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  杉下右京「765プロダクション…ですか」

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
杉下右京が動くとき、あまり良いことは想像できませんね・・・。そしてそれは今回も
全くもって例外ではなく。とあるアイドル事務所で起きた事件、見逃せませんねぇ・・・乙!


1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 01:52:09.19 ID:mzhE6Bm90

~とある河原~

米沢「遺体はこちらです」

伊丹「…おい、まだ子供じゃねえか」

三浦「ひでえことしやがる」

芹沢「あれ?この子」

三浦「知ってんのか、芹沢?」

芹沢「あ~、やっぱり、この子、高槻やよいですよ」

伊丹「あ~?高槻やよい~?」

芹沢「あれ?先輩知らないんですか?巷で人気急上昇中のアイドルですよ」

伊丹「うるせえ!」ボコッ

芹沢「あイタ!」






2:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 01:55:14.44 ID:mzhE6Bm90

米沢「僭越ながら、私も密かにファンでした」

伊丹「聞いてねえよ!」

米沢「あ、す、すみません」

伊丹「で、何でその巷で人気急上昇中のアイドルがこんなところで遺体で発見されてんだあ?」

芹沢「さあ…?事故…じゃ、ないですよね」

三浦「アイドルならストーカーとかの線もありそうだな」

伊丹「よし、その線で捜査するか」

右京「果たして、そうでしょうか?」





3:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:00:00.57 ID:mzhE6Bm90

三浦「警部殿ぉ~」

芹沢「それにカイトも」

カイト「すみません、来ちゃいました」

伊丹「またですか~?っていうか、何でここに?」

米沢「はい、例の如く私が」

伊丹「余計なことしてんじゃねえよ、米沢!」

三浦「それで、警部殿。ストーカー殺人の線が薄い根拠は?」

右京「遺体が綺麗過ぎると思いませんか?」

カイト「綺麗過ぎる?」





5:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:08:28.79 ID:mzhE6Bm90

右京「正確に申し上げますと、第三者の犯行であるとは考え難い、と言ったところでしょうか」

伊丹「つまり…どういうことです?」

右京「もし仮に彼女が日々ストーカーに付け狙われ、怯えていたとするならば、
こんな薄手の格好で出歩くでしょうか?まだまだ肌寒い季節ですからねぇ。
心理的にどうしても肌を隠す格好をするようになると思いませんか?」

カイト「確かに…こんな短いスカートは履き難いでしょうね」

右京「そうしていないということは、ストーカーに対しての恐怖心が無かったか、
或いはストーカー行為自体行われていなかったか。そうなるのではありませんかねぇ」

芹沢「なるほど~」

伊丹「納得してんじゃねえよ!…ご進言、有難く承らせて頂きます」





6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:13:23.06 ID:mzhE6Bm90

右京「それにしても遺体が綺麗過ぎます。気になりますねぇ」

カイト「それ、さっきも言いましたよね?何で気になるんですか?」

右京「米沢さん、死因の特定は出来ているのでしょうか?」

米沢「あ、はい。死因は恐らく絞殺によるものかと。首に絞められた痕がありましたんで」

カイト「こんないたいけな少女を…ひでえことしやがるなあ犯人は」

右京「そう言えば、彼女はアイドルだとか」

米沢「はい、765プロダクションという芸能事務所に所属している、今売り出し中のアイドルです」

右京「765プロダクション…ですか」





8:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:18:43.50 ID:mzhE6Bm90

~765プロダクション~

律子「ううっ、やよい…」

P「何でこんなことに…」

亜美「うわぁ~ん!やよいっち~!」

響「やよい~!!何で死んだんだよ~!!」

伊織「許せない…やよいを、やよいを殺した犯人を絶対に許さない!!」

春香「グスッ、やよい…」

社長「君たち…確かにやよい君が死んだのは悲しい。だが、何時までも悲しんでいては彼女も浮かばれないよ」

あずさ「ですが…やはり、悲しいです」





10:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:21:37.68 ID:mzhE6Bm90

コンコン

律子「グスッ。あ、どちらさまですか?」

右京「765プロダクションはこちらだと伺って来たのですが」

律子「はい、765プロダクションはうちですが」

右京「失礼します。先ごろ遺体として発見された高槻やよいさんの件で来たのですが」

律子「…どちら様ですか?」

右京「これは申し遅れました。警視庁特命係の杉下です」

カイト「同じく、甲斐です」

律子「警察の方…ですか」





13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:29:54.86 ID:mzhE6Bm90

P「また警察の方ですか。先程も事情聴取で来ましたけど」

右京「何分、部署が違うもので…ご面倒をお掛けして申し訳ございません」

律子「それで、今度は何の用件ですか?」

右京「ええ、高槻やよいさんはどういった人物だったのでしょうか?」

P「やよいですか?…そうですね、とても明るくて、とても元気な子でしたよ」

右京「失礼ですが、あなたは?」

P「私は彼女のプロデューサー兼マネージャーの赤羽根です。
まあ、彼女の専属というわけではなく、ここにいる子たちの殆どが僕の担当ですが」

カイト「一人で何人も担当しているですか?」

P「何分、人手不足なもので…」

伊織「ちょっと、あんたたち!」

右京「はい?」





15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:33:43.78 ID:mzhE6Bm90

P「おい、伊織…」

右京「彼女は?」

P「水瀬伊織。彼女もうちのアイドルです」

伊織「あんたたち、警察なんでしょ!?やよいを殺した犯人、絶対に見つけなさいよね!!」

右京「はい、その為に今こうして捜査をしています」

伊織「絶対に…絶対に見つけなさいよ!!グスッ」

響「伊織、こっち来い。お前、興奮し過ぎだぞ」

P「…すみません。彼女、やよいと仲良かったものですから」

右京「いえ、構いませんよ」





16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:38:40.28 ID:mzhE6Bm90

右京「ところで、赤羽根さん。マネージャーということは、彼女たちのスケジュールもあなたが管理を?」

P「ええ。大体は」

カイト「大体?」

P「先程の水瀬伊織と、そこの三浦あずさ、あとあそこにいる双子の双海亜美。
彼女たちは私ではなく、秋月律子が担当していますから」

律子「彼女たちのスケジュールは私が管理しています」

右京「もし、よろしければ拝見してもよろしいでしょうか?」

P「いいですけど…何故?」

右京「詳しいことはお話出来ませんが、これも捜査の一環なので」

P「はあ…」





17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:42:14.19 ID:mzhE6Bm90

右京「…なるほど。有難うございます」

P「まさか、彼女たちを疑っているんじゃ?」

右京「いえいえ、まさかそのような…」

P「言っておきますけど、うちのアイドルは皆仲が良いんです。
そんな殺しだなんて…」

カイト「あくまで捜査の一環なので」

右京「では、そろそろ失礼しますか、カイト君」

カイト「え?あ、はい」

右京「あ、もう一つだけ」





18:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:43:52.40 ID:mzhE6Bm90

右京「高槻やよいさんのご自宅の住所をお教え願えませんでしょうか?」

P「…これです」

右京「…有難うございます。では、カイト君。行きましょうか」

カイト「はい」

右京「どうも、お騒がせいたしました」

バタン





19:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:48:50.62 ID:mzhE6Bm90

カイト「あ!」

右京「おや、どうしましたかカイト君?」

カイト「今、思い出しました。あの伊織っておでこの子」

右京「彼女がどうしましたか?」

カイト「水瀬って何処かで聞いたことあると思ったら、彼女、水瀬グループ会長のお嬢さんですよ」

右京「なるほど、そうでしたか。よく覚えていましたねぇ」

カイト「まあ、こっちも色々あるんで」

右京「お父上のご関係でしょうか?」

カイト「ノーコメントで」

右京「おやおや」





20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:52:52.43 ID:mzhE6Bm90

~やよいの実家~

カイト「うわ…これはまた見事なボロ家ですね」

右京「確かにかなり古い家のようです」

カイト「アイドルの実家とはとても思えないですよ」

長介「…おじさんたち誰?」

カイト「お“兄”さんたちは警察だよ」

右京「失礼ですが、君は高槻やよいさんの?」

長介「…弟です」

右京「少し、お話を聞いても?」

長介「……」コク





22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:56:56.40 ID:mzhE6Bm90

右京「ここ数日、君のお姉さんに変わったこととかありませんでしたか?」

カイト「どんな小さなことでもいいからさ」

長介「…そう、いえば」

右京「何でしょう?」

長介「お姉ちゃん。電話でごめんなさいって、ずっと謝ってた」

カイト「それって何時のこと?」

長介「一昨日の夜」

カイト「…殺される前日ですね」

右京「有難うございました」





23:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:07:57.88 ID:mzhE6Bm90

~鑑識課~

右京「気になることとは何でしょう?」

米沢「ええ、現場近辺にこのようなものが落ちていました」

カイト「これ、一万円札ですか?」

米沢「はい。こちらから高槻やよいさんの指紋が検出されました」

カイト「彼女のお金なんじゃないですか?あ、でも確か…」

米沢「ええ、ファンの間でも彼女の実家がとても貧乏なのは有名です。
彼女が一万円を持っているとは考えにくくてですね」

右京「なるほど。それで、こちらは衣服に付着したものの成分表ですね」

米沢「そちらは取り立ててご報告するようなことは何も…」

右京「そうですか…」





24:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:14:33.17 ID:mzhE6Bm90

~特命係の部屋~

カイト「杉下さん、何やってるんですか?」

右京「ええ、先程聞いた765プロダクションのアイドルたちのスケジュールを確認しています」

角田「おう、暇か?いいねえ、特命係は。俺なんか二日も泊り込みだぜ?カミさんから文句の電話が五月蝿くてなあ…。
で、それ、もしかしてアレか?河原でアイドルの遺体が見つかった事件。
え~っと、名前なんだっけ?」

カイト「高槻やよいです」

角田「そうそう、それそれ!確かその子、CM出てたよなあ。確かジュースのさ」

カイト「もう、油を売りに来ただけなら帰って下さいよ」

角田「そんなつれないこと言うなよ。ここでコーヒーを飲むこの時間だけが唯一の癒し、なんだからさ」

カイト「はいはい、そうですか」





25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:21:19.18 ID:mzhE6Bm90

右京「なるほど…」

カイト「ん?何がなるほどなんですか、杉下さん」

右京「カイト君、こちらを見て下さい。
高槻やよいさんが殺された日とその前日、彼女には予定が入っていません」

カイト「まあ、人気急上昇中のアイドルと言っても、そんなこともあるんじゃないですか?
彼女の事務所もそんなに大きくなかったですし」

角田「何々、何の話?」

右京「一方、こちらの3人のスケジュールは殆ど埋まっています」

カイト「え~っと、あ、彼女たちって確か秋月律子って人が管理してるって言ってた子たちじゃないですか」

角田「無視かよ…」

右京「高槻やよいさんのスケジュールを決めているのは、確か赤羽根さんでしたね」

カイト「…まさか杉下さん。あのプロデューサーが彼女を?」

右京「少し、確かめたいことがあります」





27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:28:41.24 ID:mzhE6Bm90

~喫茶店~

律子「プロデューサーが管理しているスケジュール…ですか?」

右京「はい、彼の担当するアイドルたちのスケジュールは随分と空きがあるようでしたが」

律子「う~ん、あまり言いたくは無いですが、その、彼の営業努力不足だと思いますよ」

カイト「一方で、あなたがプロデュースしている3人はスケジュールがほぼ埋まっている」

律子「ハハハ、運が良かっただけですよ」

右京「ちなみに、このスケジュールは事務所にいる人間は全員把握しているのでしょうか?」

律子「ええ。何せ小さい事務所ですからね。アイドルの子たちだって皆把握していると思いますよ」

右京「そうですか。有難うございます」





28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:31:14.70 ID:mzhE6Bm90

右京「大分、この事件が見えてきました」

カイト「やはり、あのプロデューサーが…」

右京「一つ、確認したいことがあります。今から、765プロダクションへ行きましょう」

カイト「はい?今からですか?」

右京「ええ、今からですよ」





30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:35:16.35 ID:mzhE6Bm90

~765プロダクション~

コンココーン

カイト「…これ、俺たち端から見たらどう思われてるんでしょうね?」

右京「余計なことを言っていないで、手を動かして下さいカイト君」

カイト「でも、何で急にゴミなんか漁るんですか?一応、社長に許可取ってますけど…。
それに、そんなもん見つけて何するんですか?」

右京「見つかれば分かります…ありましたよ」





31:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:37:52.32 ID:mzhE6Bm90

~鑑識課~

米沢「こちらが鑑定結果です。大体、杉下警部の言った通りの結果になりました」

右京「やはり…」

カイト「そういうことだったのか」

右京「ええ、高槻やよいさんを殺した犯人が分かりました。そしてその動機も」

カイト「ええ」

右京「行きましょうか、カイト君」





33:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:42:49.57 ID:mzhE6Bm90

P「あの、刑事さん。あまり事務所に警察の方が入ると、そのイメージが…」

右京「ええ、これが最後ですのでお許し願います」

律子「それで、一体何の用ですか?」

右京「ええ、高槻やよいさんを殺した人物が誰なのか分かりました」

P「本当ですか!?」

右京「はい」





34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:48:53.49 ID:mzhE6Bm90

右京「まず始めに、僕は高槻やよいさんの遺体が綺麗であることに引っ掛かりを覚えました」

P「?何でですか?」

右京「仮に第三者が暴行目的で殺害に及んだ場合、衣服に乱れなどが無いのは不自然です。
また、彼女は首を絞められて殺害されました。
絞殺の場合、自らの歯で唇を切ったり、耳や鼻などから出血をしたりする為、どうしても綺麗な死体にはなり難い。
しかし、高槻やよいさんの遺体は顔も体も綺麗なままでした」

律子「それが…どうしたんです?」

右京「このことから僕はこう考えました。
高槻やよいさんを殺したのは、彼女のよく知る人物である、と」

一同「!!」





35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:52:47.30 ID:mzhE6Bm90

右京「そして、恐らく彼女に対し、強い愛情を持っている」

カイト「だから、彼女の遺体から血を拭き取り、綺麗な状態にしたんです」

右京「そして、死亡推定時刻から考えて、彼女のスケジュールを把握している人間」

春香「それって、まさか…」チラ

千早「犯人は…」チラ

P「…!お、俺じゃない!!俺は殺してなんか…」

右京「高槻やよいさんを殺した人物…それは、あなたですね?」


右京「水瀬伊織さん」





36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 03:56:58.25 ID:mzhE6Bm90

一同「え!?」

伊織「ちょ、ちょっと何で私がやよいを殺さなきゃならないのよ!!」

右京「こちらを見て下さい。これはあなたのスケジュールです。
確かに埋まっていますが、彼女が殺された日のこの時間だけ空き時間が入ってますね」

伊織「だから私が犯人?馬鹿じゃないの!?」

右京「秋月さんから聞きました。この事務所にいる人間であれば、他のアイドルたちのスケジュールの把握は可能だと。
それはあなたも例外ではない筈です」

伊織「確かにそうだけど…でも、私は殺してない!」





37:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:04:19.12 ID:mzhE6Bm90

伊織「そんなに言うなら証拠…証拠はあるの!?」

右京「…現場近辺に一万円札が落ちていました」

伊織「それがどうしたのよ?」

右京「そこからは高槻やよいさんの指紋が検出されました。そして、もう一つ指紋が検出されました」

律子「まさか…」

右京「ええ、あなたの指紋です。水瀬伊織さん」

伊織「!!」





38:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:07:48.93 ID:mzhE6Bm90

カイト「ごめんね、勝手に君の指紋を取って」

伊織「で、でも、それだけじゃ私がやよいを殺したって証拠にはならないじゃない!」

右京「少なくとも、あなたとやよいさんがあの日、あの場所で会っていた証拠にはなります」

伊織「フン、それだけじゃダメよ」

右京「ええ、僕もそれだけであなたを追い詰められるとは思っていません」

伊織「え?」





39:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:13:12.86 ID:mzhE6Bm90

右京「高槻やよいさんの衣服には、ある成分が付着していました」

P「成分?」

右京「オレンジ果汁…つまり、オレンジジュースです」

伊織「それがどうしたって言うのよ…」

右京「先程、高木社長から許可を頂いて、こちらのゴミを探させて頂きました。
そして、こんなものを見つけました」

律子「それは…!」

右京「はい、飲み終わったオレンジジュースのパックです。
こちら、水瀬伊織さんが飲んだものに間違いは無いですね?」

伊織「そうよ!でもそれが何だって…」

右京「こちらのストロー。こちらに付着していると思われる唾液からあなたのDNAが分かりました。
そして、同じDNAが高槻やよいさんの唇から検出されました」

伊織「!!」





40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:17:22.07 ID:mzhE6Bm90

右京「生体反応が無い遺体の唇からあなたのDNA…
つまり、あの夜、高槻やよいさんが殺された後、あなたがその遺体に接触したという何よりの証拠です」

カイト「何でそんなことをしたのか…説明出来るかな?」

伊織「……」

律子「伊織…」

伊織「…そうよ」

伊織「私が、私がやよいを殺したの!!」





41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:20:55.78 ID:mzhE6Bm90

律子「そんな…どうして伊織?」

響「そうだぞ!お前、やよいと凄く仲が良かったじゃないか!」

伊織「フン、あんたたちに何が分かるって言うのよ!!」

カイト「ところで、杉下さん。何で、高槻やよいの唇から彼女のDNAが?」

右京「事実から推測するに、恐らく彼女は高槻やよいに口移しでオレンジジュースを飲ませようとしたのでは無いでしょうか?」

カイト「え?それってどういう…」

右京「ここからは僕の想像ですが…」





42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:25:07.67 ID:mzhE6Bm90

右京「水瀬伊織は高槻やよいに友情以上の感情を抱いていたのでは無いでしょうか?」

カイト「つまり、同性愛?」

右京「そう考えれば、高槻やよいさんの死後、彼女の取った行動に辻褄が合います」

伊織「…そうよ。私はやよいを…愛してた」

律子「ええ!?」





43:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:27:44.18 ID:mzhE6Bm90

右京「彼女は高槻やよいを絞殺し、遺体の顔を拭いた後、彼女が喉が乾いているように見えたのでしょう
だから、持っていたオレンジジュースを口移しで飲ませようとした」

カイト「でも、何で彼女を殺したんですか?」

伊織「あの子が…あの子が悪いのよ」

響「伊織…」

伊織「あの子が全部悪いのよ!!」





44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:32:15.98 ID:mzhE6Bm90

~回想~

やよい「伊織ちゃん、これ…」

伊織「受け取りなさい、やよい。これで今月は大丈夫でしょ?」

やよい「…受け取れないよ、伊織ちゃん」

伊織「ハ?何で?」

やよい「昨日も電話で言ったよね?伊織ちゃんからお金を受け取ったら、もう友達でいられなくなっちゃう…。
だから…」

伊織「でも、今月までに利子を払わなきゃ、あの家差し押さえられちゃうんでしょ!?」

やよい「仕方ないよ…うん。私の頑張りが足りなかったのかなーって、そう思ってる」

伊織「やよい…」





45:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:36:22.29 ID:mzhE6Bm90

チュ

やよい「え?伊織ちゃん?」

伊織「家が差し押さえられたら、やよいはもうアイドルも辞めなきゃならなくなる」

やよい「止めて…伊織ちゃん」

伊織「そんなの嫌、アイドルのやよいは私のもの…私のものなんだから!!」

やよい「止めて!!」ドン

伊織「痛い!」

やよい「どうしたの…?そんな伊織ちゃん、私嫌いだよ?」

伊織「嫌い…!?」

伊織「そ、そんなの嫌…」

伊織「なら、いっそのこと…」





46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:38:15.01 ID:mzhE6Bm90

伊織「うわあああああ!!」

やよい「!?伊織ちゃんッ!?」

ガッ グイグイ

やよい「がっ…ああっ…」

伊織「…………!!」

やよい「…………」

ガクッ

伊織「ハァ、ハァ…やよい、やよい…」

やよい「…………」

伊織「やよい…?フフ、そうね、喉渇いたのね。待ってて、今飲ませてあげる」





48:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:44:21.91 ID:mzhE6Bm90

律子「そんな…」

響「お前、そんなことでやよいを!!」

伊織「やよいが、やよいがいけないの!!
やよいがお金を受け取ってくれさえいれば、こんな、こんなッ!!」

右京「あなたは何も分かっていません」

伊織「あんたに私たちの何が分かるのよ!!」

右京「何故、彼女があなたからお金を受け取らなかったのか分かりますか?
あなたのことを本気で友達だと思っていたからではありませんか。
そんな彼女のことをあなたは自分勝手な理屈で殺したんですよッ!!」

伊織「!!」

右京「あなたはもっと彼女の気持ちを考えるべきでした。
一方的な愛情をぶつけるだけぶつけて、受け入れられなかったから殺す。
こんな愚かなことはありませんよッ!!!!」

伊織「ううっ…やよい、やよいーーーーーー!!!!」





49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:50:01.18 ID:mzhE6Bm90

フォンフォン

三浦「では、警部殿。我々はこれで」

伊丹「ったく、こんなガキが人殺しとは世も末だな」

伊織「……」

芹沢「じゃ、行こっか」

伊織「……」コク


カイト「彼女、これからどうなるんでしょうね」

右京「さあ、僕には分かりません。しかし、彼女は人を愛するには幼過ぎ、ましてや相手が同性でした。
彼女自身も自分の気持ちに正気でいられなかったのかも知れません」

カイト「……」





51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:56:12.58 ID:mzhE6Bm90

~特命係の部屋~

カイト「水瀬グループの株が暴落しているそうですね」

右京「ええ、水瀬グループにとっては多大なスキャンダルでしたからねぇ」

角田「おう、暇か?」

カイト「今日は暇ですね」

角田「いつも暇じゃねえか!そうそう、俺のいない間にカミさんがさ、宝塚にハマっててさ。嫌になっちゃうよ。
だって、相手女だろ?同性相手に何をそんな入れ込むことがあるのかねえ」

右京「同性だからこそ…なのかも知れません。
もしかしたら、友情も愛情も憧れも、根っこは同じなのかも知れませんねぇ」

角田「そういうもんかねえ」

右京「どれも一線を超えてしまえば、時にそれが殺意にもなってしまう。
人間関係とは難しいですねぇ」



~終~





52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 04:57:25.51 ID:mzhE6Bm90

ってことで終了です。

付き合ってくださった皆々様、有難うございました。
では、またの機会に。





12:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:28:35.48 ID:PIGTYqZc0

右京さんがアイドルになるんじゃないのかよ





14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2013/06/12(水) 02:30:46.12 ID:uYOGqQtJ0

右京さんはピアノ担当だろ
というか元々歌手だっけ






元スレ:杉下右京「765プロダクション…ですか」

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1370969529





  

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