3:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 10:42:37.38 ID:Bx1XtSJW0
勇者「農民の俺に一体なんの……」
王様「お主も魔界の そして魔王のことは知っておるだろう」
勇者「魔物と魔族の頂点に立っているのが魔王なんですよね」
王様「この国でも毎年 勇者を送り出していることは?」
勇者「俺の幼馴染も行きましたから知ってますけど」
王様「何人送り出そうとも 魔界に行って帰って来たものはおらん」フゥ
勇者「…………」
王様「それでお主も勇者として魔界に行ってもらいたいのだが」
勇者「それでが前の話と全然繋がってないんですけど」
王様「お主の幼馴染が存外に活躍しておるようでな」
王様「幼馴染と同じ歳の奴は全員素質があるのではないかとな のぅ大臣」
大臣「おっしゃるとおりです」
勇者「」アゼン
7:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 10:47:35.60 ID:Bx1XtSJW0
勇者「あのちょっと待ってください 俺はただの農民ですけど」
王様「それが?」
勇者「旅に出て魔族と戦うなんてとても……」
王様「鍬も剣も同じようなものじゃろう のぅ大臣」
大臣「仰るとおりです」
勇者「……俺には畑があるんですが」
王様「勇者となったものは 最低2年は国に帰って来ることを許さぬ」
王様「その間 キサマの財産・土地はすべて没収させてもらう」
勇者「なにそれこわい」
王様「なに 魔物を倒して素材を狩れば金になるし」
王様「他の街・国に行けばその場所から援助金が出る」
大臣「それではこれが支度金です 1週間以内に国から出てくださいね」
勇者は50Gをてにいれた
8:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 10:52:56.07 ID:Bx1XtSJW0
勇者「毎年勇者税ならぬアホな税金掛ける国だと思ったら」
勇者「トップからあの有様か」
天使「これはどうするべきですかね」フヨフヨ
勇者「まずは酒場に行って仲間を集めないと」
天使「今のままだと確実に死にますからねぇ……」
天使「はい! そこで勇者ポイントです!!」
勇者「なにさいきなり」
天使「あなたには勇者として必要な特技を覚えるのにポイントが必要になってきます」
天使「ポイントの入手方法はレベル上げが主ですが それ以外でも道具だとかクエストだとか色々あります」
天使「まずはあなたが今現在持っている2ポイントで手に入れられる能力を見てみましょう
口から火を出す 1ポイント
口から回復薬 1ポイント
口と道具袋を繋げる2ポイント
12:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 10:57:52.84 ID:Bx1XtSJW0
勇者「1つ聞いていい?」
天使「1つと言わず一杯聞いていいですよ」
勇者「どうして覚えられる特技が全部口関係なの?」
天使「口から火を出すとか竜っぽくて格好良くないですか?」
勇者「大道芸人っぽいよ!! 普通に手から出したり出来ないの!?」
天使「あぁ~ それには10ポイント必要ですね」アリャリャ
勇者「多いよ!!」
天使「ちなみに独断で上記2つにポイントを使っておきました」
勇者「使わないで!!」
天使「今後あなたの涎を傷口に塗ると傷が回復します」
天使「なんか臭そうですよね」
勇者「今日一日だけでこの仕打ち 泣きたくなってきた」
13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:01:55.45 ID:Bx1XtSJW0
酒場
店員「はい ここが仲間との出会いを求める酒場です!!」
勇者「今日は仲間を探しに来たんですけど……」
店員「それでは下の希望欄に欲しい職の人を書いて提出してください」
勇者「とりあえず回復役として僧侶がほし――」
僧侶 100G
武道家 80G
魔法使い 80G
盗賊 70G
商人 50G
遊び人 40G
戦士 30G
勇者「お金を取るんですか?」
酒場「紹介料です!!」
14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:04:15.75 ID:OiZvuZEL0
戦士安すぎwwww
15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:05:22.43 ID:Xau6zPfbO
供給量が多いんだろうな
16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:08:18.80 ID:Bx1XtSJW0
店員「ちなみに今出ている飲み物は別料金で20G頂きます」
勇者「ボッタクリワロタ もう戦士しか紹介してもらえない」
勇者「ところでどうして戦士はこんなに値段が低いんですか?」
店員「すばやさ÷2=みのまもりなので」
勇者「はい?」
店員「すばやさ÷2=みのまもりなので」
勇者「はいそうですか(意味わからん)」
店員「それではこちらが酒場に登録されている戦士さんたちのプロフです」
勇者「どうも……」ペラペラ
勇者「1つ聞いていいですか?」
店員「どうぞ」
勇者「1人だけ戦士の欄の上から僧侶に書き直している人がいるんですけど」
店員「」
勇者「どうしましたか」
店員「遂にそれに気付いてしまいましたか」
19:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:12:24.86 ID:Bx1XtSJW0
店員「その人は実は回復魔法も使える戦士なんです」
勇者「えっと それってかなり凄いですよね」
店員「そうです あなたは当たりを引いたんですよ!!」
天使「やったね勇者ちゃん!!」
勇者「ところで……」
店員「それではこちらで手続きは進めるので……」
勇者「どうしてそんな凄そうな人がこんな所に?」
店員「」ギクリ
勇者「紹介料とかも特別高く取るものだと思ってたんだけど」
店員「気にしないでください」ズイッ
勇者「えっ?」
店員「気にしては勇者は勤まりません 勇者は度胸です!!」
勇者「……はい」
21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:16:07.61 ID:Bx1XtSJW0
店員「それではあちらの部屋にいらっしゃるので」
勇者「そういえば貰った金は50Gだけなんだけど」
勇者「みんな最初は戦士を仲間に選ぶのかな」
天使「そんなわけないじゃないですか 勇者税が年幾らか知ってるでしょ」
勇者「全体の税の半分?」
天使「そうです 優秀な奴には沢山お金をあげて無能そうな奴には少量で送り出す」
天使「残ったお金は国庫に入って幸せ理論発動なんですよ」
勇者「腐ってるね ホントに」
天使「勇者に暗黒勇者フラグ立ちましたー」
勇者「ちなみに幼馴染はどれぐらい貰ったんだろうか」
天使「1万Gですよ」
勇者「」
22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:22:12.41 ID:Bx1XtSJW0
天使「おや あれが僧侶じゃないですか」
僧侶「」ゴゴゴゴゴ
勇者「とりあえず俺の中での僧侶のイメージ語っていい?」
勇者「教会の中で祈りながらさ 世界の平和を祈ってるのが僧侶」
天使「足を机に乗せながら煙草吹かしてますよね」
勇者「私頑張ります!! とか言って健気に頑張る癒し系なのが僧侶」
天使「昼間からお酒煽りながら回りにガン飛ばしてる卑しい系ですね」
勇者「青い修道服着て 背中に後光が射してるのが僧侶」
天使「服装は理想通りで 背中からドス黒いオーラが見えますよ」
勇者「帰っていい?」
天使「帰ったら1人旅ですよ 魔物に食われますよ」
勇者「引くも地獄 進むも地獄」ゴクリ
24:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:30:10.55 ID:Bx1XtSJW0
勇者「あの……ちょっとお話いいですか?」ビクビク
僧侶「なんだ 何か用かよ」ギロリ
勇者「着いてきて欲しいなーって」
僧侶「なんだ喧嘩か 表でやろうぜ」グイッ
勇者「けんっ!? 違います! 俺はあなたに仲間になって欲しくて」
僧侶「アタシに?」
勇者「あなたに……」
僧侶「それなら早く言えよ!!」バンバン
勇者「い 痛い」
僧侶「アタシの名前は僧侶 見ての通り僧侶をやってんだ」
勇者「見ての通りだと 良くて戦士 悪くて盗賊にしかみえ――げほっ!?」
僧侶「なにか言ったか?」ニコッ
勇者「僧侶様はどこからどう見ても素敵な僧侶です」プルプル
27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:32:28.86 ID:g0jU+j9E0
破戒僧って職業があってもいいと思うんだ
28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:34:00.79 ID:+7Tl9NGb0
破戒僧が墓にいそう
38:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 12:01:56.30 ID:UbH1SjQf0
>>28
あ?
29:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:35:55.75 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「前までは色んな奴がPTを組んでくれって誘いがあったんだが」
僧侶「最近は僧侶も増えて需要と供給が追いつかなくなってるのか 声がかからなくてな」
勇者「そりゃ戦士として登録されてれば声もかからないよね」ボソボソ
僧侶「なにか言ったか?」
勇者「いいえなにも」
僧侶「ところで お前はどんな武器使ってるんだよ」
勇者「家から鍬を1本……」
僧侶「なんだよ アタシの武器を見てみろよ」
僧侶「竹の槍の先端に銅の剣を括り付けた銅の槍だ」
勇者「恐ろしい発想をする上に僧侶の武器じゃないですよね それ絶対に」
僧侶「戦えりゃ問題ねーだろ まあアタシに回復任せてれば問題ねーよ」ギャハハハハ
勇者「どうすりゃいいのさ」
天使「さあ?」
33:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:41:50.68 ID:Bx1XtSJW0
勇者「街の外に出てきたわけだけど……」
僧侶「この地方は魔物のレベルも低いからな 定番の”アレ”が出てくるぜ」
勇者「お約束の……」
ガサガサ
僧侶「出た!!」
のヮの
僧侶「野生ののヮのだ!!」
勇者「なにそれこわい」
勇者「あの これが魔物?」
僧侶「そうだ 凶悪な面をしてるだろ」
勇者「どちらかというと好感が持てそうな面じゃあ……」
のヮの``
勇者「わっほい! なにか吐いてきた!?」
僧侶「馬鹿! そいつは毒を吐くんだよ!!」
勇者「それを始めに言って」ビクンビクン
34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:45:41.53 ID:Bx1XtSJW0
勇者「毒……ヤバイ……」ビクンビクン
僧侶「まあ毒ぐらい気にすんな」
勇者「意識が段々なくなって」
僧侶「まずはこいつを倒さないとなぁ アタシの必殺魔法で倒してやるよ」
のヮの
僧侶「ザメハ!!」ドゴッ
のヮのをたおした 勇者はレベルアップ
僧侶「よーし! 倒したぞー!!」
勇者「」ビクンビクン
僧侶「ふぅ……解毒魔法」ズドンッ
勇者「げほっ!?」ガバッ
僧侶「なんとか生き返ったな」アハハ
勇者「鳩尾痛い」プルプル
36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 11:56:12.52 ID:Bx1XtSJW0
勇者「ところでさっきの必殺魔法ってなに?」
僧侶「ザメハか? 強いだろ」
勇者「確かザメハって睡眠から起こすための魔法じゃあ……」
僧侶「”ハ”の所で気合を入れるのがポイントだな」
勇者「いや ただ思い切り槍で突き刺したようにしかみえな――」
僧侶「なんだ まだ起きてなかったのか」ブンブン
勇者「素敵な魔法を使える僧侶さんが仲間で本当に良かったなぁ」
僧侶「だろ? よくわかってんなぁ」バンバン
勇者「」ゲッソリ
天使「勇者さん勇者さん!!」
勇者「……なに?」
天使「勇者が辟易している所を見ると胸がドキドキするんですが」ドキドキ
勇者「君って本当に天使なの?」
37:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 12:00:11.46 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「なにさっきから独り言喋ってんだ 次行くぞ次」
勇者「もしかしてさ 天使って他の人には見えない設定なの?」
天使「そうですけど」シラッ
勇者「先に言ってよ!! 街中で普通に話しちゃったでしょ!!」
天使「まあ道行く人たちは苦笑いでしたけど」
勇者「もう物理的にもあの国に帰れないよ!!」
天使「背水の陣ですね」ケラケラ
勇者「笑い事じゃないから――ごほっ!?」
僧侶「早く行くって言ってんだろ」ギリギリ
勇者「はいわかりました」
39:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 12:07:30.14 ID:Bx1XtSJW0
スライムが現れた
僧侶「今度はスライムか……」
勇者「スライムってプヨプヨしてるよね」
スラ「」プヨプヨ
僧侶「ザメハーーーっ!!」ブォン
勇者「あぶな――げほっ!?」ベチンッ
僧侶「なんで魔物庇ってるんだよお前は!!」
勇者「だってプヨプヨしてますし!!」
僧侶「あぁん!?」
勇者「」プヨプヨ
スラ「」プヨプヨ
スライムがなかまになりたそうにこちらをみている
天使「それではポイントを使って仲間にしちゃいましょう」ポチッ
ニアスライムを仲間にする 1ポイント
40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 12:13:35.79 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「全く 魔物を仲間にするなんてなに考えてんだか」チラチラ
勇者「だってプヨプヨしてるし」
スラ「」プヨプヨ
僧侶「魔物は倒すべき敵なんだぞ」チラチラ
勇者「もしかして僧侶さん 触りたいの?」
僧侶「んなわけねーだろ」プイッ
勇者「……僧侶さん お願いですので触ってください」ペコリ
僧侶「し 仕方ねーなー」ヤレヤレ
天使「面倒な女ですね」
僧侶「どれどれ」
スラ「ピギーーーッ」ダッ
スライムはにげだした
僧侶「」プルプル
勇者「」ガクガクガク
42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 12:19:41.30 ID:Bx1XtSJW0
勇者「スライムも帰ってきて良かった」ボロボロ
天使「変わりに勇者は殴られましたけど」
天使「こんな時こそ口から回復薬を出す特技の出番です!!」
勇者「そんな設定あったね」
天使「とりあえず僧侶は水浴びに行ってるし試してみたらどうですか?」
勇者「涎で傷を舐めると……痛みがなくなった!?」
天使「これがあなたの勇者としての能力です!!」
勇者「悲しくなってきたけどこれは役に立つ」ペロペロ
僧侶「」
翌日
僧侶「なあ 悩み事があるなら相談に乗るからよ」ポンポン
勇者「なぜか僧侶さんが優しくなったんだけど」
44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 12:25:40.91 ID:Bx1XtSJW0
村人「ここは一番目の村だよ」
勇者「とりあえず隣の村についたね」
僧侶「勇者は別の街や村につくと補助金が貰えるんだろ」
勇者「そっか 貰いに行ってくるからプヨちゃん任せたよ!!」ダッ
スラ「」プヨプヨ
僧侶「」ソーッ
スラ「」プルプルプル
僧侶「こわくないよー 武器もってないだろ」
スラ「」プヨプヨ
僧侶「そーっと」プヨン
僧侶「プヨプヨしてんなお前」
スラ「」プヨプヨ
勇者「見なかったことにしよう」
47:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 12:42:53.91 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「それで次の街に行くには東にある洞窟を通るんだろ」
勇者「なんか洞窟の中には強い魔物がいるみたいだね」
僧侶「あっちの地方はこことは魔物のレベルが違うって聞くしな」
勇者「二人で果たして超えられるのかどうか」
僧侶「いけるだろ アタシ一度通ってきたし」
勇者「そうなの?」
僧侶「前のPTにいた時にな 二人いればなんとかなるだろ」
僧侶「いや 今は二人と一匹か」プヨプヨ
スラ「」プヨプヨ
勇者「戦闘になったらプヨちゃんが戦えるかどうか」
僧侶「少なくともお前よりは役に立つと思うけど」
勇者「」
49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 12:51:51.96 ID:Bx1XtSJW0
勇者「天使さん天使さん!!」
天使「どうしましたか」
勇者「なんかレベルは上がってるけど 俺全然強くなった実感ないよ」
天使「そりゃそうですよ ポイントをステに振ってないですから」
勇者「おい」
天使「あなたはポイントシステムの代わりに ステータスの成長もポイントで行われますから」
勇者「つまりどういうこと?」
天使「特技を覚える代わりに あなたは強くなるチャンスを捨ててたんですよ」
勇者「だったら今度からちからとか上げるよ!!」
天使「特技ばかり使える勇者でいいじゃないですか」
勇者「口から限定な特技なんていらないよ!!」
勇者「今は口と道具袋が繋がってるしね!!」
天使「大道芸人として生きていけますよ」
勇者「やっぱりこの特技 勇者のじゃないでしょ」
51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 13:02:34.04 ID:Bx1XtSJW0
勇者「さて この村で貰ったお金で道具も買ったし 準備万端だね」
スラ「」プヨプヨ
僧侶「んじゃ 行くか」
???「……勇者」
勇者「あれ? 幼ちゃんじゃん久しぶり!!」
幼「」コクリ
勇者「勇者になったって言ってたけど どうしたの?」
幼「魔界に行く前に王様が挨拶に来いって」
勇者「そうなんだー」テキパキ
僧侶「なんだ 知り合いか?」
勇者「俺の幼馴染で俺と同じ勇者!!」テキパキ
幼「同じ勇者?」ピクッ
勇者「そうそう 俺も先日勇者になったんだ」
幼「あの糞爺」ボソリ
52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 13:07:38.23 ID:Bx1XtSJW0
戦士「幼様! 待ってください!!」ハァハァ
幼「……」
戦士「勝手にどこかへ行ってしまわれては困ります!!」
幼「勝手にいなくなったら散歩」
戦士「それでもです! こんな下賎な者たちと話していては穢れますぞ」
僧侶「あぁん? 誰が下賎なもんだ」ギロッ
戦士「それはお主らに決まっておろう このお方をどなたと心得るのだ」
戦士「剣術・魔法にも精通し 今最も強い勇者である幼様であられるぞ」
僧侶「んなもん知るか ぶっ飛ばすぞ」
戦士「やってみるか」チャキ
幼「戦士 この人たちは知り合い」
戦士「そうでしたか! 誠すいません!!」ギリギリ
勇者「顔が笑ってないんですけど」
55:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 13:14:43.60 ID:Bx1XtSJW0
勇者「それで俺たちはこれから東の洞窟に行くんだけど」
幼「じゃあ私も着いていく」
戦士「幼様! 私たちは王国に用事が……」
幼「勇者が心配」
戦士「はい 勇者が心配ですね!!」
勇者「いいのかそれで」
幼「中級雷呪文」ドンガラガッシャーン
勇者「幼強すぎワロタ」
僧侶「どっかの勇者とは大違いだな」
勇者「全くもってそうですね」
勇者「ところで幼のPTってこれだけ?」
戦士「今回は里帰りということで私以外は他の街におる」
勇者「なるほど」
幼「ここぐらい1人で十分なのに」
戦士「なりません!! 幼様にもしもの事があったら私は……」
59:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 13:26:28.25 ID:Bx1XtSJW0
幼「勇者 大丈夫?」
勇者「むしろ戦っているのは幼メインなんだけど」
幼「私は大丈夫 頑丈だから」
戦士「ほらほら あっちへ行けば次の国だ 早く行け!!」
幼「ご飯はしっかり三食 危険なことは駄目」
勇者「うん わかったよ」
僧侶「どこの母親だよ」ケッ
勇者「ありがとね 幼ちゃん」
幼「」コクリ
82:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 15:21:11.96 ID:Bx1XtSJW0
勇者「支援金貰って来たよー!!」
僧侶「んじゃ 武器でも物色しに行くか」
武器屋
店員「しゃーせー!!」
僧侶「おっ! 鋼の剣売ってるじゃん」
店員「それは今売れ筋ですよー そちらの彼が装備するんです?」
僧侶「いやアタシだけど」ナニイッテンダ
店員(この人僧侶じゃねーのかよ)
僧侶「竹やりにくっつければはがねの槍になるぞ」
勇者「それなら素直に鉄の槍買おうよ」
天使「まるで一揆衆ですね」
84:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 15:35:17.13 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「そうだ 鋼の剣買うんだからなにか情報寄越せ」
勇者「凄い まるで盗賊のようなセリフを堂々と――ごはっ!?」
僧侶「寄越せ な?」ゴキゴキ
店員「えっとですね ここから西に行ったところに職の神殿があるんだよ」
僧侶「で?」
店員「この大陸で職のことを聞くならそこが一番だって……」
僧侶「次の目的地が決まったな」
勇者「職の神殿か……」
天使「勇者は職ではなく称号みたいなものですから」
天使「そこで勇者の職を尋ねるのもいいかもしれませんね」
勇者「多分農民だと思うよ 職業」
86:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 15:42:41.65 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「あの国では特にすることなかったな」
勇者「他国の王様にも簡単には会えないしね でも良い国だったじゃない」
僧侶「そうだな」
スラ「」プヨプヨ
のヮのがあらわれた
勇者「こっちの地方でものヮのが!?」
僧侶「いや あれはのヮのベスだ 普通ののヮのより強いぞ!!」
勇者「よし! 違いが全然わからないぞ!!」
僧侶「ホイミ!!」ズガッ
のヮのをたおした
勇者「ただの突きをホイミと言い張るあの強さは凄い」
僧侶「知らなかったのか 魔物にホイミをかけるとダメージを与えられるんだぜ」
勇者「明らかに力技の類だったけどね」
88:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 15:54:17.15 ID:Bx1XtSJW0
職の神殿
勇者「でっかいねー」
僧侶「職の神殿は職に携わる神官が唯一いる場所だからな」
僧侶「大陸にあるすべての国から支援を受けてるんだよ」
神官「あっ! お客さんですか?」
勇者「うん 職の相談をしにね」
神官「それでは案内させてもらいますね」ガチャ
神官「ここには人の適正を見ることが出来る神官の人たちが仕事をしています」
勇者「人の適正?」
神官「その人になにが向いているか ですね」
神官「人には向き不向きがありますから 戦士をしていたけど実は魔法使いの適正が高かった」
神官「そんな人も結構いるんです」
勇者「へー そうなんだ」ジー
僧侶「なんだ アタシに文句でもあんのか?」
91:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:01:28.62 ID:Bx1XtSJW0
神官「大神官様 お客様を連れてきました」
大神官「おぉ そうかそうか」フォフォフォ
僧侶「大丈夫なのか こんな爺さんで」
勇者「ちょっと失礼だよ」
大神官「ふむ それでどちらの適正を見てもらいたいのかな」
僧侶「んじゃ まずはアタシで」
大神官「それでは手を見せてもらうよ ふむふむ」ジロジロ
大神官「これは凄い! 今の職をかなり極めておりますぞ!!」
僧侶「へへっ! だろう」
大神官「このまま極めれば戦士を極めてバトルマスターにもなれますじゃ」カッ
勇者「ブッ」
神官「凄い人なんですねー」
僧侶「」
94:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:11:19.19 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「ジジイにはアタシが戦士に見えるってか?」ゴゴゴゴゴ
大神官「確かに盗賊に見えないこともないですが」
勇者「」プルプル
僧侶「それで 今の言葉が冥土の土産でいいのか?」ジャキ
大神官「落ち着け! どうして怒っておるのじゃ!!」
勇者「そうだよ……プッ……おちつい……」
僧侶「お前も笑ってんじゃねーよ!!」ゴンッ
大神官「やれやれ それで次はそちらの彼かね」
勇者「お願いします」サッ
大神官「ふむふむ 残念ながらお主はこれ以上の伸びしろはありませんな」
勇者「それってこれ以上成長しないってこと」
大神官「そうですじゃ」
勇者「ナンテコッタイ」
98:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:17:36.62 ID:Bx1XtSJW0
大神官「だがワシも長く生きてきて始めてかもしれん」
大神官「これ程までに熟練した魔物使いに出会うのは」
勇者「……ん? 魔物使い?」
大神官「そうじゃ ある条件を満たしたものしか就くことが出来ぬ職の1つじゃ」
神官「賢者や私たち神官のようなものですよ」
大神官「その中でも魔物使いはなろうとしてなれる職ではない 魔物と心を通わせられる穏やかな心がないとな」
勇者「俺って穏やかなの?」
僧侶「馬鹿ではあるけどな」
大神官「(おかしいのぅ 魔物使いとはいえ無意識で熟練度をここまで上げられるハズはないのだが)」
勇者「ところで魔物使いって具体的にはなにをする職なんですか?」ハイ
大神官「主に味方の魔物の援護をする特技じゃな お主のスライムの攻撃力を上げたりの」
勇者「そうなんだ 出来ないけど」
大神官「それならワシが攻撃力を上げる特技を教えてやろう」
勇者「本当に? やった!!」
101:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:22:12.11 ID:Bx1XtSJW0
大神官「まずは腰に手を当て腰を10回程振る」フリフリ
勇者「こうですか?」フリフリ
大神官「次に腕を上下に振りながらくるくるとトリプルアクセル」クルクル
勇者「こう?」クルクル
大神官「そして最後にセクシーポーズで決める!!」ウッフーン
勇者「せいっ!!」ウッフーン
大神官「お主 中々に筋がいいのぅ」ハァハァ
勇者「ごめんなさい これを戦闘中にやるの?」
大神官「そうじゃが?」
ゆうしゃはいまのとくぎをこころのおくふかくにふういんした
僧侶「なんだお前 本当に面白いな」ポン
勇者「いつになく優しくならないで!!」
104:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:24:19.05 ID:zjwNIF8a0
結局大道芸人じゃねーかwwwww
105:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:30:00.95 ID:Bx1XtSJW0
神官「お二人とも今日はここに泊まっていくんですよね」キラキラ
勇者「まあそうなるかな」
神官「だったらお話を聞かせてください! 魔物使いの勇者さんの話なんて面白そうです」
僧侶「確かにキャラとしては美味しいところだよな」
勇者「今すぐやめたいけどね」
ワイワイキャイキャイ
大神官「行ったか 一応あのお方に報告しておこうかの」
神官「そうなんですか 隣の大陸の王国から」
勇者「割と近いけどね」
神官「私はここから出たことがないから羨ましいです」
僧侶「羨ましいなら出ればいいだろ 外の世界は楽しいぜ」
神官「私魔物に両親を食べられて ここの人たちに拾われたんです」
神官「もちろん! そこのスライムさんを取って食べようなんて思ってないですよ」アタフタ
勇者「うん わかったから食べないでね」
スラ「」プヨプヨ
108:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:40:41.33 ID:Bx1XtSJW0
神官「だからここの人たちに少しでも恩返し出来たらと思って」エヘヘ
勇者「うん 神官ちゃんには神官ちゃんの生き方があるから」
僧侶「そんなもん関係ねーだろ 人は人 自分は自分」
僧侶「自分に素直に生きたらいいじゃねーか」
勇者「みんな僧侶ちゃんみたいに強くないからね」
僧侶「ふん」
???「あそこが職の神殿か……」
109:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:47:18.55 ID:Bx1XtSJW0
カーンカーン!!
僧侶「なんの音だ?」
神官「敵襲警報!? 皆さん私に着いて来てください!!」ダッ
神官「大神官様!!」
大神官「神官か マズイことになった 既にここも囲まれておる」
神官「援軍は……」
大神官「恐らく間に合わん 敵は魔物ではないからな」
勇者「魔物じゃないって」
大神官「敵は魔族じゃ」
勇者「魔族っ!? ってなに?」
神官「魔物は動物や自然界にあるものの形をしています」
神官「ですが魔族はより人に近い形をした者たち」
神官「魔界にして存在しない人種です」
大神官「それに人に匹敵しえるほどの知恵がある これは厄介じゃぞ」
112:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 16:56:13.00 ID:Bx1XtSJW0
職員「大神官様! 敵は吸血族が20体ほど!!」
大神官「不死の力を持つ奴らか 避難を優先させるんじゃ!!」
勇者「逃げられるの?」
神官「こういう時の為に人間にしか入れない避難経路がありますから」
職員B「魔族が侵入してきました!!」
大神官「ワシらで時間稼ぎじゃ!!」ダッ
勇者「俺たちは?」
僧侶「魔族相手なんて楽しみじゃねえか どうせいつか戦うことになるんだ」ジャキ
神官「私も微力ながら手伝わせて頂きます」ブルブル
勇者「えっと大丈夫?」
神官「大丈夫です! 戦うための訓練も受けて来ましたから!!」ブルブル
バタンッ
吸血「なんだ ここには餓鬼が三人か」
113:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:01:48.62 ID:Bx1XtSJW0
神官「先制攻撃です!!」ブンッ
ミス! しんかんのこうげきははずれた
僧侶「ミスってんじゃねえよ素人!! ザメハ!!」ブォン
そうりょのザメハ きゅうけつきに30のダメージ
スラ「」プヨプヨ
すらいむのこうげき きゅうけつきに5のダメージ
勇者「それじゃあ俺も!!」フリフリクルクルウッフーン
ゆうしゃのこうげきりょくのおどり
すらいむのこうげきりょくがあがった
吸血「」ポカーン
きゅうけつきはぼうぜんとしている
神官「」プルプル
しんかんは肩を震わせてわらいをこらえている
僧侶「お前はもっと真面目にやれよ!!」ゴンッ
勇者「やった結果がこれだよ!!」
114:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:03:25.70 ID:zjwNIF8a0
おい想定以上の効果出てるぞwwww
115:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:04:57.67 ID:OWicyf4nO
まあある意味勇者だな
116:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:05:17.81 ID:U1f2RnjF0
おどりクソワロタww
117:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:11:38.85 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「だが吸血鬼が呆然としている今がチャンスだ」
僧侶「ホイミ!!」ズドンッ
かいしんのいちげき! きゅうけつきに120のダメージ
スラ「」プヨー---!!
かいしんのいちげき きゅうけつきに200のダメージ
神官「わ わたし……」プルプル
しんかんはこうげきできない
勇者「お願い これ以上ツボに入られると俺も立ち直れなくなる」
吸血「キサマらふざけやがって……これで終わりにしてやる!!」
天使「私を忘れて貰っちゃあ困ります フラッシュ!!」ピカーッ
吸血「く……目にゴミが……っ!!」ゴシュッ
きゅうけつきをたおした
天使「どんなもんだーですよ」
勇者「最近出番ないと思ったら美味しい所だけ持ってかれた」
119:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:19:48.52 ID:Bx1XtSJW0
大神官「大丈夫かお主ら!!」ガチャ
神官「だ……だいしんきゃ……」プルプル
大神官「敵の錯乱魔法でも受けたのか!?」
勇者「いいえ ツボに入ってるだけです」
大神官「大丈夫ならいいんじゃが とにかく! お主らも逃げるんじゃ!!」
神官「いえ! 私も最後まで戦います!!」キリッ
大神官「駄目じゃ お主も逃げろ!!」
神官「嫌です!!」
???「いいんじゃねえか 逃げたくない奴はそれで」
大神官「お主は……」
吸血鬼「今回この作戦を指揮させて貰っている吸血鬼だ」
大神官「吸血鬼!? そうかお主が……」
吸血鬼「なんだ 爺さん俺のこと知ってるのか」
大神官「魔族四大貴族の一角である淫魔王の懐刀だと」
吸血鬼「俺も有名になったもんだね」ケラケラ
123:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:26:55.96 ID:Bx1XtSJW0
大神官「お主の目的はなんじゃ!?」
吸血鬼「ここは人間どもにとって重要な拠点なんだろ だから攻めるのは当然じゃねえか」
大神官「だが簡単にここを通すと思っておるのか?」
吸血鬼「思ってねぇよ アンタは元勇者の仲間で今でも指名手配されてる極悪な人間だからな」
神官「大神官様にそんな過去が……」
大神官「神官 良く聞きなさい ワシも昔は親の職などには就きたくなく 勇者様と一緒に旅をしたことがある」
大神官「今はこうして元の鞘に戻ったが 今でも旅をしていたあの頃の日々はワシの大切な宝物じゃ」
大神官「もっと見聞を広めなさい 神官は神官なのじゃからな」
神官「大神官様!!」
大神官「睡眠魔法」ピトッ
神官「だいしんか……」グゥ
大神官「勇者様 この子を頼みます」
僧侶「いいのかよ こいつは……」
大神官「ワシも人の親だったということですじゃ」
124:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:33:32.68 ID:Bx1XtSJW0
勇者「神官ちゃんは俺たちが責任をもって逃がします」
大神官「ありがとう それとこの紙に書かれているお方に会うと良い」
大神官「きっとお主らの力になってくれるハズじゃ」
勇者「ありがとうございました!!」ダッ
僧侶「くたばんなよジジイ!!」ダッ
大神官「ふむ あの子らをみすみす逃がして良かったのかな?」ギロリ
吸血鬼「怖い怖い 俺があいつらを攻撃しようとしたらその隙を狙って俺を仕留めようとしてたんだろ」
大神官「そんなことはせんよ」フォフォフォ
吸血鬼「淫魔王様がアンタには気を付けろって言ってたからな」
大神官「あのじゃじゃ馬はまだ王など出来ておるのか」
吸血鬼「唯一自分の魅力の魔力に囚われなかった人間だって褒めてたぜ」
大神官「うれしかないの ババアに褒められたところで」
吸血鬼「もちろん なにか策はあるんだろう? この絶望的な状況を脱する」
大神官「当たり前じゃ ここの技術を貴様らに盗まれんように仕掛けもしてある」カチッ
131:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:42:32.00 ID:Bx1XtSJW0
勇者「それが事の顛末です」
第二王「そうか 職の神殿がなくなったから何事かと思ったが」
第二王「あそこには証拠隠滅の為の自滅呪文が組まれておった」
第二王「大神官は見事己の職を完遂したか」
勇者「……」
第二王「報告ご苦労 もう引いてよいぞ」
神官「」
勇者「神官ちゃん……」
僧侶「いつまでもウジウジしてんじゃねーよ」
勇者「ちょっと僧侶ちゃん!!」
僧侶「ジジイも自分のことは自分で決めろって言ってただろ お前はここでウジウジしてるのが仕事なのかよ」
神官「……違います 私のやりたいことは……」
神官「勇者様 お願いがあります」
勇者「どうしたの改まっちゃって」
神官「私も連れて行ってください!!」
133:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:46:31.39 ID:Bx1XtSJW0
勇者「俺はそれでもいいけど 本当にいいの?」
神官「私はあの場でなんの役にも立ちませんでした」
神官「だから強くなりたいんです!!」
勇者「うん いいんじゃない 僧侶ちゃんもいいでしょ?」
僧侶「いいんじゃねーの 回復役が増えるのはいいことだしな」
勇者「回復役……?」チラリ
僧侶「おいアタシは回復役だろ!!」
スラ「」プヨプヨ
神官「」ウフフ
第二王「側近 今回の件 警備の位置がバレていたようだが」
側近「人間側に内通者がいるのかもしれませんね」
第二王「総力を挙げて探し出せ」
側近「ハッ!!」
第二王「このままでは済まさんぞ 魔族に魔王め」
136:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 17:53:15.21 ID:Bx1XtSJW0
勇者「今 俺たちは砂漠の街に向かっています……」
僧侶「熱いんだよ馬鹿!!」
勇者「それはしょうがないよ」
神官「心頭滅却すれば火もまた涼しいですよ」フラフラ
勇者「神官ちゃん! そっちに行ったら駄目だよ!!」ガシッ
勇者「それにしても 次の街にはいつ着くんだろうね」
僧侶「もうすぐじゃね 着いたら水がぶ飲みしてやる」
のヮの
勇者「僧侶さん! 新しいのヮのが出たよ!!」
僧侶「砂漠に出てくる地獄ののヮのだ!!」
勇者「よし! 今回も違いがちっともわからないぞ!!」
ちょっとご飯食べてきます
140:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 18:14:09.47 ID:Bx1XtSJW0
数分後
勇者「堅いよ!! 守備力増大の呪文ばかり唱えて!!」
僧侶「暑い上に本当に腹立つ奴だな」
のヮの
勇者「神官ちゃんがマトモに動けないから逃げられないし」
神官「フラフラリ~~~」フラフラ
勇者「なんか万事休すだよね」アハハ
僧侶「ホイミ!!」ズドンッ
じごくののヮのに1のダメージ
僧侶「諦めてんじゃねーぞ!!」
スラ「」プヨプヨ
神官「風初級呪文」
のヮのをたおした
勇者「強いのは物理攻撃だけで呪文攻撃には弱いんだよね」
145:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 18:24:11.82 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「なんだ お前もやりゃ出来るじゃねえかよ」
神官「風呪文呪文らりるれろ~~~」フラフラ
僧侶「こいつ錯乱してやがる!?」
勇者「止めて神官ちゃん! このままじゃPTが全滅しちゃう!!」
砂漠の街
神官「うわー!! こんな街があるんですね」キラキラ
僧侶「アタシこのPTで今後やっていく自信がなくなったんだが」
勇者「同感」ハァ
神官「お二人とも早く早く!!」
147:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 18:30:12.01 ID:Bx1XtSJW0
店員「この街の更に北にあるピラミッドは見学しがいがあるよ」
神官「ピラミッドってなんですか?」
店員「昔の王様を祭ったお墓だな 超デカイ」
僧侶「そりゃ興味ねえな それと聖なるナイフくれ」
勇者「残念なことに僧侶さんの槍もどんどん進化している」
僧侶「おい あそこにパフパフ小屋があるぞ」
神官「パフパフ……ってなんですか?」
僧侶「」ゴニョゴニョ
神官「ふ! 不潔です!!」バンッ
僧侶「そんなに嫌うなよ 勇者なら興味あるだろ」
勇者「そうだね」
神官「勇者様!?」
148:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 18:35:36.17 ID:Bx1XtSJW0
天使「マジ不浄ですね 天界なら死刑ですよ死刑」
勇者「なにがパフパフだよ! プヨプヨの方が良いに決まってるだろ!!」プヨパン
僧侶「」
神官「」
スラ「」プヨプヨ
勇者「ちょっと文句言いに行って来る!!」ダッ
神官「あの……」
僧侶「アタシは知らん」
僧侶「プヨ行くぞ」
スラ「」プヨプヨ
神官「私はどうすれば……」
僧侶「勝手にすればいいだろ」
神官「わかりました」
150:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 18:43:22.80 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「それでなんで着いて来るんだよ」
神官「勝手にしろと言われたので」ニコニコ
僧侶「」ハァ
ワーワー
武道「今なら俺とストリートファイトをして勝った奴には賞金10000Gだ」
神官「強そうな人ですね」
僧侶「オラァッ」ゴッ
武道「ごふっ!?」
神官「僧侶さーーーん!! なにしてるんですか!?」
僧侶「なにって参加してるんだが」
武道「待て待て! まだ始まってないぞ」
僧侶「なんだ もう始まってるんだと思ったんだがな」
僧侶「おい 早く暴れさせろよ」
ゴキッバキッドゴッ
152:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 18:51:16.77 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「いやぁ 臨時収入もあって良かったな」ホクホク
神官「……」
僧侶「どうしたんだ?」
神官「凄いです! 女性なのにあんなに強いなんて!!」ズイッ
僧侶「ちょっと近い……」
神官「お姉様って呼んでもいいですか!?」
僧侶「いやそれはちょっと……」
神官「じゃあ僧侶様で……素敵です!!」
僧侶「アタシこいつ苦手」ハァ
155:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 18:56:16.85 ID:Bx1XtSJW0
勇者「ちょっと黒服の人たちに囲まれてきた」ボロボロ
僧侶「だろうな」
神官「次はどこに行くんですか?」
勇者「聞いてきたんだけど 次は魔界との国境にある武の街かな」
僧侶「……」
勇者「僧侶さんどうかした?」
僧侶「別になんでもねーよ 行くぞ」
天使「なんか怪しい臭いがしますね」クンクン
のヮの
勇者「僧侶さん僧侶さん! またのヮのですよ!!」
僧侶「今度はのヮのコングだな」
勇者「やっぱり他ののヮのとの違いがわからない!!」
156:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:02:49.49 ID:Bx1XtSJW0
僧侶「なんかあっさり倒せたな」
勇者「改心の一撃が怖かったけどそれだけだったね」
スラ「」プヨプヨ
神官「ところで次に行く武の街ってどんな所ですか?」
僧侶「その名の通り 武に名のある人間が集まってるんだよ」
僧侶「魔界探索にも一番力を入れてるからな」
勇者「なんか詳しいね」
僧侶「そうでもねーよ」
村人「ここは武の街だよ 更に北に行くと魔界の門がある武の国だ」
勇者「へぇ 初めて見たけど魔界との国境にある壁はデカイね」
僧侶「あれのお陰で魔族はこっちに入ってこられないからな」
神官「でも前の吸血鬼は……」
僧侶「だからおかしいんだろ 武の国でなにかあったのかもな」
157:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:10:20.19 ID:Bx1XtSJW0
勇者「武の街って言われるだけあって 武器も結構いいものが揃ってるね」
僧侶「国の方が色々揃ってるから そっちで買ったほうがいいかもな」
勇者「ところで 次はその国に行くの?」
神官「その前に行ってみたいところがあるんですけど」
勇者「行ってみたいところ?」
神官「大神官様が頼れって言った人がいる街がこの近くにあるって」
勇者「そうなんだ じゃあ聞き込みをしないとね その街の名前は?」
神官「辺境街っていうらしいんですけど」
村人「辺境街? あそこならここから南にあったよ」
勇者「あった?」
村人「魔族との戦争で1000年ぐらい前になくなったんじゃないかな」
158:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:16:16.01 ID:Bx1XtSJW0
勇者「どうしよう」
僧侶「どうしようじゃねーよ ジジイが幾ら耄碌してたからってそこまで馬鹿じゃないだろ」
僧侶「なにかその場所にあるんじゃねーか」
神官「流石僧侶様! 素晴らしい慧眼ですね!!」キラキラ
勇者「うん なんか僧侶さんの方が勇者っぽいよね」ハァ
スラ「」プヨプヨ
勇者「プヨ……プヨ……」
僧侶「落ち込んでる馬鹿は放っておいて 食料買い込んで南にいくぞ!!」
僧侶「道がない場所を進むってのが一番面倒だな」バサバサ
勇者「しかも森の中を突っ切るって」
神官「お二人とも大丈夫ですか?」
僧侶「問題ねーから 背後には気を付けろよ」
ウゥー
159:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:21:25.99 ID:Bx1XtSJW0
のヮの「」ブォオオオオ
勇者「僧侶さん僧侶さん!! 新しいのヮのですよ!!」
僧侶「あれはヒートのヮのだ 火を吐いてくる」
勇者「相も変わらず違いがわからない!! でも戦ってるのは……」
オオカミ「グルルルルルル」
勇者「モフだ! モフが戦ってる!!」
僧侶「お前はもう黙れ」
神官「でもあののヮのとオオカミはどうして戦っているんでしょうか」
僧侶「縄張り争いなんじゃねーか」
オオカミ「ぐぉんっ!!」ガブッ
のヮの彡
勇者「のヮのに勝っちゃった」
オオカミ「」フラフラ
162:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:32:31.57 ID:Bx1XtSJW0
勇者「ってあのオオカミ氏にそうだよ!!」ダッ
オオカミ「」ダッ
勇者「待てー!!」
僧侶「あいつは全く!!」ダッ
神官「待ってくださーい!!」ダッ
オオカミ「」バタリ
勇者「怪我してるんだからそんなに走っちゃ駄目だって」
神官「私が治しますね 中級回復呪文」パァァ
オオカミ「グゥルルルルル」
神官「これで治ったんですけど」
僧侶「警戒されてるな」
???「仕方ないであろう その者は人間に家族を殺されたものだ」
勇者「誰!?」
???「妾の街に用があったのではないのかの?」クスクス
163:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:35:16.63 ID:Bx1XtSJW0
神官「それではあなたが……」
村長「辺境町の村長だ ようこそ辺境街へ」
僧侶「ようこそって ここには街なんてなにもないじゃねーか」
村長「目の前に見えるものだけを真実と思うのが人間の悪い癖だの」
村長「地上にあるなどと誰がいった?」
勇者「……つまりどういうこと?」
村長「辺境町は今 地下にある ついておいで」
僧侶「どうする?」
神官「行くしかないですよね」
勇者「だね ほらお前もおいで」
オオカミ「」トコトコ
天使「」
164:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:37:16.53 ID:zjwNIF8a0
早くも手なずけてやがるwww
165:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:44:21.36 ID:Bx1XtSJW0
神官「どうして街が地下にあるんですか?」
僧侶「話では1000年前までは地上にあったんだろ」
村長「それは街を見てみればわかるよ」
ガラッ
勇者「うわあ 地下にこんな街が……」
村長「1000年前に妾の魔力で地下に移動させての」
鬼「村長様 お客さんですか?」
僧侶「魔族じゃねーか!!」ジャキ
村長「無闇に武器を向けるのは止めんか 街の中を良く見てみろ」
人「」ザワザワ
魔族「」ザワザワ
神官「人と魔族が一緒に生活をしている?」
村長「この大陸で唯一 人と魔族が共に暮らす街だからの」
166:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:48:48.32 ID:Bx1XtSJW0
村長「1000年前まで 人間と魔族は手を取り合う仲だった」
勇者「それは初耳」
村長「それが魔族側からの一方的な条約破棄で今はあんな壁まで出来る始末」
村長「魔族が追い立てられる中で この街だけは地下へと街を移し 今まであったのだ」
神官「あの……大神官様もこの街の存在を?」
村長「懐かしい名だの この街は魔王を倒せるような可能性のある人間にしか見つからんようになっておる」
村長「その辺りの話も含めて 妾の屋敷で話を聞こう」
神官「そういうことがあって……」
村長「そうか あの坊主も逝ってしまったか」フゥ
勇者「大神官さんはあなたなら何か手伝いをしてくれるって言ってたんですけど」
村長「そうだの 妾は簡単な予言ぐらいしか出来ん」
僧侶「それは十分に凄いと思うんだが」
169:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 19:54:14.94 ID:Bx1XtSJW0
村長「神官……はこのまま進めばおのずと道は開かれるだろ」
神官「えっと……はい」
村長「そして僧侶」
僧侶「どうしてアタシの名前を知ってるんだよ」
村長「妾凄いからの お主は魔界に行く前に実家に寄って悩みを解決するべきだ」
僧侶「……チッ」
村長「そして勇者だが……」
勇者「」ゴクリ
村長「特になしだの」
勇者「なんで!?」
村長「お主の行く先々は困難しか待ち受けておらん 言うだけ無駄だからの」
勇者「止めて! 今だけで十分に困難なのに!!」
171:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 20:02:59.96 ID:Bx1XtSJW0
村長「取りあえずは魔王を倒すための武器を集めるのだ」
神官「武器?」
村長「勇者のスプーンに魔王の短刀 竜王の槍に淫魔の靴 鬼王の金棒に魔の錬金術書」
村長「スプーン短刀金棒はこの街の勇者が持っていったから残りは3つ 恐らくすべて魔界にある」
勇者「なければ魔王には勝てない……」ゴクリ
村長「別に勝てると思うが……」
勇者「」ズコー
村長「ただなくて困るものではないのでな」
村長「それとそこのオオカミ お主のこやつらに着いていくのだよ」
オオカミ「グゥルルルルル」
勇者「えっなに? アマガミされてるけど懐いたの?」
村長「ところでお主ら魔界に行くのだよな?」
僧侶「なにか悪いのかよ」
村長「いや 門は四人以上のPTではないと開けてもらえんぞ」
みんな「「」」
173:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 20:14:35.06 ID:Bx1XtSJW0
勇者「後で酒場に行けばいるよね 着いて来てくれる人」
僧侶「まあ武の国なら良い人材もいるしな」
村長「あー 相談しておる所悪いが 実は1人推薦したい奴がいるのだが」
勇者「えっ! この街に着いて来てくれそうな人がいるの?」
村長「なんというか 性格が非常に面倒な奴での ゆえにこの街の勇者にも置いていかれたんだが」
僧侶「解散! 次の街行くぞ!!」
村長「待て待て!! 見てから決めよ!! 実力はあるから!!」
僧侶「変人はもう十分だよ」ハァ
勇者「変人って誰のことさ」
神官「全くです!!」
スラ「」プヨプヨ
オオカミ「」モフモフ
僧侶「」
176:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 20:28:11.61 ID:Bx1XtSJW0
???「なんでござるか村長殿」
村長「侍 お主勇者に置いていかれただろ だから――」
侍「そうでござる! なぜあのお方は拙者を置いていかれた!!」ジワァ
村長「げっ!」
侍「小生のような役立たずでは駄目だと仰るのだな ならば切腹を――」チャキ
村長「止めるのだ馬鹿!!」
侍「馬鹿……そう拙者は馬鹿だから切腹するのでござるよ」フハハハハハ!!
村長「お主らも見ておらんで止めんか!!」
勇者「いやだってねえ?」
僧侶「また濃いキャラが……」
神官「はわわわわわ」
村長「落ち着いたところで こやつを連れて行って欲しいのだが」ゲッソリ
僧侶「いや普通に嫌だろ」
178:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 20:39:58.90 ID:Bx1XtSJW0
侍「拙者は見ず知らずの人にまで拒否られるとは」ジワァ
侍「連れて行って貰えぬのなら切腹しかないでござるな!!」ジャキ
村長「だからやめいゆうに!!」
勇者「もう本当に!!」
勇者「それで着いて行くことになりました」
侍「まだまだ未熟な身でござるが よろしくお願いするでござるよ」
侍「未熟 未熟だからあのお方にも……」ジワァ
僧侶「おい馬鹿 お前切腹禁止な」
侍「それは無理でござるよ」ジャキ
神官「ほら 親から貰った体は1つなんだから大切にしないと駄目ですよ」
勇者「そうだよ 俺たちは別に迷惑してないからさ」
侍「うむ ありがとうでござるよ」グスッ
村長(案外面白いPTになるかもしれんの)
180:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 20:43:58.28 ID:Bx1XtSJW0
村長「それと侍 お主は鬼族の魔族だとバレないように」
勇者「侍ちゃんって魔族だったの? 全然そうは見えないけど」
侍「髪の毛で角が隠れているので」
勇者「ホントだ ゴツゴツしてる」サワサワ
侍「ひゃっ!?」ビクッ
勇者「ごめん 嫌だった?」
侍「」ジャキ
勇者「黙って切腹しようとするの止めて!!」バッ
村長「のぅ あれは天然でやっておるのか?」
僧侶「計算で出来るほど頭良くねーだろ」
神官「アハハ」
185:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 20:55:35.34 ID:Bx1XtSJW0
勇者「じゃあ次は武の国に行こうか」
侍「武の国とは なんとも心が躍る名でござるな」
神官「また面白いものがあるといいですね」
僧侶「アタシは気が進まないけどな」
村長(あの者たちを見ておると この街がまだ村であった頃を思い出すの)
侍「それでは村長殿 小生は皆と共に旅に行って来るでござる」
村長「そうか 魔界であの子らに出会ったらよろしくの」
侍「御意」
バタン
村長「勇者か……あの者が関わることでどう変わるかの」
村長「のぅ 錬金術師よ」
186:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 20:59:51.17 ID:Bx1XtSJW0
天使「久しぶりですね勇者!!」クルクル
勇者「そういえば久しぶりに見たね」
天使「私は天使ゆえ 地下には潜れないんです」
勇者「本当に面倒な設定だよね」
天使「そういうわけで久しぶりにポイント清算!!」
勇者「実は忘れてたでしょ」
天使「今回も私が独断でポイント配分を行いました!!」
口から解毒薬を出す
口から冷気を出す
口から岩を出す
オオカミを仲間にする
勇者「安定の口率」
天使「です」
191:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:07:05.66 ID:Bx1XtSJW0
のヮの
勇者「久しぶりののヮのですよ僧侶さん!!」
僧侶「あれは人喰いのヮのだ!!」
勇者「よし! 相変わらず違いがわからないぞ!!」
侍「それでは拙者にお任せを!!」ジャキ
侍「吸血流抜刀術 三段花!!」バチバチ
のヮのをたおした
神官「凄いです! 剣が三本ぐらいに別れました!!」
侍「あれぐらい普通でござるよ」テレテレ
僧侶「サンダガ?」
勇者「それは言わない約束です」
192:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:11:58.58 ID:Bx1XtSJW0
武の国
勇者「ようやく着いたけど……」
神官「魔界との門を管理するだけあって 門も城も大きいですね」
侍「拙者も楽しみでござるよ ここには強者が沢山いる」
僧侶「」
勇者「どうかしたの僧侶さん」
僧侶「今だから言うけどさ ここアタシの故郷なんだ」
神官「そうだったんですか」
勇者「でもなにか落ち着かないよね 家出でもしたの?」
僧侶「それが……」
衛兵「姫! 僧侶姫ではありませんか!!」
僧侶「げっ!?」
193:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:12:41.47 ID:74f/8bmLO
やさぐれてたけどまさかの姫だった
194:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:14:54.62 ID:YkWT/BGJ0
酒場で机に足上げてタバコ吸ってたけどまさかの姫だった
195:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:15:23.97 ID:zjwNIF8a0
……姫の酒場での紹介料がまさかの30G
196:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:16:45.77 ID:Bx1XtSJW0
勇者「要約すると僧侶さんはこの国の姫で」
神官「許婚と結婚するのが嫌で家出したんですか」
侍「それで今 王宮にいるのにも納得でござるな」
スラ「」プヨプヨ
オオカミ「ワンワン」
僧侶「黙ってて悪かったな」ケッ
勇者「でも僧侶さんが姫か……」
勇者「全然柄じゃないねー」
神官「どちらかというと狂戦士の類では?」
侍「まあ人は見掛けによらぬと言うが……予想外でござるな」
武王「それを父の私の前で言うか」
勇者「はい調子に乗りました」
198:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:21:31.76 ID:Bx1XtSJW0
武王「婚約が嫌ならなぜ言わなかった」
僧侶「言ってどうにかなる問題かよ」
勇者「あの 話に割り込むようで悪いんですけど 武王様は婚約を強制しているわけでは……」
武王「別にない したくないのならしなければいいのだからな」
勇者「だったら僧侶さんはなにが不満なの?」
僧侶「許婚との婚約解消には新しい許婚が必要なんだよ」
武王「しかも前の許婚と決闘で勝たなくてはならん」
勇者「それはそれは」
侍「武の国らしい決まりでござるな」
僧侶「とにかく! アタシはこいつらと魔界に行くって決めたんだ!!」
武王「ならん 今の隣国の王子が直ぐに結婚を決めたいと言っている」
武王「王子を倒し新しい許婚を立てるまで出て行くことは許さん」
僧侶「だったらこいつがアタシの婚約者な!!」ギュッ
勇者「えっ!? なにそれこわい」
201:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:28:31.49 ID:Bx1XtSJW0
武王「ふむ それならそれでいいだろう」
勇者「いいの!? そんなに軽くていいの!?」
武王「丁度王子も着ているしな 明日決闘だ」
王子「姫が着ているのか? それは嬉しいなあ」ヌッ
神官「ひぃっ!?」ガクガクガク
勇者「ぼ ボストロールだよ!!」
僧侶「違う アタシの許婚だ」
勇者「誰か鏡の塔から鏡取って来て!!」
侍「洞窟の中にあるのではないのか?」
僧侶「冷静にツッコミを入れるな!!」
勇者「ガンガンいこうぜ!!」キリッ
僧侶「お前は冷静になれ」ゴンッ
勇者「無理無理無理!! あんなボスクラス勝てないよ!!」
207:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:49:14.13 ID:Bx1XtSJW0
王子「ブヒヒ お前をグチャグチャにして姫を僕の物にするんだ」
僧侶「」
王子「つまりお前の命は明日までってことだよ」ブヒヒヒヒーン
勇者「仲間魔物は使ってもいいですか?」
武王「ならん あくまで一対一だ」
勇者「はい」
武王「それでは明日の正午に中庭に集合しろ 解散!!」
勇者「ボストロール」ブツブツ
神官「さっきからずっとあの調子ですね」
侍「仕方ないでござるよ敵は悪鬼妖魔の類!!」
僧侶「あのさ 嫌なら止めてもいいぞ アタシが我慢すればいいんだからさ」
勇者「」
209:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 21:59:33.31 ID:Bx1XtSJW0
勇者「……戦うよ 死ぬかもしれないけど」
僧侶「いや割とマジで死ぬから考え直した方がいいぞ」
勇者「自分のことは自分で決めろ でしょ?」
勇者「俺は戦うよ 僧侶さんに抜けて貰いたくないし」
僧侶「……」
翌日
王子「良くぞ逃げずに来たな」グフフフフ7
勇者「そりゃどうも」
王子「この試合はデスマッチ どちらかが死ぬまで終わらんぞ」
勇者「お生憎様 こちらも死ぬつもりはないから」
242:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 23:44:25.06 ID:Bx1XtSJW0
武王「それでははじめ!!」
勇者「口から火を吐く能力!!」ブォオオオオオ
王子「なにかしたか?」ブヒヒヒヒ
勇者「じゃあ次は口から冷気を吐き出す能力」コォオオオオオ
王子「ふぅ……涼しい涼しい」
勇者「明らかに出力不足です」
王子「じゃあこちらからいくぞ」ブォン
ぼすとろーるのこうげき つうこんのいちげき!! ゆうしゃに150のダメージ
勇者「がはぁっ!?」
僧侶「勇者!?」
246:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 23:57:59.67 ID:Bx1XtSJW0
勇者「マジ痛い シャレにならない……」
僧侶「そう思うならとっとと降参しろ! これ以上は死ぬぞ!!」
勇者「それは嫌かなあ だってそうでしょ」
勇者「俺が僧侶さんの立場でもあれと結婚は嫌だ」
王子「そうだ 僕はこいつをぐちゃぐちゃにするつもりだし」ブンッ
勇者「確かに自分で持ち込める道具は限られてるけど……」
勇者「口と道具袋を繋げる能力!!」プシュー
王子「なんだこれ この臭い……油?」
勇者「知ってた? 油って良く燃えるんだよ」ブォオオオオオ
王子「ぎゃあああああああ!?」
武王「これまで!! この勝負勇者の勝ちとする!!」
神官「勇者様凄いです!!」
侍「あそこから勝ちを掴むとは 流石勇者殿」
僧侶「……」
247:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/11(土) 23:58:55.16 ID:gjYtC4FZ0
道具を使ってはいけないとは一言も言ってないしな
249:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/12(日) 00:04:02.09 ID:zjwNIF8a0
一番使いどころがなさそうだった1ポイントアビリティがまさかの大活躍
253:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/12(日) 00:14:06.07 ID:3jYynL800
王子「まだ……まだ僕は負けてないぞ!!」ブヒヒヒ
武王「だがあなたは……」
ボス「こうすれば問題ないだろう」ゲッヘヘ
おうじのしょうたいはぼすとろーるだった!!
勇者「マジで魔族だった!?」
僧侶「なるほど これで公明正大にこいつをぶっ飛ばせるってこった」
神官「あそこまで堂々とした外見だとわからないものですね」
侍「灯台もと暗しという所でござるな」
スラ「」プヨプヨ
オオカミ「ウォオオオオオン!!」
僧侶「まあお前は休んでろ……ってかいつも大して戦闘では役に立ってないか」
勇者「酷いよ……事実だけど」
僧侶「よし! 全員行くぞ!!」
255:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/12(日) 00:21:41.05 ID:3jYynL800
侍「では拙者から……三段花!!」ジャキン
さむらいのサンダガ ぼすとろーるに80のダメージ
神官「少し出遅れましたけど 防御力低下呪文!!」
ぼすとろーるのしゅびりょくが100下がった
オオカミ「ウォオオオオオオン!!」
おおかみの2回こうげき ぼすとろーるに100のダメージ
スラ「」プヨーーー!!
すらいむのこうげき ボストロールに80のダメージ
勇者「よし! もう一度火ダルマだ!!」ゴォオオオオ
ゆうしゃのこうげき ぼすとろーるに30のダメージ
ボス「なんだこいつらは!? 変だが強いぞ!!」
僧侶「あぁ アタシらは強い そんでもってお前は弱い」
僧侶「アタシたちが魔界に行くための足場ぐらいにはなれよ」ニヤリ
ボス「ひぃっ!?」
そうりょのかいしんのいちげき!! ぼすとろーるに200のダメージ
260:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/12(日) 00:37:21.48 ID:3jYynL800
武王「正直魔界へ行きたいと言った時は 私に対する当て付けかと思ったが」
武王「良い仲間をもったな」
僧侶「そうか? 割と変人ばかりだぞ」
武王「勇者殿とそのPTの皆さん 娘をよろしく頼みます」
勇者「任せてください ってか俺たちもよろしくされます」
神官「僧侶様は素晴らしいお方なので」
侍「良い話でござるな」ウンウン
勇者「結局 魔界からの密告者って王子だったんだよね」
僧侶「あまりに王子と似すぎて入れ替わりに気付かなかったって」
神官「……あまりにも馬鹿馬鹿しい話ですね」ハァ
侍「それでは……」
勇者「魔界に行こう!!」
【 関 連 記 事 】
頑張ってますね
一応読んだけどつまらなかったです