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  剣士「魔物…!?」

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
読んだ印象としては、文系が書く小説風の物語ではなく、理系が書いた淡々としたレポートな感じ。
セリフの1文1文が短めだからかな。魔物は退治される運命かー。人間に生まれて良かった乙!


2:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 00:46:51.61 ID:WC8ezNFK0

王様「そういう事じゃ」

剣士「信じられませんね…」

王様「ワシもじゃ。しかし臣下からの報告があった以上、確かめねばならん」

剣士「わかりました」

王様「頼んだぞ」






3:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 00:53:28.72 ID:WC8ezNFK0

~城下町~

剣士「という事で魔物狩りだ」

術士「じゃあ準備しないとですね」

剣士「支度金は王様から頂いた」

術士「場所は?」

剣士「ここから南へ3日程かかる渓谷らしい」

術士「あー納得…」

剣士「どういう事だ?」

術士「いわく付きなのよねぇ」





4:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 00:56:48.02 ID:WC8ezNFK0

剣士「よくない噂ってヤツか?」

術士「そういう事。だから準備は万端にしていきましょう」

剣士「了解。出発は明朝でいいか?」

術士「わかったわ」

ーーーーーーーーー

~郊外~

剣士「おはよう」

術士「やぁ」

剣士「準備は?」

術士「完璧」





6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:06:07.37 ID:WC8ezNFK0

剣士「こっちも装備は十分だ」

術士「じゃあ出発しましょう」

剣士「ところで、練習していた術式は完成したのか?」

術士「えぇ、発動するまで時間必要だけど。それよりあなたは?」

剣士「実戦で使った事ないからわからんが、大丈夫だろう」

術士「ならいいわ」

ーーーーーーーー

~峠~

剣士「今夜はここで一休みしよう」

術士「ここで?」

剣士「ここなら、襲ってくる敵の方向が決まってるからな」

術士「それはそうだけど…」





9:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:10:59.92 ID:WC8ezNFK0

剣士「それにここらへんなら楽勝だ」

術士「そ。なら私は先に休むわ」

剣士「ゆっくり休め」

ーーーーーーーー

深夜ー
剣士「………全く」

盗賊1「いよぉ」

盗賊2「へっへっへっへ…」

盗賊3「1人きりかい?」

剣士「そうだが」





10:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:16:45.46 ID:WC8ezNFK0

盗賊1「ここは俺らのナワバリなんでね」

盗賊2「通行料払って貰うぜぇ」

盗賊3「助かりたきゃ有り金と荷物置いていきな!」

剣士「断る。というか金は持ってない」

盗賊2「何ぬかしてんだぁ!?」

剣士「本当だ」

盗賊3「なら殺して奪うまでよ!」

剣士「そうか、その覚悟があるのだな」





11:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:23:50.47 ID:WC8ezNFK0

盗賊1「かかれ!」

剣士「特別だ、素手で相手してやる」

盗賊2「上等だこらぁ!」

盗賊3「うらあああああああ!」


ーーーーーーーー
朝ー

盗賊1「あ、術士さんですか!おはようございます」ボロッ

術士「!?」

盗賊2「さ、朝食の用意ができましたぜ」ボロッ

術士「どういう事?」

剣士「昨夜、偶然会って意気投合してね」





13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:29:14.59 ID:WC8ezNFK0

盗賊3「剣士さん!出発の準備が整いました」ボロッ

剣士「助かったよ」

盗賊3「恐縮です!」

術士「…意気投合ねぇ」

ーーーーーーーー

盗賊達「「「お気を付けて!」」」

剣士「またな」


術士「何があったの?」

剣士「ん?ちょっと語り合っただけだ」

術士「さっぱりわからないわ」

剣士「そこが男と女の違いだな」





14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:35:18.81 ID:WC8ezNFK0

~渓谷~

術士「ここね」

剣士「さて何が出ることやら」

術士「油断しないで」

剣士「常に余裕を持ってるだけだ」

術士「怪我してもしらないわよ」

ーーーーーーーー

剣士「…術士、これ」

術士「な、なんなの!?」

剣士「爪跡に見えるが…」

術士「大きさが異常よ!」

剣士「俺の背丈くらいあるぞ…」





15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:42:20.72 ID:WC8ezNFK0

剣士「やはり魔物か…?」

術士「でしょうね。こんな大きい動物を知らないもの」

剣士「術士が知らないなら魔物の類なんだろう」

術士「…多分だけど、ナワバリを示す為じゃないかしら?」

剣士「なぜ?」

術士「なんていうか、故意に削ったような感じだから」

剣士「確かに、戦闘の跡とは違う感じだしな」

術士「という事はそのナワバリの中にいるわけね」

剣士「それじゃー…っく!」ドンッ

術士「きゃっ!」





16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:52:36.26 ID:WC8ezNFK0

術士「何すー…!」

剣士「下がってろ!」

魔獣「グルル……」

剣士「なるほど、魔物だな…!」

術士「オオカミ…イノシシ…?」

剣士「わからん!くるぞっ!!!」

魔獣「グアアアアア!!!!」

剣士「ぐっ…うりゃ!」

魔獣「ギャン!…オオオオオオ!!!」

剣士「うおっ!まだまだぁ!!」

魔獣「ギャアアアア!…………ウゥ……」

剣士「!?傷が…塞がって…!?」





17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 01:59:39.69 ID:WC8ezNFK0

剣士「術士見ろ!魔物の傷が!」

術士「すごい…!こんな回復みた事ない」

剣士「やっぱり回復か!?じゃあこうすれば!」

魔獣「ギャアアアアアアアア!!」

術士「意外と残酷」

剣士「危うく殺されかけたんだぞ…さすがに切り落とした脚は回復しないか」

術士「でも血は止まったけどね」

魔獣「ウゥ…ウゥ…」

剣士「恨みはないが仕事だ」

魔獣「…………………」

術士「やっぱり首ね」

剣士「心臓の位置がわからない以上、頭と体をバラバラにするしかなだろ」





20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 02:07:36.78 ID:WC8ezNFK0

術士「そうよね」

剣士「そういう事だ。じゃあ城に帰って報告しないとな」

術士「あーあ、結局出番無し…」

剣士「文句言うな。それにコイツに…っ!?」

術士「どうしたの?」

剣士「城に帰るのは延期だ」

術士「まさか…」

剣士「団体様の到着だ」


魔獣達「「「「「グルル……………」」」」」





21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 02:21:30.57 ID:WC8ezNFK0

剣士「この数はヤバイな」

術士「心配無いわ。ここは都市部じゃないし術式も遠慮無しに発動できる」

剣士「それじゃあお手並み拝見するよ」

術士「わかったわ………はあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

剣士「すげぇ…魔獣達が水に囲まれてる…」

術士「はあっ!……はぁはぁはぁ…」

魔獣達「「「「「…」」」」」

剣士「見事なお手前」

術士「ふふっ、ありがと」

剣士「しかし、何故水なんだ?」

術士「口がある以上呼吸しているワケだから、ソコを抑えようと思ったのよ
それに炎が効かなかったら困るでしょ」

剣士「たしかに」





22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 02:29:34.60 ID:WC8ezNFK0

剣士「しかし6匹か」

術士「どうしたの?」

剣士「術士、この渓谷の先はどうなってる?」

術士「川は様々な国を通り海に出るわ。あと向こうに橋があるはずだけど、
その橋を渡れば隣国の領地よ」

剣士「わかった。さ、城に帰るぞ」

ーーーーーーーー

王様「ご苦労であった。今日はゆっくり休め」

剣士「はっ」


~城下町~
剣士「たまには武器屋でも言ってみるか」


店主「いらっしゃい」

剣士「久しぶり」

店主「久しぶりですね、お話聞きましたよ」





24:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 02:35:36.46 ID:WC8ezNFK0

剣士「は?」

店主「なんでも、魔物を6匹も退治したとか」

剣士「いや俺が倒したのは1匹だ」

店主「そうなんですか?」

剣士「それよりもいい武器入ってないか?」

店主「それならこれなんて…

ーーーーーーーー

王様「大臣を呼べ」

大臣「なんでございましょう」

王様「魔物の件、どう思う」

大臣「…隣国が一枚絡んでると思われますが」

王様「ふむ…もうよい、下がれ」

大臣「はっ」





25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 02:46:10.53 ID:WC8ezNFK0

???

大臣「頼んだぞ」

?「御意」

ーーーーーーーー

???

大臣「このままでは我が国は潰れてしまいますぞ」

王子「うむ、大臣の心配もわかるが」

大臣「であれば、何故御婚礼の儀を行わないのです!」

王妃「落ち着きなさい大臣、全ては王子が世界を統一する為の準備にすぎないのです」

大臣「しかし…!」

王妃「よいか、ここで焦っては今までの苦労が水の泡となる…それだけは避けねばならん」

王子「お母様いう通りです」

大臣「わかりました」





26:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 02:54:33.08 ID:WC8ezNFK0

城下町ー

剣士「おーい、術士!」

術士「あ、剣士」

剣士「なんだ、買物か?」

術士「ええ、食材がきれたから」

剣士「あれ?お前料理するのか?」

術士「失礼ね」

剣士「すまんすまん、機会があったらご馳走してくれ」

術士「わかったわ」

剣士「これから王宮に行くから、またな」

術士「ええ」





28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 03:04:28.82 ID:WC8ezNFK0

王宮ー

王様「よく来た、ここへ座ってくれ」

剣士「失礼します」

王様「今日呼んだのは、お主に頼みがあってな」

剣士「頼み、ですか」

王様「そうじゃ」

剣士「なんでしょうか?」

王様「暗殺、じゃ」

ーーーーーーーー
城下町ー

術士「王宮に行くって言ってたけど、何だろう
今度は何の仕事かなぁ
出来れば一緒に行きたいなぁ…
…!何言ってんだろ…」

コンコン





29:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 03:08:49.28 ID:WC8ezNFK0

術士「はーい」

剣士「よぉ」

術士「剣士!どうしたの?」

剣士「飯を食いに来てやったぞ」

術士「え!わかったわ、すぐ準備する!」

剣士「すまないな」

術士「構わないわ…それでどうしたの?」

剣士「いや、なんとなく…」

術士「ふーん…なんでそんな思い詰めた顔してるかは聞かないであげる」

剣士「!」

術士「ふふっ」





30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 03:12:25.39 ID:WC8ezNFK0

剣士「ごちそうさん」

術士「おそまつさま」

剣士「…美味かったよ。また食いに来てもいいか?」

術士「私が居ればね」

剣士「たしかにな」

術士「ふふっ」

剣士「また…来るよ…」

術士「待ってるわ」

ーーーーーーーー





32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 03:22:50.20 ID:WC8ezNFK0

剣士「…」シュッ

王子「な、何も…ぐっ……貴様…なぜ…」

剣士「すまない…」

ーーーーーーーー

王妃「誰じゃ!?」

剣士「…」スッ

王妃「ひっ…誰かおらぬか!賊じゃ……」

剣士「…」


見張り「王妃様!どうかされ…!お、王妃様!!!族だ!族が侵入したぞ!」

番兵「いたぞー!!こっちだ!!!」

弓隊「撃てー!!!!」

剣士「ぐっ…ヤバい…」





33:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 03:29:12.29 ID:WC8ezNFK0

ーーーーーーーー
王宮、先刻

剣士「暗殺って、王様本気ですか!?」

王様「仕方ないのじゃよ…」

剣士「しかし!王妃様と王子様は!」

王様「わかっておる。しかし奴らはもはやこの国に仇なす敵なのじゃ」

剣士「ならば!暗殺などでは無く正式に処罰を!」

王様「そうもいかん」

剣士「なぜです!」





34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 03:44:49.26 ID:WC8ezNFK0

王様「王妃が隣国の王と結託してこの国を手に入れようとしてるんじゃ。
我が国と隣国が一つになれば財力も軍事力も間違い無く世界一となろう」

剣士「…」

王様「ワシも一国の王じゃ…その提案を受け入れようとしたんじゃが」

剣士「…」

王様」先日、お主が退治した魔物…アレは隣国で造られたモノでな」

剣士「!?」

王様「つまり、隣国で造られる怪物とそれを支える資金、この二つが一つになると…」

剣士「…世界統一が可能に…」

王様「その通りじゃ。しかしそのようなやり方は絶対に許されん」





35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 03:49:37.28 ID:WC8ezNFK0

王様「わかってくれたかな」

剣士「お話はわかりましたが…暗殺などしなくとも…」

王様「いや、これは暗殺でなくてはならん」

剣士「…」

王様「わかっておる。そうする以上ワシもタダでは済まない事ぐらい」

剣士「…」

王様「これは…命令ではない…」

剣士「王様」

王様「?」

剣士「命令…してください」





36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 03:56:20.62 ID:WC8ezNFK0

王様「…そうじゃな…剣士よ、我が国の王妃、王子、及び隣国の王の暗殺を命ずる」

剣士「…わかりました」

王様「全てが終わったら報告に来るのじゃ。それまでは来る必要は無い」

剣士「はっ」

ーーーーーーーー
王宮・裏庭

剣士「はぁ…はぁ…はぁ…」


隊長「探せ!まだ遠くには行ってないハズだ!」

兵隊1「おーい!こっちに何かあるぞ!」

兵隊2「おお!」

ーーーーーーーー





38:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 04:08:14.09 ID:WC8ezNFK0

下水道ー

剣士「はぁ…はぁ…は…とりあえず、ここまでくれば、いいか…
次は隣国の王か、こりゃ行きて帰れないかもな…」

術士「まったくよ、何考えてるの」

剣士「!?…術士、なんでここに」

術士「私、これでもこの国最強の術士なのよ。あんまり馬鹿にしないでほしいわね」

剣士「そうだったな…それより」

術士「事情は全て知ってるわ」

剣士「まさか…」

術士「ええ」ニコッ





39:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 04:11:47.59 ID:WC8ezNFK0

術士「これからどうするつもり?」

剣士「隣国に行くつもりだけど」

術士「この国の兵士に追われながら?」

剣士「う…」

術士「何よ、考えてないの?」

剣士「…」

術士「仕方ないわね、協力してあげるわ」

剣士「!?」





41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 04:21:03.96 ID:WC8ezNFK0

剣士「術士を巻き込むワケにはいかない」

術士「あなたに死なれてもこまるわ」

剣士「どうして!」

術士「どうしてもよ」

剣士「…はぁ…わかったよ。それで、どうするんだ?」

術士「まずはアナタに死んで貰うわ」

剣士「待て、さっき死なれては困るって言わなかったか?」

術士「追手から逃れる為よ」

剣士「なるほど。で、どうするんだ?」

術士「こうするのよ!」

ーーーーーーーー





42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 04:26:50.14 ID:WC8ezNFK0

大臣「この者は、王と国の為に生涯を費やし、最期も亡き王子様、王妃様の仇をー…」

王様「…」

ーーーーーーーー

青年(剣士)「妙な気分だ…」

術士「何がよ」

青年「自分の葬儀だし、しかも英雄扱いだし」

術士「不名誉よりはマシじゃなくて?」

青年「そうなんだけどな」

ーーーーーーーー





43:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 04:35:41.55 ID:WC8ezNFK0

術士「取り敢えず今晩ウチで休んで」

青年「助かるよ」

術士「これからお風呂入るけど、覗いたら本物の死体にしてあげるから」

青年「覗かないよ」

術士「…そ、適当に寛いでて頂戴」

青年「わかったよ」


青年「…とは言ったものの、暇なワケで。これからどうしよう?」





45:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 04:57:19.89 ID:WC8ezNFK0

>>44

術士「…もう少し素直にならないとダメかなぁ…
殺すとかいっちゃったけど、ホントに覗かれたらどうしよう…
いや、覗いて欲しいワケじゃなくて、でも全く興味示して貰えないのも…
何言ってるんだろ私…もう…」

青年(…なんかブツブツ言ってるのが気になるが…しかし、術士のヤツ…
すげぇ女らしい体してるなぁ…
そういえばなんで【術士】なんだろうな…まぁいいや、今は目の保養に…)

術士「アイツ好きなヤツとかいるのかなぁ…
なんと言っても【剣士】だしなぁ…あ、でも今日葬儀やった時には
それらしい女(ひと)居なかったような…ということは…」

青年(あ~!!もうちょっと!左!!そう!)

術士「…ん?…覗かれてる…?」

青年(!!ヤバい!?)





46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 05:05:45.26 ID:WC8ezNFK0

青年(全力後転、そして音を立てずに静かに立つ)

術士『青年?ちょっとー』

青年(!?…ここはすぐ反応してはならない。1回は無視しよう)

術士『おーい、青年ってばー』

青年「……よし……なんだー?呼んだか?」

術士「私、上がりたいんだけど」

青年「?」

術士「裸見られたくない」

青年「あ、そうか。すまない」

術士「着替えるまで外で待ってて貰える?」

青年「わかった」





47:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 05:14:31.91 ID:WC8ezNFK0

青年(つまり堂々と覗けるチャンスが来たわけで)

青年(こんどは湯気になんか邪魔されない!)

青年(むぅ…やはりいい体してるなぁ…)

青年(なんていうか…普段ローブで見えない艶かしい曲線美…)

青年(そして濡れた長い髪が肩や背中を強調する…)

青年(そして二つの膨らみ…これが…これが!)

青年(生きててよかった…)





49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 05:26:36.25 ID:WC8ezNFK0

術士「お待たせ」

青年「意外と早いかった」

術士「あまり待たせるのも悪いと思って」

青年「気にしなくていいのに」

術士「そう?それよりさ、私どうだった?」

青年「キレイだったよ」

術士「何が?」

青年「…しまっ」

術士「覗いたんでしょう」

青年「違っ…覗いてなんか…」





50:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 05:32:50.40 ID:WC8ezNFK0

術士「あら、じゃあ何がキレイだったかしら?」

青年「え、と」

青年「ほらアレだよ、下水道から葬儀までの手際というか…!」

術士「ふーん?でも普通はキレイなんて言わないわよ?」

青年「う…」

術士「ほら、何がキレイだったの?」

青年「…です」

術士「聞こえないわ」

青年「術士の…その…体が…キレイだと思った…」

術士「そ、ありがと」





52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 05:39:12.39 ID:WC8ezNFK0

術士「それで?」

青年「えっ?」

術士「あとは?」

青年「え、あと…」

術士「覗くなって言ったのに覗いたんでしょ?」

青年「…すいませんでした!」

術士「許してあげないけど、まぁいいわ」

青年「…」

術士「さ、青年もお風呂に入って頂戴。私は先に寝るから後はごゆっくり」

青年「はい…」

術士「おやすみ」





53:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 05:45:45.49 ID:WC8ezNFK0

青年「しっかりばれてた…」

青年「先に寝るって…いやいや、やめとこう…」

青年「うん、風呂入って寝よう」

ーーーーーーーー

術士「おはよう」

青年「やぁ」

術士「準備は?」

青年「大丈夫」

術士「それじゃあ出発しましょう」





54:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 05:52:56.87 ID:WC8ezNFK0

青年「は?」

術士「え?」

青年「術士も来るのか?」

術士「そのつもりだけど?」

青年「しかし…」

術士「あら、[協力する]って言ったわよね?」

青年「言ってはいたが、あの時だけかと」

術士「そんなワケないじゃない。それにこの先も私がいた方がいいんじゃない?」

青年「たしかにそうだが…」

術士「じゃあ決定ね」





55:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 06:01:11.10 ID:WC8ezNFK0

ーーーーーーーー

剣士「やっぱり武器があると落ち着く」

術士「そうね、なんだか安心できるわ」

剣士「まぁこれから隣国まで長旅になるから道中よろしく」

術士「ええ」

ーーーーーーーー

~渓谷~

剣士「…」

術士「どういう事かしら」

剣士「この前よりも明らかに増えて、というかウジャウジャいるんだが…」

術士「いちいち相手にしてられないわね」

剣士「同感。さっさと向こうの橋渡っちまおう」





57:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 06:15:49.30 ID:WC8ezNFK0

橋ー

剣士「術士!前から来るぞ!」

術士「後ろからも…!」

剣士「挟み撃ちか」

術士「どうしましょう!」

剣士「任せろ…相手は魔物、遠慮はいらない。術士、伏せて絶対動くなよ」

術士「わかった」

剣士「すぅ…むっ!!」

魔物達「「「「「ギャアアアアアアアアア」」」」」

術士「何が起こってるかわかんない…」





58:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 06:23:57.02 ID:WC8ezNFK0

剣士「うりゃー!!!!!」

魔物達「「「「「ギャオオオオオオオオオンン」」」」」


術士「すごい…!」

剣士「大した事ないさ」

術士「でもこんなに一度に倒してしまうなんて…」

剣士「普通だろ」

術士「え?」

剣士「一度倒した相手なんだ、負ける事なんてありえない」

術士「そういうモノなの?」

剣士「人間だとこうもいかないけどな」





59:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 06:29:10.73 ID:WC8ezNFK0

術士「それに!剣の動きが見えなかったんですけど」

剣士「あぁ、それな。まぁ…修行の成果だな」

術士「そういわれると…」

剣士「そういう事だ…おっと、増援か」

術士「じゃあ今度は私に任せて」

剣士「囲まれているが」

術士「まだ距離があるから平気、というか近距離だと私も危ないので」

剣士「わかった、近付くヤツは引き受けた」

術士「よろしく」





61:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 06:45:29.59 ID:WC8ezNFK0

剣士「なんていうか…エグいな…」

術士「……!………!」

剣士「術士の動きに合わせて炎の波が魔物達を飲み込んでいく…」

剣士「反対側では氷の槍が無数に降り注いでいる…」

剣士「術士つえぇ…」





62:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 06:49:32.91 ID:WC8ezNFK0

術士「これで大体いなくなったわね」

剣士「俺いなくてのいいんじゃね?」

術士「ダメよ、近付かれると強力な術式使えないの」

剣士「なんで?」

術士「私が無意識のうちに力を抑えるから」

剣士「なるほどねぇ」

術士「だからある程度距離が必要なのよ」





79:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 12:26:19.37 ID:WC8ezNFK0

森林ー

術士「私の記憶ではこの森林を抜ければ小さな町があるはずよ」

剣士「そうなのか?」

術士「何年も前に見た地図に書いてた気がする」

剣士「じゃあ町があったらそこで宿を借りよう」

術士「そうね、だいぶ汚れてしまったもの」





80:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 12:31:28.28 ID:WC8ezNFK0

小さな町ー

術士「…」

剣士「…」

術士「戦争でも起きたのかしら…」

剣士「さぁな。いずれにせよココにはもう誰もいないようだ」

術士「取り敢えず宿にできそうな場所探しましょう」

剣士「了解」





81:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 12:47:08.11 ID:WC8ezNFK0

~廃墟~

術士「ここなら雨風凌げるわね」

剣士「だな。じゃあ火をおこしてくれ」

術士「ええ」

剣士「他に何かあるかもしれないから、2階を見てくるよ」

術士ー「気をつけて」

剣士「ああ」


剣士「…家主かな…この傷は…魔物にやられたのか」

剣士「という事は、戦争じゃなくて襲われたのか?
渓谷はここから北、王都は南だから…」

剣士「やはり王都から来た、と考えるのが自然だろうな」

剣士「造られた、と言っていたが…」





82:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 12:56:24.41 ID:WC8ezNFK0

術士「多分そうでしょうね」

剣士「やっぱりそう思うか?」

術士「なんでこの町が襲われたかはわからないけど」

剣士「だよな…という事は王都に向かうまでアイツらと」

術士「何度も遭遇するでしょうね」

剣士「ここはもう敵地だ。なるべく騒ぎは…」

術士「わかってるわ」

剣士「何か作戦があるのか?」





84:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 13:04:22.79 ID:WC8ezNFK0

王都、市場ー

剣士「まさか野菜と一緒に門をくぐるなんて想像もしなかった」

術士「途中で馬車を捕まえられて運がよかったわ」

剣士「運?」

術士「本当はあの町から使うつもりだったけど」

剣士「そういう事か」

術士「えぇ」

剣士「さて、後は王宮に乗り込むだけだが…」

術士「隣国王の顔は知ってる?」

剣士「直接会った事は無いんだ」

術士「じゃあ会いましょうか」

剣士「は?」





85:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 13:11:03.43 ID:WC8ezNFK0

術士「なに?」

剣士「会う、って簡単には会えないだろ」

術士「大丈夫よ」

ーーーーーーーー

隣国王宮ー

隣国王「はるばる遠くからよくぞ来てくれた」

術士「お会いで来て光栄です、閣下」

隣国王「何ももてなす事は出来んが、心ゆくまで休んでゆくがよい」

術士「ありがとうございます」

隣国王「ところで、そなたは?」

術士「私の護衛です。こう見えても剣の腕は確かです」

剣士「剣士と申します。以後お見知りおきを」





86:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 13:17:44.88 ID:WC8ezNFK0

ーーーーーーーー

王都、宿ー

剣士「なぁ」

術士「何?」

剣士「お前何者だよ…」

術士「あら、心外ね」

剣士「なんでここの王様から歓迎されてんだよ」

剣士「普通に門を通過できたんじゃないか?」

術士「乙女の秘密よ」

剣士「納得できるか!」





87:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 13:21:54.28 ID:WC8ezNFK0

術士「女ってね、秘密が多いものなの」

剣士「秘密にも程がある」

術士「あらそう?」

剣士「それに」

術士「そこまで。女の過去を詮索するのは得策じゃないわ」

剣士「だからといっても…」

術士「ふふ…いずれ話するわ」

剣士「わかった」





88:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 13:33:38.19 ID:WC8ezNFK0

王都、???

?「隣国王」

隣国王「早かったな」

?「報告差し上げます。あの王子と王妃が何者かに暗殺されました」

隣国王「なんだと!?」

?「それともう一つ。北の渓谷に配置していた戦獣兵が全滅しました」

隣国王「まさか!!!」

?「…報告は以上です」

隣国王「あいわかった。もう下がれ」





89:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 13:41:32.48 ID:WC8ezNFK0

深夜ー

剣士「…いってくる」

術士「待って。これを」

剣士「…これは城の地図?」

術士「簡略化した物だけれど」

剣士「理由は…秘密か」

術士「ごめんなさい」

剣士「いいさ、終わったら全て話してもらう」

術士「いずれね…じゃあ気を付けて。ここで待ってるわ」

ーーーーーーーー





90:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 13:52:40.89 ID:WC8ezNFK0

王都、王宮ー

隣国王「むぅ…どうしたものか…ここで東側と手を組むか?それとも西…?」

隣国王「北の王め、まさか自分の子まで殺すとは恐ろしい男よ…」

隣国王「こうなれば、今一度立て直すしか…っぐ!!」

剣士「…」ズバッ

隣国王「…」ドサッ


?「お見事」

剣士「!?」

?「警戒しなくてもいい」

剣士「誰だ?」

?「誰でもいい。僕は大事な事を伝えにきた」

剣士「…」

ーーーーーーーー





91:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 13:59:18.92 ID:WC8ezNFK0

王都、宿ー

術士「おかえり」

剣士「仕事は済んだ。帰るぞ」

術士「…ええ」

ーーーーーーーー





93:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 14:16:20.66 ID:WC8ezNFK0

ーーーーーーーー
?「君、これから北の国に戻るんでしょ?」

剣士「ああ」

?「それはやめた方がいいよ」

剣士「何故だ?俺は王様の命令で…」

?「まぁ王様の命令なのは僕も一緒なんだけどね。
これから北の国を中心に、南、西、東との間で戦争起きるんだ」

?「君は王様からその渦中の人物にされてしまったワケ」

剣士「なっ!?」

?「信じるか信じないかは君次第だよ」

?「じゃあ確かに伝えたからね」

剣士「待て。誰の命令で俺に伝えた?」

?「…もっと大きい意思、かな」





95:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 14:25:27.16 ID:WC8ezNFK0

ーーーーーーーー

剣士「術士、確認したい事がある」

術士「なに?」

剣士「…術士は世界を相手にする気はあるか?」


ーーーーーーーー

北の国、???ー

?「只今戻りました」

大臣「ご苦労」

?「しかし、本当によかったんですか?」

大臣「何がだ?」

?「戦争ですよ」

大臣「その事か。大丈夫だ準備は全て完了している」

?「左様で」

大臣「この戦が終われば俺は世界初の世界王となる!ふふ…フハハハハ!!」





96:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 14:32:11.55 ID:WC8ezNFK0

南の国、郊外ー

術士「それ、どういう意味?」

剣士「そのままだ。これから戦乱になる」

剣士「しかし、これは仕組まれた戦だ」

術士「剣士は、どうするの…?」

剣士「俺はもう誰を信じていいかわからん…だから」

剣士「だから自分の思う通りに剣を振う」

術士「私は…

ーーーーーーーー





97:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 14:39:29.72 ID:WC8ezNFK0

術士「私も一緒にいく」

剣士「死ぬかもしれないぞ?」

術士「覚悟の上。それに…」

剣士「それに?」

術士「私は確かめないといけない」

術士「自分の選択が正しかったかどうか」

術士「私は責任を取らなくてならない」

術士「過去の誤ちの」

剣士「詳しく教えてくれるか?」





98:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 14:46:44.00 ID:WC8ezNFK0

術士「十数年前、ココ南の国で術師に弟子入りしたの。
しばらくしてから王様から命令があってね。

【人間を強化できる術式を開発しろ】って。

それで、いろんな術式を開発したんだけど、どれも効果は無かった。

そこで術師様はある事を思い付いた」

剣士「まさか…」

術士「そ。人間と動物の融合」

剣士「!?」





100:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 14:57:09.73 ID:WC8ezNFK0

術士「数々の実験を重ねて、ついに術式は完成。
でもいくつか問題点があってね。術式で獣人化した人は二度と元に戻れないの」

剣士「ちょっと待ってくれ…じゃあ渓谷で倒した魔獣って」

術士「間違いなくこの国の兵士、もしくは民間人よ」

剣士「!?」

術士「それでね、だんだん怖くなって逃げ出したの」

剣士「…」

術士「その後は各国をわたり歩き、北の国に落ち着いたら…」

剣士「俺と仕事でココに来る事になった、と」

術士「えぇ、皮肉なものね」





101:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 15:03:36.98 ID:WC8ezNFK0

剣士「だいたいわかった…だがその話からすると」

術士「ええ、間違いなく術師様と戦う事になるわ」

剣士「強いのか?」

術士「術式に関しては間違いなく世界最強よ」

剣士「だろうなぁ…お前に教えた人なんだもんな」

術士「そうね…それよりアナタは?」

剣士「何が?」

術士「その…辛くない?」

剣士「そりゃ辛いけど、今こんな事言ってる場合ではないしな」





104:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 15:22:33.69 ID:WC8ezNFK0

術士「剣士…」ギュ

剣士「お、おい…」

術士「お願い…こうさせて」

剣士「…あぁ」ギュ



術士「じゃあこれからどうする?」

剣士「黒幕を倒す」

術士「検討はついてるの?」

剣士「多分だけど、北の国の大臣が黒幕の一人だろう」





106:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 15:30:42.83 ID:WC8ezNFK0

術士「じゃあ北の国に行く?」

剣士「ああ。早い方がいい」

術士「わかったわ」

ーーーーーーーー
北の国、城下町ー

青年(剣士)「なんか久しぶりだな」

術士「あなたの葬儀以来だもの」

青年「でも、あのあと偽装がばれたんだろ?」

術士「そうらしいわね。でも今のアナタどう見てもただの平民よ」

青年「嬉しいような嬉しくないような」





107:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 15:35:26.74 ID:WC8ezNFK0

青年「術士、どうにかして王様に会えないかな?」

術士「なぜ?」

青年「いろいろ確かめたくて」

術士「…いいわ。手続きしてくる」

青年「ああ…って、手続きってなんだ?」

ーーーーーーーー

王宮、謁見の間ー
青年「この度、晴れて夫婦になった事を報告しに参りました」

王様「うむ。よりよい家庭を築かれよ」

青年「はい」

王様「もうよいかな?何かと忙しい身でな」

青年「お待ちください、ちょっとお耳入れたい事が

術士「…」





109:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 15:42:02.66 ID:WC8ezNFK0

青年「恥ずかしい事で、出来れば小声でお話ししたいのですが」

王様「仕方ないな。申してみよ」

青年「…………」ヒソヒソ

王様「……!わかった」

青年「失礼しました」

王様「…今日はこれまでじゃ。皆のもの、ご苦労であった」

術士「…」

王様「後で使いをやる」

青年「かしこまりました」





110:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 15:44:54.78 ID:WC8ezNFK0

城下町ー

術士「…」

青年「なぁ」

術士「…」

青年「さっきから黙ってどうした?」

術士「なんでアナタは平然としてられるの?」

青年「何がだよ」

術士「もういいわ…帰るわ」

青年「お、おい」





111:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 15:48:46.24 ID:WC8ezNFK0

郊外、術士の家ー

術士「なんで着いて来るの?」

青年「だって家に帰れないし」

術士「…」

青年「それに今日は王様から使いの人が来るし」

術士「ここに?」

青年「俺たちは【夫婦】になったんだから当然だろ」

術士「夫婦…」

青年「形だけだけど」

術士「わかってるわよ!」

青年「なんで怒るんだよ…」

術士「怒ってないわよ!」





112:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 15:56:04.77 ID:WC8ezNFK0

コンコン

術士「!…はーい」

使い「失礼します。王家からの新婚のお祝いです」

青年「ありがとうございます」

使い「それではお幸せに」

術士「…新婚…」

青年「中身は何かな~…お、食器だな」

術士「……新婚」

青年「いや~悪い事したかな…ん?手紙?」

《今宵、王宮で待つ》

青年「…」

術士「…?」





114:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 16:07:46.54 ID:WC8ezNFK0

青年「王様から呼び出しだ」

術士「!」

青年「さぁ、長い戦いになるぞ」

術士「そうね…」

青年「いってくる」

術士「気をつけて」

ーーーーーーーー
王宮ー

王様「ご苦労であったな」

青年「はっ」

王様「してそなたのいう戦争じゃが」

王様「今日、お主達前に使者が来てな」

青年「まさか」

王様「宣戦布告された」





115:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 16:18:25.86 ID:WC8ezNFK0

ーーーーーーーー

術士「遅いなぁ…
帰ってきたら、ご飯にするのかなぁ。それともお風呂かな?
もしかすると私って事も…いやいや何考えてるんだ…
でもちょっとは期待なんかしちゃったりして…
あ~でもした事ないんだよな…大丈夫なのかな?
…………!」


青年「ただいま」

術士「お、おかえ、おかえりなさい」

青年「なんで焦ってるんだよ」

術士「なんだっていいでしょ…それよりもこれから」

青年「ああ、明日早いからもう休むよ」

術士「ご飯?それともおふ…え?」

術士「そ、そうよね」

青年「?」





116:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 16:25:31.41 ID:WC8ezNFK0

深夜ー

青年「…………なんかヤバい感じがする」

青年「術士!」

術士「起きてるわ」

青年「…この感じ、あの渓谷で感じた雰囲気に似てないか?」

術士「そうね…でももっと、危険な感じがする…」

青年「ああ…俺の装備は?」

術士「地下室よ」

青年「準備してくる」

術士「わかったわ」





117:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 16:31:44.15 ID:WC8ezNFK0

城下町ー

剣士「城に近付く程、嫌な感じが強くなってくる」

術士「やっぱり城で何かが起きているのは間違いなくなさそうね」

剣士「俺から離れるなよ」

術士「ええ、頼りにしてるわ」

剣士「俺もさ」

ーーーーーーーー

場内ー
剣士「これはー」

術士「酷い…」

剣士「鎧ごと抉られる…凄い力だ」

術士「……!剣士、近くにいる!」

剣士「…!」

魔物「ウオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

剣士「くっ!」





119:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 16:40:05.15 ID:WC8ezNFK0

剣士「こいつは!?」

術士「わかんない!」

剣士「…その服…まさか大臣か!?」

魔物「フハハハハハハハハ!!!!」

魔物「ソウダ!私ハコノ国ヲ私ノモノにスル…グハハハハハハハハハハハ!!!」

術士「そんな…術式はここまで完成したの!?」

剣士「やっぱりそうなのか!」

術士「間違いない…!」

剣士「渓谷見た時はもう少し動物っぽかったんだが」

剣士「こうなるとただの魔物だな」

魔物「グオオオオオオオ!!!!」

剣士「うおっ」





120:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 16:45:14.05 ID:WC8ezNFK0

術士「剣士!」

剣士「こいつ、今までのヤツとは比べもんにならないぞ!」

術師「当然だ…出来損ないと一緒にされては困る」

術士「術師様!」


魔物「ォォォオオオオオオオオオオオオ!!!!」

剣士「ぬっ!まだまだ!」


術師「ふむ…魔物と対等にやり合うとはなかなか」

術士「術師様、何故…」

術師「おや、誰かと思えば出来損ないのクズじゃないか」





124:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 17:07:12.50 ID:WC8ezNFK0

術士「術師様…」

術師「クズが、何しに来た?」

術士「…あなたを…止める為にきました」

術師「誰が、誰を止めるって?」

術士「…」

ーーーーーーーー

剣士「うらうらうらうら!!!」

魔物「ギャン!!」

剣士「まだまだぁ!」

魔物「ギャエ!!!」

剣士「トドメだ!」ズバッ

魔物「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

剣士「うっし、楽勝!」





125:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 17:16:18.30 ID:WC8ezNFK0

術士「剣士!」

術師「ほぉ…」

剣士「さすが俺、無傷。で、術師さんよ」

剣士「悪いがアンタ達の思惑はここまでだ」

術師「思い上がるなよ小僧」

術士「…まさか…」

術師「私は完成させたんだよ…意識を保ったまま魔を取り込む術式をね」

術士「そんな…」

術師「私に刃向かった事を地獄のソコで後悔させてやろう」

術師「……………!………………!」


魔人「ふふふ…」





126:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 17:22:25.22 ID:WC8ezNFK0

剣士「…こいつは」

魔人「クハハハハハハハハ!!!」

魔人「すごい…素晴らしい!」

魔人「ヒャーーーハッハッハッハッハ!!!」

術士「術師様…」

剣士「本気出さないと勝てないかも」

術士「剣士、7分時間稼いで」

剣士「そんなにか…やってみる」

術士「頼む…!」





127:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 17:29:53.03 ID:WC8ezNFK0

術士「…………………………………」


剣士「掛かってこい!」

魔人「ククク…それはこちらの台詞だ…」

剣士「…ウオオオオオ!!」

魔人「喰らえ!」

剣士「喰らうか!」

魔人「やりおる…ならば火球!氷塊!」

剣士「うわぁ!…イテ…」

魔人「ヌハハハハハ!!!」

剣士「んのやろぉ!」





129:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 17:40:30.55 ID:WC8ezNFK0

剣士「だったら…うらうらうらうらうら!!!」」

魔人「剣閃が増え…ギャア!!」

剣士「どうだ!」

魔人「…なかなかの腕だ…だが」

剣士「傷が…」

魔人「わかったかな?」

剣士「くそぉ…」

魔人「行くぞ!!」





131:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 17:51:52.57 ID:WC8ezNFK0

術士「……………………」

術士「剣士!そいつから離れて!」

剣士「!」バッ

術士「はぁああああああああ!!!」

魔人「この光…退魔ではないのか?」

術士「退魔の術式はアンタには通用しない事ぐらいわかってる」

魔人「…」

術士「だから私は…治癒を不可能にした」

魔人「なに…?」

術士「剣士、トドメは任せたわ」





132:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 17:57:02.30 ID:WC8ezNFK0

剣士「………すぅ」

剣士「秘剣・九閃」

魔人「………?」

剣士「そのまま滅びろ、魔物」

魔人「傷が…傷がぁああああああああああ!」

魔人「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


術士「…終わったわね」

剣士「でも戦争は起きる」

術士「そこは国王様に任せておけばいいんじゃない?」

剣士「そうかもな」





133:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:01:58.43 ID:WC8ezNFK0

術士「ところで、さっき何をやったの?」

剣士「さっき?」

術士「最後の技?」

剣士「ああ、あれな…」

剣士「上・下・左・右・ 斜・突きをほぼ同時に攻撃できないかなって思って」

剣士「修行したら出来た」

術士「そんなの人間業じゃないわよ」

剣士「術式使う人に言われたくない。で、術士は?」

術士「何よ?」

剣士「何やったの?」

術士「乙女秘密よ」

剣士「またかよ!」





135:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:09:57.11 ID:hqt4Tf7i0

飛天御剣流わろたwww





136:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:11:11.31 ID:WC8ezNFK0

王様「此度は本当に世話になった。礼をいう」

剣士「いえ」

王様「ところで、術士は?」

剣士「家で研究してます」

王様「そうか。では今晩、2人で祝賀会に参加するように」

王様「各国の王族達が礼をしたいそうじゃ」

剣士「身に余る光栄です」

ーーーーーーーー

剣士「そんなワケで今夜は祝賀会だ」

術士「いやよ、1人で行って」

剣士「半分命令なんだ、来てくれよ」

術士「…仕方ないわね」





138:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:21:43.27 ID:WC8ezNFK0

王宮ー

王様「皆のものよく集まってくれた!各国も皆様もようこそ」

王様「では、今回戦争の引鉄を止め、平和に貢献した勇敢なお二人を紹介しよう」

王様「剣士!術士!ここへ!」

剣・術「はい」

王様「この2人は本当によく働いてくれた」

王様「そこで!その功績を讃え、【聖騎士】の称号を剣士に。術士のそなたには【天空術士】の称号の授与したい!」

参加者「「「「「おおおおおおお」」」」」

剣士「…」
術士「…」

王様「さ、ここへ」

ーーーーーーーー





139:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:28:05.01 ID:WC8ezNFK0

番兵「大変です!魔物が現れました!」

王様「…」
剣士「魔物…!?」
術士「…」

王様「いってきなさい。術士も」

2人「はっ」

貴族「なにもこんな時まで…」
婦人「しかし、あの2人なら大丈夫でございましょう」

ーーーーーーーー

?「あの2人も大変だなぁ」

??「でもいずれは必要になります」

?「そうだよね」

??「では行って参ります」

?「気を付けて」


ふぃん





140:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:33:03.36 ID:WC8ezNFK0

長い時間お付き合い頂き、ありがとうございました。

誤字、脱字が酷くて申し訳ないorz

あんまりほのぼのさせれなかったけど、楽しんでもらえたら幸いです。


文章だけで性格出すって難しいんですね…


何か質問とかあればまったり答えます





141:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:34:19.28 ID:n8WFDh5BO







142:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:35:42.86 ID:tn0bUir8O







144:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:43:06.07 ID:IRFOtGjT0

伏線はいつ回収するの?





147:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:50:48.73 ID:WC8ezNFK0

>>144
残したままだとダメですか





146:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:49:03.91 ID:/kc/TcgbO

続編はいつ頃?





148:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:51:41.89 ID:WC8ezNFK0

>>146
アドリブで書いてたんで決めてません…





149:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 18:57:06.88 ID:d6q8hp/v0

投げっぱなしイクナイ!(・д・)





150:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/01/26(木) 19:01:01.14 ID:acGMNGaF0

イクナイね。








  

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