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  まどか「おじさん、何を作ってるの?」【前編】

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
これはこれは予想外のおじさんでしたねぇ・・・。まさかまさかの展開に管理人も
ビックリですよ。もしかしてこういう過去がホントにあったのかもね。だって、
あの優しいおじさんのことですから。乙!


1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 22:24:46.29 ID:ffOT8E4c0

まどか「なんて、今はそんな気軽に呼べなくなっちゃいましたね」

神様「いえ、どうかお気になさらずに。わたしもあなたが来てくださると、地上で暮らした日々のことを懐かしく思い出します」

まどか「もう遠い昔のことみたいですね」

神様「昔のことですとも。あなたがこの世界を作り替える前の」

神様「しかし不思議なものです。誰もが辛い目に遭ったあの頃のことが」

まどか「今でも色あせない思い出になっているのね」

神様「この世界へ来る前に見たソウルジェムの輝き…… あの美しさを忘れられないから、わたしはこれを作ったのですよ」

まどか「フフッ だからコレ、中のマークは赤いんですね」

まどか「赤いソウルジェムっていったら」

神様「佐倉杏子…… 彼女はいつか、私に会いに来てくれるでしょうか」






2:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 22:26:35.85 ID:ffOT8E4c0

——風見野——

杏子「使い魔はみんなやられてるし、魔女もあたしが来た時にはもう半分死んでた」

魔女「グギェ……」

杏子「まだ息があんの? あらよっと、トドメだ!」ゴギッ

QB「もしかしたら、他の魔法少女が来ているのかもしれない」

杏子「やっぱそうかな。ま、コイツのグリーフシードはいただいてくけどな」

杏子「……ん? なぁQB、あそこにいるの」





3:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 22:32:13.18 ID:ffOT8E4c0

QB「誰か倒れてるよ」(全身変わった色だけど……)

杏子「なんだありゃ? 使い魔か? いや、違うな」

杏子「魔女を倒して結界が解けて行くのに、まだ残ってるってことは」

QB「魔法少女かもしれない。調べてみよう!」

杏子「オイあんた、生きてるかい?」

行き倒れ「……うぅ……」





5:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 22:37:01.80 ID:ffOT8E4c0

杏子(緑色の体に、頭のアレは触覚か? 近くで見ると、ますます使い魔か魔女みたいだ)

杏子(魔法少女…… じゃないよな。まさか)

杏子「答えな。もしかしたら助けてやるかもしれない。あの魔女を半殺しにしたのはあんたかい?」

行き倒れ「マジョ……? 知らない…… 邪悪な、気を……」

QB「杏子! とりあえず傷を治してあげようよ」

杏子「う~ん…… 捨てといちゃマズいかな?」

QB「今回のグリーフシードは彼のを横取りしたようなものだし、治すくらいの魔法は使ってあげてもいいんじゃないかな」

杏子「まぁいいか。魔法少女でもないのに魔女と戦ってるヤツがいるなら、うまくやれば漁夫の利にありつけるかもしれないしな」

QB「さすが、こういうことには機転がきくなぁ」

杏子「オマエが言うかい……」





6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 22:42:23.59 ID:ffOT8E4c0

——教会——

????「ここは……?」

杏子「あたしの家だよ。喜べ、もう体は治ってるはずだ」

????「本当だ……」グッ

????「あなたは一体」

杏子「そりゃこっちが聞きたいよ。あんた、なんで魔女と戦ってたんだ? しかもその格好、一体ドコから来たの?」

????「そうか、昨夜戦ったあの化け物は魔女というのか」





7:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 22:46:59.91 ID:ffOT8E4c0

杏子「答えなよ」

????「すまない。それがわたしも自分のことがわからないのだ」

杏子「なんだそりゃ? だから名前も『????』なのか」

????「北の果てで、物心つく前から一人で暮らしていた」

????「外へ出てみれば、どこにもわたしと同じ人間はいない…… わたしは一体何者なのだ?」

杏子「なんだか難しそうなオッサンを拾っちまったな」

杏子「じゃもう一つの質問に答えてもらうか。なんで魔女と戦ってた?」

????「禍々しい気を放っていた。放っておけば、人に危害を加えるだろう」

杏子「正解だよ。でも、そいつを狩るのはあたしみたいな魔法少女の役目なんだ」





8:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 22:51:33.17 ID:ffOT8E4c0

????「あなたが、化け物と……?」

杏子「こう見えてもけっこう強いんだよ。それに魔法も使える。さっきケガ治してやったろ?」

????「あなたの魔法だったのですか。これはかたじけない」

杏子「おう、せいぜい恩に着てくれ。でもな、魔法ってタダじゃないんだな」ジャラ

杏子「魔女を倒すともらえる、コイツを使わなきゃならない。あんたはこれが目当てじゃないのか?」

????「わたしはただ、あの化け物を見逃せなかっただけです」

杏子「そっか、だったら好都合だな」

杏子「魔女は他にもいるんだ。助けてやった分、ちょいと手伝ってもらうよ。これから忙しくなりそうだしな」





9:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 22:55:06.26 ID:ffOT8E4c0

QB(まったく、とんでもないものを味方につけたな。杏子は)

QB(ナメック星人…… まさか生き残りが、しかも地球に来ていただなんて)

QB(個体ごとに感情を持っていても、彼らには『欲』がない)

QB(身の丈に合わない希望を抱かず、深い絶望に陥ることもなく……)

QB(エネルギー回収の観点からは非効率も甚だしい、忘れられた種族)

QB(……しかし彼は、物心つく前から地球にいたようだ…… 観察してみる価値がありそうだ)





11:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:00:49.21 ID:ffOT8E4c0

——後日、マミさんの部屋——

まどか「具合はどうですか?」

マミ「もう平気よ。魔法少女は治りも早いの」

さやか「でも今までずっと戦ってたんでしょう、たまには休んでてくださいよ」

さやか「マミさんと転校生のおかげで、病院の人たちは無事で済んだんだし」

マミ「暁美さんにもちゃんと謝りたいわ。彼女が助けに来てくれなかったら、やられていたもの」

まどか「これから仲良くなれるといいですね。これから来るもう一人の子とも」

さやか「誰それ? まだ増えるの?」





12:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:05:11.21 ID:ffOT8E4c0

マミ「昨日の戦いで、私だけじゃまだまだ力不足だって思い知らされたのよ」

QB「だから少し手伝ってほしいって、風見野にいる魔法少女に頼みに行ったんだ。でも彼女にも新しい仲間が出来ていたよ」

さやか「へぇ。そりゃ心強いね」

マミ「一人は知ってるわ。昔、一緒に戦ってたことがあるの。お友達はどんな子かしら…?」

 ピンポンピンポン

杏子「おぅマミ! 来てやったぞ! いるんだろ?」

さやか「……あれも魔法少女なんですか」

マミ「ちょっと待ってて。迎えに行ってくる」





13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:09:14.38 ID:ffOT8E4c0

 ガチャ

杏子「……久しぶりだな」

マミ「佐倉さん…… また来てくれるなんて」

マミ「それに今は他の魔法少女といっsy… どぅわあああああ!!!!!!!!」

まどさや「マミさん! どうしたんですか!?」ダッ



????「すみません。驚かせてしまいました」

杏子「ったく、これくらいでビビりすぎだっつーの」

マミ「ごめんなさい。てっきり魔法少女だと」

杏子「紹介しとこうか。そっちの二人は初めて会うな」





16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:13:20.26 ID:ffOT8E4c0

杏子「あたしは佐倉杏子。普段は風見野の魔女を狩ってんだ。マミがこの間の戦いで腰抜けたっていうから」

杏子「しばらく見滝原の魔女狩りも手伝う事になった。で、こっちは……」

杏子「あれ、そいや名前まだ決まってないんだっけか」

マミ「そんなことも知らずに組んでたの……?」(こんな魔女みたいなのと)

????「不便ですね。ではわたしの名前はピッコロにしましょう」

マミ「変わった名前ね」

ピッコロ「わたしの故郷の言葉で、『他の世界』という意味なんです」

ピッコロ「どこへ行っても、わたしは異邦人ですから」

杏子(おかしな名前つけやがって)





17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:18:05.29 ID:ffOT8E4c0

マミ「すみません、さっきは……」

ピッコロ「いいんです。いつものことですから」

ピッコロ「それどころか、杏子やあなたのような魔法少女に出会えたことを、嬉しく思います」

杏子「このオッサンな、QBと契約したわけでもねぇのに魔法みたいなのが使えるんだぞ」

杏子「おかげで戦う時はだいぶ助かってる」

まどか「あの、一つ質問なんですけど、いいですか?」

ピッコロ「どうぞ」

まどか「ピッコロさんは、どうして魔女と戦うんですか?」





18:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:22:00.83 ID:ffOT8E4c0

ピッコロ「人を守るのに理由はいりません」

ピッコロ「杏子に危ない所を助けられた恩返しと、わたし自身の修行のためでもあります」

マミ「いいわね。私も見習わないと」

杏子「何かあったのか?」

マミ「この間の魔女との戦いで、私は危うく死ぬところだったの」

マミ「それを助けてくれたのが、最近来たもう一人の魔法少女、暁美ほむらさんなの」

さやか「あたしも感じ悪いヤツと思ってたから、ちゃんとお礼を言いたかったんだけど」

まどか「ほむらちゃん、すぐにいなくなっちゃったの」

杏子「そいつがQBの言ってたイレギュラーか…… で、マミ」

マミ「……悪い予感がするんだけど、なにかしら」

杏子「またやったの?」





19:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:24:00.84 ID:ffOT8E4c0

マミ「やめて! その話は!」

さやか「アンタ何言ってんのさ! 何もないよ!」ブンブン

まどか「うん、そうだよ! 私たち何も見てないから…… ねぇマミさん?」オロオロオロ

杏子「吐けよ。素直な証人が二人もいるぞ」

マミ「や、やっちゃったわよ///」

マミ「でもしょうがないでしょ!? ホントに危なかったのよ!」

杏子「ハハハハッ!! そんなんだからマミのは黄色いソウルジェムなんだよ!」ケタケタ

ピッコロ(ソウルジェムには他の色をしたものもあるのか)





20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:28:27.35 ID:ffOT8E4c0

マミ「だって…… あなたがいなくなってから…… ずっと一人で戦ってて」

杏子「こっちもそうだよ」

マミ「未来の後輩の前でこういうこと言うの、恥ずかしいんだけど…… 怖かったんだから」

杏子(……こっちもそうだよ)

マミ「だから戦えなくなった時、少し考えちゃったの」

マミ「これで佐倉さんに会う口実が出来た、って」

杏子「変な期待すんなよ。あたしは見滝原のグリーフシードにホイホイ釣られて来ただけだからな」

マミ「わかってるわ。だとしても、会いに来てくれて、嬉しかった」





21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:31:05.07 ID:ffOT8E4c0

——帰り道——

ピッコロ「邪悪な気を感じますね」

杏子「さっそくお出ましか、行くぞ!」

ピッコロ「はい!」


・  ——戦闘中


杏子「ふぅ、片付いたみたいだな」

ピッコロ「杏子、なぜ最初にあらわれた魔女の手下を見逃したのですか」

杏子「あれは使い魔ってんだ。アイツはグリーフシードを落とさない」

杏子「この間も言ったろ、魔法はタダじゃないんだ」





22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:34:47.18 ID:ffOT8E4c0

ピッコロ「使い魔とはいえ、放っておけばいずれ魔女に成長するのでしょう」

杏子「その時は狩るさ。見返りがあるなら、無駄な狩りじゃなくなる」

ピッコロ「しかし……」

杏子「魔物が人を襲う。人が魔物を吸い寄せる… どっちも大差ないさ」

杏子「使い魔に死ぬまで追い込まれるようなヤツは、放っといてもどっかで死ぬよ」

杏子「そんなののために魔力を振り分けて、いざって時思い切り使えなかったりしても困るだろ」

ピッコロ「……割り切れない話ではありますね」

杏子「ごめんな、あたしはオッサンが思ってるほど、イイ奴じゃないんだよ」

ピッコロ「それでも、あなたは仲違いしていた巴マミを助けに来たではありませんか」

杏子「……もう昔とは違うんだ。意地張るのに、ちょっと飽きちまっただけさ。さっさと帰るぞ」





23:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:38:29.15 ID:ffOT8E4c0

——そして杏子の魔女狩りが始まり——

マミ「あら、いらっしゃい」

杏子「ほらよ、お土産のグリーフシードだ」

マミ「ありがとう。でももらっちゃっていいの?」

杏子「あのオッサンが手伝ってくれるから、むしろ余ってんだよ」

マミ「佐倉さんは、あのピッコロさんといつも一緒なのね」

杏子「ああ。お互い宿無しだからな。教会の手入れして、住めるようにしたんだ」

マミ「本当にいいの? あの人と一緒で」

杏子「そういうの、やめなよ…… アイツ、自分の名前に『他の世界』なんて付けちゃってんだ」

杏子「ああ見えて、自分の素性とか、ずっと同じ姿の人に会った事ないとか、けっこう気にしてるような節があるんだよな」

杏子「魔法少女に会えて嬉しかったって言ってたのも、どこかであたしらを仲間だと思ってるのかもしれない」





25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:43:31.19 ID:ffOT8E4c0

マミ「あ…… ごめんなさい。でも、私が言いたかったのはそういうことじゃなくて」

マミ「言いづらいし、あんまり口を挟むのも悪いかもしれないけど……」

杏子「なんだよ? ハッキリ言いなよ」

マミ「仮にも、その…… お、男の人と一緒なんでしょ? ……不便じゃないかなって」

まどか「マミさんのえっ●!」キャー

さやか「マミ先輩オトナ~!」ダイテ!

杏子「バ、バカ言ってんなよ! マミが心配してるようなことはないぞ!」

杏子「アイツも全然その気なさそうでさ、まるで坊さんといるみたいだ」

さやか「修行… って言ってたよね。魔女と戦うことを」

杏子「その成果がここに」ジャラジャラ





27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:45:26.86 ID:ffOT8E4c0

さやか「あんた、意外とやるんだね」

杏子「意外って何だよ!」

まどか「ねぇ、今度杏子ちゃんの戦ってるとこ、見に行ってもいい?」

杏子「んなもん見てどうすんのさ?」

マミ「この子たちもQBに勧誘されてるの。でも迷ってるから、魔法少女がどういうものか、見学させてたのよ」

杏子「だったらイレギュラーにでも頼めよ。同じ学校なんだろ?」

さやか「アイツはどうも、私たちが契約しようとすると露骨に嫌がるんだよね」

杏子「当たり前だろ。こんなもんやりたがるアホの相手なんて、誰が喜んでするかっての」

まどか「そうかな。マミさんってかっこよくて、憧れちゃうけど……」

さやか「命がけで戦ってでも、叶えたい願いってのがねぇ」

杏子「お前らな… 見せ物じゃないんだぞ」





28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:47:40.37 ID:ffOT8E4c0

さやか「ゴメン、そうだよね。杏子もマミさんの代わりにこの街の人たちを守ってくれてるんだもんね」

杏子「…へ? ナニ言ってんのお前?」

さやか「ナニって、あんたも魔法少女なんでしょ」

杏子「そうだよ。ったく、マミは魔法少女がどういうもんだか、教えてないのか?」

マミ「それは……」

まどか「教えてくれてるよ!」

まどか「マミさんはいつも私たちを守りながら、命がけで戦ってるし」

まどか「魔法少女として戦うことが、誰にも知られない、褒められもしないことだって、ちゃんと……」

杏子「マミは相変わらずみたいだな」





29:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:49:11.60 ID:ffOT8E4c0

さやか「だったらあんたがマミさんみたいに教えられるっての? 魔法少女がどんなものなのか」

杏子「なんならマミよりうまく教えられるよ。教えてやろうか?」

杏子「魔法少女は、命をかけなくても生きていけるヤツが、憧れるようなもんじゃないってことを」

さやか「一理ある…… でももう一つ教えて」

さやか「命をかけなくても、私は生きて行けるけど、もし他の誰かが生き甲斐をなくしていたら」

杏子「やめろ。それ以上は言うな」

さやか「真面目な相談なの。聞いてよ」

杏子「だからだよ。んなことマジに考えるようなヤツは、魔法になんて手を出すな」





30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:52:43.48 ID:ffOT8E4c0

——その日の夜——

杏子「ソウルジェムに反応なし… そっちはどうだ?」

ピッコロ「魔女の気は消えました。すみません、逃げ切られたようです」

杏子「仕方ない。今日のところは……」

  ——だったらあんたがマミさんみたいに教えられるっての?

杏子「……いや、もうちょっと探してみるか」

ほむら「なら一緒に行きましょう」

杏子「!? 誰だテメェ!」

ほむら「佐倉杏子。あなたの力を貸してほしいの」





31:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:53:40.50 ID:ffOT8E4c0

杏子「QBの言ってたイレギュラーか」

ほむら「話が早くて助かるわ。後ろの人も魔法少女?」(今まではこんなのいなかったのに……)

杏子「少女に見えるか? アシスタントだよ」

ピッコロ「あなたも魔法少女なのですね。わたしはピッコロと申します」

ほむら「ついて来て。あなたたちの探してる魔女の所へ案内するわ」

杏子「どうする? 信用できそうかね」

ピッコロ「魔女を取り逃がしたままではいられません。行きましょう!」





32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:55:49.56 ID:ffOT8E4c0

——倉庫——

さやか「遅かったじゃない」

杏子「オイ、その格好は何だよ?」

さやか「ま、ちょっとした心境の変化ってヤツ? あんたや転校生に任せておけないからね」

ほむら「油断しないで! まだ息があるわ!」

さやか「しまっ……!」

ピッコロ「危ない!」バッシュウ!!

  ポタ

さやか「あ… ありがとうございます、ピッコロさん」

ピッコロ「さやか… あなたも契約したのですね」

杏子「マミには話したのかよ?」

さやか「ううん、まだ。明日行って来るよ」





33:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:58:29.18 ID:ffOT8E4c0

ピッコロ「杏子も言った通り、あなたがたは命をかけなくても生きていける」

ピッコロ「それでも、まだ叶えたい願いがあったのですか」

さやか「なかったけど、できちゃったんだよ… でもゴメン。何かは言いたくない」

さやか「それと、あたしが魔法少女になったのは、願いを叶えるためだけじゃない」

さやか「ピッコロさん、言ってたよね? 人を守るのに理由はいらないって」

ピッコロ「だからといって、わざわざこんな戦いに赴くことはありません」

さやか「いいのよ。この力はね、使い方次第で素晴らしいものになるはずなんだ」

杏子「その使い方をわかってないヤツが、わかってないヤツを巻き込んだ……」

さやか「あんたそれ、マミさんのこと? それともあたしのこと?」

杏子「前の半分がマミで、後の半分がお前だ」





34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/11(土) 23:59:31.86 ID:ffOT8E4c0

さやか「コイツ…!!」

杏子「やめときなって。新入りがあたしとやったって、勝ち目ないだろ」

杏子「それとも、試してみなきゃわかんないって?」

ピッコロ「やめなさい、杏子! さやかも… 同士討ちをするために魔法少女になったのではないでしょう」

さやか「そうだ… さっき魔女の口づけを受けた人の中に、同じくクラスの友達がいたんだ」

ほむら「志筑仁美なら大丈夫よ。意識を失っているだけ」

まどか「よかったねぇ~」ホッ

ほむら「私たちの事が知られると後で厄介だから、早めに退散しましょう」





35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:02:06.21 ID:s242xTP60

——マミさんの部屋——

マミ「ついにあなたも契約したのね」

さやか「すいません。簡単に考えちゃいけないって、念を押されてたのに」

マミ「気に病まないで。これから一緒に頑張りましょう」

さやか「はい!」

まどか「あの… わたしも」

ほむら「あなたはダメよ。鹿目まどか」

さやか「あんたヤケに拘るね。この間もわざわざ言いに来たし」

ほむら「私は彼女が契約したら何が起こるか、知っているから」

マミ「やっぱり… あなたは私たちの知らない情報をもっているようね」

ほむら「ごめんなさい。まどかが契約した時のことは、今はただ『恐ろしい事になる』としか教えられないわ」

ほむら(ソウルジェムが魔女を生む事まで話すのはまだ早いわね…)





36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:03:58.66 ID:s242xTP60

ほむら「でもそれだけ言ってもなかなか信用しづらいでしょうから、話せる所まで、順を追って説明しましょう」

ほむら「まず私の魔法について」

ほむら(そこで中身の入ったティーカップをおもむろに放り投げ)

三人「!!?」  ほむら(時間停止!)

ほむら(その間に中身をカップへ戻して… こぼさないように)

ほむら(うん、全部おさまったわね。したら再開、と)

マミ「なにを…! あ、あれ?」

さやか「今のも魔法なの?」

ほむら「ええ。私はQBと契約して、時間を操作する魔法を得た」

まどか「どんな願い事をしたの……?」

ほむら「それはね、鹿目まどか」

ほむら「あなたとの出会いをやり直す事」

ほむら(今まで何度も同じ時間を繰り返してきたってことまでは話してもよさそうね)

ほむら(まずはそこをわかってもらわないと、話が進まないから)





37:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:07:45.70 ID:s242xTP60

——翌日 病院——

男の子「あんこねーちゃん!」

杏子「おう、今日は残さなかったかい?」

男の子「ぜんぶたべたよ!」

杏子「よ~し、いい子だ!」ワシワシ

杏子「ご褒美にお菓子あげたいけどな、退院まで我慢だってさ」

男の子「うん、まってる!」

杏子「それじゃああたしはおばあちゃんのトコ行かないと。またな」

女の子「おねえちゃん!」ダキッ

杏子「……行かせてよ」





38:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:09:53.73 ID:s242xTP60

母親「ごめんなさいね、この子ったら楽しみにしちゃってて」

女の子「絵、かいたの!」パッ

女の子「おねえちゃんとね、おじさん!」

ピッコロ「おや、わたしもですか」

杏子「似てるなぁ… でもゴメンな、明日も来るからさ」

女の子「やくそく!」

杏子「いいよ~」





39:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:12:27.23 ID:s242xTP60

——病室——

看護師「息子さんと杏子ちゃんが来てくれましたよ」

杏子「よぅ、ばあちゃん!」

ピッコロ「失礼します」

老婆「いつもありがとうねぇ」

杏子「ナニ言ってんだよ。ほら、足もんであげよう」

老婆「ああ、ありがとうねぇ、杏子ちゃんが来てくれると、からだが軽くなるようだわ」

杏子「こんな立派な病院にいるんだ。きっとすぐに良くなるよ」

杏子(そうだ… これほど大きな病院なら、魔女も集まるから、絶好の狩り場になる)

杏子(中で動きやすくするために、このばあちゃんを幻覚魔法でダマして、息子と孫って設定にした)

杏子(本物の息子さんはそう滅多に顔出さないみたいだし、まぁいいだろ)

杏子(子供たちに取り入れば、小児科病棟も行きやすいしな)





40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:15:40.82 ID:s242xTP60

杏子「今日はずいぶんと大漁だったな」

ピッコロ「ええ。これでしばらくこの病院も安心でしょう」

杏子「したら明日はあの子たちに構ってやるか」

ピッコロ「小さい子には優しいのですね」

杏子「……昔な、あのくらいの妹がいたんだ」

ピッコロ「家族が…」

杏子「いや、何でもない。忘れてくれ。それよりあれ見てみろ」

ピッコロ「むこうの棟、屋上に人が?」

杏子「普段はカギかかってて入れないようになってるはずだ」

杏子「何かあったのかもしれない。行ってみよう!」





41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:17:32.11 ID:s242xTP60

杏子「この音…」

ピッコロ「いい音色ですね」

杏子「おい、お前ここで何してるんだ?」

上条「バイオリンの練習だよ。君は?」

杏子「あたしらは入院中のバァちゃんをお見舞いに来たの。屋上に誰かいたから、気になって」

上条「……そっちの緑の人も?」

ピッコロ「ええ。わたしも彼女と一緒で、お見舞いに」

上条(なんで緑なんだ……?)

杏子「それより屋上、カギかかってたろ」

上条「もう長い事入院してるんだ。そのくらいどうとでもなるよ」

杏子「タチの悪いヤツだなぁ。いつもここで練習してるの?」

上条「手をケガしてたんだよ。最近弾けるようになって嬉しくてね。よかったら聞いていってよ」





42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:19:42.64 ID:s242xTP60




杏子「…いいな。今のはなんて曲なんだい?」

上条「ウイグルの民謡だよ」

杏子「ほぅ… バイオリンってのは、クラシックを弾くためのもんじゃなかったんだな」

上条「リクエストがあればなんだって弾けるよ。何かあるかい?」

杏子「せっかくだから聴いてみたいけど、言われてもな…」

杏子「あ、そうだ。Gガンダムって知ってるかな」

上条「また懐かしいのが出たね…」

杏子「小さい頃、再放送見て大好きだったんだ。あれのオープニング曲弾いてみてくれよ」

上条「よし、ぼくも見てたから、たぶんまだ覚えてる」








43:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:22:56.53 ID:s242xTP60

杏子(懐かしいな…… こんな曲だった)

杏子(このアニメって、そうだ、確か主人公の兄貴がおかしくなっちゃって、兄弟で戦うんだよな)

杏子(親父さんが… 死刑だっけ? いや生きてたかな)

『お前のせいで母は死に、親父は冷凍刑!』

杏子(あの兄貴も最初はいいことしようとしてたんだよな……)

『俺はお前を追ってこのザマだ!』

杏子(あたしにはもう、追いかけてくる人もいないか)

 ツン……
杏子(やっべ、あんま思い出さない方が良かったかも)








44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:25:23.52 ID:s242xTP60

  パチパチパチ

杏子「やっぱいい曲だわ! お前スゲェな!」

上条「ありがとう。そうだ、これから時間ある?」

杏子「あるよ」

上条「ぼくの友達がもうそろそろお見舞いに来るんだ。よかったら、会ってあげてよ」

杏子「どんな子だい?」

上条「同い年の女の子だよ。毎日来てくれるんだ」

ピッコロ「では、わたしは先に」

杏子「悪いね。見回りするなら、昨日の続きから頼むよ」





45:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:28:09.16 ID:s242xTP60

——病室——

さやか「おかえり。どこ行ってたのよ」

上条「さやか、もう来てたんだ。ちょうどよかった。紹介したい人がいるんだよ」

さやか「後ろの… 杏子!?」

杏子「お前か!」

さやか「ちょっと、何であんたがココにいんのよ? 恭介に何したの!?」

上条「屋上で会ったんだよ。知り合いだったんだね」

杏子「新入りさんよ、この病院はあたしらのナワバリなんだぜ」

さやか「ナワバリって、そんなつもりで、よりにもよって病院にまで来てたワケ?」

杏子「当然だろ。こんないい場所を見逃せるかよ」

杏子「おっと、でもやる気なら場所を変えるぞ。小児科の四階に空き部屋があったはずだ」

さやか「ごめん恭介。ちょっとコイツと話があるんだ。すぐ戻るよ」

上条「あ、ああ。行ってらっしゃい」

杏子(空きの病室に結界を張れば、多少暴れられても取り押さえられる。ちょっと頭冷やしてやるとすっか)

上条「知り合いだったんだ… でも、随分仲悪そうだったな」





46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:30:17.24 ID:s242xTP60

——小児科病棟——

女の子「おねえちゃ~ん!」

杏子「おっと、ゴメンな。お姉ちゃん遊んでられないんだ」

女の子「おともだち!?」

杏子「そうだぞ。さやかっていうんだ」

さやか「勝手なことを…!」

杏子 小声「合わせろよ」

女の子「さやかちゃん!」

さやか(コイツ、この子たちとどういう関係なんだろ?)





47:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:36:28.27 ID:s242xTP60

——病室——

上条(腕が治った以上、もうすぐ退院するんだよな。さやかが戻って来たら話しておこう)

上条(この間、八つ当たりしたこともちゃんと謝って。……むこう三、四年くらいはからかわれるかな)

上条(その頃どうなってるんだろう。きっとさやかにもいい彼氏とかできて、僕から離れて行っちゃうのかね)

上条(いつまでも今回みたいに助けてもらってちゃいけない、か……)

上条(それとも、もしかして… いや、それはないだろ? だって、僕もさやかがこんな目に遭ったら、そりゃあ心配にもなるしさ)

上条(でも、もしさやかがその気だとしたら、僕のしていることは)

上条(中身のない希望を持たせるようなものだ……)

カラッ
さやか「お待たせ!」

上条「さやか!? あの子は?」

さやか「……先に帰るってさ」

上条「そうなのかい。実は僕…」

さやか「いいよ。あたしも帰る。また今度聞かせて」





48:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:38:39.35 ID:s242xTP60

——ほむホーム——

ほむら「……」ギリギリギリ

まどか(ほむらちゃんがこわいよぅ)

マミ(来なきゃ良かった……)

ほむら「」クヮッ!

さやか(ひいっ…!)

ほむら「見なさい、これを」バン!

ほむら「私が集めたワルプルギスの夜の資料よ」

マミ「よくこんなにたくさん溜め込んだわね… どうやったの?」

ほむら「その辺は原作でも描写がないから、自分でもわからないけれど」

ほむら「おそらく、記録媒体を盾の中にしまっておけばループしても持ち越せるとか、そういうのなんじゃないかしら」





54:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:42:09.61 ID:s242xTP60

ほむら「ともかく、こうまでしっかり情報収集しても、そう簡単には勝てない相手なのよ」

ほむら「だから佐倉杏子の協力も必要だというのに、あなたは何をしてるの!?」

さやか「だ、だってアイツが……」

ほむら「ほぅ?」ギリッ

さやか「すいませんでした! もうしないから!」

まどか(ほむらちゃんがおさまらないよぅ…)スリスリ

マミ(よって! 鹿目さん、もっとこっちよっていいから!)スリスリ

ほむら(……このくらいでいいかしら)

ほむら(早いうちにある程度ぶつかって、いろいろ吐き出しといてもらった方が後々スッキリするでしょう)

ほむら「わかったら次回から気をつけることね」

さやか「」ホッ…

まどマミ(フゥ…)

まどか「杏子ちゃんとこれからも仲良く出来るといいけど、できるかな?」





55:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:45:12.58 ID:s242xTP60

さやか「まぁ、そのワルプルギスの夜ってのを倒すためなら、協力はするよ」

マミ「それだけじゃない。きっと仲直りできるわ。私たちの所に戻って来てくれた子なんだから」

ほむら「可能性はあるわね。今回はいつものループと大きく違う要素が二つもあるから」

まどか「一つはピッコロおじさんだね」

ほむら「得体の知れない人ね… 魔法少女ではないようだけれど、魔女と戦う力はあるし、QBが見えている」

まどか「ずっと厳しい修行をしてきたって言ってたから、そのおかげなのかな」

さやか「どんな修行したらあんなになるんだよ……」

マミ「とはいえ佐倉さんがコンビを組んで一緒に暮らしてるくらい、信頼してる人よ」

マミ「味方になってくれたら、頼もしいわね」

まどか「いい人そうだしね」

ほむら「そしてもう一つの「いつもと違う要素」というのが、肝心のワルプルギスの夜についてなのよ」

ほむら「ここにある情報は全部、前回までに集めたもの」





56:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:46:55.82 ID:s242xTP60

マミ「新しい情報は?」

ほむら「ないのよ。こっちへ来てから、ワルプルギスの夜に関する情報は何も手に入っていないの」

さやか「何それ? もしかして、ソイツこの世界にはいないのかな」

ほむら「そうだといいけど…… でも確かに、魔法少女歴の長いマミも聞いた事ないのよね?」

マミ「ええ。他の魔法少女の子たちも、そんな話はしていなかったわ」

ほむら「となると、本当にいない可能性は高いわね」

マミ「QBなら何か知ってるかしら」

ほむら(知ってても素直に話してくれるかどうか……)

QB「僕も知らないね」

さやか「あ、来てたんだ」





57:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:49:08.51 ID:s242xTP60

ほむら「知らないって、ワルプルギスの夜を!? 本当に?」

QB「うん。ほむらの話をまとめると、よほど強力な魔女なんだろう」

QB「そんなのがいれば、他の場所で活動しているぼくの仲間たちが知っているはずさ」

まどか「QBって、他にもいるんだね」

QB「念のため、この画像を他の仲間たちにも送ってみようか?」

ほむら「それならよく写ってるやつをあげるわ」

ほむら(QBがこれほど協力的ということは…… ワルプルギスの夜はこの時間軸では存在しないか)

ほむら(あれを排除する事が、インキュベイターにとっても好都合なことなのか)

ほむら(……いや、それは考えすぎね。本当に知らないようだから)





58:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:52:17.10 ID:s242xTP60

——教室——

さやか(あれ…?)

まどか「上条くん、退院してたんだ」

さやか「うん、そうみたいね。知らなかったわ」

さやか(なんだ…… 言ってくれれば良かったのに。って、あたしが聞かずに帰っちゃったからか)

まどか「さやかちゃんも行かなくていいの?」

 男子生徒A「手はもういいのか?」

 上条「それが急によくなったんだ。先生もビックリしてたよ」

 男子生徒B「すごいケガだったもんな… バイオリンは弾けるの?」

 上条「まだ今まで通りとまではいかないけど、弾けるよ。慣れればそのうち戻ると思う」

 男子生徒A「今日はリハビリとか行かないの? だったら復帰祝いしようぜ!」

さやか「…やっぱいいや。向こうは向こうで忙しそうだし」

まどか「そうだね。退院したから、いつでも会えるもんね」

仁美(……どうしたら……)





59:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:53:46.58 ID:s242xTP60

——放課後——

マミ「行くわよ! 『Una pallottola della magia infinita』!!」

マミ「う~ん……」

まどか「すごいですよ、マミさん! さっきよりだいぶ増えてますよ!」

マミ「ちょっと名前が長いけど、使えそうね」

杏子「お前ら、何やってんだ?」

まどか「あ、杏子ちゃん、いらっしゃい。おじさんも」

マミ「美樹さんが魔法少女になってくれたんだから、私も頑張らないと」

マミ「まずは今まで使ってた技を改めて特訓してたのよ」

ピッコロ「魔法少女の技には、名前があったのですね」

杏子「マミだけだよ。昔からココでよく練習してたんだ」

マミ「あら、佐倉さんの技もいくつか考えたじゃない」

まどか「杏子ちゃんにもあったの!?」ワクワク

杏子「……やめろよ」





60:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:56:03.60 ID:s242xTP60

まどか「えぇ~ かっこいいのに」

杏子「わざわざ口に出す事ないだろ。出してみてどうなるってんだよ?」

杏子「だいたいさっきの技はなんて読むんだ?」

マミ「そ、それは……」タジタジ

マミ(言えない…… 『無限の魔弾』をexcite翻訳でそれっぽくイタリア語にして)

まどか(コピペしただけだから、読み方わかんないなんて……)

QB「でも効果がないこともないよ」

まどマミ(ナイスフォロー!)

QB「魔法少女の魔法の根源は君たちの感情エネルギーだからね」

QB「ちなみに、僕らが魔法少女を生み出す事は出来ても、その力を使いこなせないのは、僕らに感情がないからさ」

杏子「そういう仕組みだったのかよ…」

ピッコロ「感情と技の名前に、何の関係が?」

まどか「気分が乗ってた方が強いんだよ」

QB「そういうことみたいだ。僕たちには理解しかねる現象だよ」





62:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 00:59:25.89 ID:s242xTP60

ピッコロ「ううむ…… 技に名前をつけて、そんな効果があるとは、思いつきませんでした」

杏子「マジメに考えるな。マミのアレがうつるぞ」

まどか「マミさんはいいの! かっこいいんだから」

杏子「ハイハイ…… んでもう一人の新入りはどうした? 今日はいないのかい?」

まどか「さやかちゃんなら、今日はお友達と出かけてるよ。ほら、この間助けた子と」

マミ「美樹さんに何か用事?」

杏子「大したことじゃないんだ。ただちょっと、気になっててさ」

まどか「でもきっと、もうすぐ帰って来るよ。一緒に行った子が習い事の時間だから」

杏子「いや、いいよ。邪魔して悪かったな」

マミ「待って! せっかくだから、佐倉さんも練習に付き合ってほしいの」

マミ「それに、ピッコロさんの戦い方も見学させてもらえないかしら」

ピッコロ「魔法少女でないわたしの戦い方が、参考になりますかね」

QB「それなら実戦で見せてもらった方がいいんじゃないかな」

杏子「お出ましか」

QB「まだ孵化したばかりみたいだ。今なら犠牲が出るまでに間に合う。急ごう!」





63:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:02:21.35 ID:s242xTP60

——夜——

杏子「やっと見つけた」

さやか「……」

杏子「まどかがもうすぐ来るっていうから待ってたんだぞ。一体ドコ行ってたんだ?」

さやか「あんたが知らなくていいことよ」

杏子「まぁ、そうだけどさ…… さっきの魔女はあたしたちだけで倒しちゃったしな」

さやか「!」

杏子(この家から聞こえて来るの、バイオリンの音色か? しかも表札に上条って…… そうだ。あの病室にも同じ名札がついてた)

杏子「そうじゃないかって気がしてたけど、まんま正解だったみたいだな」

杏子「バイオリンの男の腕が治ったのは、魔法の力かい」

さやか「そうだよ。あたしがやった」

杏子「なら大事にしてやりなよ。家の前まで来て、何をそんな辛気くさい顔してんだ?」

さやか「そうもいかないんだよ…… あたしたち、魔法少女なんだから」

杏子「カタギの人とはお付き合いできませんってか? じゃあわざわざ家にまで来なけりゃいいのに」

さやか「今日、同じクラスの友達に呼び出されたんだ……」





64:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:04:19.74 ID:s242xTP60

QB「杏子がさやかを見つけたみたいだよ」

マミ「場所はわかる? 行ってみましょう!」

まどか「さやかちゃん、魔女が現れたのに来なかったもんね」

QB「テレパシーにも反応がない。文字通りふさぎ込んでるようだったね」

ピッコロ「何事もなければいいのですが」



——歩道橋——

杏子「ここなら練習の邪魔にもならないだろ」

さやか「そうね。今度こそケリをつける!」

ほむら「待ちなさい。二人とも」バッ

杏子「お前、いつの間に……」

ほむら「美樹さやか。話が違うわ。佐倉杏子とも協力しあわないと、ワルプルギスの夜には勝てないのよ」

さやか「だって、コイツが…」

ほむら(また始まった!)





65:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:06:26.36 ID:s242xTP60

杏子「どうした? 内輪もめか?」

ほむら「そうよ。悪いけど、あなたの前に私が彼女を黙らせないといけないようね」

杏子「んじゃ待っててやる。あたしの出番来なそうだけどな……」

さやか「二人とも、バカにして!!」

まどか「さやかちゃん、やめて!」

マミ「暁美さんも! 私たち止めに来たはずでしょ!」

ピッコロ「魔法少女同士、先日も病院で戦ったというのに、まだ足りないのですか?」

さやか「いいところに来たね。教えてよ、ピッコロさん。あなたも杏子と同じなのかどうか」

さやか「あたしは魔法少女になる契約までして、恭介を… ピッコロさんもこの間会った男の子の手を治したんだ」

さやか「それをコイツは、魔法で半殺しにして、あたしに面倒見てもらうようにでもしたらいいって!」

まどか「なんてことを……!」

マミ「佐倉さん、いくらなんでも言い過ぎよ!」





67:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:09:08.29 ID:s242xTP60

ピッコロ「本当なのですか?」

杏子「確かに言ったさ。先輩として、この新入りに魔法ってものを教えてやらなきゃいけないからな」

さやか「どうなんだい。まだコイツの味方をするっていうなら、ピッコロさん。次はあなたの番になるよ」

ピッコロ「わたしには… 杏子が自身も魔法少女でありながら、どこか魔法の力を軽蔑している節があるように見えます」

ピッコロ「しかしその力は、本来人々を魔女から守れる、尊いものではありませんか」

杏子(こいつ、むこうにつく気か?)

ピッコロ「だからこそ、その力を同じ魔法少女へ向けることなど、あってはならないことです。今はどちらの味方もできません」

まどか(おじさんの言う通りだよ。さやかちゃんだって、こんな戦いをしたくて魔法少女になったんじゃないのに……)

さやか「そうかい。だったらそこで見ていなよ」

ピッコロ「その前に一つ、どうかご理解いただきたい」

ピッコロ「本来であれば人の手に負えない力を持つ我々が、迂闊に人の命運を左右する事は危険なのです」

ピッコロ「杏子もそう伝えたかったのではないでしょうか」

杏子(やっぱり、このオッサンはあの人と同じことを言う……)





68:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:12:15.04 ID:s242xTP60

さやか「あいつにそんな深い考えがあるかい?」

マミ「あるわよ。佐倉さんだって、本当は知っているもの!」

杏子「マミ! 口をはさむな!」

さやか「変身したな… だったらこっちも!」

  パシッ
まどか「さやかちゃん、ごめん!」ブンッ!

ほむら(しまった……!)

さやか「まどか! 何すんのよ!」

まどか「もう上条くんの腕は治ったんだよ。こんなもので戦ってたら、さやかちゃんだってもたないよ!」

さやか「でももうあたしは魔法少女なんだ。魔女と戦わないと…… あれっ」クラッ

  パタン

まどか「…?」

杏子「オイ、どうしたってんだよ…」タタタタッ

杏子「コイツ死んでるじゃねーか!」

まどか「そんな… さやかちゃん!」





69:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:15:03.00 ID:s242xTP60

QB「無駄だよ。そっちは抜け殻なんだから」

マミ「抜け殻ってどういうこと!? 暁美さん、あなたなら何か知って……」

まどか「ほむらちゃんがいない!?」

杏子「…ソウルジェムと何か関係あんのか」

QB「さすが杏子は鋭いなぁ。ソウルジェムには君たちの魂が詰まってる。肉体はそこから遠隔操作しているだけなんだ」

QB「つまりまどかがさっき投げ飛ばしたのは、さやかそのものってことだね」

マミ「そんな… それじゃあ私たちは、操り人形みたいなものじゃない!」

ピッコロ(魔法少女が人形だったと……?)

杏子「やっぱそうか」

マミ「佐倉さん、あなたは知ってたの?」

杏子「ソウルジェムには、『魔力の源』以外の役割もある」

杏子「なんとなく想像はしてた… あたしたちの気分とか、健康状態なんかと関係があるって」

ほむら「気づいて、しまった… ようね……」ハァ ハァ

まどか「ほむらちゃん? 息上がって、どうしたの?」

ほむら「これを… 美樹さやかに……」





70:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:17:48.50 ID:s242xTP60

——ほむホーム——

ほむら「話を整理しましょう」

ほむら「今回初参加の佐倉杏子とピッコロさんには、まず私の素性から話しましょうか」

杏子「ゆっくりわかりやすく頼む。頭痛くなってきた」



杏子「なるほどな。あたしはソウルジェムを砕かれて死んだことあるのか」

マミ「あ、あの… ごめんなさい。どう言ったらいいかわからないけど、その時のこと、覚えてなくて」

杏子「謝んなって! あたしだって覚えてないんだから」

さやか「あんた魔法少女にケンカ売るからバチが当たったんだよ」

杏子「そうか… うん、そうかも…… いや、んなことより問題なのは、あたしらが魔女になるかもってトコだろ」

マミ「しかも暁美さんが今までそのことを伏せてたのは、やっぱり私のせいだったのね……」

ほむら「今さら言っても仕方ないけど、あの時は運がなかったのよ。私たちもうまく協力しあえなかった」

さやか「今の話だと、あたしが一番魔女になりやすいんだよね」

さやか「それってもしかして、その、恭介のことかな」





71:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:20:21.20 ID:s242xTP60

まどか(上条くんの……?)

ほむら「そうみたい…… なんだけど」

さやか「だけど?」

ほむら「私にもよくわからないのよ。ほら、あの…… 男の子のこととか、あんまりわからないから」

まどさや「ああ……」

マミ「それは仕方ないわね」

ほむら(話が早いのはいいけど… モヤモヤくるわね)

さやか「今日も仁美に呼び出されちゃってさぁ」

杏子「関係ない話だったらあとでしろよ」

さやか「あるんだよ。その子もあたしと同じ人が好きで、一日だけ待つから心残りがないようにって、背中押してくれたんだ」

さやか「そのつもりで恭介の家の前まで行ったけど、いざとなると迷っちゃったんだ。魔法少女なのに…… ってさ」

杏子「そこであたしと会ったわけだな」

さやか「でも皆、安心して。今は落ち着いたから。っていうか、ビックリしすぎて今まで仁美のこと忘れてたわ!」





72:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:22:38.88 ID:s242xTP60

マミ「志筑さんのことも深刻な問題ね」

まどか「どうするの? もう一日待っててもらう?」

さやか「やめとくよ。待たせるのも悪いし、今のほむらの話を聞いちゃうとね……」

さやか「万が一うまくいっても、あたしはいつ死んじゃうかわからないし、操り人形だし」

さやか「それを隠してずっと付き合い続けるなんて、気が引けるでしょ」

杏子「ここにいる魔法少女は、恋だの何だの諦めてるヤツばっかだからな。あたしらには縁のない話だったんだよ」

マミ&ほむ「私は諦めてないわよ!」

さやか(……魔法少女は恋もできない、とか言ってませんでしたっけか)

杏子「ほほぅ、こりゃ面白そうなこと聞いちまったな」

マミほむ(まずい……)

まどか「ほむらちゃんの諦めてない話、聞きたいなぁ」

杏子「マミも素直になっていいんだぞ~」

マミ「い、いいでしょそんなこと! 今は私たちにとって重要な話をしてたんだからね!」





74:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:25:30.26 ID:s242xTP60

ほむら「でもいいことね」クスッ

ほむら「いつもこの話をする時は気が重かったのよ。たいていパニックになるわ、かといって黙ってたら何人か魔女になったりするわで……」

マミ(耳が痛いわ)

杏子「そりゃまぁ、ショッキングな話だし、特にマミはQBと仲良かったからなぁ」

マミ「今回ばかりは、気持ちの整理に少し時間がかかりそうね…」

さやか「杏子はどうなのさ? さっきからあんまり落ち込んでそうに見えないけど」

杏子「堪えたのは最初だけかな」

杏子「魔法少女ってのは生きてればずっと戦うもんだと思ってたからな。自分が人形だろうがゾンビだろうが」

杏子「それによく考えてみたら、さやかにとってのアイツみたいに、遠慮する相手もあたしにはいないんだ」

杏子「こうなったら気楽なもんさ」

マミ(近くに人がいないのもそれはそれで寂しいことだわ……)

マミ(丸くなったと思ってたけど、やせ我慢は変わってないのね)




マミ(あ、今ディスプレイの前で「ある意味丸いのはあんただろ」って思った子はあとでちょっと来なさい! 大事な話があるわ!)





75:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:26:29.04 ID:s242xTP60

まどか「でも、魔法少女が魔女になるなんて、そんなの酷いよ!」

ピッコロ「人々を魔女の呪いから守り続けたというのに、やがては魔女となって呪いをまき、同じ魔法少女に狩られる」

ピッコロ「なんという悲惨な結末だ……」

さやか「だからほむらは、あたしたちを契約させたくなかったんだね」

マミ「知らなかったとはいえ、ごめんなさい。最初からあなたを疑ってばかりいたわ」

ほむら「もういいのよ。こうしてちゃんとわかってもらえたんだから」





76:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:28:03.34 ID:s242xTP60

——翌日の昼休み——

上条「さやか、ちょっといいかな」

さやか「どうしたの?」

上条「話があるんだ。昨日するつもりだったんだけど、早く帰っちゃっただろ? だから今日は昼休みのうちに」

さやか(どうしよ… まだ仁美に昨日のこと話してないんだよね)

さやか「行ってきてもいいかな?」

仁美「ええ、どうぞ」

ほむら「? 別にわざわざ断る事ないでしょう」

さやか(あんたに訊いたんじゃないんだよ…)

まどか(ほむらちゃん、本当に気が利かないなぁ)





77:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 01:29:55.05 ID:s242xTP60

さやか「よし、それじゃ場所変えた方がいいよね」

男子生徒A「なんだよ上条! 今度は密会か!?」

男子生徒B「めでたいことが続くねぇ~!」

上条「あんまりからかうなよ!」

上条「ごめんね、さやかを借りてくよ」

まどか「うん、行ってらっしゃい」

ほむら「静かになっていいわ」

さやか「あんた容赦ないな! 知ってたけど!」

まどか 小声「ほむらちゃん、何の話か大体わかるんでしょ? 教えてよ」

ほむら「知らないわよ。それに、こういうことは本人から聞いた方がおもしろいじゃない」





102:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 07:36:03.31 ID:s242xTP60

まどか「さやかちゃん、まだかな」

仁美「もう朝になっちゃいましたね」

 ガラッツ
さやか「おはよう、みんな!」

まどか「さやかちゃん、遅いよぉ~!」

さやか「ゴメン! 連投規制ってヤツ? で書き込めなくなっちゃってさぁ」

まどか「朝まで保守してくれた人たち、ありがとう!」

マミ テレパシー『それじゃあ再開するわ。楽しんで行ってね!』

ほむら「まずは授業終わったら、上条くんとどうなったのか聞いてみましょう」





104:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 07:43:06.75 ID:s242xTP60

——放課後——

マミ「お昼休みにそんなことがあったのね」

まどか「そうなんですよ。だから午後の授業の間、ずっと気になってて」

ほむら「結果は……?」

さやか「う~ん…… それがさぁ」

さやか「あたしが恭介のこと好きだっての、感づいてたみたい。でもやっぱりそんな風には見られないてさ」

まどか「そんな… さやかちゃん、あんなにしっかりお見舞いに」ハッ!

まどか(もしかして)

マミ「それは残念だったわね」

さやか「きょうだいも同然なんだって、言われてみればそうかもしれません。まぁもともと脈なかっ……」

さやか「ん? まどかどうしたの?」





107:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 07:50:40.47 ID:s242xTP60

さやか(後ずさりして)

マミ(けっこう本気で怖がってるみたいね)

さやか「ククククク…」

まどか「!」ビクッ

さやか「バレちゃ仕方ねぇ! さやかちゃんは悪い魔女になっちゃったのだ!」ガバッ

まどか「ひゃんっ!」

さやか「フフフフ、まどかを食べちゃうぞ~」

まどか「マミさん助けてぇ!」

マミ「魔女め、こっちへ来なさい! この巴マミが相手になるわよ!」ビシッ!

ほむら「それはないと思うわ」

さやか「うん… ないわ、マミさん…… いろいろと」

マミ「いきなり素に戻らないでよ!///」





108:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 07:54:18.04 ID:s242xTP60

まどか「えっ…… ウソなの?」

ほむら「私は魔女になったさやかも見た事あるのよ。間違いないわ」

まどか「もぅ~ マミさんまで一緒になってからかってたんだね!」

さやか「ごめんごめん! でも大丈夫だよ! ほむらの話だとこれがきっかけで魔女化することが多かったみたいだけど」

さやか「そんなアッサリいくなんて期待してなかったっていうか。まぁ、予想通りってとこだね」

さやか「だからかな。今の所何ともないし、この後だって、仁美の番なんだよ」

まどか「そっか、昨日待っててもらったもんね」

さやか「恭介にあんないい彼女が出来たら、おめでたいことだもんね」

ほむら「うまくいくかしら……」

さやか「いくよ! だって仁美だよ!」

マミ「美人だし、育ちもいいし」

まどか「お菓子作りもうまいよ!」

さやか「こりゃ断ったりしたら天罰がくだるね!」

ほむら(そっちは心配してないのに…… まったく)ハァ





109:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:00:05.20 ID:s242xTP60

——数日後 夜——

さやか「食らいな、トドメだ!!」ドゴォッ!

マミ「やったようね」

ほむら「あの硬かった魔女が一撃で……」

杏子(あれじゃ中のグリーフシードもブッ壊れてるんじゃないか?)

 コソコソカサササ

まどか「まだ使い魔が残ってた!?」

さやか「逃がすか! 全員ツブす!」

 ガキィィィイン!!

さやか「杏子? また邪魔する!」





110:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:05:01.27 ID:s242xTP60

杏子「お前はもう休んでなよ。使い魔に本気で相手することないって。オッサン、後は任せた!」

ピッコロ「はい!」シュバッ!

 ピキャァァァァ!!!!

マミ「相変わらずやりますね。あれだけの使い魔をまとめて倒すなんて」

ピッコロ「杏子と二人で戦っていると、大抵使い魔の後始末はわたしの役目なんです。慣れますよ」

さやか「あんた、まだそんなことしてたの?」

杏子「相手が小物だとやる気出ないんだよなぁ」

さやか「しっかりしなよ。使い魔だってみんな殺しておかなきゃダメだよ」

杏子「お、おう… そうするよ……」





113:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:11:04.97 ID:s242xTP60




QB「ワルプルギスの夜について、何かわかったかい?」

ほむら「あいかわらず収穫なしよ。そっちは?」

QB「捜索範囲を広げてみたけど、それらしい報告は一件もないね」

QB「ところで、最近他のみんな、特にマミが冷たい… と言ったらいいのかな。様子がおかしいんだ」

ほむら「ソウルジェムが魔女を生む事を、話したのよ。みんなショックを受けていたわ」

QB「それを知った地求人は、いつも同じ反応をするな」

ほむら「まどかはもう契約しないでしょう。諦めなさい」

QB「困ったことになったな」

ほむら「それなら考えてみてほしいのだけど」





114:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:16:49.38 ID:s242xTP60

ほむら「魔女になったまどかは、10日で地球上の文明を滅ぼす。これは予測できるでしょう」

QB「うん。膨大なエネルギーを回収できるだろうね」

ほむら「あなたという個体がノルマを達成できても、これだけ豊富な漁場を失うことになるのよ」

ほむら「嫌ならまどかとは契約しない方がいいわ」

QB「わかったよ。でも君たちのそばにいるのは構わないかな。使い終わったグリーフシードを回収するのも、ぼくの役目なんだ」

ほむら「いいわよ。でも、しばらくの間、マミとさやかに距離をおかれるのは我慢しなさい」

QB「寝床に困るなぁ」

ほむら「だったら私のところへ来たらいいわ」

QB「…寝込みを襲われると、この体がもったいないんだけどな」

ほむら「平気よ。まどかと契約しないとなった以上、あなたは私の敵じゃないから。ワルプルギスの夜を探してもらってる借りを精算するわ」





115:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:23:00.53 ID:s242xTP60

QB「ありがとう。もう一つ、気になる事があるんだけど、いいかな」

ほむら「言ってごらんなさい」

QB「さやかの消耗が予想以上に激しいようなんだ。学校で何か、変わった事でもあったのかい?」

ほむら「確かに、だんだん戦い方が荒っぽくなっていってるわね。でも学校であったことといえば」

ほむら「……上条恭介と、まぁ…… いろいろあったようね」

QB「君にはちゃんと感情があるのに、よくわかってないようだね」

ほむら「ほっといてよ」





116:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:28:03.09 ID:s242xTP60

——翌朝 教室——

 ガラッ
まどか「おはよう、ほむらちゃん!」

さやか「今日は遅かったね」

ほむら「おはよう。昨夜夜更かししちゃって」チラッ

ほむら(いた……)

 カツカツカツ

ほむら「おはよう」

まどさや「!?」ナンデ

上条「あ、ああ… おはよう」





117:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:28:49.91 ID:s242xTP60

上条(何でぼくの所に…?)ドクンドクン

ほむら「……///」

ほむら(声をかけてみたけど…… どうすれば……)

男子生徒A ヒソヒソ「暁美ちゃんどうしたのよ?」

男子生徒B ヒソヒソ「知るか。だがいざとなったら上条に制裁をだな」

上条「…あの……」

ほむら「な、なんでもないわ! 気にしないで!」クルリ

上条(気にするよ!)

まどさや(するでしょ……)





118:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:34:40.86 ID:s242xTP60

——昼休み——

さやか「で、今朝の件ですが」

ほむら「はい……」シュン

さやか「急に恭介に話しかけたりして、何かあったの? 授業中にもほむらファンの男子からあたしに手紙で質問来たよ」

ほむら「実は昨夜、QBと話してたのよ。さやかの消耗が激しいって」

さやか「あたしの?」

マミ「確かに戦ってると、時々人が変わったようになることもあるわね」

まどか「杏子ちゃんも心配してたよ」

さやか「そ… そうかな? 気をつけるよ」

ほむら「でも特に変わった事もないようだし、もしや上条くと何かあったのかと思ったのだけど」

ほむら「探りを入れようにも、どうしたらいいかわからなくて…」

さやか「あれじゃストレートすぎだよ……」





120:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:40:11.67 ID:s242xTP60

まどか「ダメだよ! ほむらちゃん、今までずっと一人で戦ってたからかもしれないけどさ」

まどか「できないことまで一人でやろうとしないで、もっとわたしたちに相談してもいいんだよ」

ほむら「返す言葉もないわ… 実際に声をかけてみるまでは難しいことだと思わなかったのよ。でもいざとなると緊張しちゃって……」

さやか「また杏子に『お前の戦い方は無駄が多すぎる』とか指摘されるのも癪だし、気をつけないとなぁ」

ほむら(素直に話も聞くようね。この様子だと特に問題なさそうだけど……)





121:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 08:45:26.33 ID:s242xTP60

——病院——

女の子「さやかちゃん!」

さやか「へ、あたし?」

女の子「おねえちゃんは!? いないの?」

さやか(ああ、この間会った子か)

杏子「ねーちゃんもいるよ~」ヒョイ

女の子「あそぼうよ!」

杏子「おう、今日はいいもの持ってきたぞ」



さやか「あの子たち、喜んでたね」

杏子「入院生活が退屈なんだよ」

さやか「あんたさぁ。小さい子扱うのにずいぶん慣れてるじゃない」





122:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:01:46.70 ID:s242xTP60

杏子「あたしの家は教会だったんだ。来てくれる人は少なかったけど、その分一人一人といろいろ話し込んだりしてな」

杏子「日曜学校とかクリスマス会とか、人が集まる時は、あたしが小さい子のまとめ役だったんだな」

さやか「へぇ……」

杏子「興味なさそうじゃない」

さやか「ないこともないけど、ピッコロさんはともかく、あんたが教会にいるとこなんて、ちょっと想像できないよ」

杏子「だろうね」

杏子「……」

杏子「あたしももう、そんないい所にいたなんて、自分でも信じられない」








123:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:07:40.04 ID:s242xTP60

さやか「じゃああんた、風見野に住んでるってのは、最近までずっと野宿してたわけ?」

杏子「『野』とはなんだよ。家ならあるぞ。多少焼けちゃっただけだ。あとはアパートやビジネスホテルの空き部屋とかな」

さやか「無断で侵入してたんでしょ」

杏子「世の中はあたしらみたいな例外の子が生きてくようにはできてねぇのさ」

杏子「それに払うもんなら払ったぞ。そこに住んでる魔女を狩ったりしてな」

さやか「それって自分のためじゃない!」

杏子「お、よくわかったな。だけどさ、自分以外の誰かのためにってのは、そこまで素晴らしいものかい?」

杏子「…いや違うな。確かにいいことだ。いいことすぎて、ついやりたくなっちゃうんだな」

杏子「だからいつの間にか、自分がやっていることも『誰かのために』なんだって、思いたくなってくるんだよね」

さやか「何が言いたいのよ?」

杏子「魔法は魔物の法… 本来、外道の論理なのさ」





124:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:14:25.33 ID:s242xTP60

杏子「そんなものを持ち出して『あの人のために、何かしてあげたい』なんてキラキラしてたバカの見本を、見といてほしかった」

杏子「さやかもさ、少しはあたしを見習って、あれこれ自分勝手にやったらいいんだ」

さやか「なるほどね… あんたのこと、少し誤解してた。もっとロクでもないヤツだって。そこは謝るよ」

さやか「だけど、あたしをここに連れて来たのってさ」

杏子「足りてないでしょ。グリーフシード」

さやか「それなんだよね。ゴメン、ありがたいけど受け取れないよ。これは自分で解決したい問題なんだ」

杏子「強情なヤツだなぁ… わかってたけどさ。だったらその意気でいってみようか!」

さやか(魔女の反応!?)

・ 戦闘中






125:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:20:12.93 ID:s242xTP60

杏子「コレ持ってきなよ。お前がトドメをさしたんだ、文句ないだろ?」

さやか「あんた、最後わざと手加減しなかった?」

杏子「強情な上に疑り深いヤツめ… スキあり!」ヒョイッ

 シュルルルル……

さやか「あ… 余計なことして!」

杏子「さやかが危なっかしいからいけないんだ。まだ一回くらい使えそうだから、残りはあたしがもらっとくよ」

さやか「好きに使いな」プイ  (……あ、あそこにいるのって)

さやか「ほら帰るよ。もう用は済んだでしょ」

杏子「せかすなよ。まだ遊んでない子がいるんだぞ。それとも外に何かあるのか?

杏子「ん? あの中庭にいるの、上条じゃないの?」

さやか「そうだよ! だからとっとと帰るの!」

杏子「吹っ切れたならもういいじゃん。せっかくだから聞いてこうよ」

さやか(ほむらといいコイツといい、なんでこう……!)

さやか「いいわよ。そこまで言うなら行ってやろうじゃないの」





126:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:24:14.79 ID:s242xTP60

——中庭——

上条「さやかと、あの時の… 良かった。仲直りしたんだね」

杏子「まぁな。今日は検診かい?」

上条「うん。それと入院中に顔見知りだった人たちのお見舞い。ちょっと会ってくだけのつもりがこれだよ」

さやか「仁美に構ってやらなくていいの?」

上条「そういう言い方やめてよ。僕のケガって、もう諦めろとまで言われたのに、突然治っただろ?」

杏子(さやかと引き換えに、な……)

上条「だから長いこと入院してたけど、これ見て希望を持てたって人もいるんだ。それともう一つ」





127:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:28:53.96 ID:s242xTP60

——マミさんの部屋——

マミ「付き合ってるワケじゃない?」

ほむら「まどか… あなたそれをどこで?」

まどか「どこも何も、普通に聞いたよ」

——回想——

まどか「お~い、上条くん」

上条「なんだい?」

まどか「仁美ちゃんとどうなの? うまくやってる?」

上条「やっぱりそう思われてるのか……」

男子生徒A「な? 訂正されなきゃ、誰だってそう思うだろ?」

上条「かといってわざわざ言いふらすことでもないでしょ。志筑さんとは、そういうのじゃないよ」

まどか「へぇ… ほむらちゃんが気にしてたよ」

男子生徒AB「!!!」

男子生徒B 小声(…全力で行くか?)

男子生徒A(行け!)





128:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:33:25.34 ID:s242xTP60

——回想終了——

ほむら「勝手に変な尾ひれ付けないでもらえるかしら」

まどか「ちゃんとその後、ほむらちゃんはさやかちゃんが心配なのってフォローしといたよ」ドヤッ

ほむら「それもまた… 間違ってはいないけど……」

マミ「ともかく、もったいないことしちゃったのね。断っちゃうなんて」

まどか「上条くんって、女の子に興味ないのかもよ」

ほむら「えと… そ、そういうのもアリなの?」ドキドキ

マミ(暁美さんの中で、未知の言葉が生まれてきているわ……)





129:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:37:00.48 ID:s242xTP60

さやか「あたし、これからどうすればいいんだろ」

杏子「上条のことかい?」

さやか「仁美なら、恭介にはもったいないくらいって思ったんだけどなぁ……」

杏子「そうかい」

さやか「興味なさそうだね」

杏子「実際ないんだよ。それってもう、さやかが関係する話じゃないでしょ。放っときなよ」

杏子「仁美って子のことは知らないけどさ、上条の演奏はあたしも聞いてる」

杏子「あんなうまいんじゃ、久々に弾けるようになって、夢中になる気持ちはわかるよ」

さやか「だね。きっとそのうちどうにか… お、噂をすれば」

仁美「……」

さやか「仁美? どしたの、ボーっとして?」

仁美「? あら、さやかさん。すみません。考えごとをしていたら、気がつかなかったようですね」





130:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:43:22.17 ID:s242xTP60

さやか「ちょっといいかな。あたし、仁美に謝りたいことがあるんだ」

仁美「そんなにかしこまらなくてもいいですよ。何かありました?」

さやか「さっき恭介に会ったんだ。話を聞かせてもらったよ」

杏子(…いづらい空気になるなぁ)

 ——『さやかにあんなこと言った日に、「コッチならまぁいいや」なんて気にはなれないよ』

さやか「あいつ、あの日もお昼にあたしとちょっと… やりあっちゃててさ。いろいろとすり減ってたのね」

さやか「だから…… ごめん。あたし、仁美の足引っ張ってたんだ」

仁美「それだけ?」

さやか(……)ゾクッ

仁美「よくわかってますわね。上条さんが入院してる間、毎日のように顔を出して」

仁美「うっとうしくなることもあったでしょうに、今は何を考えてましたの?」

さやか「何って… 仁美と恭介ならきっとうまくいくと思ったのに… それの邪魔して……」





131:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:46:43.40 ID:s242xTP60

仁美「他には?」

杏子「さやか! そいつから離れろ!」

さやか「他に… あるわけない…… ないよ……」カタカタ

仁美「私の目はごまかせませんわ。さやかさんの中にある、わずかな感情」

杏子「魔女の口づけだ! 憑かれてる!」

仁美「『あんなに面倒みてあげたのに』ですって… まったく、よく言うわね」

杏子(使い魔が集まって来る!? こうなりゃ結界で!)ガシガシガシッ!

杏子「足止めくらいにはなるか。さやか! まずは逃げるぞ!」グイッ

さやか「仁美ならいいのに… 仁美ならいいのに… 仁美になら」





133:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:52:55.99 ID:s242xTP60

——マミさんの部屋——

まどか「さやかちゃん! しっかりしてよ……」

杏子「寝室でしばらく休ませとこう。いいよな?」

マミ「ええ。寝かせるなら着替えも用意してくるわ」

杏子「まどか、悪いけどさやかの面倒見ててやってくれ」

ほむら「その間に、私たちはさやかを追いつめた魔女の対策を考えておきましょう」

まどか「うん。行こう、さやかちゃん」

杏子「あとコレを持ってな。予備のグリーフシードだ」

まどか「さやかちゃんのソウルジェムが濁りだしたら、これをあてがえばいいんだよね」





135:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 09:58:00.89 ID:s242xTP60

ほむら「相手の弱みにつけこむ魔女……」

杏子「接触した時間はほんの少しだけど、さやかの様子を見ると、一番痛い所を正確に突いてくるみたいだ」

マミ「暁美さん、あの魔女に遭遇したことは?」

ほむら「ないわね。初めて見るタイプだわ」

杏子「作戦なんかどうだっていい。あのオッサンに本体を探してもらってる。見つかったらすぐ行こう!」



ピッコロ(近くに魔女の気を感じる…… どこに潜んでいるのだ?)

『わたしをお探しかね』

ピッコロ「誰だ! …わたしと同じ姿…!?」

『ああ、わたしたちは一心同体だからな』

ピッコロ「黙れ、魔女め! 魔法で姿形を変えようと、その邪悪な気は隠せない!」

『隠すつもりもない。言っただろう? 一心同体と』

ピッコロ「本当にわたしだと言うのなら、魔女を捜すのに協力してもらおうか」





136:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:01:25.62 ID:s242xTP60

『…まぁいい。お前とはいずれまた会うだろうからな。わたしは使い魔に戻るとしよう。本体に会いたければ、ついて来るがいい』

ピッコロ(今度は使い魔らしいものに変身したか。では今までのは、本当に……?)

ピッコロ(その前に、まずは連絡を。杏子!)


——結界——

杏子「無事だったのか」

ピッコロ「奇妙な使い魔に遭いました。気をつけてください」

マミ(特に私は、暁美さんに聞いた過去の話みたいにならないように……)

杏子「わかってる。今日は一匹も逃さない!」

『お姉ちゃん、どうしてそんな怖い顔してるの?』

杏子「この声…」ゾクッ

『覚えててくれたんだね』





137:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:04:03.61 ID:s242xTP60

杏子「忘れるもんかよ。今どこにいるんだ?」

マミ「佐倉さん、誰と話してるの? それは使い魔よ!」

杏子「モモの声がする… 生きてたんだ!」

マミ「そんなわけない! あなただって、その場にいたでしょう」

杏子「そうだ… モモはあの時殺されたんだよな… もう遺体も残ってない」

モモ『死んだ人だって生き返るよ。私は魔法少女、条理を覆す魔法少女になったんだから……』

モモ『お父さんに殺される前、QBと契約してたの』

杏子「なんだ、お前もだったのか」フラリ

マミ「佐倉さん、待って! 待ちなさい!」

ピッコロ(わたしと一心同体と言った使い魔よ、今のやり取りは聞こえていたか?)

『杏子の様子がおかしかったな』

ピッコロ(杏子を惑わしているのは誰だ? どうすれば解ける?)

『お前の知らないものを、わたしが知っているはずがないだろう』





138:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:10:22.03 ID:s242xTP60

『しかし手がかりはある。我々は単に相手が持っている悪の気を映し出しているだけなのだ』

『ヘビは自分の毒で死なないが、地球人は、自分の『悪』に滅法弱い』

ほむら(杏子… いつもは精神的に安定している彼女が、こうまで簡単に破られる…)

『何もかも開き直ったように振る舞っている彼女でさえ、心の中のどこかしらに自分の、『悪』を認めたくない一面があるものだ』

ピッコロ(それを突きつけて責める… いや、自分を責めさせるというのか)

『正視したくない汚れを見れば見るほど、地球人は自分が悪くなどない、潔白な人間だと思いたがる』

『それは欲だ』

ピッコロ(欲はすなわち毒… 使いどころによっては簡単に人を死へ追いやる猛毒…)

『お前も今まで旅をしてきて、見たことあるだろう』

ピッコロ(知らないことではない。だが今は!)ガシッ

ピッコロ「杏子! さやかと同じ手にかかってはいけません」

杏子「さやか… さやかもやられた……」





139:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:17:06.76 ID:s242xTP60

モモ『一緒に戦おうよ。こっちへ来れば、もう迷わなくていいんだから』

杏子(あたしが迷ってるのか?)

モモ『あの時みたいに… お父さんがおかしくなった、あの時みたいに……』

 ザンッ!!
            ポト


杏子「ふぅ、モモのマネなんかしやがって。危うく騙されるところだった」

マミ「よかった。正気にかえれたようね」

杏子「ああ、すっかり余計な時間食ったな。急ごう!」

ほむら「ここの魔女は手強い相手だわ。焦らないで」

杏子「そう… でも手加減はなしだ。コイツだけは、グリーフシードの欠片も残さない!」





141:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:23:08.76 ID:s242xTP60

——最深部——

モモ『待ってたよ。お姉ちゃん』

杏子「また出たな。二度も食うか!」

 ズッバァア!!

モモ『無駄だよ。使い魔の代わりはいくらでもいるんだから』

杏子「黙れ! お前を倒さなけりゃ、さやかはどうなる!」

モモ『ラクにしてあげたらいいよ』

モモ『お父さんにしてあげたみたいにね』

杏子「やめろ…… やめろっ!!」  ドシュウ!!

マミ「佐倉さん! 離れて!」

ほむら「白兵戦は避けた方がいい。援護するわ!」





142:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:25:59.80 ID:s242xTP60

杏子「マミ! この間のアレで!」

マミ「覚えててくれたのね!!」

マミ(無限の魔弾たちよ… 本体は一番魔力の大きい敵…… 当たれぇ!!)

 ドォッツ!!   キェアアアア!!!

杏子「魔女の鳴き声!? そこか!」

ピッコロ「動きを封じます!」シュバッ!!

マミ(腕が伸びた!?)

佐倉父『また殺すのか』

杏子「それがあたしの役目だったんだ」





145:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:31:39.75 ID:s242xTP60

——回想——

テレビ『飼育員の男は、生後一ヶ月の小熊を殺し、その後獣舎へ身を投げました』

杏子「ひどいな……」

モモ「クマちゃん、死んじゃったの?」

テレビ『他の職員に助け出されましたが、間もなくして搬送先の病院で死亡が確認されました』

杏子「うん… それに、この人もだ」

テレビ『警察では職場での人間関係に悩んだ末の自殺と見て捜査を進めています』

杏子「悩み事があったなら、この人もウチに来てたら、死なずに済んだのかな」

佐倉父「どんな教えにも、そこまでも力はないよ。魔法じゃないんだから」

杏子「魔法、かぁ」

杏子(白いヤツが言ってた。契約すれば、あたしは魔法少女になれるって)

杏子「……もしも魔法が使えたら?」

佐倉父「人の手に負えないものを都合良く利用して、誰かの命運を左右するんて、いけないことだよ」

杏子「それもそっか。難しいもんだなぁ」





146:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:37:53.72 ID:s242xTP60


・ 数週間後

杏子「モモ! …これも魔女の仕業か!」

マミ「まだ近くにいるわ!」

QB「来るよ! もうここにも火の手があがってる。早く逃げよう!」

杏子「魔女、なのか…? だってあれ……」

佐倉「追い払ったと思ったら、また来たのか、悪魔め! しかも今日は仲間もいるようだな」

杏子「……父さん……」

佐倉「むしろ好都合だ! お前たちがわたしに持たせた悪魔の力をもって、今日こそ成敗してくれるわ!」

杏子「あたしだよ、杏子だよ…… そっか、こんな格好してるから、わかんなかったんだね」

マミ「いけない! 変身を解いたら危ないわ」

佐倉「ほぅ……」

佐倉「普段はそうやって人間に化けていたのか」

 ドゴッ   グシュアアッ!!!!
杏子「ぐぉっ!!」





147:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:43:18.48 ID:s242xTP60

——回想終了——

杏子(親父は人間でいながら魔力を持った… あたしがあんあ願い事をしたから、持たされてたんだ!)

杏子「こいつは使いたくなかったけどな、お前にだけは解禁だ!」

マミ「あの技、もしかして……」

杏子(マミ… 別れる間際まで、あたしを止めようとしてくれたマミ! その気持ちをわからずにいた……)

杏子(だけど今は違う! マミに名前をもらったこの技で!)

杏子「食らえ、『ロッソ・ファンタズマ』!! 全開で行くぜッ!」





148:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/08/12(日) 10:45:23.08 ID:s242xTP60

ほむら「結界がとけていくわ」

ピッコロ「杏子は打ち克ったのか…」

杏子「……」カタン

マミ「佐倉さん?」

杏子「ゴメン、力使いすぎた… 起こしてくれ」

マミ「おどかさないでよ」

杏子「あん、ちょっと待った。あんま動かさないで」

マミ「じゃ、しばらくこうしてましょうか」ギュッ

杏子「ああ……」

杏子「マミ」

マミ「なぁに?」

杏子「……マミあったかいな」

マミ「」フフッ

マミ「知ってたくせに」


















元スレ:まどか「おじさん、何を作ってるの?」

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1344691486



  

【 関 連 記 事 】


杏子が使い魔を見逃すってのをDBで例えたら、悟空が栽培マンを見逃すみたいな感じ?
[ 2012/08/22 00:14 ] [ 編集 ]
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