6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/07(月) 23:59:30.05 ID:Vbiag2pcO
女上司「コーヒー」
部下「…私の仕事は終わったと思うのですが…」
女上司「サービス残業くらいしなさい。…まぁこれは私個人へのサービスだけど」
部下「…ブラックで?」
女上司「苦いのは嫌いなの。砂糖たっぷりでお願いするわ」
部下「わかりました。ではそれが終わったら…」
女上司「残業、ね?」
部下「………」
女上司「女の子を一人置いて帰るつもりなの?」
部下「女の子…ですか…」
女上司「間違いかしら?」
部下「さぁ?私には良くわかりませんね…」
8:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 00:06:33.72 ID:8J/G1yq9O
部下「………」カタカタ…
女上司「…ずいぶん遅くなっちゃったわね?」
部下「えぇ、私の仕事は終わってたはずなんですが…もう終電もありませんよ」カタカタ…
女上司「ふぅん…部下君って電車通勤だったの…」
部下「手当申請に書いてあるじゃないですか、白々しい…」カタカタ…
女上司「そんな細かい所見てないわよ。…でも終電無くなっちゃったなら…どうする?」
部下「何がです?」カタカタ…
女上司「…ホテルにでも泊まる?」
部下「タクシーででも帰りますよ。ご心配なく」カタカタ…
女上司「………」
9:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 00:14:40.58 ID:8J/G1yq9O
部下「…終りましたよ」
女上司「ん…」
部下「それじゃ失礼します」
女上司「待ちなさい」
部下「…なんです?」
チュ…
女上司「手伝ってくれてありがとう…お礼よ」
部下「…ずいぶん安い上、これでは…」
女上司「足りない?だったら…」
部下「いいえ。これでは逆セクハラってヤツじゃないかと言いたかったんですよ」
女上司「君は嫌がってない。…つまり同意の上のオフィスラブ。…OK?」
部下「…ラブですか」
女上司「違うの?」
部下「少なくとも私は。…ではまた明日。お疲れ様でした」
女上司「…お疲れ様」
12:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 00:25:53.55 ID:8J/G1yq9O
同僚「お先失礼しますー」
女上司「はい、お疲れ様」
部下「じゃあ私も…」
女上司「君には少し手伝ってもらいたいことがあるんだけれど…」
部下「………」
同僚「あ、なら僕が…」
女上司「お疲れ様」
同僚「…あ、はい…お疲れ様です…」
女上司「…お願い出来る?」
部下「ただのサービス残業なら…引き受けますが?」
女上司「…つまんない男ね」
部下「………」
13:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 00:31:23.99 ID:8J/G1yq9O
部下「………」カタカタ…
女上司「部下君、肩を揉んでくれない?」
部下「…個人的サービス、ですか?」
女上司「そう。個人的サービス」
部下「…わかりました」
女上司「優しくしてね?」
部下「………」
女上司「どうかしたの?」
部下「…失礼ですがその…下着は?」
女上司「言ったでしょ?個人的サービスだって」
部下「………」
14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 00:38:38.18 ID:8J/G1yq9O
部下「………」モミモミ…
女上司「あっ…そこ…」
部下「………」モミモミ…
女上司「んっ…もう少し前屈みにならなくて良いの…?」
部下「はい。大丈夫です」
女上司「ちょっと覗けば見えるかも知れないわよ?…小さめだから隙間がほら、こんなに…」
部下「…結構です」
女上司「あらそう…残念」
部下「………」
15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 00:48:46.61 ID:8J/G1yq9O
部下「…これで良いですか?」
女上司「ありがとう。楽になったわ」
部下「では仕事に戻りま…」
女上司「次は…ここを揉んでくれないかしら?」
部下「………」
女上司「むくんじゃって…」
部下「足なら自分で揉めるのでは?」
女上司「ふくらはぎからお尻にかけては無理よ。…下半身全体をほぐして貰わないと効果がないでしょう?」
部下「私はただの部下です。マッサージならそれ専門の方に頼む方がよろしいかと」
女上司「………」
20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 00:59:56.18 ID:8J/G1yq9O
女上司「…君ってあまり性欲は無い方なのかしら?」
部下「どういう話の繋がりか理解しかねますが…」
女上司「答えて」
部下「…人並みにはあります」
女上司「…とてもそうは思えないんだけれど」
部下「………」ゴソ…
女上司「……?」
部下「これらの名刺が何かくらいは…分かりますでしょう?」
女上司「…君って最低ね」
部下「私に人並みの性欲があるという証拠が欲しいのかと思いまして…」
女上司「だからって…君、わかってやったでしょ?」
部下「…なんのことかよくわかりませんが…」
女上司「…ほんと小憎らしい男」
23:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 01:18:09.44 ID:8J/G1yq9O
同僚「あの…主任」
女上司「なにかしら?」
同僚「よ、よければこの後、飲みにでも行きませんか?」
女上司「飲み…?」チラッ…
部下「………」カタカタ…
同僚「良い店知ってるんですよ。なのでもし時間があれば…」
女上司「…そうね。良いわね、行きましょうか」
同僚「あ、ありがとうございます!」
部下「…主任」
女上司「え?あ…な、なにかしら?」
部下「もう少しで書類の整理が終りますので、チェックだけはお願いします」
女上司「…わかりました」
24:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 01:25:47.69 ID:8J/G1yq9O
部下「………」カタカタ…
女上司「…まだ居たの?」
部下「戻ってこられたんですか?」
女上司「…出る時、君がまだ残ってたんだもの…上司が部下を残して帰れるわけないでしょ?」
部下「遊びには行ったみたいですがね。…お酒臭いですよ?」カタカタ…
女上司「…定時は過ぎてたでしょ?残業くらいサボらせなさい」
部下「私もサボりたいものですがね」
女上司「期待の表れよ。…書類は?」
部下「机にあります」
女上司「…そう」
26:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 01:37:48.45 ID:8J/G1yq9O
女上司「………」コックリ…コックリ…
部下「主任」
女上司「…ぅ?…あ…な、なにかしら?」
部下「もうお帰りになっては?」
女上司「………」
部下「…私も帰りますので」
女上司「そう…なら送って貰おうかしら…」
部下「方向が逆ですよ」
女上司「…泊まれば良いじゃない?私のマンションに」
部下「結構です。…まぁ駅くらいまでなら送りますよ」
女上司「情けない男ね…」
部下「すみませんね。…しかしそれなら勇気ある男はどうしたんです?」
女上司「同僚なら泣いて帰ったわ。…勇気ある男かしら?」
部下「…そうでもなかったみたいですね」
30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 01:46:05.12 ID:8J/G1yq9O
部下「お先に失礼します」
女上司「待ちなさい」
部下「…もう今週はかなりサービス残業をしてるんですが…」
女上司「…よければこの後、飲みにでも行かない?日頃の感謝を込めて奢らせていただくわ」
部下「飲み…ですか。…すみません、時間があるなら居酒屋よりも行きたい所があるので」
女上司「…あの名刺の子の所かしら?」
部下「…さぁ、どうでしょうかね」
女上司「………」
部下「では…」
女上司「…なんなら…」
部下「……?」
女上司「…飲みの後、私が付き合ってあげても良いわよ?」
部下「そういう用事ではありませんよ。…では失礼します」
女上司「………」
34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 01:53:34.87 ID:8J/G1yq9O
女上司「課長、お呼びでしょうか?」
課長「ああ、女上司君か。とりあえず座ってくれ」
女上司「はい」
課長「ごほん!…我が社はこの不景気の中、まずまずの業績を上げている」
女上司「………」
課長「それも皆、君を初めとした社員の努力の賜物だと私は思う。比較若い人材の多い我が社だが…」
女上司「課長」
課長「うん?」
女上司「できれば簡略に要点だけをお願いします」
課長「…ああ、すまない。実は…」
・
・
・
女上司「…失礼します」
バタン…
課長「ふん…相変わらず生意気な女だ…」
36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 01:59:31.61 ID:8J/G1yq9O
部下「出張ですか?」
女上司「事業拡大のために新しいシェアを獲得するんだそうよ」
部下「…なるほど」
女上司「で、その交渉役に私が選ばれたんだけど…」
部下「………」
女上司「補佐として君を連れてくことにしたから」
部下「私、ですか?しかし私はまだ2年目の若輩者ですよ?」
女上司「何事も経験でしょ?期待してるって言ったじゃない?」
部下「………」
女上司「出張は来週だから準備しておきなさい」
部下「はい。わかりました」
40:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 02:10:03.65 ID:8J/G1yq9O
部下「チェックインは済みましたし、まだ指定の時間まで間があるのでもう少し詰めておきましょうか…」
女上司「…ねぇ?」
部下「はい?」
女上司「…こうしてるとなんだか二人で旅行に来たみたいじゃない?」
部下「そんな呑気なことで良いんですか?」
女上司「仕事はきっちりするわよ。…でもそれが終われば後は自由時間でしょ?」
部下「…のんびり観光が出来る程、時間はありませんがね」
女上司「観光だけが時間を費やすすべてではないと思わない?」
部下「えぇ、たまにはゆっくり眠りたいと思いますよ」
女上司「………」
42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 02:18:45.48 ID:8J/G1yq9O
部下「…本当に話は通ってたんですか?」
女上司「そのはずだったんだけど…にべもなかったわね」
部下「えぇ…」
女上司「…まぁやるだけのことはやったし、後は向こうの検討するって言葉を信じるしかないわ」
部下「一番信用できない言葉だと私は思いますが…」
女上司「奇遇ね。私もそう思うわ…」
部下「………」
女上司「ごめんなさい…なんだか楽しいって感じじゃ無くなっちゃったわね」
部下「構いませんよ。本来ここには仕事で来てるんですから…」
女上司「…そうね」
44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 02:26:34.17 ID:8J/G1yq9O
同僚「出張、お疲れ」
部下「ああ」カタカタ…
同僚「うらやましいぜ、主任と二人旅なんてさ…」
部下「そんなんじゃないよ…」
同僚「…どうだか。いっつも二人して残業、残業って怪しいだろ?班内じゃ付き合ってるって噂も…」
部下「それは無い」
同僚「…ほんとかぁ?」
部下「心配なら主任に聞けよ。…それより手を動かしてくれ。そっちが上がってこないと俺の仕事が進まない」
同僚「はいはい…」
部下「………」カタカタ…
46:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 02:36:29.56 ID:8J/G1yq9O
女上司「………」カタカタ…
部下「チェックお願いします」
女上司「ん…」パラッ…
部下「………」
女上司「…君」
部下「はい…あ、どこかミスでも?」
女上司「…君と私はどういう関係なのかしらね?」
部下「は?」
女上司「さっき同僚に聞かれて少し考えたんだけど…ちょっとわからないの」
部下「上司と部下…ではないですか?」
女上司「…ただの上司が色仕掛けなんかすると思う?」
47:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 02:41:00.47 ID:8J/G1yq9O
女上司「…ただの上司が色仕掛けなんかすると思う?」
部下「…さぁ?それは主任側の問題では?」
女上司「君も特に断ったりはしないのに…私だけの問題なの?」
部下「…断ってますよ。きちんと」
女上司「一線を越えるようなことはね」
部下「………」
女上司「…まぁ、そこを断られている限りは部下と上司の関係なのかしらね?」
部下「…そうですね」
女上司「まったく…嫌になるわ…」
部下「…なら色仕掛けなど辞めたら良いのでは?」
女上司「………」ピクッ
部下「その方が私も助かります」
女上司「………」
49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 02:46:32.34 ID:8J/G1yq9O
同僚「お先、失礼します」
女上司「はい、お疲れ様」
部下「私もあがります」
女上司「…そう。お疲れ様」
部下「………」
女上司「どうしたの?今日は残業は無しで良いわよ?」
部下「はい。ではまた明日…」
女上司「…えぇ」
・
・
・
同僚「なぁ、主任と何かあったのか?」
部下「いいや、なにもないよ」
同僚「ほんとかよ?」
部下「なにもないからこうやって帰れるんだろ?」
同僚「あん?…ああ、まぁそうなる…のか?」
部下「………」
50:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 02:52:47.53 ID:8J/G1yq9O
女上司「誰かコーヒーをお願いできるかしら?」
部下「わかりました」
女上司「ありがとう」
部下「砂糖は多めでしたよね?」
女上司「…今日はブラックでお願いするわ」
同僚「コーヒーってどこにあったっけ?」
部下「左の棚。上から二番目」
同僚「あ、これか…」
部下「お前は仕事してるんじゃないのか?」
同僚「俺も飲みたいと思ったんだよ」
部下「…砂糖とミルクはいる?」
同僚「いる。PCばっかり見てるとやっぱり疲れ溜まるわ…」
部下「確かにな。良くわかる」
女上司「………」
51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 02:58:53.24 ID:8J/G1yq9O
女上司「…あら?」
部下「………」カタカタ…
女上司「今日は残業なの?」
部下「えぇ、ちょっともたついたもので…」カタカタ…
女上司「…そう」
部下「………」カタカタ…
女上司「………」カタカタ…
部下「………」カタカタ…
女上司「んっ!…はぁ…」ギシッ…
部下「…お疲れですか?」
女上司「えぇ、最近手伝ってくれる部下がいなくてね…」
部下「…すみません」
女上司「あ、ごめんなさい…気にしないで。私は好きで残業してるんだから…」
52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 03:01:26.51 ID:8J/G1yq9O
部下「………」カタカタ…
女上司「部下君、コーヒ…いえ、なんでもないわ」
部下「煎れますよ。私もちょうど欲しいと思ってたとこですし」
女上司「…ありがとう」
部下「砂糖は…」
女上司「たっぷりで」
部下「わかりました」
53:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 03:08:21.86 ID:8J/G1yq9O
女上司「…ダメね」
部下「濃すぎましたか?」
女上司「違うわ。ダメなのは私」
部下「…主任が?」
女上司「…君が残ってくれたらこうやってすぐに甘えちゃうんだもの…ほんとダメよね」
部下「………」
女上司「…なによ?」
部下「そんな弱気な言葉が主任から出るとは思わなかったので…」
女上司「…悪かったわね」
部下「いえ、そんなことは…」
60:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 03:17:23.49 ID:8J/G1yq9O
女上司「はぁ…」
部下「すみません、本当に意外だと思っただけなんですが…」
女上司「そうじゃないわ。…予定が狂ったなぁって思ってただけ」
部下「はあ?予定、ですか…」
女上司「…そう、予定。…今頃、君は私に夢中のはずだったのに…」
部下「………」
女上司「蓋を開けてみれば振られたあげく、未練たらたらなんだもの…」
部下「それは…」
女上司「後腐れの残る女が嫌なんでしょ?…わかってるわよ」
部下「………」
63:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 03:34:26.06 ID:8J/G1yq9O
女上司「…まぁ、君のそういう公私をきっちり分けてくれるような所が私は好きなんだけどね」
部下「………」
女上司「君は仕事で私を女じゃなくただの上司として見てくれてたでしょ?」
部下「能力があるなら当然だと思いますが…」
女上司「ありがとう…でも他の社員、特に上役の人達はそうは思ってくれてないわ。…こうやって残業してるのも正直、その当てつけみたいな感じなの」
女上司「…ごめんなさいね、そんなことに何度も付き合わせちゃって」
部下「…いえ、勉強になりました」
女上司「よくやってくれたものね…ありがとう」
66:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 03:46:48.50 ID:8J/G1yq9O
女上司「だから君のことも最初は従えてやるって思ってたのよ」
部下「…それでアレですか」
女上司「…だってどうしたら主導権を取れるかわからなかったんだもの」
部下「主導権…」
女上司「恋仲になった後、私を上司のまま認めさせるにはそれしかないでしょ?いくら君が公私を分けるって言っても、その辺りはわからないもの」
部下「………」
女上司「…私だって少しは考えてたのよ?」
部下「………」
女上司「…結局、振られちゃったわけだけどね…」
67:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 03:50:02.32 ID:8J/G1yq9O
部下「…私は…」
女上司「いけない。仕事しないと…いつまで休憩してたら終わらないわ」
部下「…そうですね」
女上司「さっきの話は忘れて。…もう終わったことだもの」
部下「………」
女上司「その書類が終わったら帰って良いわ。後は私がやるから…」
部下「はい、わかりました」
女上司「………」カタカタ…
部下「………」カタカタ…
70:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 03:59:44.75 ID:8J/G1yq9O
同僚「あぁ!終わんねぇ!」
女上司「…どこまで進んだの?」
同僚「あ、8割ほど…です」
女上司「なら後は私がやるわ」カタカタ…
同僚「え?しかし…」
女上司「チェックしながら進めるからたいして問題はないわ」カタカタ…
同僚「は、はい…」
部下「私がやりますよ。同僚のやってる範囲はだいたい分かりますから」
女上司「…良いわよ。無理しなくて」
部下「期待されてるのでは?」
女上司「………」
同僚「あ…えーと…」
71:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 04:04:27.61 ID:8J/G1yq9O
女上司「………」カタカタ…
部下「終わりました」
女上司「ん…」パラッ…
部下「…もう少し私や同僚を頼ってくれても良いと思うのですが」
女上司「甘えたくないのよ。…男には」
部下「私は主任の部下、ですが?」
女上司「…そうだったわね」
部下「あまりこだわらない方が良いかと思います」
女上司「忘れてって言ったはずだけど?」
74:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 04:17:36.95 ID:8J/G1yq9O
部下「…ですが私は勘違いをしていたみたいですので…」
女上司「…何をかしら?」
部下「主任が…その…こんなに可愛いらしい方だとは思っていませんでした」
女上司「え…?」
部下「初めの誘いのインパクトが大き過ぎて…そういった趣味の方なのかと…」
女上司「…そ、そんなこと…」
部下「すみませんでした」
女上司「きゅ、急に何よ?…な、なんで今、そんなことを言うのよ…?」
75:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 04:21:47.41 ID:50JQkan+0
お?
76:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 04:22:44.05 ID:SfWC+avs0
きたのか?きたのか?
81:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 04:32:29.13 ID:8J/G1yq9O
部下「…けじめ、みたいなものです」
女上司「…けじめ…それって…」
部下「はい。…これからまた主任に部下として仕えるための」
女上司「…そ、そう…」
部下「それに主任には腹を割って話していただいたわけですしね。…私も腹を決めなくてはならないと思いまして」
女上司「……?」
部下「率直に言って…女上司さんは魅力的な女性だと私は思います」
女上司「は?……あ、ゃ…う、うん!」
部下「…私がきっぱりと突き放せなかったのもそのせいです。申し訳ありません」
女上司「も、もう終わったことだって言ったでしょ?」
部下「………」
女上司「…いまさらそんなこと言われても傷つくだけよ…」
部下「…すみません…」
84:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 04:46:26.81 ID:8J/G1yq9O
女上司「…なんだか今日の君、謝ってばかりね…」
部下「…ですね…それだけ私が馬鹿だったということです」
女上司「…馬鹿なのは私の方よ…」
部下「………」
女上司「…独りよがりにあんなわけわかんないことして…避けられて…ほんと馬鹿みたい…ぅ…」
部下「主任…」
女上司「…はぁ…ぐすっ…あは…おかしいわね…っく…この間は涙なんっ…ひぐっ…」
部下「………」ギュッ…
女上司「……あ?」
部下「………」
女上司「…ぅ…うぅ…ぁぁ…」
86:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 05:00:09.91 ID:8J/G1yq9O
部下「落ち着きましたか?」
女上司「…えぇ」
部下「………」
女上司「………」
部下「…すみません、なんて言えばいいのか…」
女上司「また謝ったわね…」
部下「え?」
女上司「…その気がないのにこんな風に抱きしめて…最低の男ね」
部下「そ、それは…」
女上司「ダメなら突き放してよ!?…期待しちゃうでしょ…!?」
部下「…ありませんよ…」
女上司「何よ!?」
部下「ダメじゃありませんよ!」
女上司「…は?」
部下「好きでもない相手に優しさだけでこんなことするわけないでしょう!?」
89:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 05:18:00.47 ID:8J/G1yq9O
女上司「嘘、だって…さっきは…」
部下「さっきはすべて話し終える前に頓挫したんですよ…」
女上司「…どうして?」
部下「…女上司さんが泣き出したからでしょう?」
女上司「あ…そ、それは…」
部下「…後腐れが嫌なのもありましたし、上司と部下が恋愛なんかしたら仕事にならないだろうとも思ってました」
女上司「………」
91:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 05:25:07.58 ID:8J/G1yq9O
部下「でも…さっきの女上司さんが可愛いくて…そんなことどうでも良くなって…」
女上司「………」
部下「…その…こ、こんなつもりじゃなかったんですが…」
女上司「…もう…肝心な所で情けない男ね…」
部下「…主任?」
女上司「…こういう時は抱きしめてキスするだけで良いの」
部下「………」
女上司「それだけで良いのよ…」
部下「…はい」
・
・
・
同僚「あー…なんなんだよ、これは…」
同僚「押し付けちまった仕事が気になって帰ってきてみりゃこれだよ…」
同僚「…勘弁してくれよ…まったくもう…」
94:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 05:35:35.25 ID:8J/G1yq9O
部下「主任、チェックをお願いします」
女上司「えぇ♪」パラッ…
同僚「主任、こちらも…」
女上司「そこに置いておいて。後で見るから」
同僚「…はい…」
女上司「ねぇ、今日は帰りに何処か寄ってかない?」
部下「…仕事はどうするんです?」
女上司「それは…」チラッ…
同僚「?」
96:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 05:43:06.94 ID:8J/G1yq9O
女上司「そうねぇ…同僚君に頑張ってもらうっていうのはどうかしら?」
同僚「ちょっ!?なんでぼ…」
部下「ダメです。仕事は仕事、プライベートはプライベートって約束したじゃないですか…」
女上司「わかってるわよ。まぁ、残業も君となら楽しいものよ」
同僚「………」
部下「ですから仕事とプライベートは…」
女上司「はいはい。デスクはベッドがわりにするには堅そうだものねぇ…」カタカタ…
部下「何を言ってるんですか、まったく…」カタカタ…
同僚「…もうやだ…異動したい…ぅ…」
女上司「ほーらー、同僚君。手を動かす。…仕事終わらないでしょ?」
同僚「…はい」カタカタ…
終わり
97:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 05:46:46.44 ID:8J/G1yq9O
眠くてわけわかんなるる…乙です
99:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 05:52:20.56 ID:ATxICU5A0
乙
104:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/08(火) 06:53:54.55 ID:NuG70grpO
乙
【 関 連 記 事 】