Short Story
ニュース
VIP
アニメ・その他

  女「透明人間になれる薬を作ったよ」

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
透明人間になれる薬なんて夢のようなお話ですよね。しかし、実際に透明になると
眼が光を捉えられずに何も見えなくなるって聞いたことありますが、そこは浪漫です乙。


1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 22:28:51.12 ID:iSpTltXh0

男「ほう」

女「これ、あげるから飲んでみてよ」

男「いらねえよ」

女「どうして?」

男「副作用とかあるんだろ?」

女「ないよ。まあ、1時間で効果が切れるってところが弱点かな」

男「……やっぱいらねえや。どうせ透明になってもやりたいことないし」

女「んー、>>4やればいいんじゃない?」






4:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 22:30:06.06 ID:rNB/oCRe0

その薬をこっそり誰かに飲ませる





5:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 22:34:24.84 ID:iSpTltXh0

女「この薬を誰かにこっそり飲ませるとか、いいんじゃない?」

男「結局俺は飲まなくていいのかよ。……なんか喉乾いたな。茶持ってくる」

女「君のだけでいいよ。私はいらないから」

男「ああそう。じゃあ俺もいらねえや」





6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 22:41:11.18 ID:iSpTltXh0

女「友人君とかはどう? 飲ませる相手」

男「電話してみるか。もしもーし、女が透明になる薬作ったってよ」

男「すぐ来るってさ」

女「こっそり、って言ったのに」

男「おっと悪い。忘れてた」

友「来たぞ! その薬ってのはどこだ!」

女「はやい」

男「さすが煩悩の塊」





7:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 22:48:06.76 ID:iSpTltXh0

男「これが例の薬だ」

友「ほほう水薬なんだな。本当に透明になれるのか?」

女「なれるよ。副作用無しだけど効果は3時間限定ね。飲んでみて」

友「よっしゃ」ゴクゴク

男「お、まじで透明だ」

友「服も透明になってくれるのか!」

男「ご都合主義だな」

女「高性能って言ってよ」

友「これでオレは無敵だー!」ガチャ……バタン

男「どっか行った……のか? そういえばお前、サラッと効果は3時間とか言ってたな」

女「そっちのほうが面白くなるかなと思って」





9:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 22:57:20.70 ID:iSpTltXh0

女「じゃ、はい。どうぞ2本目」

男「一体何本あるんだよ。あいつが飲んだから俺はもういいだろ?」

女「君が飲むってことに意味があるんだよ」

男「だから、飲んで透明になったところでやりたいことが無いって」

女「んー」





15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 23:14:51.86 ID:iSpTltXh0

女「だったら、アレは?」

男「アレ?」

女「ほら……いやらしいこと。痴漢とか、透明だったらばれないよ。君だって健全な男子だし興味あるでしょ」

男「透明でも犯罪だろ」

女「臆病者めー」

男「なんとでも言えよ。犯罪だけは勘弁だ」





17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 23:22:55.32 ID:iSpTltXh0

女「犯罪以外の使い道なんて、思いつかないよ」

男「物騒なもの作りやがって」

女「本当に、要らないの?」

男「要らないな」

女「世紀の発明だっていうのに。君は欲が無さすぎるよ」

男「お前もだろ? その世紀の発明を自分の為だけに使おうとしないし」

女「ほら、自分で作った料理は美味しく感じないってやつだよ」

男「なんか違うだろ、それ」





20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 23:33:45.23 ID:iSpTltXh0

女「じゃあ、一緒に飲んでみようよ」

男「はあ? その後どうするんだよ」

女「んー、散歩? きっと有意義だよ」

男「有意義なのか?」

女「君は、さっきの2本目を飲んでね」

男「質問に答えないし、もう飲ませる気満々だな。お前はどうするんだ?」

女「まだ持ってる。君もはやく飲んでね」ゴクゴク

男「仕方ないな……」





21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 23:39:51.63 ID:iSpTltXh0

男「じゃ、飲むかな」

女「あ、ちょっと待って!」

男「どうした?」

女「両方が透明になったら、お互いの場所が分からなくなるんだよね。当たり前だけど」

男「確かにそうだ」

女「だから、ね」

男「手でも繋いどくか」

女「え? あ、うん」

男「そっちから掴んでくれ。こっちからは見えないから」

女「わ、わかってるよ」





23:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 23:41:10.18 ID:lj2ZHIe80

策士だな





24:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 23:46:07.42 ID:iSpTltXh0

男「見えないものに掴まれるのは、なんか変な気分だな」

女「本当、そうだね」

男「お前は見えてるだろ?」

女「う、うん。そうだった」

男「じゃあ、飲むぞ」





25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 23:50:45.38 ID:iSpTltXh0

女「ちょ、ちょっと待って!」

男「今度は何だ?」

女「やっぱり、君が私の手を握ってて。この状態ならできるでしょ」

男「そりゃできるが……まあ、ずっと掴んどくのも疲れるだろうしな。ほら」

女「……うん、オッケー。じゃあ飲んで」

男「よし」ゴクゴク





26:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/06(日) 23:55:47.51 ID:iSpTltXh0

男「おー、本当に透明だ」

女「透明になったのを2人も見てきたのに、今更な感想」

男「自分でなってみると、やっぱり実感するんだよ。」

女「分からないでもないけど」

男「さて、散歩だったか? 外に出るぞ」

女「うん」





27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:00:15.78 ID:l9Lg776F0

男「部屋着のまま出てきちゃったけど、今日は結構暖かいな」

女「そうだね。流石に夕方になると寒くなりそうだけど」

男「効果が切れるまでの1時間限定の散歩じゃないのか?」

女「まあ、気分かな」

男「なんだそれ」





30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:08:35.48 ID:l9Lg776F0

女「あっ、ほら、あそこ」

男「どうした」

女「向こうから美人のお姉さんが歩いてきてる」

男「ああ、歩いてきてるな」

女「今なら触り放題だよ。あんなに美人なんだから、ムラムラくるでしょ?」

男「美人だとは思うが、あれを見てムラムラとはこないな」

女「え? まさか君って同姓……」

男「ちげーよ!!」

美「きゃっ!? なに、今の? 声?」

女「声、大きいよ……」





31:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:13:58.02 ID:l9Lg776F0

女「別に痩せ我慢しなくても良いんだよ」

男「いや、してないから」

女「あのお姉さんのあんなところやこんなところを両手でサワサワモミモミと……って、あっ」

男「ん?」

女「手……」

男「あ? 手がどうした」

女「なんでもない。やっぱり触るの無しで」

男「だから触らないっつの」





32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:21:55.85 ID:l9Lg776F0

女「何か面白いものないかなー」キョロキョロ

男「前見てないと車に轢かれても知らないからな。ほら、トラックが猛スピードでこっち……に……」

ゴオオオオオオオオオオオオオ

男「あ、危なっ! 運転手も、ちょっとは避けろよ!」

女「あと10センチこっちに車体来てたら私の左手無くなってたよ……危ないなあ」

男「そういえば俺達、透明だったんだよな。運転手に文句は言えねえな……」

女「透明人間になれる薬、第二の弱点が判明したね」





34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:27:17.65 ID:l9Lg776F0

男「ああ、そうだ」

女「なに?」

男「やっぱりこれ気持ち悪いわ」

女「気持ち悪いって……なにが?」

男「手だよ、手」

女「え……?」





35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:33:11.66 ID:l9Lg776F0

女「手が気持ち悪いって、どういう意味?」

男「俺、右利きだからさ。左手で長時間握っとくのはちょっと違和感がな」

女「えっと……?」

男「だから、お前が俺の右側に来てくれ」

女「そ、そういうこと。君は我儘だね。仕方ないなぁ」

男「道路の外側だから、またキョロキョロして電信柱とかにぶつかるなよ」





37:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:41:33.31 ID:l9Lg776F0

女「っと、これでいいのかな。透明だと小さな作業でも大変だね」

男「悪いな」

女「別にいいけど」

男「で、これからどこにいくんだ?」

女「んー、電車……」

男「電車?」

女「駅かな」

男「お前、また変なこと考えてないか?」

女「王道だよね。でも両手を使うのは禁止だよ」

男「絶対に行かないからな」





38:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:48:52.11 ID:l9Lg776F0

女「着いたね」

男「結局、駅かよ」

女「あ、ほら。見て」

男「次は何だ」

女「友人君がいるよ」

男「マジだ」

友『いや、本当に消えてましたよね!? 3時間って言われたからそれ以内にホント……』

駅員『わかったわかった。とりあえず場所移そうか』

男「お前の迂闊な発言が、あいつの人生を狂わせてしまったんだ」

女「彼の場合は遅かれ早かれ、いつかはああなってたと思うんだけど」

男「否定はしない」





40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 00:58:37.35 ID:l9Lg776F0

男「とにかく、電車は駄目だ」

女「えー」

男「あれを見た後に電車乗ろうって気にはならねえよ」

女「じゃあ、どこ行くの」

男「帰るか」

女「それは嫌だなあ……だったら近所の公園にでも行こうよ」





41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:06:18.68 ID:l9Lg776F0

男「こんなところに公園があったのか」

女「私が小学校の頃はよく遊んでたよ」

男「お前も結構アクティブだったんだな。今はこの公園で遊んでる子供もいないみたいだが」

女「外で遊ぶよりゲームする方が楽しいって子が多くなってるみたいだからね」

男「そういうお前は、ここで何をして遊んでたんだ?」

女「研究者ごっこ。日陰になるところでね。家でやると怒られてたから」

男「全然アクティブじゃないな」





42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:17:43.31 ID:l9Lg776F0

女「その成果が、この透明人間になる薬だよ」

男「もう効果切れてるけどな」

女「……知ってる」

男「もう、手は離すか?」

女「……」ゴクゴク

男「おいおい」

女「君は、一体何が欲しいの? 今の私なら何でも作ってあげられるよ」





44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:27:21.93 ID:l9Lg776F0

男「急に何なんだ。もしかして薬の影響か?」

女「違うよ。君みたいな無欲な人間は他に見たことがないから、参考にしたい」

男「無欲だと分かってるなら欲しいものなんて聞く意味ないだろうが」

女「本当に何も無いの?」

男「もう帰るぞ。子供が隠れてるのが視界の端で見えてるんだ」

女「私は透明だから問題ないもの」

男「俺は透明じゃないから問題あるんだよ」





46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:32:03.04 ID:l9Lg776F0

女「だ、だったら、欲しいものを1つ言ってくれたら帰ってもいいよ」

男「鬱陶しいなあ……俺は今のままで充足してるんだ」

女「……」

男「あー、じゃあアレ作ってくれ」

女「え……、何かあるの?」





48:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:42:18.80 ID:l9Lg776F0

女「あるんだったら、ねえ、教えてよ、はやく」

男「まあ作れるとは思ってないが……タイムマシンだ」

女「タイムマシン?」

男「ああ。できれば記憶をそのままに、身体も小さくなるのがいいな。小学生の頃に戻るなら小学生の身体にって感じで」

女「強くてニューゲームでもしたいの?」

男「そんなところだな」





49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:45:54.06 ID:l9Lg776F0

女「身体も小さくするっていうのは絶対必要なの? 作るのが難しそうだけど……」

男(この姿のままじゃ不審者としか思われないだろうしな……)ボソッ

女「……?」

男「作るのが難しいなら作ろうとしなくていい。さっきも言った通り、今のままでも俺は充足してるんだ」

女「ううん、作る。絶対作るよ。それまで君も待っててね」

男「分かってる。……さて、そろそろ寒くなってきたし、帰るぞ」

おわり





50:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:49:18.86 ID:l9Lg776F0

だらだら時間かかった割には短くてごめんよ
灯油が無くなったからリアルに寒くなってきたうえに内容も寒くなってきたので終わります
お疲れ様でした





51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:52:17.08 ID:QPKFqhR20

おい





52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 01:59:49.54 ID:mLl1sksw0

おつかれおい





53:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/01/07(月) 02:12:30.77 ID:eaH3iCX00

おつかれさおい






元スレ:女「透明人間になれる薬を作ったよ」

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357478931





  

【 関 連 記 事 】


コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL


お知らせ


【お知らせ】

  • まとめ依頼募集中!
  • 自薦、他薦は問いません!
  • 教えてくれたらとっても嬉しいなって。
  • また何か不都合な点等ありましたらお知らせいただければ幸いです。





まおゆーお気に入り
   このエントリーをはてなブックマークに追加 ← 良ければ追加をお願いしますm(_ _)m

twitter.jpg    RSS.jpg
スポンサードリンク
カテゴリ
逆アクセスランキング
リンク

SS系リンク


VIP系リンク


ニュース系リンク


アンテナ系リンク


アニメ・ゲーム系リンク

その他リンク

ブログ内記事検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: