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  唯「虹色に輝く素敵な時だから」

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
あれ・・・?タイトルがどこか覚えのあるような・・・って某ベテランバンドさんのじゃないですか!!
しかし人に歴史あり。物語としてなぞられて初めて見える景色も有るよね!いい話だった乙!


1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 16:57:13.38 ID:nb6VJeL70

律「部員が集まらなかった……はは」

律「軽音部……廃部か……」

澪「ん、まあ、バンドの練習なら付き合うからさ」

律「み゛おぉー」

澪「別に部活じゃなくてもバンドは出来るだろ?」

律「そう……だよな」

澪とバンド活動を続けるも二人は別の大学へ通う事になりバンドも自然消滅。
そして数年の月日が経つ。






2:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 17:04:13.23 ID:nb6VJeL70

律「諦め……きれねぇーーー!!」

律「やっぱバンドやりたいよバンド!」

律「ただのバンドじゃなくて、何て言うかこう……すごいバンドにしたい」

律「そのためには気に入った相手、最高のヤツと組まなきゃダメだ!」

律「とは言ったものの中々そんな奴いねー……」

律「とりあえずライブハウス見に行くか」





3:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 17:11:46.31 ID:nb6VJeL70

ライブハウス

律「お、見た事ないバンドだな」

律「お手並み拝見といきますか」

  「……」

律「お、ギターの子可愛いな」

  「みなさんこんにちは! 『スイーツスマイル』です!」

律「はは、甘ったるい名前」

  「それでは聞いてください!」

  「~♪」

律「!!!!?」

律「こ、これは……!」

律「可愛い容姿に可愛い歌声、何故か惹きつけられる独特のギター……」

律「こいつしかいない!!」





4:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 17:17:16.02 ID:nb6VJeL70

ライブ後

  「ふぅ、今日のライブも面白かったね~」

律「あのー」

  「ほい?」

律「私田井中律っていうんですけど私とバンドやりませんか!?」

  「ふぇ?」

律「あ、ところであなたのお名前は?」

唯「平沢唯って言います」

ここから律の怒涛の勧誘が始まった。





5:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 17:24:14.06 ID:nb6VJeL70

律「どうもー」

唯「あ、こないだの……」

――――――――――――

プルルルル

唯「もしもし」

律「どうもー」

唯「あ、またりっちゃん……」

――――――――――――

唯「今日のライブもがんばろー!」

律「がんばれよー!」

唯「うわっ!? ここ楽屋だよ!?」

――――――――――――





6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 17:31:35.33 ID:nb6VJeL70

律「おつかれーっす」

唯「あーりっちゃんまた来たの?」

律「おう! 唯がうちのバンド入ってくれるまで何度でも来るぜ!」

唯「……あの、りっちゃん。スイーツスマイルのメンバーもいるのですが」

律「……うん、そこはまあ、すまん! でもお前がいなきゃ始まらないんだよ~!」

唯「あはは……」

唯(りっちゃんとバンドかぁ……今よりも面白くなるかなぁ?)





7:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 17:38:20.28 ID:nb6VJeL70

――――――――

律「一回スタジオ入ってみようよ~」

唯「うーん……」

唯(今のバンドも楽しいんだけど……りっちゃんはもっと上を目指しているんだよね)

唯(私もそろそろ……いいかな)

唯「わかったよ。今度スタジオ入ろう」

律「えっマジで!? やったーーー!」

唯「りっちゃん大げさだよ~」

そして……





9:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 17:51:40.83 ID:nb6VJeL70

ジャカジャーン

律「……」

唯「……」

律(やっぱり唯のギターボーカルは最高だ)

律「して、唯さん」

唯「はい」

律「一緒にバンドやってください!」

唯「イエス!」

律「はやっ!? マジでいいの?」

唯「うん! なんていうかすごくしっくりきたよ、りっちゃんのドラム」

律「いやっほおおおおおおおう!! これからよろしくな、唯!」

唯「うんっ!」

唯(思ってた通りだった……このバンドなら……!)

後の放課後ティータイム誕生の瞬間である。





13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 18:16:34.83 ID:nb6VJeL70

唯「でもベースとかどうするの?」

律「……どうしよっか」

唯「あ、やっぱり決まってないんだ」

律「決まってたらスタジオで一緒にセッションするし」

唯「だよねー」

律「今からデニーズで作戦会議な」

唯「いいねえ」

会議は難航した。





14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 18:22:36.66 ID:nb6VJeL70

唯「……ぐぅ」

律「こらー寝るな」

唯「んぇ……だってもう夜中っていうか明け方だよ?」

律「とは言ってもな……実はアルバム作る予定でレコーディングも決まってるんだよね」

唯「ふぅん……」

唯「……」

唯「……へ?」

唯「えーーーーーーー!? 私聞いてないよ!?」

律「だから何としても残りのメンバーを見つけないと。せめてベースだけでも」

律「ちなみにレコーディングキャンセルしたらキャンセル料かかるんだ」

唯「へえ」

律「……払えないかも」ダラダラ

唯「……」ダラダラ





15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 18:29:03.03 ID:nb6VJeL70

唯「りっちゃん誰かいないの!?」

律「一応あるんだ。でも今って朝の5時だろ? 多分寝てると思うんだよな」

律「寝ぼけて断られても嫌だから6時まで待とう」

一時間後

律「じゃあ電話するぞ」

唯「う、うん……」

プルルルル

澪『……もしもし』





16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 18:36:46.61 ID:nb6VJeL70

律「あ、澪? こないだのバンドの件なんだけどさ、早急に答えが欲しいんだ」

澪『え、そうなのか?』

律「頼むっ!」

澪『ん……実は今就職活動しててさ』

律「……」

澪『内定貰えそうなんだよね』

律「あ……そうなんだ」





17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 18:43:11.08 ID:nb6VJeL70

澪『……でも、昔言ってたもんな。律がドラムで私がベースって』

澪『私で良ければやるよ』

律「ほんと!?」

澪『ああ』

律「それじゃあ来週から早速レコーディングだから! ライブもあるぞ!」

澪『ええっ!?』

律「練習しておけよな!」

澪『おい律! ちょっとま――』

プツ

律「OK!」

唯「よかったぁ~!」





19:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 18:50:27.07 ID:nb6VJeL70

――――――――

澪「は、初めまして……秋山澪です」

唯「私は平沢唯! よろしくね澪ちゃん!」

澪「あ、う、うん」

律「さて、今度のライブの事なんだけど」

澪「それなんだけど私あんまりいい機材持ってないぞ」

律「おまけになんだそのリクルートカットは」

澪「仕方ないだろ。現にリクルートしてたんだから」

唯「衣装もないんだよね?」

澪「うん」

唯「衣装も買いに行かないとね。あと澪ちゃんにこれあげる!」

澪「え、うん……何これ?」

唯「つけ毛!」





20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 18:58:24.25 ID:nb6VJeL70

三人体制でライブをこなすHTT(仮)。
人気も徐々に上がり始めていく。

律「ふう……」

澪「よし……」

唯「いい曲が出来たね!」

律「いやまだ録ってないパートがあるぞ。キーボード」

唯「キーボードかぁ」

律「というわけで澪頼む」

澪「わ、私!?」

律「この中だったら一番マシだろ?」

澪「そうかなぁ……」

律「頼むよ~」

澪「今回は私がやるけどさ、毎回ギター重ねたりキーボード入れるつもりならメンバー増やした方が良くないか?」

律「ふむ……確かに」





22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:05:58.30 ID:nb6VJeL70

新たなメンバー探しを始めた律達。
そうして見つけたある人物に連絡を取り、デモテープを送り、一緒にご飯を食べに行くことになった。

律「どーもー。私がリーダーでドラムの田井中律でっす」

澪「ベースの秋山澪です」

唯「ギターの平沢唯だよ!」

紬「琴吹紬です」

澪「なんていうか独特の雰囲気があるな」

唯「そうだね~」

紬「ところで皆さん」

紬「四角より丸がいいんじゃないかしら?」

律澪唯「……へ?」





25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:12:35.70 ID:nb6VJeL70

もぐもぐ

唯「ムギちゃんってちょっと変わってて面白いね~」

律「お前が言うか」

紬「うふふ。あ、私トイレ行ってくるね」

律「おう」

唯(あ、酢豚がある。誰も食べないのかな? 食べちゃおーっと)もぐもぐ

澪「よく食べるな……うらやましい」

紬「おまたせー。……あら、私の酢豚は?」

唯「あっ!?」





26:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:19:53.67 ID:nb6VJeL70

律「おまっ! 何やってんだよ!」

唯「あ、食べちゃったぁ! ごめんムギちゃん!」

紬「くすくす、いいわよ」

そんなこんなでちょっと変わり者の紬が加入した。
その後メンバーでお茶を飲む事が習慣になり、

紬「そういえばバンド名って何て言うの?」

律澪唯「あっ」

放課後ティータイムというバンドが誕生した。





28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:27:37.72 ID:nb6VJeL70

律「よし! それじゃあアルバム製作に取り掛かるぞ!」

律「でだ、それ東京でやるから暫く東京に住むぞ」

紬「わぁぁぁ……!」

澪「でも東京って物価高いよな」

律「ん。そこで少しでも節約するために私達4人はウィークリーマンションで共同生活をします!」

紬「ほあああ……!」





30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:30:30.66 ID:rcfvw9+60

ムギがヒートアップしてるなかわいい





31:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:34:48.44 ID:nb6VJeL70

――――――――

澪「うそ……ファーストアルバムがインディーズチャート1位……?」

律「いやっほーーーう!」

唯「すごーい!」

澪「ブクブクブクブク……」

ファーストアルバムの曲を中心としたライブも大成功。
あっという間に人気バンドへ。

律「あとメジャーデビューの契約したから。来年からはメジャーだぜ!」

澪「ビクビクビクビク……」





32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:41:51.71 ID:nb6VJeL70

年明けからニューアルバムの製作に取り掛かるHTT。
しかしスタッフとの軋轢で完成には時間が掛かった。

紬「プロモーションビデオにマンボウの物まね入れてもいいですか!?」

P「いや……」

唯「はいはい! 私の必殺技入れたいです!」

P「あの……」

澪「わ、私はなるべく映さないで下さい……恥ずかしいし////」

P「……」





33:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:48:18.38 ID:nb6VJeL70

そんなこんなで売り出されたアルバムは中々のセールスを記録。
しかしメンバーにはわだかまりが残っていた。

唯「でもさーライブチケットの売り上げがイマイチだって聞いたんだけど」

律「ああ。自分達でチケット売りさばいてた頃はこんな事なかったのに」

澪「うん……それにライブの数もあんまりない」

紬「知らない間にアニメのタイアップ曲にされてたしね……」

律「このままじゃ私達はアイドルバンドにされて終わってしまう」

律「もっと私達の考えで進めていこうぜ! だろ?」

唯「そうだねりっちゃん!」

紬「うん!」

澪「う、うん!」





36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 19:55:33.42 ID:nb6VJeL70

デニーズで決めた誓いを胸に新たな年を迎えたHTT。
ライブを増やし、スタッフとのコミュニケーションにも慣れ、大きく躍進する年となった。
シングル、アルバムの売れ行きも好調。

律「あ、私結構キーボード出来るかも」

澪「レコーディングに集中しろよ」

紬「私もギター出来るようになってきたかも!」

澪「えっ」

唯「私のドラムどうかな!?」

律「3人で翼をくださいやってみようぜ」

唯「今度のライブで披露しちゃう!?」

律「いいなそれ! パートチェンジで1曲やるか」

紬「楽しみ~」

澪「え……あ……っわ、私も」

律「澪はベースがいいんだもんな?」

澪「いやその……わ、私も……」





38:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:03:26.05 ID:nb6VJeL70

――――――――

唯「来たぜ武道館ーーーーー!!」

  「わああああああああああ!!」

唯「カレーのちライスーーーーーーー!!」

澪(すごい……私本当に武道館のステージに立ってる!)

澪(体がざわざわしてじっとしてられない!)

唯(おお! 澪ちゃんが走ってる!)

澪(最高に気持ちいい! ここにいる人たちの顔を全部見たい!)

澪(みんなありがと――あっ、まずい、この感じ、足がもつれて)こけっ

どさっ

  「わああああああああああああああああああああ!!!!」

律(うおっすげえ歓声。どこだ? 誰?)

澪「」

律「ぶはっ!」

紬(澪ちゃんおいしい!)





40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:09:57.63 ID:nb6VJeL70

翌年。
前年の勢いをそのままにライブをこなしつつ、
ビデオ、ライブ写真集、アーティストブックを発売。
3枚のシングルに加えてアルバムも発売し、レギュラーラジオ番組も始まった。

律「めっちゃいそがしい……」

澪「うん……でも充実してるよ」

唯「今年の年末も武道館でライブかぁ~。楽しみだねムギちゃん!」

紬「ふへひへっ、そうねぇ~」





41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:16:01.45 ID:nb6VJeL70

次の年もこのままの勢いで躍進するかに思われたHTTだったが、信じられない事件が起こった。
新年のツアーを終えたばかりのHTTは崩壊の危機を迎える。

律「なっ!!? ムギが覚せい剤不法所持の容疑で逮捕されただぁ!?」

澪「そっそんな……!」

唯「ムギちゃんが!?」

律「ムギぃ……なにやってんだよぉ……」

まさに今人気急上昇のHTTだったがこれをうけて自主規制を敢行。
CDの出荷停止、ラジオ番組の放送終了。
アニメのテーマ曲のタイアップも決まっていたがこれも中止となった。





44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:24:38.78 ID:nb6VJeL70

紬「みんな……ごめんね……」

澪「ムギ……」

紬「こうなってしまった以上私はもうHTTにはいられない……というか実刑判決出ちゃったし」

唯「そんな……ムギちゃんがいなくなったらHTTがHTTじゃなくなっちゃう!」

唯「ムギちゃんがいたからこそのティータイムだったのに……」

紬「ごめんなさい……」

唯「嫌だよ……」

紬「これ以上迷惑かけるわけにもいかないから……りっちゃん」

律「ん」

紬「ごめんなさい。こんな事言うのは本当に勝手だけれど、HTTを……その……」

律「……おう。まかせとけ」





46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:30:51.52 ID:nb6VJeL70

――――――――

唯「これからどうしよう」

律「まあ、新しいメンバーを入れるしかないよな」

澪「一応同じ所属事務所の人と会うことになってるけど……」

唯「二人はそれでいいの!?」

澪「でも、しょうがないだろ」

律「うん。ここでHTTを終わらせるわけには……」

ガチャ

梓「こんにちは。サポートメンバーとしてお世話になる中野梓と言います」

唯「かわいいー♪」だきっ

梓「にゃあ!?」

澪「おい」





47:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:35:27.70 ID:nb6VJeL70

こうして新メンバーを加えたHTTは復活シングルを発売する。
そのタイトルはバンド名と同じであり、彼女達の意気込みが示されていた。

そしてこの年の終わりに自身初となる東京ドームでのコンサートが決定。
復活を待ちわびていたファンが殺到し、チケットが僅か4分で売り切れるという事態に。

澪「みんな、お茶が入ったぞ」

律「おー。なんか最近澪がお茶入れる事多いな」

澪「ん……まあな。別に私がお茶入れたっていいだろ?」

唯「うんうんっ、大歓迎だよ♪」

澪(そういえばムギはよく演奏しながらお茶してたな……)

澪(私も今度のライブでやってみようかな)





49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:42:33.71 ID:nb6VJeL70

完全復活を果たしたHTTは翌年恐るべき計画を実行する。

新年にシングル発売。
2月にアルバム発売。
3月シングル発売。
4月ライブビデオ発売。
5月~秋まで全国ツアー開催を開催し全国で50回以上の公演をこなす。
7月、シングルを3枚同時に発売。
10月、ラジオ番組スタート、シングル2枚発売。
12月ライブビデオ発売。

年間で7枚のシングル+アルバムを発売し、うち3枚は同時発売という偉業を成し遂げ、どれも大ヒット。
日本レコード大賞優秀作品賞も受賞した。

そして……

唯「こ、今年は今までで一番忙しかったんじゃないかな……」

律「ああ……流石にこたえたな」

澪「いっぱいテレビに出たな……はは……」

梓「まさか加入して1年でこんな事になるなんて」

律「さて、それじゃあ今年最後の仕上げといきますか!」

唯「そうだね! それじゃあ行こうか! 紅白歌合戦へ!!」





51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:49:21.44 ID:nb6VJeL70

――――――――

律「新年あけましておめでとうございます!」

律「今年も頑張るぞー!」

律「今年はな……」

唯「今年は……?」f

律「アルバム2枚同時発売だ!!」

澪「えっ!?」

梓「そ、そんなことするんですか?」

律「おうよ! 今私達はノリにノってるからな!」

唯「え、でも……私は1枚ずつの方がいいと思うんだけど」

律「だってさー去年シングルいっぱい出しただろ? それを1枚のアルバムに入れるとベストアルバムみたいになっちゃうじゃん」

澪「確かにそうだけどさ……」

梓「ですね」

唯「……」

2枚同時に発売したアルバムはアルバムチャートをワンツーフィニッシュした。





54:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 20:57:46.89 ID:nb6VJeL70

律「HTT絶好調だ!」

律「買い物がはかどるぜ!」

律「そうだ、何か趣味とか欲しいな」

律「スケボーやってみるか」

……………………

律「腕折っちった」

澪「バカりつぅーーー!!」

澪「今度のMステどうするんだよ!?」

律「それはまあ……片腕で何とかするしか」





55:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 21:04:58.45 ID:nb6VJeL70

――――――――

  「ご注文はお決まりでしょうか」

律「この店で一番高いワインを」

澪「お、おいっ!」

律「いやぁ一度やって見たくてさ」

澪「さっきも『ここからここまで全部』とか言って買い物してただろ!」

律「今日だけだって♪ アルバムの売れ行きも好調だしこれからのライブの景気付けだよ」

律「初の野外公演だぜ? おまけに最終日は一つの会場に12万人だぜ? やばいよなー」

澪「それはそうだけど」

律「てか唯もさっき大人買い(?)してたぞ」

梓「唯先輩まで……」

唯「さっきゲーム屋さんでここからここまでってやっちゃた♪」





57:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 21:12:06.00 ID:nb6VJeL70

――――――――

唯「ふい~、レコーディング終了~」

律「終わったの唯のパートだけだろ。……ってまたゲームかよ」

唯「この前買った人力アクションレースゲームが面白くってさ。対戦出来るんだよ」

律「マジで? やるやる!」

澪「お前ら……」

唯「澪ちゃんこれすっごく面白いんだよ!」

唯「……あ! このゲームとHTTでコラボとか出来ないかな!?」

律「私達がこのゲームのキャラになったりって事?」

唯「そうそう! 私達がゲーム内で暴れまわるの!」

律「私達が3Dになるのか……面白いかも!」

律「3Dか……暴れる……踊る……CG……あ!」

律「次のプロモーションビデオで私達踊ってみない?」

澪「え!?」

翌年HTTのゲームが発売された。
同日に発売されたシングルCDのPVではメンバーが踊った事でも話題になった。





59:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 21:20:01.96 ID:nb6VJeL70

澪「おはよぅ……」

律「澪! 骨折したってマジか!?」

澪「うん……肋骨亀裂骨折だって」

律「なんだ、どうしたんだよ」

澪「昨日カート大会があってな、そこで……」

律「おま……もうすぐドーム公演だぞ。ていうかカートとか意外だな」

澪「うん……ちょっと気分転換にな。でも演奏は出来るから」

律「澪……」

澪「ごめん……」

律「お前……サラシ巻いて演奏しろ!」

澪「はあっ!?」

律「衣装に見えるしいけるって! サラシおっ●いいいじゃん!」

澪「いいわけないだろっ――あぐ……大声出したら骨にひびいた……」

律「こ、興奮するなよ……」





60:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 21:27:04.13 ID:nb6VJeL70

メジャーシーンの第一線を行くHTT。
しかしあまりにも巨大化したHTTに疑問を持つメンバーがいた。

律「違う。放課後ティータイムの目指してる音楽はこんなんじゃない!」

唯「でも、私はこの路線で行きたいんだよ」

律「唯のくせに唯のくせに唯のくせに唯のくせに」

澪「……」

梓「おはようございま……あの、何かあったんですか?」

澪「もう放課後ティータイムは解散しちゃうかも」

梓「解散!? なんでこんな時期に!」





61:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 21:34:59.48 ID:nb6VJeL70

澪「みんな目指す方向性が違ってきたんだ」

唯「音楽性の違いってやつだよ、あずにゃん」

律「なにが音楽性だ」

澪「一つコードを覚えれば三つ忘れる様な唯が音楽性?」

唯「澪ちゃんだって転んでパンツ見せてたくせに」

澪「なっ! か、関係ないだろ!」

梓「あの、音楽性の話してたんじゃ」

律「梓はどう思う?」

梓「は、はい! やっぱり私達放課後ティータイムは明るくて元気な曲が……」

唯「正直」

梓「っ」

唯「ふわふわしてるのはもう……キツいんだよね」





63:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 21:42:30.53 ID:nb6VJeL70

律「どの口が言う!」

梓「あのっ! ババ抜きしませんか?」

律「馬鹿野郎! 梓、HTTが生きるか死ぬかの大事な話をしてるんだぞ!」

唯「あずにゃん!」

梓「はいっ」

唯「後で……やろうね!」

梓「……」





65:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 21:49:51.46 ID:nb6VJeL70

梓「……で、何やってるんですか?」

律「音楽的な対立ごっこ!」

梓「お芝居ですか……」

律「そうだよー。ねー?」

唯「……」

律「唯?」

唯「りっちゃん……私……HTTやめたい」

律「……ふぇ? まだ続けるの?」

唯「本気だよ」

律「えっいやいや……どうしたんだよ唯さん」

唯「理由は色々あるけど……最初から最後まで一人の手で、私だけの音楽を作ってみたいんだ」

唯「だから私、やめるね」





67:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 21:56:21.95 ID:nb6VJeL70

律「ちょ!? ちょっと待てって! 澪も何か言ってくれよ!」

澪「あの……実は私も」

律「うぇえええ!?」

澪「私は唯みたいにやりたい事があるわけじゃないんだけど、今のHTTが私の想像の上を行き過ぎていて……」

澪「モチベーションが保てないんだ」

唯「それじゃ……みんな今までありがとう」

律「ちょいまち! ってか唐突過ぎるだろ! 特に澪!」

律「それにやめる必要はないだろ?」

律「とりあえずHTTの活動は休止してさ、ソロでやってみるっていうのはどうだ?」

律「ね? とりあえずさ、ね?」

唯「……うん、そうしてみる」

律(よかったぁー!)

梓「ソロ活動か……私もやってみようかな」





69:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 22:03:37.77 ID:nb6VJeL70

唯を発端としてメンバーそれぞれがソロ活動を行うことになったHTT。
人気の絶頂にありながら突如として行われたソロ活動にファンは動揺した。
解散してしまうのではないか、と。

律「はぁ……まさか唯があんなことを言い出すとは」

律「実は目に見えない部分で思う所があったんだろうな」

律「唯がどんな曲を書いて来ても放課後ティータイムとして世に出す以上はそれ相応の味付けをするからな……」

律「澪は……恥ずかしさが限界に来たのかな」

律「元々目立つの嫌いだったしな……」

律「……」

律「あー! こんな事考えててもしょうがない! 私もソロ活動してやるぅーー!」

メンバーがソロ活動を始める前後にHTTはベストアルバムを発売する。
選曲はインターネットの手作業によらない投票で行われたため、大統領選挙のような不正や無効票もなかった。





70:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 22:11:40.66 ID:nb6VJeL70

――――――――

澪「みんなソロ活動して……頑張ってるな」

澪「私もソロ用に曲を作ってみたけど……だめだ」

澪「もしHTTが復活するとしても私は……」

ソロに対するモチベーションは上がらず、音楽に嫌気がさしてきていた澪。
やがて澪は自宅に引きこもり、一日中読書とネットをして過ごす日々が続いた。





72:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 22:19:01.93 ID:nb6VJeL70

そんな時、懐かしい人物から連絡が来る。

紬「ひさしぶり澪ちゃん。元気にしてた?」

澪「ムギ……」

紬「私が逮捕されてからだから……5年振りくらいかな?」

澪「うん……」

紬「今HTTは活動休止中なんでしょう?」

澪「ん、まあ」

紬「それじゃあ……私とバンドやりませんかっ?」

紬は出所後も音楽活動を続けていた。
組んでいたバンドが先日解散したので旧知の仲である澪に連絡したのである。





73:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 22:26:12.20 ID:nb6VJeL70

澪「でも……」

紬「やっぱり私があんなことしてたから」

澪「そうじゃないんだ……」

紬「うん。じゃあまた今度お茶でもしましょう」

澪「……うん」

その後何度か会ってお茶をする二人。
次第に澪も音楽へのモチベーションを取り戻し、ムギとバンドを組む事を決意する。
こうして四人全員がソロまたはグループで活動をこなして行った。





75:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 22:33:25.49 ID:nb6VJeL70

唯「もしもし」

Nodoka『久しぶりね』

唯「のんちゃん!」

Nodoka『元気にしてる?』

唯「元気だよ~。私今ソロで活動してるんだ! 和ちゃんと同じだよ」

Nodoka『そうなんだ。それでお願いがあるんだけど』

唯「酷いよ!?」

Nodoka『冗談よ、唯がソロでやってるのは知ってるわ。それでね……』

Nodoka『私と映画に出てくれない?』

唯「……ほい?」





78:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 22:40:31.70 ID:nb6VJeL70

――――――――

唯「みぎ。ひだり」

バキュン ドキュン

和「わかってるっつうの!」パァンパァン

唯「みてらんねえなあ」

唯「おい。ふく。あなあいてんぞ」

和「え……」

唯「あ~あ~」

和「……この服高ぇんだぞバカヤロォ!!」バンッバンッドンッドンッ!

――――――――





80:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 22:48:30.85 ID:nb6VJeL70

唯「いやーすごく新鮮な体験だったよ!」

和「この映画は絶対成功するわ」

唯「だねっ!」



それぞれのメンバーがソロ活動に精を出しつつ、
突然HTTの2回目3枚組のべストアルバムが発売されファンの間では解散説がいよいよ現実味を帯びてきていた。

そんな中で唐突にHTTの連続7日間ライブの開催が報じられる。
HTTの復活に喜ぶファンだったが同時に解散ライブなのではないかという疑念もあった。





82:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 22:56:21.26 ID:nb6VJeL70

唯「みんなひさしぶり~!」

律「オーッス」

梓「お久しぶりです」

澪「みんな元気そうだな」

律「みんなソロ活動もひと段落したみたいだしな。そろそろHTT復活と行こうじゃないか」

唯「でも私ソロの方が――」

律「まあまあまあ! うまく折り合いつけていこうよ!」

唯「んー、そうだね!」

律「ふぅ。それじゃリハーサルやるか!」





84:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:04:06.13 ID:nb6VJeL70

――――――――

澪「……律、どうした?」

律「やべっ……この曲どうやるんだっけ?」

澪「おい!」

律「すまん! とりあえずパスで」

澪「自分達の曲だぞ!? パスとか聞いた事ないよ!」

律「わるいわるい」

澪「仕方ないな……とりあえずごはんはおかず行くぞ」

唯「おっ! ん、あれ……? ごめんなさいパスで……」

梓「唯先輩まで!? もう、仕方ないですね。ときめきシュガー行きましょう」

澪「ああ。じゃあいくぞ」

ドッドッドッドッ……

律「……ってベース弾いてないじゃん!」

澪「……パ、パスで」

梓「澪先輩!?」





85:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:12:09.46 ID:nb6VJeL70

国立代々木第一体育館での7日間連続ライブ最終日。
最後の最後でHTTのこれまでを振り返るようなビデオが流れた。
いよいよ解散の宣言かと思われた時、ニューアルバム発売決定の文字が。
会場は割れんばかりの大歓声に包まれた。

律「やったぜードッキリ大成功!」

唯「んもー人が悪いよりっちゃん!」

律「解散の噂を逆手に取ってみました!」

律(実際やばかったけどな)





89:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:20:43.78 ID:nb6VJeL70

42ヶ月間の活動休止を経て新たなスタートを切ったHTT。
初の海外ライブを行ったりと新しい事に挑戦する姿勢は以前と変わらなかった。

澪「な、なあ律。あそこにちょっとさ……」

律「ほら澪の出番だぞ。はやくPV撮影終わらせようぜ」

澪「でもあそこに突起が……怪我しちゃうよ……」

律「んなもん大丈夫だって、転ばねーって。澪バスケ上手いんだから軽くシュート決めちゃえよ」

澪「うう、わかったよ」

澪(ボールをキャッチしてジャンプしてシュート……)

澪「ほっ」ピョン

パスッ

律「ナイッシュー」

スタッ ペキ

澪「」

律「どしたー澪?」





93:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:27:12.34 ID:nb6VJeL70

依然としてメンバーのソロ活動は続いていたがそれぞれが上手く折り合いをつけていた。

そうして放課後ティータイムは結成してから15周年という節目を迎える。

澪「15周年か……そんなにやってきたのか」

律「澪も年を取ったなぁ」

澪「うるさいな」

律「さてと、東京ドームのチケットが2分で完売するほどみんな待ちわびてるんだぜ。張り切っていこう!」

唯澪梓「おーっ!」





96:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:35:07.89 ID:nb6VJeL70

15周年ライブ以降は海外人気の上昇と共に海外でのツアーも増え、アジアやパリでのライブも行われた。

澪(すごい……言葉の壁を越えてみんなが私達の歌を聞いて盛り上がってる……!)

澪(この声援に応えなきゃ!)

澪(もっと前に出てパリの人達の顔を見るんだ――)

ドパァン!

澪「おごッ……!!」ヨロヨロ

唯「澪ちゃん!?」

律(澪がうずくまってるぞ。どうしたんだ?)

唯「腕怪我したの!? え、何、誰にやられたの!?」

澪「うぐ……と」

唯「と?」

澪「特効の……銀テープ……がくっ」

唯「澪ちゃーん!?」





102:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:45:04.77 ID:nb6VJeL70

名実共に日本を代表するバンドとなりつつあるHTTは遂に20周年という大台に突入する。

そして……

唯「皆さんこんにちわ~、放課後ティータイムです」

律「え~、こうして20年やってきたわけだけど、短いようで長かった……」

澪「感慨深いな」

梓「はいです」

唯「そしてそして! 私達はすごいツアーをやるんだよ~」

律「なんてったってワールドツアーだからな!」

梓「ロンドンにも行きます」

澪「そしてニューヨークでの公演はマ――」

律「マディソンスクエアガーデンでやります!」

唯「日本人ミュージシャンとして”初めて”の単独公演だよ~!」

澪「ああっ!? 私のセリフ……」





105:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:53:28.32 ID:nb6VJeL70

20年の節目を迎えたHTTはまたもや偉業を成し遂げた。
マディソン・スクエア・ガーデンは世界で最も有名なアリーナと言われている。
2012年3月25日、その場所で日本人初の単独公演を行う。

常に新しい色彩と輝きを見せてくれる彼女達。
次はどんなものを見せてくれるのか。

律「……宇宙でライブやりたくね?」

澪梓「え゛っ!?」

唯「おおっ! いいねえ~それってもしかして人類初じゃない!?」

澪梓「え゛えっ!!?」



END





109:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/26(月) 00:08:35.25 ID:/QElouqXP

ラル乙





110:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/26(月) 00:20:22.85 ID:5gFaVYbh0

これはおつ





106:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:57:15.43 ID:c4Sp/0g50



もう20年かぁ





107:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/25(日) 23:58:31.45 ID:DXCsySPR0


面白かった
MSG中継楽しみだなー








  

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