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  P「伊織を打ち上げたい」

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
胴上げじゃなくて?打ち上げ・・・。デコ花火が頭をよぎってしまった管理人を叱ってください。
しかし、花火にしろ何にしろ、人を打ち上げるのは色々問題も多いような気も乙。


1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:51:34.32 ID:70Zhx5xD0

伊織「は? 打ち上げって仕事のあとのお疲れ様会のこと?」

P「だから、伊織を打ち上げたいんだ!!!」

伊織「百歩譲って打ち上げるのは良しとして、どこによ?」

P「宇宙に決まってるだろっ!!!!!!」ガシッ

伊織「宇宙ねぇ……」

P「そう! ロマン溢れてるだろ!? なっ? なっ?」ユサユサ

伊織「アンタさぁ……?」

P「うん?」






2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:52:31.53 ID:70Zhx5xD0

伊織「バッッッカじゃないの!? と言うかバカよ! まんまバカ!」

伊織「まったくもってアンタの言ってることがさっぱり分からない!!」

伊織「意味は分かるけど心の底から理解できない! 理解したくない!」

P「…………」

伊織「何か言いたいことは?」

P「えーっと……いおりんのツッコミまじディスカバリー!」

伊織「返しが小賢しい!!」





3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:53:28.33 ID:70Zhx5xD0

伊織「何を発見したって言うのよ!?」

伊織「宇宙と言えばスペースシャトルの名前を挙げとけば的な発想がまず貧困!」

伊織「むしろそれをチョイスしたアンタがチャレンジャーよ!」

伊織「私が雰囲気に飲まれて、断るに断れない流れを作る努力くらいはしなさいよ!」

P「お、おう……」

伊織「まず、さっきは譲ったけど、打ち上げられるなんてまっぴらごめんよ!」

伊織「あと、多くは望まないから、せめて人間として扱って!?」

伊織「人をロケットみたいに言ってくれてんじゃないわよ!?」





4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:54:22.74 ID:70Zhx5xD0

伊織「少しは常識的に考えなさい! そんな簡単なものじゃ無いからねっ!?」

伊織「人類が成層圏を抜けるのにすらどれだけの時間を費やしたと思ってんの!?」

伊織「宇宙に行けるのはほんのひと握りなの! 人類の憧れで夢なのよ!」

伊織「だいたいそう言うのはどこぞの事務所のわた春香にこそ、でしょ!?」

伊織「そうよ! 夢なんだからまさに春香にうってつけな仕事じゃない!」

伊織「あはははははは!!!!!」

P「…………」





5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:55:09.79 ID:70Zhx5xD0

シーン……

伊織「ハアッ、ハアッ……」ゼェゼェ

P「だけど」

伊織「私が今まで言ったこと分かった!? ちゃんと受け止めなさいよ!」

P「…………」

伊織「まったく……それで、どうして私を打ち上げたいわけ?」

P「いやぁ、地球って狭いだろ?」

伊織「んー、まあ、宇宙に比べたら、ね……?」

P「だから、広い宇宙に打ち上げたいなぁ、って」

伊織「うん。やっぱり分かんない」

P「…………」





6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:56:15.28 ID:70Zhx5xD0

伊織「確かに、そりゃあ私は宇宙一可愛いアイドルだと思うわ?」

伊織「だけど、宇宙に私のファンは居ない」

伊織「そんなとこでダンスしたって歌ったって、みっともないだけじゃない」


P「……それこそ、伊織"らしく"ないんじゃないか?」


伊織「なんですって……?」ピクッ

P「俺の知ってる伊織はそうじゃない」

P「どんなアイドルだって最初はファンなんて居やしない」

P「俺たちだって、ゼロからスタートしたろ?」

伊織「…………」





7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:57:20.42 ID:70Zhx5xD0

P「俺の知ってる伊織は、いつだって過酷な道を選んでトライしてきたチャレンジャーだ」

伊織「私は……。チャレンジャー……」

P「宇宙にファンが居ないなら作れば良いじゃないか。そうだろ?」

伊織「―――っ!」

P「行こう、宇宙に……!」

伊織「……ええ! 行ってやるわ!」





9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:58:24.56 ID:70Zhx5xD0

伊織「―――って、ならないから。」

伊織「流石にこの流れで宇宙に行く奴は阿呆よ。阿呆」

P「そうか……残念だよ」

伊織「あら、もう諦めちゃうの?」

P「無理やり連れて行くのだけは嫌だったんだけどな……仕方ないか」

伊織「……え?」

P「新堂さん、あとはお願いします……」サッ

新堂「かしこまりました」スッ

伊織「はあ? 何、新堂? まさかアンタまで……」

新堂「ご無礼をお許しください……」シュッ

トスッ

伊織「―――うっ……!?」バタッ

――――――
――――
――





10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 00:59:12.05 ID:70Zhx5xD0

伊織「―――っ!?」ガバッ

伊織「ここは……?」

P《気がついたか、伊織?》

伊織「この声……プロデューサー?」

P《そうだ》

伊織「ここは一体どこ!? 狭くて敵わないんだけど!?」

P《時間が無いんだ、落ち着いて聞いてくれ》

伊織「はぁ? 何これ、TVの撮影? 私、こんなの聞いてな―――」

P《時間が無いって言ってるだろ!》ビリリ

伊織「ヒッ……!?」ビクッ


P《大きな声を出して、すまん……今から伊織を宇宙に打ち上げる》





11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:00:06.95 ID:70Zhx5xD0

伊織「ちょっと、本気なの!?」

P《もうすぐ、この地球に巨大な隕石が衝突する》

伊織「はっ、はぁっ!? 何よそれ、ドッキリなんでしょ、コレ?」

P《…………》

伊織「だってほら、普通はニュースになるじゃない!?」

P《そうだな。ドッキリだったらどれだけ良かったことか……》

P《頭の良い伊織なら分かるだろ?》

P《巨大隕石が地球に衝突するなんてニュースで報道してしまったら―――》

伊織「きっと……パニックに……なる……」





12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:00:48.78 ID:70Zhx5xD0

P《隕石が衝突したとき、どれくらいの被害になるか予想もつかないほどなんだ》

P《もしかしたら、地球が消滅するかもしれない》

P《だから、その前に伊織を打ち上げる……!》

伊織「イヤっ! イヤよっ! だいたいどうして私だけなのっ!?」

伊織「みんなも! アンタも一緒に―――」

P《これは伊織のお父さんからのお願いでもあるんだ》

伊織「お父様の……?」

P《せめて、伊織だけでも、って……》

伊織《お父様はどこに……?》

P《会社の社長室に居るそうだ。"水瀬"を最後まで見ていたい、って……》

P《伊織のお兄さんも、新堂さんもそこに居る》

伊織「そんな……」





13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:01:29.35 ID:70Zhx5xD0

P《最後まで、放ったらかしにして、すまないって仰ってた》

伊織「お父様……」

P《一応、そのロケットは50年分の食料を積んであるから安心しろ》

P《そして、もし奇跡が起きて地球が無事なら……》

P《地球からの電波を拾って自動的に帰ってこれるようになってるから》

P《じゃあな、伊織》

伊織「イヤっ! せめてアンタも一緒に……!」ジワァッ

P《バカ言うな。そのロケットは一人用なんだ》

P《水瀬の宇宙事業部が作ってたロケットを慌てて改造したもんだからさ》

P《たった一人が限界だったらしい》

伊織「無理やり乗りなさいよっ! アンタと私くらいなら……!」





14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:02:21.17 ID:70Zhx5xD0

P《それに、そのロケットを発射するためにはこっちでボタンを押さないと……》

伊織「イヤ! 押さないで! アンタが一緒じゃないと意味なんて……」ポロポロ

P《おいおい、最後くらいかっこつけさせてくれよ……》

伊織「ずっとプロデュースするって約束してたじゃない……!」

P《なあ、伊織……》

伊織「お願い、押さないで……もうわがままも言わないから!」

P《俺、最後の仕事が伊織をこの手で宇宙に打ち上げれることが嬉しいんだ》

伊織「やだっ! 押さないでってば!」ポロポロ


P《もし、もう一度会えたら……そのときも俺が伊織のプロデュースしても良いか?》





15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:03:11.30 ID:70Zhx5xD0

伊織「……当たり前じゃない!」

伊織「宇宙の隅から隅まで探したって!」

伊織「この伊織ちゃんに釣り合うプロデューサーなんて……」

伊織「アンタ以外には居ないんだから……!」

P《…………ありがとう》

伊織「プロデューサー……?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

伊織「何、この音……アンタまさか……!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

P《俺は、伊織が宇宙でも輝けるって、信じてるからな―――》

伊織「プロデューサー……」

伊織「プロデューサーぁああああああああああああああ―――」


――――――

――――

――





16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:04:15.19 ID:70Zhx5xD0

伊織「いつものようにそらをかーけてた……」

伊織「ずっとずっとどこまでもーつづくせーかい……」

伊織「いつまでも忘れないでーいるよ……」

伊織「ずっとずっとそらでみまーもっていーるよー……」

ピカッ

伊織「星……キレイ……」


                               終。





17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:05:03.48 ID:70Zhx5xD0

以上で投下終了です。ごめん、いおりん。





18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:06:37.23 ID:jVbjzyGY0

こうなるなどと誰が予想できただろうか






19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:28:22.45 ID:FgIfGa3m0

教えてハーニィー
未来はなーにいーろー





20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:41:43.47 ID:IrkziAj10

一人だけ打ち上げられるとかくっそ暇だろうな…いやそれどころではないか





22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 01:47:10.17 ID:CS4LlyZYo

いおりん辛すぎ





23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/12/27(土) 08:43:04.40 ID:xUkGql5G0

いおりんの中に打ち上げたいとか思ってたら、まさかの鬱エンドだったでござる






元スレ:P「伊織を打ち上げたい」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419609084





  

【 関 連 記 事 】


凸をゴルフボール代わりにナイスショットかと思ったら違った
下手くそなドッキリですらなかった

空気は持つの?
それと食料50年分て、まだ生きてる間に尽きそうなんだけど最期は緩やかに餓死して死んでいけとでも言うのか
途方もない孤独感を味あわせたゴールが一瞬で死ねすらしない地獄とか、いっそ一緒に死ねた方が楽やと思うんだけどこれむしろ水瀬嫌われてね?
そうでもなきゃ美談だと思って行動してるPと作者がキ○ガイという話か
[ 2015/01/09 11:38 ] [ 編集 ]
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[ 2015/11/10 02:07 ] [ 編集 ]
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