝顔だ。そろそろ頃合だな)
男「おい、起きろ」ビシバシ
女「んぁ……。何? 痛いよ、男。やめて」
男「俺達別れよう」
女「え?」
6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:19:27.41 ID:2T3z+1U20
男「別れるんだよ。恋人やめるの」
女「ど、どうしたの急に?」
男「お前と付き合ってるのが嫌になったんだんだよ」
女「どうして突然そんなこと言うの? 私何かしちゃった……?」
男「もうお前の顔も見たくないんだ」
女「ど、どうしてそんなこと言うの? 嫌なことしちゃったなら謝るから、そんなこと言わないで……」
男「煩いな。さっさと消えてくれ」
女「ごめんなさい…… 許して…… 男と別れたくないよ……」ジワッ
男「ブサイクなお前と無理して今まで付き合ってきてやったけど、もう我慢の限界なんだよ」
女「そんな……」ボロボロ
男「さよならだ。二度と面見せるんじゃねぇ」
女「……っ!」ダッ
男「やっと行ったか」
8:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:22:37.88 ID:2T3z+1U20
~翌日、教室にて~
先生「――5・7ピストルに使われている5.7ミリ弾はクラスⅢAまでの防弾装備を貫通し――」
男(月曜日とは何故かくもだるいのだろうか。ってか先生何語ってんだ。今古典の授業中だぞ)
先生「――その貫通力は7.62ミリ弾にも匹敵し――」
友「おい、男」ヒソヒソ
男「なんだ、友?」ヒソヒソ
友「女さん振ったんだってな」ヒソヒソ
男「……なぜ知っている?」ヒソヒソ
友「そんなことはどうでもいい。どういうつもりなんだ? ここ一年で三人目だぞ?」
男「お前には関係ない」
友「三人とも随分うまくいってたのに、突然振っちまうなんておかしいだろう」
男「お前には関係ないと言ってるだろう」
友「俺はお前のことを心配してるんだ。何か悩みでもあるのなら言ってくれ。ガキの頃からの付き合いだろう?」
男「……ほっといてくれ」
友(これは絶対に何かあるな)
9:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:26:16.62 ID:2T3z+1U20
~昼休み、廊下にて~
女(あ、男だ。友と話してるみたいだ。話しかけて昨日のことを問い詰めるべきかな……)
男「だから、ハーグ陸戦条約に50口径の使用禁止を明記した条項は無いんだよ」
友「でも、23条の5項では不必要な苦痛を与える兵器、投射物、その他の物質を使用することを禁じてるだろ」
女(何話てるんだろ。楽しそうだな。昨日あんなことがあったのに何事もなかったかのように)
男「俺は20口径で動脈撃ちぬかれるよりは、50口径で真っ二つにされたほうが苦しまずに済むと思うが」
友「まぁそれはそうだろうがな」
女(なんだかムカついてきた。知らん顔して横を通り過ぎてやったら少しは傷つくだろうか)スタスタ
11:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:31:36.90 ID:2T3z+1U20
男「アンチマテリアル・ライフルには20ミリ口径を撃ち出す怪物銃もあるしな」チラッ
友「なんだそれ。象でも撃ち殺すのか?」チラッ
女(あっ、私に気付いた。でも無視無視。もう相手にしてあげないんだから)スタスタ
男「さぁな。実際に使ってるのは見たことない」ムシ
友「そうか」チラッチラッ
女(完全にスルーされた。やっぱりもう私のこと嫌いなんだ……)ジワッ
女(今まであんなに優しくしてくれたのに……。大好きって言ってくれたのに……)ボロボロ
女(こんなのってないよっ!)ダッ
友(女さん泣きながら走って行ったな……)
男「そういやG11なんていう変態銃があってな――」ペラペラ
友(男のやつ気にする素振りも見せないな)
13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:35:17.73 ID:2T3z+1U20
~一週間後~
友「男よ、このままでいいのか?」
男「なにが?」
友「女さんもう一週間も学校来てないぞ?」
男「だからなんだよ」
友「……もういい」
幼「男くんいるー?」
男「なんだ幼馴染?」
幼「ちょ、ちょっと来てくれないかな?」モジモジ
男「おう、いいぞ」
友(これは……。まずいことになりそうだぞ……)
14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:38:40.94 ID:2T3z+1U20
~校舎裏~
男「なんだよ、こんなところに呼び出して」
幼「そ、その……女さんと別れたってホント?」
男「ああ、そうだが?」
幼「そっかぁ……」ホッ
友(この流れはまずい。非常にまずい)コソコソ
男「それがどうかしたのか?」
幼「あ、あのね……。私、男くんのことが……」
男「俺のことが?」
幼「す、好きです……///」カァ
男「あ、ありがとう」
幼「私と付き合って欲しいの……///」
男「構わんが」
16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:40:37.15 ID:2T3z+1U20
幼「ほ、ホント!?」
男「ああ」
幼「嬉しいっ! これからよろしくねっ!」パァッ
男「何を改まって。もう既に長い付き合いじゃないか」
幼「そ、そうだね……///」
男「まぁそういうのもいいか。今日からお前は俺の大切な恋人だ」ギュッ
幼「はぅぅ……///」
友(まさかと思うが男よ。幼馴染ちゃんにも他の子と同じような仕打ちをするつもりではないだろうな……)コソコソ
17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:43:52.37 ID:2T3z+1U20
~翌日の放課後、通学路にて~
幼「私、ホントは小学校の頃から男くんのこと好きだったんだよ?」
幼「毎日一緒に登校するのがとっても楽しくて」
幼「中学に上がってからは一緒に登校してくれなくなって寂しくて……」
幼「頑張って勉強して男くんと一緒の高校に合格できたときはすっごく嬉しかった!」
男「そうだったのか。全く気付かなかった」
幼「最近男くんに彼女ができたって聞いて、すっごく悲しかった」
男「……」
幼「でも、別れたって聞いて今しかないって思ったの」
幼「だから男くんと恋人同士になれて私幸せだよ///」
男「幼馴染は昔から可愛くて、でも俺はその可愛いは妹に対する可愛いだと思ってたんだ」
男「昨日それが間違いだって分かった」
男「好きだよ、幼馴染」
幼「///」
18:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:48:35.45 ID:2T3z+1U20
友(男のヤツ本当にやり手だな。ただでさえイケメンだしな)コソコソ
友(しかし、その本性は……)
ドンッ
友「あっ、すみません……って女さん」
女「あっごめん、友くん。……電柱に隠れて何見てるの?」
友「えっと……それはその……」アセアセ
友(やばい……このままじゃ確実に修羅場だ)
女「あっ、男だ。……隣にいる子、誰?」
友「えっ? あっあれは男の幼馴染で、決してあいつの恋人とかそんな関係ではなく……」
友(なんで俺がこんなこと言わなきゃならんのだ)
19:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:50:41.08 ID:2T3z+1U20
女「抱き合ってるみたいだけど……」
友「え?」
男「///」ギュッ
女「///」ギュッ
友(あのバカ! 路上でなにやってるんだ!)
女「ひどい……もう他の女と……」ウルウル
友「あっ、あんなヤツほっといてそこの喫茶店でも行こう! 俺がおごるから」グイグイ
女「うぅ……男のバカぁ……」ポロポロ
21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:52:50.41 ID:2T3z+1U20
~一時間後~
友「そうなんだよ! あいつ小学校になってもおねしょ直らなくてオムツ付けててさ」
女「男くんにそういう一面があったのね」
友「とにかく、あんなヤツさっさと忘れるに越したことないよ」
女「うん……」
友(男の暴露話でなんとか一時間もたせたが、もう何話したらいいかわんねぇよ……)
友(しかし、こうしてみると女さんって結構美人だなぁ。胸も大きいし。男のヤツなんで振ったんだ)
22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:57:27.57 ID:2T3z+1U20
女「友くん、私ね、初めて会ったときから男が好きだったの」
女「一目惚れっていうのかな、こういうの」
友「……」
女「とっても優しくて、かっこよくて、勉強もできて。何より私のことをとっても大切にしてくれてた」
女「でも、突然――本当に突然、別れようって。ずっと我慢してたんだって、言われちゃったの」
友「あいつ、そんなことを」
女「私、男に知らないうちに負担かけちゃってたのかなぁ……」ウルウル
友「そんなこと」
女「ううん。きっとそうなの。私が悪かったのよ」ポロポロ
友「女さん、元気出して。あいつがひどいことしたのには間違いないよ」
女「ありがと……。ごめんね、こんな話に付き合ってもらって」
友「どうしたしまして。こんなことしかできないけど」
女「また、付き合ってもらっていいかな?」
友「もちろん。俺なんかでよければ。あと学校にもおいで」
女「ありがと。……考えとく」
23:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 22:59:37.55 ID:2T3z+1U20
~一週間後~
幼「男くん、今日はお弁当持ってきてないんだって?」
男「なぜ知って……あぁ、ばあちゃんか」
幼「うん。男くんのおばあちゃん、最近忙しくてお弁当作れないって聞いて」
幼「だから私が作ってきたんだ。食べてくれるかな……?」
男「ああ、もちろんだ」
幼「嬉しい/// じゃあ、屋上に行って一緒に食べよう」
男「そうしよう」
女「久しぶりに学校に来てみた」
女「いきなり教室には行きたくないな……。ちょっと屋上に寄っていこう」
24:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:01:22.36 ID:2T3z+1U20
~屋上~
男「どれも美味いな」
幼「えへへ///」
女(なんであの二人がいるのよ)
男「ありがとう、幼馴染」チュッ
幼「///」
女(誰もいないと思ってイチャイチャしやがって。男のバカ)ウルウル
女(こんなの耐えられない。やっぱり今日はもう帰っちゃおう)
友「あっ、女さん。学校来たんだね」
女「うん。でも、もう帰る……」
友「えっ? なんdチラッ……なるほどね」
友「俺も今日は学校だるくって仕方なかったところだし、一緒にサボっちゃおうか」
女「……ありがと」
27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:03:35.18 ID:2T3z+1U20
~近くの喫茶店~
友「実はあいつが突然振ったのは女さんが最初じゃないんだ」
女「え?」
友「ここ一年で女さんが三人目なんだよ」
女「そうだったの……」
友「昔のあいつはそんなことするようなヤツじゃなかった」
女「私にはもう関係ない話だよ」
友「そうだな……。ごめん突然こんな話」
女「……」
友(勢いで連れてきちゃったけど、ただでさえカミュ力不足なのに女の子と二人きりって結構きついな)
女「……」
友「……」
29:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:04:59.19 ID:O4HUqYBY0
カミュカ不足ならしかたない
30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:05:13.43 ID:2T3z+1U20
~一方男は~
男(幼馴染と付き合い始めて一週間半か)
男(まだ頃合ではないが、相手が相手だ。このままじゃ情が移る)
男(週末に決行するか)
幼「男くん、一緒に帰ろっ」
男「おう、今行く」
幼「早く早くー」
男「はいはい。ところで幼馴染よ」
幼「なぁに?」
男「週末に一緒に買い物にでも出かけないか?」
幼「うんっ! 楽しみだなぁ」ニコニコ
男「ああ、そうだな」ニヤリ
31:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:07:16.18 ID:2T3z+1U20
~友の自宅~
友「とりあえず、女さんと連絡先交換して別れたわけだが」
友「なんで俺はこんなに必死に女さんをフォローしちゃってるのやら」
友「ほとんど成り行きだが、なぜか女さんを放っておけない」
友「これが恋、なのか?」
友「いや、そんなバカな」ブンブン
???「どうしたんだ浮かない顔して」
友「あ、伯父さん来てたのか」
伯父「おうよ。難しい顔して考え込んで、どうかしたのか?」
友「いや……」
伯父「もしかして恋わずらいか?」ニヤ
友「ち、ちげーよ」
32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:09:44.71 ID:2T3z+1U20
伯父「お、図星かっ! もう友もそんな歳頃かぁ」ニヤニヤ
友「違うって。そんなんじゃなくて」カクカクシカジカ
伯父「なるほど。それでその女の子を励ましてあげたいと」
友「でも俺、会話が苦手っていうかなんていうか」
伯父「そんなことなら俺に任せろ!」
友「任せるって言ったってどうするんだよ?」
伯父「俺の店に連れてくればいい」
伯父「サシで飯でも食って話腹割ってはなしゃあら不思議。胸のつかえがとれちまってるってぇ寸法よ」
伯父「もちろん、飯代は俺持ちだっ」
友「べ、べらんめぇ! そんなの伯父御に悪いよぅ!」
伯父「気にしなさんな! 俺の特製ドリンクを飲みゃあどんなモヤモヤも吹っ飛んじまうさ!」
友「か、かたじけねぇ伯父御……」
34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:11:07.90 ID:2T3z+1U20
友「というわけで、週末空いてるかな」
女「何がというわけなのかは分からないけど、空いてるわ」
友「一緒にご飯でもどうかな?」ドキドキ
友(何ドキドキしてんだ俺)
女「別にいいけど」
女(色々お世話になったしご飯くらいは付き合ってあげたほうがいいわよね)
友「じゃ、じゃあ週末にね」
女「うん。じゃあね」ガチャン
35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:14:07.19 ID:2T3z+1U20
~週末~
幼「あ、あのバッグかわいいなぁ!」
男「幼馴染によく似合いそうなバッグだな」
幼「そ、そうかな///」
男「うん。幼馴染らしくて可愛いぞ」
幼「ありがと///」
男(幸せな時間は十分に過ごせている。あとは夜を待つのみか)
36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:15:46.93 ID:2T3z+1U20
友「というわけで約束の時間になっちゃったわけなんだけど」
伯父「なにがといわけなのか知らんが、もうすっかり日暮れだなぁ」
女「ごめん! 待った?」
友「いや、今来たとこさ」
伯父「君が女さんかね。友よ、随分美人さんじゃないか」
女「えっと、この人は……」
友「俺の伯父さん。今日はこの人の店でご飯を食べることになってるんだ。俺も行くのは初めてだから案内してくれる」
女「ど、どうも」
伯父「よし、じゃあ行くか!」
友「お店はどの辺にあるんだ?」
伯父「この近くのショッピングモールを過ぎて少し行ったところだよ」
女「どんなお店なんですか?」
伯父「それはね――」
友「あっ! あれは!」
40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:19:24.34 ID:2T3z+1U20
~少し時間をさかのぼる~
幼「今日はとっても楽しかったねぇ」ニコニコ
男「そうだな」
男(さて、いくか)
男「幼馴染、話がある」
幼「改まってなぁに?」
男「別れよう」
幼「え?」
男「この関係をお終いにしたい」
幼「ど、どうして?」
男「本当は幼馴染のことなんか好きでもなんでもなかったんだ」
幼「え……」
42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:22:22.90 ID:2T3z+1U20
男「長い付き合いだったし、仕方なく付き合ってやったんだ」
男「でも、今日一日一緒にいて分かった。お前とはもうやっていけない」
幼「突然どうしちゃったの? 何かあったの?」
男「大体昔から鬱陶しかったんだよ」
幼「そ、そんな」
男「もう二度とお前とは関わり合いになりたくない」
幼「ひどい」ジワッ
男「さっさと消えてくれ」
幼「男くんのバカっ……!」ダッ
男(行ったか。しかしなんなんだこの胸の痛みは)ズキズキ
44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:24:04.71 ID:2T3z+1U20
幼「うぅ……男くんのバカぁ……」ボロボロ
幼「あんなに嫌われてたなんて、全然気付かなかったよぉ……」
幼「もう消えちゃいたい……」
幼「はぁ……はっ、勢いで走ってきちゃったけどここどこだろう」キョロキョロ
幼「暗いし、人気もないしちょっと怖いな」
DQN1「ねぇ姉ちゃん。こんなところで一人で何してんの?」
幼「えっ、わ、私は別に」オドオド
DQN2「暇ならこれから俺達と遊ばない?」
DQN1「面白いとこ連れてってあげるかささぁ」ニヤニヤ
46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:26:25.03 ID:2T3z+1U20
幼「あの、私帰るとこなので」
DQN1「そんなこと言わないでさぁ一緒においでよぉ」
幼「い、いやです」
DQN2「めんどくせぇ。やるぞ」
DQN1「おう」ガシッ
幼「ちょ、ちょっと何するんですか!?」
DQN2「暴れんなよ。すぐに気持ちよくしてあげるからさ」
幼「嫌です! 嫌ぁ!」
48:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:28:36.36 ID:2T3z+1U20
???「おい、お前ら何してんだ!」
DQN1「チッ、ずらかるぞ」ダッ
DQN2「お、おう!」ダッ
???「幼馴染ちゃん、大丈夫!?」
幼「友さん……。ありがとう」クタッ
友「おっと」ダキッ
伯父「おーい! 大丈夫か!?」
友「なんとか間に合ったみたいだ」
女「この子……」
49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:30:43.18 ID:2T3z+1U20
友「幼馴染ちゃん、こんな時間にこんな所でどうして?」
幼「それは……」カクカクシカジカ
女「私のときと一緒だ……」
友「あの野郎またやりやがったか」
幼「私……私……」ポロポロ
友「どうしたものか」
伯父「予定通り俺の店に行こう。その幼馴染さんも連れてくるといい」
友「えっ?」
伯父「言っただろ? 任せろって」ウインク
友「……」
51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:32:31.44 ID:2T3z+1U20
伯父「さて、着いたぞ」
友「ここって……」
女「友くんの伯父さんの店って居酒屋だったのね」
幼「……」ズーン
伯父「ほら、入った入った。今日は店開けてないからお前らで貸切だ」
友「え、でも」
伯父「いいからいいから」
伯父「ところでお前、男くんの連絡先は知ってるか?」
友「知ってるけど?」
伯父「よしっ」
52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:35:01.40 ID:2T3z+1U20
男「突然友に呼び出されたわけなんだが」
男「居酒屋じゃねぇかここ」
伯父「君が男君かっ! さぁ入った入った」
男「えっ、ちょっ」
男(誰だこのオッサン)
53:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:36:37.55 ID:2T3z+1U20
男(変なオッサンに無理やり店に入れられわけなんだが)
友「……」
女「……」
幼「……」グス
男(なんなんだこれは、居心地悪いなんてもんじゃねぇよ。いや、俺のせいだけどさ)
伯父「はい、お待ちどう! 俺の特製ドリンクだ! さぁみんなジョッキ持って乾杯するぞ!」
友「これって……」
女「お酒、よね……」
幼「……」
男「どういうことだよこれ」ボソッ
伯父「呑めば分かるさ」ニヤリ
54:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:38:28.91 ID:2T3z+1U20
伯父「さぁて、かんぱーい!」
友「か、かんぱい」
女「乾杯」
幼「……ぱい」
男「……」
伯父「さぁ呑め呑め!」
友「……」ゴクッ
女「ん……」チビチビ
幼「……」ゴクゴク
伯父「おう! 幼馴染ちゃん、いい呑みっぷりだ!」
友(自棄飲みにしか見えねぇよ)
男「なんなんだよこれ。俺はもう帰るぞ」
伯父「まぁ、待て。とりあえずは一杯」グイッ
男「うわっ、やめrむぐっ!」ゴクゴク
56:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:40:12.50 ID:2T3z+1U20
伯父「どうだ、俺の特製ドリンクは?」
友「なんだこれ美味い」ゴクゴク
女「ホントだ」ゴクッ
幼「……お代わり」
男「うまい……。じゃなくて、俺は帰るんだ」
伯父「まぁまぁ」グイッ
男「だからやめrうぐっ!」ゴクゴク
伯父「さぁ、これでも飲みながらみんなで腹割って話しなさい」
友「……」
女「……」
幼「……」
男「」
57:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:42:27.99 ID:2T3z+1U20
~30分後~
女「ゴクゴク ぷはぁ! ってかなんか喋りなさいよ、男!」
男「突然なんだよ」
女「なんだよじゃないわよ! こんなわけの分からない空気になってんのは全部アンタのせいなんだかね!」
友(なんか女さんキャラ変わってる。ってかこのドリンクなにが混ざってるんだ。本当に酒か?)ゴクゴク
幼「……」ゴクゴクドンッ!
幼「そうらよ! もとはといえばあんたのせいにゃろ!」
男「い、いや……お前らみたいなブスと我慢して付き合ってやってただけだろ」プイッ
女「まだそんなことを」
友「……」ゴクゴク
幼「嘘らよ」
男「え?」
58:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:44:31.20 ID:2T3z+1U20
男「え?」
幼「男くんは嘘ついれるんね」
男「そ、そんなことねーよ」
幼「わらしはずっと男くんといたんらもん。そんらことすぐ分かるんらからねっ」
男「……」
幼「ねぇ、本当のこと言って……?」
男「お、俺は……ただ……」
友「……」ゴクゴク
幼「ただ、なんらろよ?」
男「……」
幼「言って?」
男「……分かったよ」
61:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:46:28.22 ID:2T3z+1U20
男「俺は、幸せそうな女が一気に絶望する瞬間を見るのがたまらなく楽しいんだ」
女「クズね」
幼「……」
男「俺がこうなってしまった原因は恐らく――」
~10年前、某遊園地にて~
男「お母さん! 今度あれ乗りたい!」
母「そうね、乗りに行きましょうか」
男「えへへ。お母さん、楽しいねっ」
女「うるさいわね」
男「えっ?」
女「うるさいって言ってるの!」バシン
男「痛いよ、お母さん! どうしてぶつの?」
女「あぁもう! このバカ息子! もう帰るわよっ!」グイグイ
男「痛いよ! どうしてなの? どうしてなの?」ボロボロ
63:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:48:25.65 ID:2T3z+1U20
男「とまぁこんなことが日常茶飯事でして」
男「去年母親が自殺してから、ちょうど付き合ってた女の子を振ったときに言い知れぬ快感が走ったんだ」
男「おそらくは情緒不安定な母親に育てられた結果なんだろうが」
友(滅茶苦茶な話だな)ゴクゴク
女「呆れた。こんな男が一瞬でも好きだった私がバカだったわ」
幼「私はそれでもあなたが好き」
男・女「えっ?」
65:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:51:20.35 ID:2T3z+1U20
幼「私が男くんの心の傷を癒してあげたい」
男「俺みたいな男で本当にいいのか……?」
幼「私は心の底から男くんが好きなんだよ?」
男「幼馴染……」
幼「男くん……」
友「……行こう」グイッ
女「えっ?」
友「二人にしてやろう」グイグイ
女「う、うん……」
68:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:53:12.20 ID:2T3z+1U20
友「よし、この辺なら大丈夫だろう」
女「伯父さんに言ってここにドリンク持ってきてもらおうか」
友「待ってくれ。俺、女さんに言いたい事があるんだ」
女「何?」
友「俺、女さんのことが好きだ」
女「へ?」
友「俺は女さんが好きなんだ」
女「えっ? えー!?」
友「俺と付き合ってください」
69:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:54:27.46 ID:2T3z+1U20
女「本気……?」
友「ああ、本気だ」
女「私なんかでよければ///」
友「ま、マジっすか?」
女「マジっす」
友「あ、ありがとうございます///」
女「どういたしまして?///」
71:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:55:37.57 ID:2T3z+1U20
伯父(よくやった友。酒で饒舌になったつもりだろうが、実はそのドリンクに酒は入ってない。今のは正真正銘お前の勇気だ)
伯父(しかし、プラシーボ効果って本当だったんだな)
伯父(さて、もう一方は)
男「///」ギュッ
幼「///」ギュッ
伯父(うまくいったみたいだな。若いっていいなぁ)
おわり
73:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:57:00.21 ID:2T3z+1U20
今まで読んでくれた方々、ありがとうございました
胸糞悪い話を書こうとして、思いついたことそのまま垂れ流したらこうなりました
暇つぶしくらいになれば幸いです
79:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/03(日) 00:03:16.88 ID:BiPeJVIt0
>>73
何だかんだで追ってしまったわ
75:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/02(土) 23:57:39.20 ID:4RmDsj7O0
うむ。乙だった。
元スレ:男「さっさと別れたいんだけど。お前ブスだし」女「えっ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1338642979
【 関 連 記 事 】
男が何かが原因で冷たくしてたと思ったら理由もなんかしょーもないというか酷い理由だった。とりあえず、色々酷いわ、こんな酷い男は駄目だと思う