*・゜゚・*:.。..。.:*・゜ SS 総評 ・*:.。. .。.:*・゜゚・*
【まおゆー@管理人】
今年は台風の当たり年なのかなぁ?早速いくつか上陸しちゃってるしね。困ります。
無理して外出したりするとケガするし。でも気になるのでちょっと用水路の様子見てくる!乙!
1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:07:34.33 ID:ywuHUK3u0
『……強い、雨雲を伴い……ガガッ……』
『明日の未明には……ザッ……今後の台風の……』
カチッ
P「……今更ニュース聞いたって、意味ないよ?」
律子「情報に敏いプロデューサー殿らしくありませんね」
P「だからさ。今更って言ってるでしょ」
P「TV局を出る前ならともかく、今からじゃ台風の中を突っ切っていくしか手はないもの」
律子「…」
P「それとも、戻る?」
4:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:10:05.90 ID:ywuHUK3u0
P「秋月律子は今日中に765プロに戻ります、って電話口で大見栄切った挙句……」
律子「はいはい、挙句急いで階段踏み外して足を挫いたのはその秋月律子です」
律子「そうまでして出てきたんだから、戻るつもりはありません」
P「…」
律子「プロデューサーだって、スタッフさん達のお誘いを断って、早々に退散決め込んだでしょう?」
律子「人の事、笑えませんよ」
P「俺は違うよ?……その足じゃクラッチ、踏めないでしょ?」
律子「はぁ……まったく、散々な一日ですね」
5:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:12:57.19 ID:ywuHUK3u0
P「追い打ちをかけるようでなんだけど。俺ね、この車、信用してないの」
律子「信用してないって?」
P「イタリア人て電気のこともよく知らずに車作っちゃうんだから」
P「スーパーカーだって燃えちゃうんだよ?」
律子「もう、一体いつの話をしてるんですか?」
P「電装系が弱いのは、今も変わっちゃいないよ」
P「……夜、しかも雨。ただでさえ電気系統に負荷、かかってんだからさぁ」
P「この先何があっても、知らないよってこと」
7:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:14:59.13 ID:ywuHUK3u0
P「ってか、なんで社用車で来なかったの……?」
律子「車検です。竜宮小町がオフの時に出しておけば、帰ってからすぐに使えるじゃないですか」
P「……ま、渋滞にさえ捕まらなきゃ、車がダダ捏ねる事もないと思うけどねぇ」
P「ありゃあ?……捕まっちゃったかなぁ?」
律子「プロデューサー、あれ……」
P「……この道路は、一日の雨量が130mmを越えると通行止めになりますぅ?」
8:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:17:53.28 ID:ywuHUK3u0
P「あたぁー……どうする?」
律子「うーん……ここから戻って、小諸、上田、松本経由で、長野自動車道に」
P「なるほど?」
P「……振り出しに戻っちゃった」
律子「…」
P「……あっ、今お守りの事考えてたでしょ?」
律子「チラッと」
P「ホントに効くんだってば、リンカモのお守り」
律子「でもそのおかげで、長野を出る時間が遅くなったんですからね?」
10:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:21:14.64 ID:ywuHUK3u0
P「…」
律子「TV局を出たのは早かったのに」
P「……そういう言い方しないでよ」
律子「結局プロデューサーの言うお守りは、散々連れ回されて探し回った挙句見つからないし」
律子「グズグズしてる内に道路は封鎖されちゃう。言いたくもなりますよ」
P「…」
律子「すっぱりお守り諦めて、まっすぐ東京に向かってたら、今頃とっくに関越に乗ってるんですから」
P「ハッハッハ~、それもそうだね」
律子「運転中は他所見しない」
P「……はぁーい」
11:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:23:45.77 ID:ywuHUK3u0
ザァー……
P「小諸バイパス、雨のため全線通行止め~……」
律子「………」ピッピッピッ
P「携帯で検索?デジタルなのにアナログって感じだねぇ」
P「今時、代車にカーナビって付かないもんかね?」
律子「そんな贅沢、ウチじゃ言ってられませんから……えぇっと、戻って北軽井沢から渋川に」
律子「そこから関越に乗れます」
12:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:26:36.47 ID:ywuHUK3u0
カチッ カチッ
律子「……この車、禁煙ですよ?」
P「固いこと言わないでよ。ずっと我慢してたんだから」
律子「吸わない人は、煙草の臭いに敏感なんです。後で小鳥さんに勘繰られるのは嫌ですし」
P「小鳥さんねぇ……あぁ、シガーキスとか?」
律子「灰皿、小銭入れになってるんです」
P「あ、じゃホントに禁煙車なのね」
律子「……すぐ色ボケに走るんだから」
13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:29:38.13 ID:ywuHUK3u0
P「でさ、そのルートだと鬼押出しを越えていく訳でしょ?そっちも封鎖されてるんじゃないの?」
律子「可能性は否定しませんけど、行ってみなきゃ分からないでしょう?」
律子「それに台風が通過して封鎖が解除されるまで、ここでじっとしてるって訳にもいきませんよ」
P「一々ごもっとも。正論ですねぇ」
律子「……それ、皮肉ですか?」
P「皮肉?……皮肉に聞こえるようだとすると、ちょっと問題あんなぁ」
律子「………」
P「……はいはい、運転運転」タジッ
15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:32:15.61 ID:ywuHUK3u0
律子「っ……」
P「足、痛い?」
律子「ううん、大丈夫……」
P「……腹減ったなぁ~」
P「関越に乗ったらさぁ、とりあえず何か食おうね?」
律子「………」
17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:34:17.81 ID:ywuHUK3u0
律子「……プロデューサー?」
P「はい?」クルッ
律子「……前!」
P「何でしょう?」クルッ
律子「……何でもない」
P「………」
律子「……ちょっとお礼を言いたい気分だっただけ」
P「えぇ?」
律子「何でもないっ」
19:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:36:24.15 ID:ywuHUK3u0
律子「で、ここも通行止め……」
P「……当面の選択肢は二つ。1、この道を諦める」
P「2、柵をこっそりどかして、先に進む」
律子「2は問題外ですね」
P「とするとだ。第三の選択肢が……」
P「ねぇ。ヘッドライト、暗くなってるような気がしない?」
律子「気のせいでは?」
P「そぉ?気のせいかなぁ」
20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:39:27.29 ID:ywuHUK3u0
律子「……で、第三の選択肢って?」
P「主な幹線道路は、全て封鎖されてて出口なし。道は他にもまだあるかもしれないけど」
P「幹線道路がこの有様では、旧道や林道に毛が生えた程度の抜け道にも期待できそうにない」
P「かと言って?台風が通過するまでここでじっとしてる訳にも、いかないよねぇ?」
律子「……え、えぇ」
P「寝たくない?」
律子「寝る?」
21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:42:28.88 ID:ywuHUK3u0
P「一晩中この辺りをウロウロ走り回るなんてのは御免だなぁ」
P「それに俺、元々そんな体力ないからね」
P「だからさ、どうせなら手足伸ばしてゆっくり休みたいってのが人情だし」
P「765プロのプロデューサー、過労運転で事故!なんて、新聞沙汰にはなりたくないでしょ?」
律子「………」
P「またどっかの記者が面白がってさ、あの765プロのって、『あの』の横に点々までつけちゃいそうだもの」
律子「……言いたいことは解りました」
P「じゃ、そういうことで」
律子「じゃ、そういうことで」
22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:45:48.92 ID:ywuHUK3u0
律子「プロデューサー?……ちょ、ちょっと、ちょっと待って?」
P「何?」
律子「何、って……ま、まさか、ここに?」
P「いけない?」
律子「だってこれ、ラ●ホ……」
P「竜宮城だよ、竜宮城。そこに書いてあった」
律子「私、嫌ですよ?」
P「……軽井沢辺りまで戻れば、ちゃんとしたホテルや旅館もあるけど」
P「スタッフの誰かとばったり顔合わせたらマズいんじゃないかと、俺なりに気を使ったつもりなんだけどねぇ?」
律子「で、でも……!」
23:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:49:21.00 ID:ywuHUK3u0
P「どうせ寝るだけだったらどこでも一緒でしょ?」
律子「そ、それは、まぁ」
P「それにここ、竜宮城って名前だしさ。これも何かの縁って事で」
律子「……こ、こんな縁って……」
P「律子?」
律子「えっ?」
P「部屋、選んでくれる?」
律子「へ?……あっ」
25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:52:41.66 ID:ywuHUK3u0
律子「ど、どれがいいですかっ!?」
P「どれでもいいよ。好きなの選べば?」
律子「そっ……そうね!な、なんでも、いいわよね……」カチッ
カラン
律子「202号室!」
P「ハイハイ」
ブロロロロ……
26:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:55:32.64 ID:ywuHUK3u0
律子「…」
P「ってか、相部屋かぁ」
律子「ぷ、プロデューサーが、どこでもいいって言うから……!」
P「……なんだかなぁ~」
律子「お茶でも、入れましょうか?」
P「うん?俺、ビールにするわ」スタスタ
P「……何だったら、先にシャワーだけでも使ったら?」
27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 01:58:33.47 ID:ywuHUK3u0
律子「シャワーね……」チラッ
律子「」
律子「(が、ガラス張り!?……こっちから脱衣所まで、丸見えじゃない!)」
P「ハハハハ……お湯だったら、湯気で曇るんじゃない?」
律子「か、確認してからにします!プロデューサーがお先にどうぞ」
P「えっ?そう?」
P「うわぁー、あーあー……滑り台にベンチまである」
律子「………」チラッ
P「……見ないでね?」
律子「見ませんっ」
29:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:02:50.43 ID:ywuHUK3u0
P「………」カチカチ
P「律子ー?」
律子「…」
P「おーい、律子ー?」
律子「……?」
P「ほら、このボタンを押すと、ガラスが見えなくなりますよー」カチッ
律子「お先にどうぞっ!」
P「……安心してくれるかと思ったのに」
30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:05:23.19 ID:ywuHUK3u0
ガラララッ ピシャッ
律子「ふぅ……」ボフン
律子「!?」
律子「(天井が鏡になってる……落ち着かないわね)」
律子「(カーテンは、固定されてて動かない)」グイグイ
律子「(……となると、ベッドに備え付けてあるボタン……)」チラッ
律子「………」ポチッ
32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:08:44.97 ID:ywuHUK3u0
ウィーン
律子「!?……はっ?え、ちょっ!?」ポチポチ
ゴウンゴウンゴウン
律子「(な、何?何なの、このベッド!?……か、回転してる!?)」ガチャガチャ
メデメデメデ メメメメ メーデー
律子「あああああ!ちょっ!止まっ!止まれぇっ!」ガチャガチャ
メデメデメデ メメメメ メーデー
P「……何やってんだか」
33:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:12:07.25 ID:ywuHUK3u0
ガラララッ ピシャッ
律子「………」
P「お風呂、お先に頂きました」
律子「はい」
パキュッ
P「ん……ぅんっ……んん……」グビグビ
律子「…」ジー
P「んぉー、うめぇ」プハー
律子「…」ジー
P「なぁに?」
律子「えっ……あ、あぁ、私……着替え、とってきます」
34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:15:16.04 ID:ywuHUK3u0
ガチャッ バタン
P「さぁて、もう一本……」ガチャッ
P「………」
P「(缶ビールの置かれた奥に、黒まむしドリンク……)」
P「……こういうの、効くのかなぁ」
35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:18:36.30 ID:ywuHUK3u0
律子「……それじゃ、シャワーだけ使わせてもらいますね」ゴソゴソ
P「はい、いってらっしゃい」
ガラララッ ピシャッ
P「…」
P「…」コキコキ
P「(まずは軽く準備運動、と)」
キュッ シャー……
37:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:21:38.29 ID:ywuHUK3u0
P「…」コソコソ
P「………」ゴクリ
カラララ
P「…」
律子「…」フンス
P「……目と目が逢う~」
律子「そうじゃないでしょう?」
39:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:28:20.78 ID:ywuHUK3u0
P「ふあぁあ……」
P「……なぁんだか疲れたなぁ」
ガラララッ ピシャッ
律子「…」
P「あのね、律子」
律子「時間も遅いし、休みましょっか」
P「……あぁ~、うん。そうね」
40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:31:44.28 ID:ywuHUK3u0
律子「私、ソファー使いますから」
P「だって、掛け布団ないよ?」
律子「ないんですか?」
P「布団、ベッドのだけ」
律子「……なくてもいいです」
P「そういう訳にもいかないよ」
律子「お腹だけバスタオル掛けとけば大丈夫です」
41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:35:16.69 ID:ywuHUK3u0
P「……あのさ」
律子「何です?」
P「例えばさ。俺がソファーで、律子がベッドでも、別にいいわけ」
律子「うん」
律子「……いいえ」
P「でも、そんじゃあ基本的な問題の解決にはならんでしょ」
律子「プロデューサーの言う基本的な問題の解決って、何かしら?」
P「だから~……」
P「何なんだろうねぇ」ポリポリ
律子「さぁ?」
43:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:38:31.09 ID:ywuHUK3u0
P「……まぁ、いいか」
P「ほんじゃ、まぁ……とりあえず、おやすみ~」
律子「……ふぅ」
P「電気の消し方、分かる?」
律子「ちょっと自信ない」
44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:41:55.22 ID:ywuHUK3u0
P「…」
律子「…」
P「律子……寝ちゃった?」
律子「…」
P「………」ムクリ
46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:46:32.52 ID:ywuHUK3u0
ソロリソロリ
律子「……んっ……」モソモソ
P「!」
P「…」ジー
律子「…」
P「っ……」
律子「………」
47:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:50:50.38 ID:ywuHUK3u0
P「Zzzz」
律子「………」
律子「…」ムクリ
P「Zzzz」
律子「…」ソロリソロリ
48:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:55:28.01 ID:ywuHUK3u0
P「Zzzz」
律子「……ば、バスタオルが……ずり落ちてるわね」ファサッ
P「…」
律子「…」ジー
P「(………)」モンモン
律子「(………)」モンモン
50:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 02:58:50.38 ID:ywuHUK3u0
ブロロロロ……
P「…」ボケー
律子「…」ボケー
P「ゆっくり、眠れたぁ?」
律子「えぇ、まぁ……プロデューサーは?」
P「……眠った記憶がねぇ、無いんだよね」
律子「大丈夫ですか?しっかりしてくださいよ?」
P「うーん」コキコキ
51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 03:03:19.38 ID:ywuHUK3u0
P「……ご褒美、ほしいなぁ」
律子「何の?」
P「ドライバーの役目、勤め果せたらね。一緒に、温泉行かない?」
律子「そうですねぇ……」
律子「蒲田とか、大江戸温泉とか?都内の温泉なら」
P「あ、あぁ、そう?……日帰りでね?」
「「ふぁああ……」」
おわり
52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 03:11:42.63 ID:FJ+fclBE0
乙
なんだかよくわからないけどよかった
パトレイバーが元ネタなん?
53:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/06/24(日) 03:15:38.98 ID:F1H6D1epO
乙
元スレ:律子「二人の軽井沢」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1340467654
【 関 連 記 事 】