*・゜゚・*:.。..。.:*・゜ SS 総評 ・*:.。. .。.:*・゜゚・*
【まおゆー@管理人】
イイハナシダナー!!・・・と言って良いものかどうか。そもそも妹にガトリングガンを
撃ちまくる兄を「あ~やってるやってる」と普通に読んじゃう管理人にも問題が。乙。
1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:04:45.70 ID:f8F2RWzaO
妹「兄さん!」
兄「死ね」
妹「ふぅ…ガトリングですか」
兄「相変わらず無傷か」
8:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:07:22.35 ID:ma21o8ISO
兄「化け物めが」
妹「ありがとうございます」
兄「帰る」
妹「お疲れ様です」
妹「できれば、早くここに来てください」
妹「私は兄さんがいないと、まるで血を抜かれ続けているような…死に直結する喪失感を味わうのですよ」
妹「だから兄さん…復讐をしたいのなら、私にさびしい想いをさせないでください」
兄「お前の都合などしらん」
兄「死にそうならば、死なない努力をしろ」
兄「俺は自分の好きな時に、ここに来る」
兄「父と母を殺したお前を、殺しに」
妹「はい」
9:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:08:22.18 ID:ma21o8ISO
妹「私ごときが、申し訳ありませんでした」
兄「……」
兄「また」
妹「はい!」
妹(また、って言ってくれた。私には兄さんに再会する気を起こすだけの価値がある!)
妹(それが、私を殺すためだとしても)
12:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:11:20.10 ID:ma21o8ISO
妹「ああああ、マズイよ、少し会えないだけで禁断症状が」
妹「死にそう」
妹「私のアレルギーは、兄さんのいない空間全てですね」
妹「脳内で兄さん分を補給」
妹「私の汚らわしい妄想で兄さんを汚すのも、いけないですし」
妹「昔を思い出そう」
13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:12:26.17 ID:ma21o8ISO
妹「お兄ちゃん、どうしたのその傷」
兄「ん?なんでもない」
妹「なんでもなくないよ、痛そう」
兄「大丈夫、気にするな」
妹「……」
妹「また、お父さんとお母さんに叩かれたんだ…」
14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:13:40.43 ID:ma21o8ISO
兄「……」
先生「……」
妹「お兄ちゃん!」
兄「妹」
先生「……また」
兄「はい」
妹「お兄ちゃん!」
兄「どうした?」
妹「学校でも会えたね」
兄「ああ」
15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:14:47.62 ID:ma21o8ISO
妹「今の先生となにを話していたの?」
兄「なんでもない」
兄「それより、昨日のテストはどうだった?」
妹「あ、百点だよ!」
兄「偉いな」
妹「あふうううう…」
16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:16:24.89 ID:ma21o8ISO
妹「さっきの先生と話していたのは、絶対傷のことについてだ」
妹「お兄ちゃんの様子から、ごまかしたんだろうな」
妹「……」
妹「なんでお兄ちゃんは、黙っているんだろう」
妹「痛いおもいさせられて、なんで…」
妹「……マゾ?」
妹「いや、それはない」
妹「お兄ちゃんはサド」
妹「根拠はない、ただの私の願望だけど…」
18:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:17:49.80 ID:ma21o8ISO
妹「理由はおいといて、あのままだとお兄ちゃんが死んじゃう」
妹「なんとかしないと」
妹「ただいま」
母「おかえり」
妹「あの、お母さん…」
母「テストどうだった?」
妹「え?あ、良かったよ、百点」
母「偉いわぁ、すごく賢い子ねぇ」
20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:19:15.87 ID:ma21o8ISO
妹「ありがとう、それよりその…」
母「さて、あとからオヤツ持っていってあげるから、勉強なさい」
妹「お母さん」
母「?」
妹「なんで、お兄ちゃんを叩くの?」
母「なぜそんなことを訊くのかしら」
21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:20:47.31 ID:ma21o8ISO
妹「お兄ちゃんがかわいそうだよ、叩かれたら痛いんだよ」
母「……アナタは気にしなくていいのよ」
妹「でも!」
母「分かったわ、気をつけるから、もう勉強しなさい」
妹「……はい!」
22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:22:13.37 ID:ma21o8ISO
妹「やった!分かってくれた」
妹「スッキリした気分で勉強できる」
妹「それでまたテストで良い点数がとれて、お兄ちゃんに撫でられる」
妹「今日はラッキーデーだね」
24:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:23:45.08 ID:ma21o8ISO
父「この!」
兄「ぐ!」
母「馬鹿者!」
兄「いた!」
父「テストの点数が八五点…落ちこぼれが」
母「百点をとるなんて、妹でもできるのよ」
兄「……」
父「確かに学年が上がれば、難しくなるのだろう」
母「でもアンタは妹と同じ年の時も、百点とれてなかったわよね」
兄「すいません…」
父「謝る前に結果を出せ!」
兄「あぐっ!」
25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:24:57.53 ID:ma21o8ISO
母「情けないわぁ、本当に…なんでこんなのがウチの子なのかしら」
父「まったくだ、妹だけで良かった」
兄「……」
兄「!」
妹「……」
ダッ
兄(妹…?)
27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:26:08.90 ID:ma21o8ISO
妹「……」
妹「にげちゃった」
妹「まさか」
妹「お兄ちゃんが叩かれてるのって…」
妹「私と比べられているから…」
妹「私のせい…」
兄「妹」
妹「ひっ!」
28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:27:41.52 ID:ma21o8ISO
兄「見てたのか?」
妹(すごいアザ)
兄「聞いていたのか」
妹「お兄ちゃん……」
妹「ごめんなさい、ごめんなさい」
兄「気にするな」
妹「気にするよ!」
妹「ごめんなさい……」
兄「気にしなくていい」
兄「俺は、見返したいんだ」
妹「?」
兄「ああやって蔑む親を見返したい」
兄「馬鹿にされたままでいてなるものか」
29:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:29:57.82 ID:ma21o8ISO
妹「そんな、いつか死んじゃうよ!」
妹「先生、いや警察とかに相談…」
兄「駄目だ!」
妹「なんで!?」
兄「人の手は借りたくない、自分の力だけでなんとかする」
兄「だからこの傷も隠すんだ」
兄「俺の力で、アイツラの暴力を止める」
妹「お兄ちゃん」
兄「だからお前も気にするな」
妹「……」
30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:31:38.79 ID:ma21o8ISO
妹「無理だよ」
妹「運動会で出る種目全部、一位をとるために、誰よりも練習したりする負けず嫌いなお兄ちゃん」
妹「お兄ちゃんらしいけど…」
妹「今回のだけは駄目」
妹「お兄ちゃんを私がまもらなきゃ」
妹「お兄ちゃんを護れるように、誰にも負けない自分にならなきゃ」
妹「そのためにはまず、全身に重りをつけたりして、修行」
妹「二○キロのお洋服とか着なきゃ…」
妹「どこに売ってるのかな」
26:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:25:42.07 ID:v6TUU37PO
想像してたのより重い展開だった
32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:34:01.59 ID:ma21o8ISO
兄「いたっ!」
父「またか、また八○点か!」
母「九○点にすら到達しないなんて」
兄「……」
妹(お兄ちゃん…)
妹(日に日に傷が増えていくよ)
妹(……もう我慢の限界…)
妹(あんな傷だらけ…先生とかにも隠しきれてないだろうし)
妹(だったらもう…お兄ちゃんには悪いけど)
妹「警察に」
兄「ああああ!」
妹「!?」
34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:35:26.52 ID:ma21o8ISO
妹(お兄ちゃん!?)
妹「!」
父「もう少し痛い目にあわなければ分からないかな」
兄「あ、ぎ…」
母「自業自得よ、我慢なさい」
妹「…」
妹「包丁……」
妹(お兄ちゃんが殺されちゃう)
ドサ
父「む?」
37:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:36:59.36 ID:ma21o8ISO
兄「!」
妹「あっ…」
母「あら、妹ちゃん…駄目じゃない」
妹(わ、私も包丁で殺される)
母「ささ、部屋に戻って勉強してなさい」
妹「え?」
父「そうだ、早く勉強に戻りなさい」
妹「……」
妹(おかしい)
39:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:38:37.63 ID:ma21o8ISO
妹(包丁をもってお兄ちゃんに切り付けようとしていたところを見られても、あんなに平然と)
妹(おかしいよ、お父さんとお母さんは…)
母「どこか分からない所でもあるのかしら?」
妹「……」
父「そうか、だが少し待て。今はこの出来損ないを…」
妹「お兄ちゃん!」
兄「(にげろ)」
母「お母さんといっしょにあっちに行っていましょう」
妹「!!」
40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:42:09.10 ID:ma21o8ISO
この時、私はあまりのショックな出来事の連続で、脳が麻痺していた。
脳の支配から解放された身体は、夢の世界に行くという話があった。
本当に私は、夢の世界にいた。
そこで出会った。
自分が思い描いた、『自分の夢』に。
『お兄ちゃんを護れる、負けない強い自分』に。
現在、脳による操作ができない身体を、動かすのは、心。
だから、お兄ちゃんを護りたい心が、『自分』を交換してしまった。
『弱い現状の自由』と『お兄ちゃんを護れる、負けない強い自分』を。
所持する『自分』が、『お兄ちゃんを護れる、負けない強い自分』になった。
41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:44:39.20 ID:ma21o8ISO
もうお兄ちゃん大丈夫。
怖いお父さんとお母さんからまもってあげる。
42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:46:24.91 ID:ma21o8ISO
兄「……」
妹「……」
兄「なぜ殺した」
妹「そんなつもりは…」
妹「ただ、お兄ちゃんを護ろうとしたら…」
兄「余計なことを…」
妹「え」
兄「父と母が死んじまったから、もう見返せなくなったじゃないか」
妹「!」
44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:48:15.44 ID:ma21o8ISO
兄「この野郎…」
妹「ご、ごめんなさ…」
兄「死で償え」
妹「 」
45:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:50:29.96 ID:CBiDyH8cO
兄もイカレてたのか
46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:50:44.45 ID:ma21o8ISO
妹「はっ」
妹「余計な所まで思い出してしまった」
妹「兄さんになでなでしてもらう所まででよかった」
妹「……」
妹「戻りたい」
妹「弱い自分に戻りたい」
47:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:52:43.16 ID:ma21o8ISO
妹「まあ戻っても、兄さんは私を許してくださらないけど」
妹「だから兄さんへの償いは、兄さんの復讐の達成の手伝い」
妹「……こうやって、口にだせば割と楽になる」
妹「嫌われるのはいやですが」
妹「兄さんの目的を永遠に失わせるという、なによりも重い罪を犯した私に、嫌いという感情を抱いてくださる」
妹「こんな幸運はない」
妹「だから、頑張ろう」
48:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:53:24.18 ID:wjEcNTlS0
兄貴ガトリングとか
49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:53:40.49 ID:WbSaa/qm0
みんな壊れてるな
50:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:55:47.82 ID:ma21o8ISO
兄「今日もきた」
妹「兄さん!」
妹「私の気持ちが最下層にまで落ちている時に、タイミング良く光を差しのべてくださる」
妹「もう兄さん以外見えない…」
妹「好きです。いや、愛しています」
兄「黙れ、さて復讐を開始」
妹「はいっ!」
51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:56:30.52 ID:ma21o8ISO
おしまいです
52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:57:07.34 ID:CBiDyH8cO
えっ
53:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:57:15.69 ID:ZFBacCWA0
おっ
54:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 00:57:27.24 ID:wjEcNTlS0
~BAD END~
57:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/05(日) 01:05:56.54 ID:ma21o8ISO
ありがとうございます
ではさようなら
【 関 連 記 事 】