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  ヒーラー男「男らしくない?」 エルフ「はい」【1】

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
こういう雰囲気良いね!てか、ヒーラーじゃなくて賢者じゃないかと見間違うほどの冷静さ。
どこで悟りを開いたんだ一体?でも以外にお似合いパーティ。ほのぼのとしたわ乙!


1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:10:45.09 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「どういうことだ?」

エルフ「そのままの意味ですよ」

ヒーラー「?」

エルフ「普通、こんな華奢な女の子に守ってもらう男性がいますか?」

ヒーラー「だって君の職業は剣士だろ?それにエルフだから身のこなしも」

エルフ「でも!普通の人は女の子が剣を振り回して戦うことを止めると思います!」

ヒーラー「……そもそも、俺について行きたいと言ったのは君じゃないか」

エルフ「うっ……確かにそうですけど……」

ヒーラー「ならいいじゃないか」






3:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:11:59.29 ID:fq1cZYDs0

エルフ「でも、だからって……」

ガサガサッ

ゴブリン「……」

エルフ「っ!敵襲!」ザッ

エルフ「ヒーラーさん!ってあれ?」


ヒーラー「がんばれー」

エルフ「なんで貴方は真っ先に木の上に避難してるんですか!?」

ヒーラー「ほら、前見ろ」

エルフ「!!」

ゴブリン「ガアアアアッ!!」バッ





4:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:12:26.23 ID:fq1cZYDs0

エルフ「遅い!」シュ

ザシュ!

ゴブリン「グッ!?……」ドサッ

エルフ「……ほら、片付きましたよ?」

ヒーラー「いや、まだいるぞ……」

エルフ「えっ?」

ヒーラー「背後だ!」

バッ

エルフ「ッ!」ザッ

狼「グルルルルッ!!」





5:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:12:51.03 ID:fq1cZYDs0

エルフ「腕を軽くやられましたね……」ポタポタ

ヒーラー「ヒール!」

パアッ

エルフ「なんか、気に食わないけどありがとうございます」

狼「ガアッ!」バッ

エルフ「せいやッ!!」シュ

グショ

狼「」グッタリ

ヒーラー「うわ、剣が頭から尻に貫通してる……」

エルフ「早く木から降りてください、剣抜くの手伝ってほしいので」





6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:13:23.63 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「なんとか町に着いたな」

エルフ「とりあえず、私は宿を探すついでに剣の手入れでもしてきますね」

ヒーラー「……服とか見ないの?」

エルフ「いえ、まずは剣からです」

ヒーラー「……女の子らしくないね」

エルフ「貴方には言われたくありません!」





8:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:15:03.94 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「暇だから酒場に着たけど」

ワイワイガヤガヤ

ヒーラー「混んでるな……」


盗賊「あっ、ヒーラーのお兄さんだ!」

ヒーラー「おっ!久しぶりだな」

盗賊「3ヶ月ぶりだね、あれ?エルフちゃんは?」

ヒーラー「宿探しと剣の手入れだとさ」

盗賊「へぇ、いつもと変わらないね」

ヒーラー「ったく、少しは女の子らしくアクセサリーとか洋服とか見ればいいのに」

盗賊「……あたしからすれば、お兄さんも人の事言えないような」

ヒーラー「?」





10:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:15:30.73 ID:fq1cZYDs0

盗賊「でも、羨ましいね」

ヒーラー「?なにが?」

盗賊「エルフちゃんは自分の事よりも、お兄さんの事を優先してるじゃない」

ヒーラー「?」

盗賊「だって、その剣の手入れだってお兄さんを守る為の行動じゃん」

ヒーラー「……確かにそれもあると思うが、違うと思う」

盗賊「え?」

ヒーラー「多分、武器屋行ってるよあいつ」


エルフ「しゅごいいいいいいいいいいい!!この光沢!シャープな形!」

武器屋「(あの子、もう2時間もあのままだよ……)」





13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:16:25.38 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「ほら、宿屋に行くぞ」グイッ

エルフ「待ってください!ほら!!あの剣すごいですよ!ねえ!」

盗賊「(本当に武器屋にいた……)」

エルフ「ほらほら、このエクスカリパー見てください!伝説ですよ!伝説!」

ヒーラー「それは偽物だ!早く行くぞ!」グイッ

エルフ「やだやだ!買って買って!」ジタバタ

盗賊「(うわ、駄々子かよ……)」

ヒーラー「……さっき、この周辺の洞窟に珍しい剣があると聞いたな」

ヒーラー「それ以上の」ボソッ

エルフ「!?ッ早く宿にいきましょう!」ダダダダダダダ

盗賊「(……)」





14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:17:15.54 ID:fq1cZYDs0

カポーン

ヒーラー「久々の風呂だな」

ヒーラー「まあ、こうやってのんびりするのも……」

盗賊「……」ブクブク

ヒーラー「うわ!!盗賊お前いたのか!?」

盗賊「……お兄さん、ここ混浴だよ」

ヒーラー「すまん!」

盗賊「……別に触ってもいいんだよ?」クイクイ

ヒーラー「まな板」

盗賊「死ねっ!死ね!」バシッ

ヒーラー「痛っ!?」





15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:18:03.83 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「……」ヒリヒリ

盗賊「男らしくとは言うけど、あまり正直すぎるのはよくない!」プンプン

ヒーラー「だって、無い物は無い」

盗賊「せいやっ!!」ゲシッ

ヒーラー「グフッ!?」

盗賊「言うな!」


エルフ「楽しそうですね」

盗賊「いたの!?」





16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:19:27.57 ID:fq1cZYDs0

エルフ「ええ」バイーン

盗賊「……」ペターン

エルフ「どうしたんですか?」バイーン

盗賊「……」ペターン

ヒーラー「絶壁と山だな」

盗賊「フンッ!!」バシッ

ヒーラー「ぬわああああああああああああ」

エルフ「?」ボイーン

盗賊「……なにを食べたらそのサイズになるの?」





17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:20:11.53 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「……もうでるわ」バシャ

エルフ「ちょっとまってください!」ギュ

盗賊「(うわ、お兄さんの腕を胸で挟んでるよ!?)」

ヒーラー「何?」

盗賊「(すげー、お兄さん動じないよ!スゲー!)」

エルフ「さっきの珍しい剣とやらの事を詳しく教えてください!」

ヒーラー「そんなもん、風呂上がった後でもいいじゃないか」

エルフ「だって、ヒーラーさんすぐ寝ちゃうじゃないですか!!」

ヒーラー「いいじゃないか!むしろお前は剣の手入れを早く済まして早く寝ろよ!」

盗賊「(なんで、お兄さんはあたしの時は顔真っ赤にしてたんだろ……)」

盗賊「(貧乳派?……ハッ!?認めてないぞ!あたしは!)」





18:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:22:20.82 ID:yOC2cKbW0

ローグちゃんかわいい





19:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:23:38.32 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「とにかく、俺はもう出るぞ」

エルフ「行かせません!」バッ

ヒーラー「ちょ!?押すな押すな!?」

ドシャーン!!

エルフ「さあ、じっくり話を聞かせてください」

ヒーラー「お前なあ……」

盗賊「(エルフちゃんがお兄さんに騎乗位してるようにしか見えない!!)」

ヒーラー「早く降りろ、湯冷めするから」ブラン

盗賊「(お兄さん、アンタのソーゼージは不能ですか?)」

エルフ「さあ、さあ」クネクネ

盗賊「(なんか、ものすごいエロイです……///)」





21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:25:14.10 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「おい、大丈夫か?」

盗賊「」ピクピク

エルフ「顔真っ赤ですね」

盗賊「」ピクピク

ヒーラー「のぼせたか」

盗賊「」ピクピク

ヒーラー「一応、ヒールしたから大丈夫だな」

エルフ「どうします?置いていきますか?」

ヒーラー「ああ」


「おいっ!女の子がタオル一枚で倒れてるぞ!」

ワイワイガヤガヤ

エルフ「いいんですかね?」

ヒーラー「多分」





22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:25:41.23 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「寝るか」

エルフ「待ってください」

ヒーラー「ん?」

エルフ「珍しい剣の話は?」

ヒーラー「zzz」スヤスヤ

エルフ「寝ない!」ドゴッ

ヒーラー「アガッ!?」

エルフ「さあ」

ヒーラー「zzz」クークー

エルフ「さあ!」ドゴォッ

ヒーラー「オボッ!」

エルフ「さあ!!」

ヒーラー「zzz」ガーゴー

エルフ「おい」





23:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:32:06.16 ID:fq1cZYDs0

_____________

ヒーラー「起きたら全身痣だらけだった」ヒリヒリ

盗賊「……そう」

ヒーラー「まったく、あの怪力女は……」

盗賊「……へぇ」

ヒーラー「? 元気ないな?どうした」

盗賊「昨日、風呂でのぼせた後、放置したでしょ」

ヒーラー「ああ」

盗賊「……あの後、憲兵に痴女と間違えられて追われた」

ヒーラー「……ごめん」





24:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:33:21.42 ID:fq1cZYDs0

盗賊「で、お兄さん達はいつまでこの町に?」

ヒーラー「明日には、ここを出発しようと思ってる」

盗賊「ふーん」

ヒーラー「盗賊は?」

盗賊「今から出ようと思う」

ヒーラー「急だな」

盗賊「……どこぞのお兄さん達のせいだからね」

ヒーラー「……」

盗賊「……じゃあね」スタスタ

ヒーラー「……ごめん」





25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:33:55.56 ID:fq1cZYDs0

店主「振られたね、あんた」

ヒーラー「……貧乳には興味ない」

店主「……」

ヒーラー「そうだ、聞きたいことが」

店主「? なんだ?」

ヒーラー「この人を知っているか?」ペラ

店主「……」ジー

ヒーラー「どうだ?」

店主「このワイン、50G」

ヒーラー「……買うよ」

店主「物分りがよくていい」ニコニコ





26:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:36:19.47 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「で?」

店主「……この写真、十年前のものだね」

ヒーラー「ああ」

店主「この写真の男なら、2ヶ月前に見たよ」

ヒーラー「そうか……、行き先はわかるか?」

店主「ああ、たしか砂漠の方に行くとか」

ヒーラー「そうか、ありがとな」

ヒーラー「……砂漠か」

ヒーラー「あの人は」

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27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:37:14.12 ID:fq1cZYDs0

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少年「」

「おい!誰かこの子を手当て出来るものはいないのか!?」

「無理だよ!腹をザックリやられてるんだ!」

「かわいそうに、家の中に山賊が入るなんて」

「この子はまだ息があるけど、ほかの家族は……」

「おい!」

少年「……(僕は死ぬの?)」





28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:37:41.24 ID:fq1cZYDs0

ローブの男「どけ」

「なんだ!あんたは!」

少年「……?」ドクドク

ローブの男「これはひどいな」バッ

キラキラ

少年「……傷が……」シュワシュワ

「すごい、あんな深い傷が一瞬で治った……」

ローブの男「……」スタスタ

少年「待って!!」

ローブの男「……なんだ?」

少年「助けてくれてありがとう!」ペコ





29:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:38:09.81 ID:fq1cZYDs0

少年「あの、これ少ないですけど……」チャリ

ローブの男「礼はいい」

少年「でもっ!」

ローブの男「……俺にとっての礼は、助けたものが長生きすることだ」

少年「……」

ローブの男「将来、大人になったら元気な姿でも見せな、それが俺への礼だ」

少年「じゃあ、顔を忘れないように写真だけでも」パシャ

ローブの男「おい」

少年「またね、おじさん!」

ローブの男「……そんな老けてねえよ」スタスタ
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30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:42:51.39 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「(あの人は、今どうしているのだろうか)」

ヒーラー「(俺は、あの後あの人に憧れてヒーラーを目指すことにした)」

ヒーラー「(誰かの命の恩人になれるような人間に)」

ヒーラー「(それから年月が過ぎ、今に至る)」

ヒーラー「(あの人は多分俺の事は覚えていないだろうから、直接会うことにしたが)」

ヒーラー「(案の定見つからない……)」

ヒーラー「どこにいるのやら……」ハァー


「モンスターが侵入したぞ!!」

カンカンカンカンカンカンカン

ヒーラー「!?」





31:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:44:20.29 ID:fq1cZYDs0

ドラゴン「……」

「ひいいいいい!ドラゴンだ!?」

憲兵A「恐れるな!バリスタを放て!」

憲兵B「了解!」

カラカラカラカラ

ドラゴン「?」キョトン

憲兵A「バリスタ砲、てえっ!!」

ドゴンッ!!

ドラゴン「!?グガアアアアアッ」

憲兵B「今だ!全員突撃!!」

オォー!

ドドドドドドドドドドドドド


エルフ「すごい連携だなあ……」





33:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:45:25.64 ID:fq1cZYDs0

ドラゴン「ウガァ!!……」ヨロヨロ

憲兵A「よしっ!ドラゴンはもう虫の息だ!」

憲兵B「バリスタ準備OKです!」

憲兵A「よしっ、撃て!」

ドラゴン「グガアアアアアアアアアア!!」バサッバサッ

憲兵B「飛んだ!?」

憲兵A「大丈夫だ!撃て!」


少女「おかあさん!どこー!」ウロウロ

エルフ「ドラゴンの真下に女の子が!?」





35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:47:02.83 ID:fq1cZYDs0

エルフ「憲兵さん待って!!」

憲兵A「なんだ?お嬢さん?」

ドゴンッ!

ドラゴン「グガッ!?」ゴバッ

憲兵B「命中!」


ドラゴン「」ヒュー

少女「え?」


グシャ


エルフ「あ……ああ……」





36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:47:37.68 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「なんの騒ぎだこれは?」

「ああ、さっきドラゴンが町に侵入したらしいぜ」

ヒーラー「へぇ、大丈夫なのか?」

「いや、この町の憲兵は優秀揃いだから大丈夫だろうな」

ヒーラー「そうか」

エルフ「ヒーラーさーん!!」ダダダダダダダ

ヒーラー「どうした?」

エルフ「……女の子が!」

ヒーラー「ん?」

エルフ「ドラゴンの下敷きになって大変なんです!!」

ヒーラー「なんだと!?」





37:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:49:00.01 ID:fq1cZYDs0

少女「うっ……」ドクドク

「おいっ、医者はいないのか!!」

「今、病院のほうもドラゴンが来たせいで大忙しだ!」

「旅人でもいい、この子を助けてくれ!」

エルフ「ヒーラーさんこっちです!」

ヒーラー「っ!あの子か?」

エルフ「はい、今はドラゴンをどかした後みたいですけど」

「なんだ?あんたは?」

ヒーラー「……一応、職業柄は医者だな」

「そうか!なら早くあの子を!!」





38:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:49:55.37 ID:fq1cZYDs0

少女「……」ドクドク

ヒーラー「(まずいな、内臓のほとんどがつぶれてるぞ……)」

エルフ「この子は助けられそうですか?」

ヒーラー「……まかせろ」

ヒーラー「少し離れてくれ」ザッ

「なんだ?」

「なんか円を描き始めたぞ?」

エルフ「……」

ヒーラー「(陣は描き終わった)」

ヒーラー「……【ヒーリング】」

パアァ!

「うわ!?眩しい!」

「目が!目がああああ!?」


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40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:51:56.64 ID:fq1cZYDs0

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エルフ「お疲れ様です」

ヒーラー「……久々にあんな大掛かりな魔法使ったよ」

エルフ「でも、あの子はとても感謝してましたよ?」

ヒーラー「まあ、助けられてよかったよ」

エルフ「……」

ヒーラー「さて、宿に帰るぞ」スタスタ

エルフ「……」

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41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:52:29.85 ID:fq1cZYDs0

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エルフ「……」ヨロヨロ

エルフ「(不覚でした……あんな山賊に手傷を負わされるとは)」

エルフ「グッ!?」バタッ

エルフ「(ここまで……)」


ヒーラー「おい!無事かあんた!」

エルフ「(……人間?)」

ヒーラー「おい!おい!」

エルフ「(意識が……)」





42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:53:11.08 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「【ヒーリング】!」

エルフ「(暖かい……光)」

ヒーラー「大丈夫か?」

エルフ「……はい」

ヒーラー「ケガは直ったみたいだし、元気でな」

エルフ「……待ってください!せめてお礼だけでも!」

ヒーラー「……礼はいらないよ」

エルフ「しかし!それではエルフ族の恥!」

ヒーラー「……早く町にでも行きな、エルフを狙う変態だって世の中にはいるんだ」

エルフ「……わかりました」

ヒーラー「……達者でな」





44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:53:54.47 ID:fq1cZYDs0

エルフ「私は迷子なので、道がわかりません」

ヒーラー「は?」

エルフ「あなたの行き先はどこですか?」

ヒーラー「この先の港町だけど」

エルフ「では行き先が同じですね」

ヒーラー「は?」





45:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:54:20.73 ID:fq1cZYDs0

エルフ「別にこれはお礼ではなくて、たまたま、行き先が一緒なだけですからね」

ヒーラー「え?」

エルフ「ああ!察してください!!」

ヒーラー「!」

エルフ「お礼として、次の町まで一緒に行ってあげます!」グイッ

ヒーラー「おい!引っ張るな!」

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47:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:55:39.02 ID:fq1cZYDs0

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エルフ「(この人に付いていって半年か)」

ヒーラー「おい?どうした?」

エルフ「(港町から出る時も、とりあえず理由つけて付いて行ったけ?」

ヒーラー「おーい!」

エルフ「(まだお礼は終わっていないとか、護衛するとかで)」

ヒーラー「……洞窟の剣」ボソッ

エルフ「ハヒィ!?そういえばまだ聞いてませんでした!」

ヒーラー「ほら、早く宿に戻るぞ」トコトコ

エルフ「はい!」

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48:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 06:56:13.75 ID:fq1cZYDs0

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ヒーラー「がんばれー」

エルフ「ちょっとは援護してくださいよ!!」

ボストロール「フンッフンッ!」ドシンドシン

ヒーラー「そいつを倒せば剣はもうすぐだぞ!」

ボストロール「フウンッ!!」ブンッ

エルフ「大振りすぎですよっ!」ヒュン

グサッ!

ボストロール「グワアアアアアアア!?」

ヒーラー「うわ、目から脳天に貫通した」

エルフ「剣!剣はどこです!」





50:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:01:48.19 ID:fq1cZYDs0

台座「」

エルフ「あった!」ダダダダダダダダダ

ヒーラー「ほう、立派に飾ってあるな」

エルフ「聖剣とでも呼びますか」

ヒーラー「ん?この台座の裏に何か書いてあるな……」

エルフ「そんなものはどうでもいいですよ!」グッ

ヒーラー「なになに……」ブツブツ

エルフ「うぐぐぐぐぐぐっ!!」ググッ

ヒーラー「おい、この剣が製作されたのは」

エルフ「せいやっ!!」グッ



パキッ





52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:02:15.48 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「……まあ落ち込むな」

エルフ「……」ションボリ

ヒーラー「まさか台座に刺さってた剣が風化してたとは」

エルフ「台座から抜こうとしたら折れたました……」

ヒーラー「……ほらよ」スッ

エルフ「えっ?……これは!?」

ヒーラー「あの武器屋で売ってた エクスカリパーだよ」

エルフ「なんでこれを……」

ヒーラー「あの助けた女の子の父親が武器屋でな、お礼にって」

エルフ「ひゃっほい!大好きですヒーラーさん!」ギュ

ヒーラー「(多分、名前からして偽者だけどな)」





53:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:03:29.37 ID:fq1cZYDs0

エルフ「で、次はどこに行くのですか?」

ヒーラー「ああ、砂漠の方にな」

エルフ「砂漠!?」

ヒーラー「別に無理して来なくてもいいんだぞ?」

エルフ「っ!行きます!行きますとも!」

ヒーラー「そうかい」スタスタ





55:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:08:12.54 ID:fq1cZYDs0

______________

ヒーラー「がんばれー」

エルフ「お願いですから援護ください」

ヒーラー「馬鹿いうな!俺は戦えないからこうやって距離を置いてだな!」

エルフ「明らかに安全地帯じゃないですか!その崖の上!」

ワーム「グガアアアアアアアッ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

エルフ「ひいいいいいい!?」ダダダダダダダ

ヒーラー「食われるなよー」





56:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:11:24.42 ID:fq1cZYDs0

エルフ「っハァ……ハァ……」ボロボロ

ワーム「」

ヒーラー「お疲れ様」

エルフ「危うく死ぬところでしたよ……」

ヒーラー「大丈夫、体の一部が消えても俺が止血はしてやるから」

エルフ「……最終的には達磨ですね」

ヒーラー「うん」





60:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:13:48.74 ID:fq1cZYDs0

エルフ「そういえば、このワームの腹辺りなんか動いてますね」

ヒーラー「開けろ」

エルフ「え?」

ヒーラー「とりあえず開けてみろ」サッ

エルフ「なんで岩の後ろに隠れるんですか……」

ヒーラー「安全確保」





62:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:16:39.17 ID:fq1cZYDs0

エルフ「セイッ!」シュッ

スパッ!


盗賊「……やあ」

エルフ「……食べられてたんですね」

ヒーラー「……食われてたのか、実は少ないのに」

盗賊「うるさい!!」





64:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:20:14.83 ID:fq1cZYDs0

エルフ「よくあのノコギリみたいな歯があったのに、無傷ですね」

盗賊「洞窟かと思ったんだ……」

ヒーラー「寝ているワームの口から入ったんだな」

盗賊「まさか、ワームとは思わなかったんだよ!」

エルフ「いや、歯で気づいてくださいよ」





68:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:33:39.55 ID:fq1cZYDs0

盗賊「で、お兄さん達はこの先に行くの?」

ヒーラー「ああ」

エルフ「はい」

盗賊「ならこのあたしが」

ヒーラー「却下だな」

盗賊「なんで!?」

ヒーラー「少なくとも、ワームと洞窟を間違えるやつには頼りたくないな」

盗賊「……」





69:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:39:25.82 ID:fq1cZYDs0

ヒーラー「まあ、勝手についてくる分には止めないよ」

盗賊「……流石お兄さん、ツンデレだね」

エルフ「ですね」

ヒーラー「うるさい」

盗賊「まあまあ、あたしも一応は戦えるんだから、お兄さんと違って」

ヒーラー「そりゃお前、俺はサポート職なんだから当たり前だろ」

エルフ「ふーん、女の子にばっか戦わせて恥ずかしくないんですかね?」

ヒーラー「おい、お前は俺への恩返しだろ」





70:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:42:35.31 ID:fq1cZYDs0

エルフ「(……)」

盗賊「で、行き方はわかるの?」

ヒーラー「ああ、この先をまっすぐ進むと旗があるからそれを目印にするらしい」

盗賊「ふーん」

エルフ「(……恩返しか)」





71:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:43:18.49 ID:fq1cZYDs0

エルフ「(私にとっての、この人への恩返しは護衛)」

エルフ「(私は戦うことはできるけど、命は救えない)」

エルフ「(逆にこの人は、命は救えるけど、戦えない)」

エルフ「(だからこそ、私はこの人の助けになってあげたいのかもしれない)」

ヒーラー「おーい?」

盗賊「先行っちゃうよ?」

エルフ「待ってくださいよ! 

 
     命の恩人さん





終わり





73:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:45:18.85 ID:P70nBOiv0

え?





74:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:46:35.06 ID:9GtFsmLh0

お?





79:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 07:55:38.87 ID:eMMJrr9l0

おいおい





82:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 08:16:04.08 ID:E99MwD6F0

迸る打ち切り感





90:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 11:14:36.78 ID:6+jOBido0

結局ヒーラーはどっちの女がいいのか
そこまで書いてくれよォォォォオオ!!!





84:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/02/15(水) 08:22:57.61 ID:9GtFsmLh0

先生の次回作にご期待ください








  

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