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  女子高生佐村河内「ピアノの音が聞こえる」

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
あの騒動の裏にはこんな真実が…って、いやいやいや!某ベートーベン氏の氏名の前に、
あり得ない4文字がくっついているような。これなら世間(オマイラ)は許したはず。乙!


1:名無しさん:2014/03/08(土)20:17:11 ID:CNzcL801n

音楽室

「あなた、ピアノ上手いわね。」

「あ、ありがとう。あ、あの、い、いつからここに?」

「綺麗な音が聞こえたから、ついフラフラっとね。

 途中からいたんだけど、あなた、ピアノ弾き終わるまで全然気づかないんだもの。」

「そ、そう。」(は、恥かしい…)

佐村河内「私は佐村河内よ。」

新垣「あ、新垣隆子、です。」






2:名無しさん:2014/03/08(土)20:18:05 ID:CNzcL801n

佐村河内「ねえ、もっと何か弾いてみてよ。」

新垣「え、ええっと、」

新垣がピアノを弾きながら佐村河内に問いかける

新垣「さ、佐村さんもピアノをやるんですか?」

佐村河内「私は全然、楽譜も読めないの。

 昔ピアノを習ってた事もあったけど先生が嫌ですぐにやめちゃったんだ。

 音楽は好きなんだけどね。ねえ、ちょっと私にも弾かせてよ。」





3:名無しさん:2014/03/08(土)20:18:47 ID:CNzcL801n

佐村河内が曲にならない音を響かせる

佐村河内「やっぱダメね。才能無いわ私。」

新垣「うーん、やりたい曲調は分かるんだけど…」

新垣が先ほどの音に明確なメロディをつけて弾き直す

佐村河内「スゴイ!私がやりたかったのはこういう曲よ。
 あんた天才なんじゃないの?!」

新垣「そ、そんなことないよ。」





4:名無しさん:2014/03/08(土)20:19:28 ID:CNzcL801n

佐村河内「ねえ、こういうのも曲にできる?」

再び佐村河内が曲にならない曲を弾く

新垣「ええっと、こういう曲かな?」

新垣が曲にする

佐村河内「凄い!凄い!あなた、本物の天才よ!」

新垣「そ、そんなことないよ//////」





5:名無しさん:2014/03/08(土)20:19:53 ID:CNzcL801n

5年後、二人は音大を卒業し、
佐村河内は作曲家の道へと進み、
新垣は小学校の音楽教師になった。

新宿 喫茶店

佐村河内「やっほー、待った?」





6:名無しさん:2014/03/08(土)20:20:22 ID:CNzcL801n

新垣「佐村ちゃん遅いー」

佐村河内「ごめんごめん」

新垣「どうしたの?そのサングラス」

佐村河内「私、盲目になったから」

新垣「え?」





7:名無しさん:2014/03/08(土)20:20:50 ID:CNzcL801n

佐村河内「冗談よ、冗談。というか、そういう設定?
 今度、盲目の作曲家、現代のベートーヴェンとして売り込もうと思って」

新垣「何それ?ベートーヴェンは盲目じゃなくて難聴だよ?」

佐村河内「そうだっけ?とにかく、なにかしらの話題を作ろうと思って。
 ほら、記憶喪失のピアニストとかいたじゃない?」





8:名無しさん:2014/03/08(土)20:21:19 ID:CNzcL801n

新垣「そんな事してもバレて大変なことになるだけだと思うよ?」

佐村河内「へーき平気、なんとか貫き通すから。
 そうだ、試してみてよ。今から私、何にも聞こえないから、ハイッ始めっ!」

新垣「えー、無理だよー、絶対バレるって」

佐村河内「無理じゃない!」

新垣「ほら、もう駄目だった。」

佐村河内「!!」





9:名無しさん:2014/03/08(土)20:21:53 ID:CNzcL801n

佐村河内「ワンモアチャンス」

新垣「無理だと思うけど…」

佐村河内「ハイッ始めっ!」

キキーッ!ドカン!!!

佐村河内「今の何!交通事故!?」

新垣(絶対無理だ…)





10:名無しさん:2014/03/08(土)20:22:19 ID:CNzcL801n

新垣「そんなことより、今日は打ち合わせの約束でしょ?」

佐村河内「そうそう、今度のはちょっと本気なんだ。ヒロシマをテーマに曲を作ろうと思って。」

新垣「広島?」

佐村河内「うん、うちの爺ちゃん被爆者で、小さいころはよく原爆の話を聞かされてたの。
 そういう鬱々としたフラストレーションや畏れの感覚を音楽に昇華できないかと思って」





11:名無しさん:2014/03/08(土)20:22:53 ID:CNzcL801n

新垣が曲の構成表を読み終える

佐村河内「どう?」

新垣「うん。これが出来上がったら凄い曲になると思う」

佐村河内「良かった、そう言ってもらえて。
 それで第一楽章のここのイメージなんだけどね、、、」

佐村河内と新垣の打ち合わせは深夜にも及んだ





13:名無しさん:2014/03/08(土)20:23:51 ID:CNzcL801n

1年後、佐村河内は全聾の作曲家として一躍時の人となっていた。

音楽スタジオ

新垣「佐村ちゃん最近凄い人気ね」

佐村河内「全部あなたの協力があってこそよ」

新垣「そんなことないよ、私は佐村ちゃんのお手伝いをしてるだけだから…」





15:名無しさん:2014/03/08(土)20:24:36 ID:CNzcL801n

佐村河内「ねえ、共作の件考えてくれた?
 私としては一緒の名前で発表したほうがスッキリするんだけど、」

新垣「またその話?いいよ私は、そういう表舞台に出るの苦手だし、
 私の手伝った曲が使われてるのを聴くだけで満足だから」

佐村河内「そう?欲がなわねえ」

新垣「それより頼まれてた曲だけど、こういう感じでどうかなぁ」

新垣がピアノを弾き、音楽の打ち合わせに入る





17:名無しさん:2014/03/08(土)20:25:21 ID:CNzcL801n

新垣宅

『佐村河内のスコアを眺めると、奇跡を目撃したような感覚に捕われる。

 第一楽章の静謐な内に熱いエネルギーを秘めた佇まいから戦いへの転換は、

 体中の細胞が増殖し、目の眩むような緊張が(心に強く刻み込まれ…)』

新垣「きゃー、恥かしくて書けないよー」





18:名無しさん:2014/03/08(土)20:25:55 ID:CNzcL801n

喫茶店

新垣「ごめん。頼まれてた解説なんだけど、私文才がなくて、誰か他の人に代わってもらえないかな?」

佐村河内「こんなの適当に書けばいいのよ。
 そうだ、私が言うことを書き写しなさい。そうすればあなたが書いたことになるから。」

新垣「えー!いいのかなぁ」

佐村河内「いいのよ。じゃあ言うわよ。
 『佐村河内のスコアを詳細に眺めて評価することは近代の劇音楽に屡見られる根本的な技術不足や
  過剰に技を凝らした持て余しとは明らかに一線を画している。…』」

新垣(自分で言ってて恥かしくないのかなぁ)





19:名無しさん:2014/03/08(土)20:27:07 ID:CNzcL801n

新垣宅

佐村河内「遊びに来たわよー、居ないのー、
  ・・・・・・
 鍵をかけずに出かけたのかしら?」

「こんにちはー」

佐村河内「あ、誰か来た。」

少年「こんにちはー、先生ー」

佐村河内「新垣先生なら今いないわよ」





20:名無しさん:2014/03/08(土)20:27:34 ID:CNzcL801n

少年「僕、新垣先生にヴァイオリンを習ってるんです。」

佐村河内「ねぇ、何か弾いてみてよ」

少年「はい、準備するのでちよっと待っててください」

佐村河内「あ、あんた、その腕どうしたの!?」

少年「生まれつき右腕が無くて、義手でヴァイオリンを弾くんです。」

佐村河内「はぁ、大変ねぇ」

少年「お姉さん程じゃないですよ」

佐村河内「え?」





21:名無しさん:2014/03/08(土)20:28:00 ID:CNzcL801n

少年「お姉さん、佐村河内さんでしょ。
 テレビで見たことあります。耳が聞こえないのに作曲家をしてるって。
 新垣先生が作曲家の友達がいるって言ってたけど佐村河内さんだったんですね」

佐村河内「え、ええ」

少年「佐村さんに聞こえるように僕一生懸命弾きます」





22:名無しさん:2014/03/08(土)20:29:11 ID:CNzcL801n

少年「どうでした?」

佐村河内「なかなか良かったわ。だれど転調の所、もう少し溜めたほうがいいかしら」

少年「こうですか」

佐村河内「心持ちもう少し」

少年「こう?」

佐村河内「そうそう!そしてフォルテ!」





23:名無しさん:2014/03/08(土)20:29:45 ID:CNzcL801n

新垣「ごめん遅れちゃって、急に用事ができて、」

少年「こんばんわー、先生ー」

佐村河内「おかえりなさーい」

新垣「あら、佐村さん来てたの?なんだか大久保君と打ち解けてるみたいね」





24:名無しさん:2014/03/08(土)20:30:30 ID:CNzcL801n

佐村河内は少年に楽曲を提供したり、
共にTVの音楽番組に出演したりする程の仲になっていった

佐村河内「明日の撮影はTV局の偉い人も来るから頑張ろうね」

少年「うん!」





25:名無しさん:2014/03/08(土)20:30:52 ID:CNzcL801n

撮影終了後

少年「お疲れ様でしたー、お先に失礼しまーす」

佐村河内「気をつけて帰るのよー」

偉い人「プロデューサー君、ちょっと」

プロデューサー「何でしょう?」





26:名無しさん:2014/03/08(土)20:31:34 ID:CNzcL801n

偉い人「あの少年、なかなかいいね」

プロデューサー「では次回も使うということで」

偉い人「いいのは音楽じゃなくて見た目だよ。
 今度セッティングしなさい。それで考えよう」

プロデューサー「分かりました、何とかしましょう。」





27:名無しさん:2014/03/08(土)20:31:54 ID:CNzcL801n

佐村河内「……」

プロデューサー「あ!佐村河内がいますよ!」

偉い人「なあに、何も聞こえとらんよ、」

佐村河内「…………」





28:名無しさん:2014/03/08(土)20:32:32 ID:CNzcL801n

音楽スタジオ

佐村河内「ほら!そこちがうわよ!もっと強く緩急をつけなさい!」

少年「佐村先生最近きびしくなった、」

新垣「どうしたの佐村さん、最近おかしいわよ?」

佐村河内「気づいたのよ、少し上手いだけでは音楽でやっていけない。
 今は障害があるからって面白半分で取り上げられてるだけよ。
 音楽で生きていくには本物の才能が必要なのよ!
 でなけりゃ誰かの食い物のされてお終いよ!」





29:名無しさん:2014/03/08(土)20:33:00 ID:CNzcL801n

新垣「佐村さん!今のは言い過ぎよ!」

佐村河内「あー君、いま卓球もやってるんでしょ?
 そんなの辞めてヴァイオリンに専念しなさい。いい?」

少年「僕、そこまでしてやりたくない、」

新垣「佐村さん!!」





30:名無しさん:2014/03/08(土)20:33:26 ID:CNzcL801n

新垣(佐村ちゃん、最近変だよ、どうしちゃったの、

昔はあんなに楽しく作曲してたのに、、、

これ以上、大久保君に関わらせる訳にはいかない。

だけど、どうしたら、、、

もしも、佐村ちゃんを音楽界から離すことをするなら、

そのときは、私も、、、)





31:名無しさん:2014/03/08(土)20:34:28 ID:CNzcL801n

佐村河内が難聴ではないという新垣女史の記者会見は世間を賑やかせた。

佐村河内は詐欺罪となり、新垣は罪に問われなかったものの自ら職を辞した。

それから5年後、





32:名無しさん:2014/03/08(土)20:34:46 ID:CNzcL801n

刑務官「もう戻って来ないように」

佐村河内「はい、今までお世話になりました」





33:名無しさん:2014/03/08(土)20:35:28 ID:CNzcL801n

佐村河内「な!!なんであんたがここにいるのよ!!」

新垣「・・・・・・」





34:名無しさん:2014/03/08(土)20:36:17 ID:CNzcL801n

新垣「あ、あの、私、

  あの日からずっと後悔してて、、

  それで、音楽を辞めようと思って、仕事も辞めて、」



佐村河内「馬鹿じゃないの、

 あの後有名になったんでしょ?

 いくらでも曲が売れたはずよ、私ならそうするわ」





35:名無しさん:2014/03/08(土)20:36:41 ID:CNzcL801n

新垣「そ、それで、仕事は辞めたんだけど、

 音楽を考えることは辞められなくて、

 こ、これ、私が作曲したんだけど、、

 さ、佐村さんに使ってほしくて、」

パサ、ペラ、ペラ、

佐村河内「駄目ね」





36:名無しさん:2014/03/08(土)20:37:15 ID:CNzcL801n

佐村河内「こんなの売れないわよ、楽譜の読めない人が見たってわかるわ」

新垣「・・・」

佐村河内「代わりにこれをあげるわ」

バサバサバサバサバサ

佐村河内「曲の構成表よ」

新垣「こ、これ全部!?」





37:名無しさん:2014/03/08(土)20:37:55 ID:CNzcL801n

佐村河内「音楽を考える時間はたっぷりあったからね。
 それに曲をつければあんただって売れるでしょ」

新垣(す、すごい!

 音楽がドンドン頭の中に溢れてくる。

 やっぱり、

 佐村ちゃんは、

 天才だ!!!!)





38:名無しさん:2014/03/08(土)20:38:33 ID:CNzcL801n

佐村河内「じゃあね」

新垣「待って!

 佐村ちゃん、ズルい!」

佐村河内「は?」





39:名無しさん:2014/03/08(土)20:39:08 ID:CNzcL801n

新垣「だって、5年前だって、

 佐村ちゃん、一人で罪を被って、それで、」

佐村河内「あんたうっとうしいのよ、」





40:名無しさん:2014/03/08(土)20:39:46 ID:CNzcL801n

佐村河内「あんた、才能あるくせに、臆病で、控えめで、
 こんな私に付き合ってないで、もっと自分の才能活かして生きて行きなさいよ」

新垣「ち、違うよ、

 私は、私は、佐村ちゃんがいたから、」





41:名無しさん:2014/03/08(土)20:41:03 ID:CNzcL801n

新垣「私は、佐村ちゃんがいたから、音楽を続けられたんだよ。

 また、一緒に、音楽を、やろうよ・・・」

佐村河内「あんたね、久しぶりに会ったと思ったら、
 いきなり何泣いてんのよ」

新垣「佐村ちゃんだって」





42:名無しさん:2014/03/08(土)20:41:40 ID:CNzcL801n

佐村河内「う、うるさいわね、
 さっさと行くわよ」

新垣「うん」



その後、天才作曲家コンビが世界で活躍するが、
それはまた別の話








44:名無しさん:2014/03/08(土)20:45:45 ID:CNzcL801n

佐村河内の記者会見にはがっかりした

タイプの違うおっさんがつるんでいるのは奇妙な友情があるものだと思ってたから

ss書くのも2ちゃん(?)に書き込むのも初めてだったけど全部読んでくれたらありがとね





43:名無しさん:2014/03/08(土)20:43:30 ID:nynPbP2bQ


天才の栄光と挫折みたいな話好き





45:名無しさん:2014/03/08(土)20:46:20 ID:L5GpqtVP9







47:名無しさん:2014/03/08(土)20:48:08 ID:TI6I5HbZO


二人がこんなんだったらもっと素晴らしい名曲が生まれそう






元スレ:女子高生佐村河内「ピアノの音が聞こえる」

http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1394277431





  

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萌えちゃう不思議
[ 2014/03/09 23:22 ] [ 編集 ]
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