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  番長「クリムゾンの迷宮?」【前編】

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜   SS 総評   ・*:.。. .。.:*・゜゚・*

       

【まおゆー@管理人】
スレタイ見て『悔しい・・・でもビクンビクン』と思っちゃった貴方は心が汚れています。
凄いRPG!原作読んだこと無い人でも思いっきり楽しめるかと。緊張感と切迫感が
ありまくりでシビアなゲーム好きな貴方にピッタリ。乙!!!


1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:19:06.86 ID:7F9RZXNa0

>頭が痛い…意識が朦朧とする……。

>どうやら眠らされていたようだ。

>場所も不明だ。奇妙な横縞の丸い岩山……土も岩山も深紅色に染まった世界だ。

>起きた場所に荷物が置いてある。内容は……。

1ゲーム機(?)
2ゲームカセット
3カロリーメイトのようなブロックタイプの栄養食品(?)
4水筒

>ゲームカセットをゲーム機にセットして起動させてみよう。

チャララララ~♪

『火星の迷宮にようこそ』

>意味不明だ……。






2:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:20:36.30 ID:7F9RZXNa0

『ゲームは開始された。無事に迷宮を抜け出てゴールを果たしたものは、
約束通りの額の賞金を勝ち取って、地球に帰還することができる』

『プレイヤーはチェックポイント(以下CP)において進路に関する選択を与えられる――』

>要約するとこういうことらしい。

1プレイヤーは自由に進路を選択できる
2CPでは生存に役立つアイテムが手に入る場合がある
3選択肢によって生死に関わる
4互いのプレイヤーは協力するも敵対するも任意である

>やはり意味不明だ…。

『ここからスタート地点である第一CPまでの道のりは以下のとおりである』

『北へ2500メートル。東北東へ1350メートル。東へ230メートル』

>相変わらず意味不明な文章が流れているが……この雰囲気には心当たりがあった。

>マヨナカテレビ……。





6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:26:23.81 ID:7F9RZXNa0

>メガネもいつの間にか掛けられている。

>マヨナカテレビの中ならば……。

ペルソナッ!

>……でない。マヨナカテレビの中ではないのだろうか…。

>仕方ない。他に手がかりもない。ゲームの指示に従おう。

>眼の前にふたつの道が伸びている。

>さすがにゲームと称しているからにはどちらかが正解のルートだろう。

>右と左、どちらに進もう。





9:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:34:59.44 ID:7F9RZXNa0

ガサッ

>右の道から物音がする。

>姿を確認できないが、佇んでこちらをみているようだが、人のようだ。

>声をかけてみよう。

千枝「あ、あっ! 番長くんっ!」

>千枝だ。

ダダダダッ

千枝「よ、よかったぁ……こ、怖かったよぉ……」

>思い切り抱きつかれた。

千枝「ここどこだかわかんないし、誰もいないし、意味わかんないし……」

>自分も同じような状況だと告げた。

千枝「そう、なんだ」

千枝「でも、あたしが来た方の道はここまでの一本道だったよ」

>正解は左の道らしい。

>行こう。





11:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:40:26.68 ID:qbMDHEKB0

>そのとき、背後に気配を感じた。

>千枝と顔を見合わせ、ふり向くと赤いベストを羽織った制服姿の雪子が立っていた。

>手には扇子が鋭く光っていた。

雪子「ふふっ…番長君…千枝…やっぱりふたりとも、そうだったんだね」

千枝「…あ、ちょっ、雪子、これはそのー…そういうことじゃ」

雪子「ふふっ…」

>雪子は笑顔を崩さずこちらへゆっくり向かってくる。





12:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:41:29.91 ID:7F9RZXNa0

ザクッザクッザクッ

>足場が悪く歩きにくい。

>二人とも無言だ。空気が重い……。

>千枝には何か配給されなかったのか訊いた。

千枝「あ、あたし? ゲーム機と、カセットと――」

>どうやら同じものだ。

>違う情報があるかもしれない。千枝にゲーム機を見せてもらおう。

千枝「あ、あははは……ごめん。
   最初、誰かの悪戯だと思ってさ。怒って壊しちゃったんだよね」

千枝「で、誰かて来るかと思って待ってたんだけど誰も来なくってさ……
   どんどん心細くなっちゃって、仕方なく残りの荷物持って歩いてたら番長くんに会ったの」

>ゲーム機を壊してしまった……良くないことにならなければいいが。





14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:46:33.91 ID:7F9RZXNa0

千枝「ほら、これ」

>予想以上に大破している……。

>画面はひび割れ、カセットは砕けていた。電池カバーも吹き飛んで電池も入っていない。

千枝「一応、壊れたゲーム機も持ってきたけど邪魔なだけだし捨てちゃおっか?」

>どうしようか

1捨てる
2捨てない
>>15





15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:47:44.21 ID:IMe4LK5wO

2





16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:50:06.64 ID:7F9RZXNa0

>一応捨てないでもっておこう

千枝「え? いいけど……なんで?」

>なんとなく、としか今は言えない。

千枝「でも、番長くんがそういうならそうしておこうかな」

>千枝はバッグにゲーム機を戻した。

>進もう。





17:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:52:42.63 ID:7F9RZXNa0

>ほとんど一本道だ。

千枝「ゲーム機の指示がなくても自動的に向かう方向決まってるみたいだね」

>きっと、そうしなければならない理由があるんだろう。

千枝「でも、この土とかさ人工物って感じじゃないよね」

>マヨナカテレビだと仮定すれば不思議ではないが……。

千枝「うーん、わかんないなぁ」

>今は進もう。





18:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 14:57:20.91 ID:7F9RZXNa0

>急に視界が開けた。木々に囲まれた平野のような場所が200メートルほど先にある。

千枝「ここがチェックポイントってやつかな…」

>地面も細かい砂になっている。あからさまに雰囲気が変わった。

千枝「ね、ねぇ。あれ……」

>目を凝らすと人が車座に座っているようだ。

千枝「人、かな?」

>わからない……

千枝「! こっちに気付いたみたい」

>立ち上がってこちらを全員が見つめている。





19:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:05:33.26 ID:7F9RZXNa0

千枝「気づかれちゃったし、一応手を振ってみるね」

>千枝は大きく手を振っている。

千枝「反応ないね…」

>とりあえず近づいていこう

ザッザッザ

>近づいていくと見慣れた姿が確認できた。

りせ「せんぱぁい!」

陽介「相棒! 里中!」

完二「先輩!」

雪子「千枝! 番長くん!」

直斗「先輩!」

堂島「おう、お前らか……」

生田目「……」

>知ってる人に会えるとは幸運だ。

千枝「みんなー!」





21:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:13:54.62 ID:7F9RZXNa0

>ここに集まったのは全部で9人のようだ……

直斗「先輩たちだったんですね、最後の2人は」

千枝「最後って?」

直斗「ゲーム機に表示されたんですよ、第一CPのメッセージは9つに分割されてるって。
   だから後2人来るんじゃないかって予想してたんです」

>そんなこと書いてあったかな……

雪子「あ、それはね。あそこの岩でゲーム機に受信させればいんだ。赤外線が出てるみたい。
   そうすれば新しいメッセージを受け取れるから」

千枝「うえっ!?」

>近づいてみてみると可視できるように赤色の光が灯っていた。

>新たなメッセージを受け取る





22:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:18:49.66 ID:7F9RZXNa0

>受信が完了したようだ。

『この第一CPでのみメッセージが9つに分割される』

>直斗の言った通りのメッセージが表示された。

千枝「あ、あのぉ……あたしゲーム機壊しちゃったんですけど……」

生田目「なっ……!!」

完二「え……? それって不味くないっスか?」

直斗「困りましたね……つまりここにいる全員が9番目のメッセージを受け取れないことになる」

りせ「どうしてそんなことしたんですか?」

千枝「つ、ついカッっとなっちゃって……」

雪子「ぷっ……あははははっ! ち、千枝らしいね!」

生田目「笑いごとじゃないっ!!」





25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:30:26.70 ID:7F9RZXNa0

>生田目議員……。千枝を険のある目で千枝を睨みつけている。

生田目「本当に壊れているのか? 私にだけ見せないつもりで隠しているんじゃないか!?」

千枝「そ、そんなことするはずないじゃないですか」

生田目「さっきから見ていれば私以外全員知り合いのようだしな。
    お前たちがグルになって私をあざ笑っているんだろう!!」

>かなり興奮している。自分も壊れたゲーム機を確認したと告げた。

生田目「信じられるか!! だったらその壊れたゲームを見せてみろ!!」

>千枝。

千枝「う、うん! これです」

>生田目は奪い取るように千枝から壊れたゲーム機をとった。

>しげしげと眺めた後千枝にゲーム機を突き返した。

生田目「ふん……壊れたっていうのは本当のようだな」

>ゲーム機を捨てないでよかった。生田目の態度が少し軟化したようだ。

千枝「あ、ありがとね。番長くんがあそこでもってようって言ってくれたから……」

>千枝は照れながらお礼を述べている。

>千枝と少し仲良くなった





27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:35:03.99 ID:7F9RZXNa0

生田目「とりあえず、お前の分だけでも見せてもらおうか」

直斗「そうですね、見なければはじまりませんし」

>どうしよう

1素直に見せる
2見せない
3まず、みんなのものを見せてくれという
>>28





28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:35:52.36 ID:PMAoGy+a0







30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:40:09.93 ID:7F9RZXNa0

>まずみんなのものを見せてほしい。

生田目「私たちが見ている間に好きなだけ見ればいいだろう」

>条件を同じにしておきたい。それだけの理由だと告げた。

生田目「ふん……」

>生田目はそれ以上突っかかってこない。

千枝「(ちゃんとゲーム機が壊れてるってわかってるからかな?)」

>千枝が耳打ちしてきた。

生田目「見るなら早く見てくれ! 私は早く君のものが読みたいんだ!」

直斗「そうですね、早くしましょう。まず僕のものからどうぞ」





32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:47:31.55 ID:7F9RZXNa0

>直斗のゲーム機にメッセージが表示される。

>要約するとこういうことらしい。

1ここではメッセージが分割されている。よって全員で確認することが望ましい。
 これはスタートにおける不公平をなくすためである。

2ゲーム機でメッセージを得る方法はここと同じ方法である。

3このゲーム機は単三アルカリ電池を2本使用している。動作時間は10時間程度。

4ゲーム機から電池を抜いた場合、過去のメッセージは初期化され消える。

直斗「こんなところです。このゲームの基本情報みたいですね」

千枝「あ、あたしどうしよう。壊しちゃった……これすっごく重要なものじゃん……」

>千枝は青ざめている。

直斗「それは……あとでちゃんと対策を練りましょう。まずは情報の整理からです」

りせ「はい! 次はあたしのね!」





34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 15:54:52.96 ID:7F9RZXNa0

>りせのゲーム機にメッセージが表示される。

>このゲームにおける禁止事項関することが書いてある。要約するとこういうことらしい。

1崖や岩山に上らないこと
2ルートを大きくはずれて脱走しないこと
2以上の事を犯したモノには重大なペナルティが科せられる。

>これだけなのか?

りせ「みたいですね……」

千枝「じゃ、じゃあみんなで助けを呼ぼうよ!」

直斗「それが禁止事項に書かれていないということは
   おそらく救難信号を出しても無駄だということでしょう」

千枝「そ、そんなぁ……」





35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:00:56.12 ID:7F9RZXNa0

生田目「ちょっとまて! なんでこいつが一緒に見てるんだよ! コイツは機械こわして迷惑かけてんだろ!」

千枝「う、うう……」

堂島「ちょっとお前黙っておけ」

>先ほどから沈黙していたおじさんが口を開いた。

生田目「な、なんなんだお前は!」

堂島「俺は警察だ」

生田目「うっ……ぐっ……」

生田目「ちっ……警察ならこの状況を早く何とかしてほしいもんだ」

>生田目は悪態をついてそっぽを向いてしまった。

千枝「重大なペナルティってなんだろう……」

直斗「最悪、死ぬこと、でしょうね」

千枝「死っ……!?」





36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:05:02.92 ID:7F9RZXNa0

直斗「あくまで最悪の場合を想定しただけですよ」

千枝「そ、それでも……」

完二「今はそんなこと考えてもしょうがねぇッスよ。次は俺の番ッスね
   って言ってももう用済みスけど」

1第一チェックポイントのアイテムはCPから南に35mの位置、草むらの中にある。

完二「で、そのアイテムがこれだったッス」

>かなり雑多なアイテムが並べられていた。

直斗「アイテムは後で公平に分配しましょう」





37:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:13:01.21 ID:7F9RZXNa0

雪子「次は私ね。って言っても大した情報じゃないんだけど」

1北のルート:北へ5520メートル。西へ2660メートル。南南西へ520メートル

直斗「あとは似たような情報が続きます」

堂島「俺のものもそうだった」

2南のルート:南南東へ4500メートル。東へ3800メートル。東北東へ430メートル

陽介「俺もだ」

3東のルート:東へ2800メートル。北東へ2680メートル。南へ3200メートル

直斗「で、最後は生田目さんのものなんですが」

生田目「ふん」

>ゲーム機を突きつけるように渡された。

4西のルート:西北西へ4820メートル。西南へ3210メートル。南へ690メートル





41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:21:12.55 ID:7F9RZXNa0

>ずいぶん広い場所にいるようだ。

直斗「みたいですね」

陽介「さ、次こそ相棒の番だぜ! なんて書いてあったんだ?」

直斗「おそらくこの行った先の目的地かこのゲームの目的が書いてあると思うのですが――」

雪子「何をしていいかわからなくて困っていたところに番長くんたちが来たってわけ」

生田目「早く見せてくれっ。私は一刻も早くここから出たいんだ!」

>みんなに表示されたメッセージを見せた。

1サバイバルのためのアイテムを求める物は東へ
2護身用のアイテムを求める物は西へ
3食料を求める物は南へ
4情報を求める物は北へ

直斗「そういうことですか……」

陽介「これで全部で揃ったわけだな」

生田目「ふん……一つ欠けているがな」

堂島「(ギロッ)」

生田目「す、凄んだって無駄だぞ! 大切な情報が欠けてることには変わりないんだ!」





42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:29:15.20 ID:7F9RZXNa0

千枝「ご、ごめんなさい……」

>千枝が怯えきってしまっている。

直斗「今は責めても仕方ありません。一度情報を整理しましょう」

直斗「今、我々はどこか不明な場所にいる。
   地球上かもしれないし、ゲームの言うとおり火星に連れてこられたのかもしれないし、
   またはそのどちらでもないかもしれない」

生田目「はっ! 何言ってるんだ。地球上のどこかに拉致されたんだよ私たちは!」

>堂島と生田目以外、全員が肩を竦ませている。

直斗「あらゆる可能性を上げたまでです。とにかくどこか不明な場所にいる」

直斗「ゲームの主催者は不明。またゲームの開催される目的も不明」

生田目「はん! 不明不明で全く役に立たないな!」

堂島・完二「(ギロッ)」

直斗「続けますよ。また僕たちがここに集められた方法も不明
   気づいたらここにいた。先輩たちには確認をとっていませんが他のみんなはそう言っています」

>自分たちも同じだと告げた。

直斗「やはりそうですか」





43:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:38:03.87 ID:7F9RZXNa0

直斗「先ほど生田目さんがおっしゃったように不明な点が多すぎます」

直斗「でも、ボクはある確信があるといってもいい」

直斗「みなさんならわかるはずです。この状況、似てると思いませんか?」

>生田目と堂島以外頷く。

堂島「どういうことだ?」

直斗「この状況、そっくりなんですよ。今回の連続誘拐事件に」

陽介「ようするにここはマヨナカテレビの中って訳か」





44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:46:31.82 ID:7F9RZXNa0

直斗「ええ。そう考えれば説明がつくんです」

直斗「ここは誰かの心象が具現化した場所」

雪子「だからこんなにも変な風景なのね……」

>だが、ペルソナが出ないことを告げた。

直斗「……! 本当ですか?」

ペルソナァ! ペルソナァ! ペルソナァ! ペルソナァ!

千枝「ホントだ……でない」

直斗「ふむ……」

完二「じゃあここはマヨナカテレビの中じゃないってことッスか?」

直斗「……とりあえず保留にしておきましょう」

りせ「じゃあ、これからどうするの? ゲームの指示通りに動く?」

雪子「そうね……ここにいつまでいても事態は好転しないだろうし」

直斗「では、しばらくこの画面に従って動くということでいいですか?」





49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:52:13.40 ID:7F9RZXNa0

>ああゲーム機に従っておこう。

直斗「そうですか。みなさんもそれでいいですか」

>全員頷いた。

直斗「どちらにせよ、ゲームの目的はともかく、僕たちの目的は統一しておいた方がいいですね」

千枝「ゲームをクリアする以外に?」

直斗「それがすでに術中である気がします。僕たちの目的はあくまで生きてここから脱出することです」

直斗「その目的を忘れないでください」

生田目「ふん……」





51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 16:55:31.89 ID:7F9RZXNa0

陽介「でも、賞金ってもの少し気になるよな……」

完二「先輩!」

陽介「ち、ちげぇよ! そういう意味じゃねーよ!」

りせ「じゃあどういうことですか?」

陽介「賞金があるってことはそれなりに金を持っているんだろうし。
   こんな目にあわされてるんだから、ぶんどってやろうかなって」

千枝「それ強盗だよ?」

陽介「うっ……ぐっ……!!」

直斗「……賞金のことは忘れましょう。この場を混乱させるだけです」





52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:04:04.65 ID:7F9RZXNa0

千枝「ね、ねえ。ひとつ思ったんだけどいい?」

直斗「なんですか?」

千枝「ここが、マヨナカテレビって前提で話すけど……
   もしかしてこの中の誰かのシャドウがこれ作ってるってことはないかな……?」

>どういうことだ?

千枝「マヨナカテレビがどういう構造でああいうのを作っているかわからないけど
   もしダンジョンにペルソナを出せない、みたいな効果をつけることができるとしたら……」

直斗「ペルソナの存在を知っていることが前提になると……」

千枝「も、もしかしたらだよ? かなり当てズッポーというかみんなのシャドウがもういるわけないのも知ってるけど……」

直斗「あり得るかもしれませんね。シャドウはある種僕たちの思念ですから。
   残留思念として分裂し、どこかに残っていることも……」

直斗「それも可能性としてとどめておきましょう」

陽介「今はアイテムの収拾が先決だな。どこ行くか決めようぜ」





56:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:16:44.10 ID:7F9RZXNa0

生田目「さっきからお前たち何言ってるんだよ! 私にもわかるように話してくれ!」

堂島「それは俺も同意する。お前たちはさっきから何を言ってるんだ?」

直斗「仮定の上に仮定を塗りつけているような話なので今は話さないでおいていいですか?
   無用な混乱は避けたいので。僕たちもさっぱりわかっていないというのが本当のところです」

堂島「…………そうか」

>納得はしていないようだが引き下がってくれた。

直斗「では、どこに行くか決めましょうか」

>東西南北、4つのルートが示されている…

雪子「私はサバイバル用品を取りに行くわ」

りせ「あたしは……先輩と一緒のところに行きたいけど……一応護身用にしておこっかな」

生田目「私は食糧をとりに行く」

堂島「なら、俺もコイツについていく。何をするかわからんからな」

生田目「ぐっ……」

陽介「じゃあ俺も食糧について行こうかな」





57:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:23:56.28 ID:7F9RZXNa0

完二「俺は……」 チラ

直斗「? どうしたんですか?」

完二「な、なんでもねぇ! 護身用の武器をとりに行く! ペルソナも出せないんじゃ武器のひとつもなけりゃ不安だからな」

千枝「あたしは……情報にしようかな。誰も行かないみたいだし」

千枝「直斗くんは? どうするの?」

直斗「一番少ないところについて行こうと思います。
   ですから、サバイバルか情報ですね」

直斗「先輩はどうしますか? 先輩次第で僕も決めます」

>どうしようか。
1雪子と一緒にサバイバルアイテムをとりに東へ向かう
2りせと完二と一緒に護身用の武器をとりに西へ向かう
3生田目、堂島、陽介と一緒に食料をとりに南へ向かう
4千枝と一緒に情報をとりに北へ向かう

>>58





58:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:24:59.27 ID:PMAoGy+a0

4かな





61:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:27:16.35 ID:PMAoGy+a0

この状況じゃさすがに情報が欲しいし、何より


千枝ちゃんが心配だろ!!!!





62:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:32:36.90 ID:7F9RZXNa0

>千枝と一緒に情報をとりに行こう。

千枝「ほんとっ! 番長くんがいてくれるなら百人力だね!」

直斗「北のルートですね。では僕は東のルートへ向かいます」

直斗「各自アイテムを集めて再びここに戻ってくる、ということで」

直斗「では、頑張りましょう。みなさんお気をつけて」

陽介「よし、行きますか! 2人には行きがてら俺からマヨナカテレビのこと話しておくからな」

千枝「頼んだからね」

雪子「よろしくね」

陽介「おう、任せとけ」

ザッザッザ……

りせ「あたしたちも行きましょう」

完二「おう」

ザッザッザ……

直斗「僕たちも急ぎましょうか」

雪子「そうね」





63:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:38:40.00 ID:7F9RZXNa0

千枝「じゃあ、あたしたちもいこっか」

>ああ

ザッザッザッ……

>しばらく無言で歩いていく

千枝「ほ、ほんとはね、1人だったらすっごく不安だったんだ。ありがと番長くん……」

>千枝と少し仲良くなった

千枝「そういえば、あたしひとつ思ったんだけど……」

>なんだろう

千枝「さっきは、ゲームの主催者が誰かのシャドウかもしれないっていったけど……」

千枝「本当はあの中にシャドウがいるんじゃないかって思ってるんだ」

>どういうことだ?

千枝「なんとなく。なんとなくだけど雰囲気が違うと思うの。
   こんな状況だからみんないつもと違うのかもしれないけど……でも……」

>なんて言おう >>64
1仲間を疑うなんて
2可能性として考えないといけないな
3そうに違いないな!
4できる限りそういうことは考えたくない





64:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:39:44.34 ID:4l5av/Cg0







65:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:46:17.12 ID:7F9RZXNa0

>可能性として考えておかないといけないな。

千枝「う、うん。そうだよね」

>だけど、自分がもしシャドウならどうするつもりだったんだ?

千枝「番長くんはね……たぶん大丈夫だと思ったんだ。これもなんとなくだけどね」

>千枝は頬を赤らめている
>千枝と少し仲良くなった

千枝「え、えっと……あ、そうだ! さっき第一CPで分けたアイテムを確認しておこっかな!」

>千枝は慌てて荷物をあさりだした。





66:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 17:55:09.38 ID:7F9RZXNa0

食糧:ピーナッツチョコレートバー、ミネラルウォーター1?がそれぞれに一つずつ
雑品:ボールペン、メモ帳、コンパス、万歩計、デイパック各種薬、つばのついた帽子

千枝「食料が乏しいね……」

千枝「でも、1人一個ずつ用意されてたからよかった。争うこともなかったし」

千枝「ん、よし。取りこぼしも無し! 先をいそごっか」

>そうだな。

>また黙々と歩いていく……





67:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:00:26.67 ID:7F9RZXNa0

―――
【サバイバル組】

雪子「ホントここがどこかわからないね」

直斗「仕方ありません。誰もどうやってここに来たか覚えてないのですから」

雪子「……さっき千枝がこの中の誰かのシャドウが主催してるって言ってたわよね?」

直斗「あくまで可能性ですけどね」

雪子「私、この中にその主催者が紛れ込んでる気がするの」

直斗「つまり、僕たちの中に犯人がいると?」

雪子「そう私たちの中に1人だけシャドウがいる。なんとなくだけど」

直斗「……それも可能性として考える必要がありそうですね。今は先を急ぎましょう」

雪子「ええ。だからアイテムをとった後――」





68:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:05:26.99 ID:7F9RZXNa0

――
【武器組】

りせ「あーあ、先輩といきたかったなぁ」

完二「俺じゃ不満かよ」

りせ「そうは言ってないじゃない」

完二「俺だって……」

りせ「俺だって?」

完二「な、なんでもねぇ!」

りせ「まあいいわ。ところで、どう思う? 今回のこと」

完二「犯人見つけてぶん殴る」

りせ「そういうことじゃなくて! さっき先輩たちが言ってたこと間違ってないと思う」

完二「俺たちの誰かのシャドウがこのゲームを開催してるって? バカバカしいぜ」

りせ「違う……こう何か見えない不安みたいなものが常に付きまとってる気がするの
   だから何か対策しなくちゃ」

完二「? なにを言いたいんだ?」

りせ「切り札、保障がほしいって話。だから――」





69:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:11:04.74 ID:7F9RZXNa0

――
【食糧組】

陽介「ってことです」

堂島「俄かには信じがたいな……」

生田目「あ、ああ……そ、そうだな……」

陽介「もしかしたらの話ですけどね。
   俺の話は信じられなくても今目の前で起こっていることは信じられるでしょう?」

堂島「まあ、なぁ」

生田目「だ、だったら! 本当にシャドウってやつが取り仕切ってる可能性も!」

陽介「あると思います」

生田目「なら、お前たちの中にシャドウが紛れ込んでる可能性だってあるだろう!?」

陽介「それは……」

堂島「無いとは言い切れんな」

陽介「そんな! 相棒……自分の甥まで疑うんですか!?」

堂島「……警察は疑うことが仕事だ」

生田目「だったら、不用意に取ってきたものをアイツらに晒すわけにはいかない!
    だから――」





70:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:15:36.98 ID:7F9RZXNa0

――

>ようやく第2CPにたどり着いたようだ。

千枝「ねえ! あれ!」

>千枝は岩陰に光るものを見つけてとんで行った。

千枝「番長くん! ここで当たりみたいだよ!」

>ゲーム機をかざそう。

チャララララ~♪

『北のルート。第二CPへようこそ。ここでは情報が与えられる』





71:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:23:54.66 ID:7F9RZXNa0

>文字が画面に表示されていく

1ゲームの舞台は、もともとは火星に設定されている。
 だが君たちが実際にいるところは地球であって地球でないところだ。
 ここに再現されている場所はオーストラリア、バングル・バングル国立公園の中である。

2ここはいわゆる異次元である。テレビの中といった方が分かりがいいだろう。
 ゲームを放りだし逃げ出した場合無限に近い世界を彷徨うことになる。
  また戻ってきた場合ペナルティもあるため逃げ出すことはオススメはしない。

千枝「ふざけてる……でも、やっぱりここマヨナカテレビの中なんだ」

>次のメッセージを表示しよう。





72:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:29:39.29 ID:7F9RZXNa0

3この空間は基本的に外界から隔絶されている。

4第2CPのアイテムはここから南へ40メートル進んだ平らな岩の下にある。

>これでメッセージは終わりのようだ。

千枝「全然役に立たない情報ばかりだったね……」

千枝「でもアイテムはちゃんととってもって帰らなきゃ!」

>千枝と情報が示してあった場所へ向かった。

千枝「あ、これかな?」

>そこだけわざとらしく岩が置いてあった。

千枝「ん……しょ! なんか包みが出てきたね」

千枝「ん~、これ、新しいゲームカセットだ!」

>どこかで見たようなキャラクターがプリントされている

千枝「とりあえず、新しい情報かもしれないからつけてみよ」





74:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:37:12.33 ID:7F9RZXNa0

>カセットを変え電源をオンにした。

チャラララ~♪

>これは……

千枝「く、クマくん!?」

クマ『やあ、クマはクマクマ。よろしくクマ』

クマ『食べ物や武器に目がいかずこっちにくるなんて偉いクマね~。
   クマだったら食べ物の方に言っちゃうと思うクマ』

クマ『ここは敬意を表してセンセイと呼ぶクマよ』

千枝「いつもの、クマくんだよね?」

>もう少し注意深く聞いてみよう。





77:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:44:37.63 ID:7F9RZXNa0

クマ『そんなセンセイには特別に貴重な情報をたっぷり教えちゃうクマよ』

クマ『まずは相性診断をしてあげるクマ~』

千枝「相性診断? 何のことだろう?」

クマ『多分全員で同じものを取りに行くなんてことはしてないと思うクマ』

クマ『だからいろんなアイテムをとりに行ったチームとセンセイの相性を教えるクマー』

クマ『もし全員で行動するなんて非効率的なことしてたらこれは役に立たないクマ。ごめんクマ~』

千枝「じゃあ一応、役に立つってことなのかな……?」

クマ『じゃあまずはサバイバルアイテムをとりに行ったチームクマ。
   なかなか現実主義者クマね。組むならここと組んだ方がいいクマ。
   ただいつまでも慣れ合ってる訳にはいかないクマからちゃんと自分から見切りをつけるクマよ』

千枝「なんか、このクマくん……変だね」





79:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 18:51:26.74 ID:7F9RZXNa0

クマ『次に武器を選んだ人たち。この人たちは要注意クマー。血気盛んすぎクマ。
   最後が戦いになるってわかってる連中クマね』

千枝「りせちゃんと完二くん? でも……そんなのって」

クマ『最後に食料を選んだ連中クマ。こいつらには近づかない方がいいクマ~。
   なんでかはまだ言えないクマ。でも中盤以降は絶対に近づかない方がいいクマ。
   あとで渡すアイテム一覧を見てよく考えるクマ』

千枝「何言ってるのこのクマくん!生田目さんは置いといて食糧って花村や番長くんの叔父さんじゃん!
   すっごく不愉快」

>とりあえず落ち着いて。今は情報収集に専念しよう。





81:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 19:01:59.53 ID:7F9RZXNa0

クマ『続いてはクマのサバイバル教室クマ~』

クマ『センセイなら知ってるかもしれないけど一応おさらいするクマ』

クマ『サバイバルで重要な順番は水、シェルター、暖、食糧クマ
   ここでは水と暖はあまり重要じゃないクマ。水は降ってる雨でも飲むクマよ』

千枝「イチイチ腹が立つように喋ってない? このクマくん」

クマ『暖も雨季のオーストラリアクマ。凍死することはないクマよ、たぶん』

クマ『食べられる食料はまとめておいたからあとで見ておいてクマ。
   あ、そこに紹介してないもの食べておなか壊してもクマは責任取れないクマよ~』

千枝「……」

クマ『あ、猛毒のものもあるクマ。それを食べてもクマは責任取らないクマ~』

千枝「あーもう!」

クマ『動物も豊富クマからそっちをメインに食べることをお勧めするクマ。
   昆虫とかもおいしいクマよ。
   ただ毒を持っているのもいるクマ。後でリストを送るから確認するクマ』

クマ『動物の取り方は次のCPについてから教えるクマ。調理方法も大サービスで教えちゃうクマよ』

クマ『今回はこれくらいクマ。頑張って次のチェックポイントへ行くクマ~』

千枝「あ。クマくん消えちゃった……その代りに何か表が出てきたね」

>きっとさっき言っていた。アイテムリストと動物図鑑だろう





83:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 19:11:21.23 ID:7F9RZXNa0

千枝「もうっ! なんだったの!? あのクマくん!」

>きっとプログラムだから憤っても仕方ない。

千枝「プログラム……? あ、ああ、そっか。そうだよね」

>今はこのリストを確認しよう

千枝「えっと……うわ、結構あるね」

>どうやら79品目あるらしい。

千枝「取得個数とかも全部描いてあるね。スイス・アーミー・ナイフは2本……
   ねえ、番長くん。この重要度って何だろう」

>すべてのアイテムにAAA+~Cまで割り振られている。

千枝「単純に考えたら生き残るために必要なものなんだろうけど――
   スネークバイトキット、毒蛇にかまれた時の救急セットがCっておかしくない?」

>あくまで応急セットで噛まれたら助からないという意味だろう。

千枝「あ、そっか……病院にすぐにいかないと意味がないってことね」

千枝「ん? こ、コン●ームなんて用意されてる……え、A? 高すぎない?」

>水袋とかに使えるんだろう。避妊具としての評価ではないはずだ。

千枝「そ、そうだよね! そうにきまってるよね! わ、わかってたよ? アハハ……」





84:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 19:18:33.27 ID:7F9RZXNa0

千枝「それにしても、カエルに、蛇に、トカゲ……」

千枝「フツーの日本人に食べられるわけないモノばっかりっ! 間違いなくおなか壊すじゃん!」

>情報から考えると、1日2日で脱出できる見込みは薄そうだ。覚悟しておいた方がいい。

千枝「え、ええ~……サバイバルしなきゃいけないの?」

千枝「う~ん……みんなでさっさと出たいなぁ……」

>こっちは武器のリストだ。

千枝「うわ、結構エグイものいっぱいあるねぇ……ってこれ――」

千枝「どうみても、対人用のものが多いよね?」

>スリングショット、飛び出しナイフ、特殊警棒、催涙スプレー、改造スタンガン――

千枝「このゲームの主催者はあたしたちに殺し合いをしてほしいわけ?」

>そう受け取れる。

千枝「……気分悪い」





85:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 19:26:38.04 ID:7F9RZXNa0

千枝「このドクロのマーク何かな? 罠?」

>食べてはいけないもの。そう考えられるだろう。

千枝「ビールとFSビスケット……FSってなん略だろ」

千枝「ふーん……でもビールならあたしたちの中で飲む人は――」

>おじさんと生田目がいる。

千枝「うわ、そうだった……」

千枝「警告しなきゃダメだね」

>ああ。





86:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 19:33:58.19 ID:7F9RZXNa0

>戻ろう。

千枝「うん。あ、番長くん、1ついいかな?」

>なんだろう

千枝「もしかしたらあたしたちの中にシャドウがいるかもしれないって話したよね?」

>それが?

千枝「あたしたちの持ってる情報を全部晒すのは危険だと思うんだ。
   だから情報は小出しにして、信頼できるようになったら教えてっていう風にしたいんだけど」

千枝「あたしたちは何がもってこられるかこれで知ってる」

千枝「だからもしシャドウがいるところはアイテムを隠しているかもしれない」

千枝「だからそのチームには近づかない方が」

>でもそんなことしたら他の人たちも危険にさらされる。

千枝「そうだけど……」

>千枝の様子がおかしい。だけど言い分は分かる。
>どうしよう

1全ての情報をさらす
2全ての情報を隠す
3千枝の言うとおりに全部は情報をさらさない
>>87





87:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 19:35:32.11 ID:cXk6fUsF0

1





90:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 19:41:07.54 ID:7F9RZXNa0

>やはりすべての情報をさらそう。

千枝「でも! そんなことをしたらあたしたちの武器は何もなくなっちゃうんだよ?」

>千枝も一歩も引く気がないようだ……。
>仲違いしても仕方がない。

>戻ったときに自分たちは最後に報告すればいい。そこで判断しよう。
>だが基本すべての情報を教えるつもりでいてほしい。やはりみんなを危険にさらすことはできない。

千枝「そう、わかった……」

>でも、警告してくれてありがとう。

千枝「え? あ……ううん。だって番長くんのためだもん……」

>千枝と少し仲良くなった。

千枝「じゃあもどろっか。もうすぐ日が落ちちゃう」

>ああ。





93:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 19:54:27.72 ID:7F9RZXNa0

――

直斗「ああ、戻ってきたみたいですね」

千枝「あたしたちが最後なんだ」

直斗「ええ。みなさん無事に戻ってきたようで何よりです。
   では報告会を始めましょう」

>少し疲れたから俺たちの報告は最後でいいか尋ねた。

直斗「……ええ。構いません」

直斗「では、僕たちから報告します」

直斗「僕たちはサバイバルアイテムでしたね。
   スイス・アーミー・ナイフが1本、ライフツール――磁石、ナイフ栓抜き缶切り
   そういったものになります。これが2枚です」

>……! これは。

千枝「(番長くん! これって……)」

>自分たちが得た情報と違う。

千枝「(やっぱり全部の情報をさらすのは危険だって!)」

>情報が間違っている可能性もある。ゲーム主催者が疑心暗鬼をあおるために。

千枝「(それは……)」





95:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 20:04:51.45 ID:7F9RZXNa0

千枝「(でもここまで誤差が出る?)」

>直斗が報告した中にはリストにはあったが存在すら抹消されたももあった。

直斗「と、こんなところです」

陽介「じゃあ次は俺らだな! 俺らがとってきた食料はこんな感じだ」

千枝「けっこうあるわね……」

陽介「おう3人で行って正解だったぜ。1人2人じゃ無理な量だった」

千枝「(あの罠って書いてあったビールとFSビスケットってやつがないわね)」

>またしても情報と違う……どういうことだろう

陽介「あ、ビールもあったんだけどよ。おっさん達が子供の飲むもんじゃないって取り上げられちまった」

千枝「ちょ、ちょっと! 飲んでるじゃないでしょうね!」

陽介「さあ……俺も知らないし」

堂島「安心しろ、こんな時に酔っぱらうほど馬鹿じゃない」

生田目「酔わなきゃやってらんねぇぜ」

>飲まないように警告しなければ





96:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 20:13:12.44 ID:4kbbEdyZO

生田目ェ…





97:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 20:19:31.00 ID:7F9RZXNa0

千枝「(よく見たらやっぱり少しずつ全部の食糧が情報と違う)」

>くそ……何が本当なのかわからない。

完二「じゃあ最後は俺たちッスね」

>これは……明らかに情報と比べて足りなさ過ぎる

りせ「ごめんなさい。あまり大したものなかったの」

>ボウガン、スリングショット、山刀……がない

千枝「(ねえ、番長くん! やっぱり全部の情報をさらすのは危険だよ!)」

千枝「(もしここで全部の情報をさらして、『言いがかりだって』逆上される可能性もあるんだよ?)」

千枝「(情報をさらしたら全体が確実に疑心暗鬼になる。それぞれが追及を始める。一気に関係が崩壊しちゃうんだよ?)」

>だけど……

どうしよう。
1それでも情報を打ち明ける
2情報を小出しにする
>>98





98:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 20:20:49.33 ID:jXhrOzgNO







117:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 21:42:49.23 ID:7F9RZXNa0

>情報をすべて打ち明けよう。

千枝「番長くん!!」

直斗「ど、どうしました里中先輩? 急に大きな声を上げて」

>千枝が鬼気迫る表情でこちらを睨みつけている。

千枝「番長くん、あたしがみんなに説明する。それでいいでしょ?」

>ここで断る勇気はない。

千枝「あたしたちが得た情報は、ここがまずマヨナカテレビの中だってこと」

直斗「やはり……」

完二「だったら出口探してさっさと出ましょうよ」

千枝「まずこれを見て」

りせ「先輩のゲーム機ですか?」

千枝「とりあえずここに書いてあることを読んでほしいの」

>みんながゲーム機を覗きこんでいる。

直斗「なるほど……脱出は難しそうですね」

千枝「そういうこと」





119:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 21:50:08.85 ID:7F9RZXNa0

雪子「ねえ千枝」

千枝「何?」

雪子「この第2CPのアイテムってなんだったの?」

千枝「それは、これ。蠅除けネット」

雪子「2つだけね……」

生田目「でもおかしくないか? 情報なのに他のルートと同じようなアイテムとそんな些末なものだけ」

直斗「そうですね……情報というからにはもっと情報が得られても良さそうなんですが……」

生田目「隠し立てすると、ためにならないぞ!!」

千枝「……待ってよ。焦らないでください」

陽介「なんだ? まだあるのか?」

千枝「……ええ、番長くん。ちょっとバッグあさるね」

>……千枝が紙切れを数枚取り出した。何か走り書きがしてある。いつ書いたのだろう。

直斗「これは?」

千枝「そのアイテムを掘り出した後、『この情報は端末に残らないから気を付けるように』って
   画面に写ったの。危険なアイテムの警告と、この大地で採れる食料の一部らしいわ」





120:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 21:51:05.43 ID:lPWSLcdU0

千枝ちゃんちょっと怖いww





121:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 21:53:12.05 ID:4l5av/Cg0

もう完全に他の人たちを競争相手として認識してそうだな





122:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 21:58:40.63 ID:7F9RZXNa0

千枝「もってこられる食糧アイテムの中には罠が仕掛けられているらしいの」

千枝「それが、ビールとFSビスケット……
   ビスケットはこうしてみる分にはないみたいだけど、もし見つけても食べない方がいいと思う」

陽介「たっ、たた、食べたらどうなるんだ?」

>陽介が動揺している。

千枝「……わからない。そこまでは教えてくれなかった。
   私たちが見たのはアイテムの名前とドクロマーク、そして罠って単語だけ」

千枝「おそらく、即効性の毒だと思う……ビスケットにしこめるものなんて大したものじゃないだろうし」

直斗「そうでしょうね……罠というのならそれくらいしなければ意味はない」

陽介「ど、毒か……即効性ね……」

堂島「……」

生田目「……」

千枝「あとは食べられる木の実と、動物、食べられないモノ……みんなも目を通しておいて」

直斗「そのほうがよさそうです」

>みんなが紙に書かれたことを映している。





125:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 22:06:12.36 ID:7F9RZXNa0

雪子「この、最初に配られたものがFSビスケットってことはないわよね?」

直斗「ビスケットというにはあまりに形状が違いすぎます。おそらく違うでしょう」

りせ「千枝先輩」

千枝「なに?」

りせ「……本当に情報はこれだけですか?」

千枝「どういうこと?」

りせ「……いえ、こうしてみると恐ろしいものがいっぱいあるみたいだったから……
   あたし思ってる以上に情報は命に関わるみたいなので……」

直斗「僕もそう思います。他に何か知っていることはありませんか?」

千枝「残念ながら、そこに書かれていることと、さっきの端末で見せたのが全部」

りせ「……そうですか」

直斗「ふむ。思った以上に収穫がありましたね。
   また情報を整理してみたいと思います」





128:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 22:17:49.96 ID:7F9RZXNa0

直斗「ひとつはっきりしたのが、このゲームの主催者は短期間で僕たちをここから出す気はないみたいです」

生田目「はぁ!? どういうことだ?」

直斗「ここに用意された道具、野生のモノを得るための情報……
   両方ともこの食料が尽きてからもここで生きるための方法です。
   これらが示唆していることは僕らにサバイバル生活を強いているのでしょう」

りせ「うえええ……」

直斗「ただ、もう一度確認しますが僕たちの目的は『ここで生きること』ではありません。
   『ここを生きて脱出すること』です。目的はくれぐれも失わないようにしてください」

雪子「……そうね」

直斗「脱出は無謀のようです。だからここは不本意ですが、このCPを辿っていくしかないでしょう」

完二「でもどうすんだ? 4つもルートがあるぜ?」

直斗「僕たちに与えられた選択肢は2つ。
   ひとつは、先ほどと同じようにバラバラに出口を探し最終的に合流する。
   もう一つは、全員一緒に行動する」

直斗「どちらをとっても『最終的に全員で脱出する』ということには変わりはありません」

直斗「どうしますか?」

>どうしようか >>129
1全員一緒に行動する
2あえてばらばらに行動する





129:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 22:22:59.34 ID:IxpNqexQ0







131:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 22:32:23.73 ID:7F9RZXNa0

>全員で行動しよう。

直斗「先輩は全員で、ですか?」

生田目「私は反対だ。お前らとなんか一緒に行けるかよ」

生田目「1人でこっちのルートに行く」

堂島「ダメだ。お前を1人にっせるわけにはいかない」

生田目「知るか」

>生田目は行ってしまった。

堂島「ちっ」

>堂島もそれを追いかけていってしまった。

陽介「くそっ! いい大人が何やってるんだよ! 俺連れ戻してくる!」

>陽介も行ってしまった。

りせ「もー何やってるのよ……」

直斗「戻ってきたらアイテムの分配を済ませてしまいましょう」





133:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 22:42:30.20 ID:7F9RZXNa0

>しばらくの後、生田目が戻ってきた。しかし様子がおかしい。

雪子「酒くさ……これって……まさか!」

生田目「うるせぇ! 飲んで何が悪いんだ!」

完二「馬鹿野郎! それには毒が!」

生田目「入ってねーよ! そんなもん!」 グビグビ

生田目「だってなぁ……」

堂島「生田目ッ!! いい加減にしろッ!!」

生田目「わ、わかったよ……」

りせ「でも、本当に毒は入ってないみたいね。
   これだけ飲んで生きてるんだもの。ちょっと酔いすぎな気もするけど」

生田目「まだ3本目だ! 酔ってるわけねぇだろ!」

千枝「酔ってるね……でもこんな状況で精神的に疲れてるだろうししょうがないのかも」

直斗「アイテム分配を済ませてしまいましょう。
   ドラフト形式……ほしいものを上げてかぶったらくじということで、いいですか?」

>だれも異論はないようだ。

>アイテム分配は滞りなく進んだ。





136:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 22:53:03.74 ID:7F9RZXNa0

直斗「とりあえず、個人でもつ分ということで分配しました」

直斗「個人で動くにせよ、集団で動くにせよ、それぞれちゃんと保管してください」

完二「で、結局どうすんだ? あのおっさん完全に酔いつぶれちまってるぜ」

>生田目は気持ちよさそうに眠っている。

直斗「……アイテム分配には参加していたのでよしとしましょう」

りせ「あたしは少なくともこの人と一緒に行動したくない」

>りせ…

りせ「だって、集団の輪乱してばっかりだもの。
   この人がいるならあたしは一人の方がいい」

完二「俺もそう思うぜ。こいつといると進むもんも進みやしねぇ」

直斗「ふむ……困りましたね」

雪子「さっきのチームごとにバラバラに行動する?」

直斗「……それが一番リスクが少ない気がしますが」

直斗「先輩はどうですか?」

>どうしよう。 >>137
1それでも一緒に行こうという。
2バラバラに行動しようという。





137:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 22:55:20.63 ID:JgmJUeq9O







139:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 23:04:21.99 ID:7F9RZXNa0

>バラバラに行動しよう。

直斗「先ほどと意見変えたんですね」

>ここまで、反対されてはな。

直斗「そうですか……では、先ほどのチームで動くということで」

陽介「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 俺コイツのお守かよ!」

千枝「あ……」

堂島「……こいつは俺が何とかする。お前は好きなところに行っていいぞ」

陽介「そ、そうですか?」

陽介「え、えっとじゃあ……」

>陽介がどこかに入りたそうにしている。

>どうしよう。
1このチームに来いと誘う
2視線をそらして拒否の姿勢を貫く
3今のまま行けという
>>140





140:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 23:05:54.71 ID:4l5av/Cg0







142:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 23:14:04.55 ID:7F9RZXNa0

>陽介、俺たちと一緒に行かないか?

陽介「ほ、本当か! 相棒、助かるぜ!」

千枝「むー……」

>なぜか千枝が不機嫌そうだ…

直斗「では、今日はもう遅いので寝ましょう」

>なぜかみんなすっきりしない表情のまま夜は更けていった。





150:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 23:38:41.32 ID:7F9RZXNa0

>朝だ。

直斗「おはようございます」

>おはよう

直斗「他の皆さんももう起きていますよ」

生田目「うー気分わりー……」

堂島「……酒弱いのに飲むからだ」

生田目「……こんな弱くないはずなのになぁ」

陽介「おっさんは、二日酔いみたいだな」

りせ「昨日あの程度じゃ酔わないとか言ってたくせに……」

>あっちは堂島さんに任せよう

陽介「それにしても腹減ったなぁ……。
   残りのカロリーメイトみてーなやつでも喰うか」

>貪るように陽介は食べている。

直斗「では、最終CPまで行ったらここに戻ってくることにしましょう」

直斗「そこで、どんな様子かまた情報を統合します」

直斗「では、みなさんの幸運を祈っています」





154:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 23:47:50.94 ID:7F9RZXNa0

雪子「じゃあね、千枝。またここで」

千枝「うん、雪子も気を付けて」

>直斗と雪子は東のルートに消えていった。

りせ「じゃああたしたちもいこっか」

完二「そうだな」

りせ「じゃあね! またここで会いましょ、先輩!」

>りせと完二も西のルートへ消えていった。

堂島「俺たちは、こいつの体調がよくなり次第出発する。
   だから先に出発してくれ」

>そうします。

千枝「じゃあ、いこっか。番長くん」

陽介「腹膨れないなぁ……」

千枝「花村、もうちょっと計画的に食べなよ」

陽介「だってなぁ……」

>行こう。





155:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 23:50:41.01 ID:pzwq+jw/0

陽介すでに……





158:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/16(水) 23:57:15.10 ID:7F9RZXNa0

>北のルートを進んでいく。

陽介「やっぱりどこも同じような景色なんだな」

陽介「……しかし、腹減ったな」

千枝「まだ言ってるの?」

陽介「し、仕方ないだろ!」

>千枝、陽介、あそこ。

千枝「どうしたの? あっ!」

>バオバブの木だ。

千枝「ここ最初通ったとき気づかなかったのになぁ」

>情報の力は偉大だ。

陽介「とにかく飯にしようぜ! 腹が減ってしょうがないぜ」

千枝「ったく」

>バオバブの実を取れる限りもいだ。





161:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 00:06:09.31 ID:UJca8pZR0

陽介「意外とイケるぜ、これ」ムグモグ

千枝「だから花村! 計画的に食べなって!」

>陽介は何かに憑りつかれた様にバオバブの実を食べている。

>何か違和感を感じる。

千枝「あ、番長くんもやっぱり感じる?」

陽介「なにふぁ?」ムグムグ

>誰かに見られている気がする。

千枝「うん……」

陽介「そうかぁ」

>気のせいだと思いたいが、気を許すのは良くないだろう

>そろそろ、第3CPの近くだ





164:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 00:11:40.77 ID:UJca8pZR0

千枝「あ、あったあった!」

>千枝が第3CPの赤外線受信ポイントを見つけたらしい

>ゲーム機をかざした。

『カセットを変えてください』

陽介「カセットを変えろ? そんなもんもってないぜ?」

千枝「……」

>千枝は難しい顔で何かを考えている。

陽介「どうすんだよこれ……」

千枝「花村。今だから聞いておくね」

陽介「な、なんだよ。そんな改まって」

千枝「あたしたちに隠してること、ない?」

陽介「ね、ねーよ! なんなんだよいきなり!」

千枝「嘘」

陽介「な、何を根拠に」

千枝「だってあたし達も隠しゴトしてたから。花村達……ううん。あそこにいた全員が嘘ついてたこと知ってるの」





167:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 00:20:01.10 ID:UJca8pZR0

陽介「は? どういうことだよ?」

>千枝は何を言うつもりだろう?

千枝「あたしたちが得た情報は、あれだけじゃなかったって言ってるの」

陽介「里中……てめぇ」

>険悪なムードが広がる。

千枝「でもね。あたしたちが嘘を吐いたのはあそこにいるみんなが嘘をついてたから」

陽介「……何でそんなことがわかるんだよ」

千枝「あたしたちが得た情報はね、この大陸の動物と植物のリスト。
   そして全アイテムリストとその個数の記録されていたデータ」

陽介「……は?」

千枝「だから、あそこに出されていたアイテムが全然足りてないことを知っていたの」

陽介「……」

千枝「これであたしたちは知ってることを全部話した。
   もう一度聞くよ、花村。あたしたちに何か隠してることない?」

陽介「……わーったよ。話すよ。話す」





172:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 00:31:16.04 ID:f5cWxwo80

ヨースケェ…





173:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 00:34:01.39 ID:UJca8pZR0

陽介「俺たちは食糧をとりに行ったのは知ってるよな?」

千枝「うん」

陽介「そこでゲーム機をかざしたら食料のリストとその説明文が出てきたんだ」

陽介「でも、そこに書いてるのは当然知ってるようなことばっかりでさ。
   まー無視したわけさ」

陽介「で、そこで生田目のおっさんが言ったんだ」

生田目『あの中にシャドウがいるかもしれない。だったら食料のすべてをさらすのは危険だ』

陽介「ってな。だから、第1CPにいくつか置いていったんだ」

>だから足りなかったのか……。

千枝「あの、FSビスケットは? 食糧のところにあったの?」

陽介「……あった。ほら、これだ」

>陽介がバッグから取り出した。100枚程度だろう。

千枝「データによると450枚だけど……残りはどうしたの?」

陽介「3人で分けたんだよ。このFSビスケットの説明だけ目を引いたからな」





175:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 00:43:13.07 ID:UJca8pZR0

千枝「どういうこと?」

陽介「FS……つまりFamin Saver、飢餓防止ビスケットだって。満腹感を促進して栄養価も高いらしい」

陽介「だから俺たちはこれを持っておいて、他の食糧は他のやつに譲ってやろうってことになったんだ」

陽介「その証拠に、生田目のおっさんも相棒のおじさんもそんなに食糧に手を付けて無かっただろ?」

>そういえば……。

千枝「……そっか」

陽介「だから、合流前に少しこれ食べてたんだけど……
   里中たちの説明訊いて焦ったぜ、毒だって言われたからな」

陽介「でも、まだ死んでないから……たぶん大丈夫だと思う」

陽介「そんな理由で生田目のおっさんもビールに手を出してたんだと思う。
   里中たちはガゼの情報でもつかまされたんだろうって」





181:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 00:57:20.01 ID:UJca8pZR0

>何か違和感を感じる……。

千枝「うん……」

陽介「お、俺はこれ以上隠しゴトはしてねーよ!」

千枝「ううん。そういうことじゃない。花村のことは信じるよ。
   これから一緒に行動していこうっていうのにこれ以上ウソついても仕方ないし」

陽介「じゃあ、何が気になるんだ?」

>それは……わからない。

千枝「でも、そのビスケット食べない方がいいと思う」

千枝「この情報が間違ってないことが前提だけど……毒とか罠とか書いてあるなら、余計に」

陽介「でも今や貴重な食糧だぜ、これも」

千枝「うーん。でも……」

>陽介はどれくらい食べたんだ?

陽介「これがウマくてよ。10枚くらい食べちった」

>何枚ずつもらったんだ?

陽介「俺が100枚、堂島さんが150枚、生田目が200枚だ」

千枝「生田目だけやけに多いわね」





183:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 01:00:14.08 ID:UJca8pZR0

陽介「ああ、すげぇ気に入ってた。だから俺が50枚くれてやったんだ」

>なるほど……

千枝「とにかく、しばらくそのビスケットは食べない方がいいと思う。
   ここで捨てていってもいいくらい」

陽介「う……そこまでか?
   相棒もそう思うのか?」

>どうしよう
1持っているだけならいいんじゃないか?
2今すぐ捨ててしまえ
>>184





184:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 01:01:35.81 ID:1ssvie3Z0

2





185:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 01:06:48.32 ID:UJca8pZR0

>今すぐ捨ててしまえ!

陽介「わ、わかったよ……じゃあ捨てる」

>陽介はビスケットを放り投げた。

陽介「これでいいだろ?」

千枝「うん。さっすが花村だね!」

陽介「さ、里中……相棒もありがとうな」

>陽介と少し仲良くなった
>千枝と陽介が少し仲良くなった

陽介「にしても腹減ったなぁ……」

千枝「まーだ言ってる」

>第三CPの情報を受け取りに行こう





186:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 01:08:31.30 ID:jgoOZsNy0

10枚ならまだ平気か?





189:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 01:16:06.60 ID:85uyxFMf0

そんなヤバいものなのか…
ヨースケ…





196:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 01:24:21.98 ID:UJca8pZR0

千枝「はい、番長くん。カセット」

>カセットを入れ替え、受信した

チャララララ~♪

陽介「な、なんだこの音?」

千枝「しっ、黙って。聞き逃したらマズいから」

クマ『やあクマ! 第三チェックポイントによく来たクマね』

陽介「こ、こいつクマじゃねぇか!」

千枝「だから花村静かに!」

クマ『ここでも貴重な情報をたっぷりあげちゃうクマよ~』

クマ『それじゃあ張り切って始めるクマ! クマの狩猟講座~』

クマ『センセイ達のように銃器も飛び道具も無しに狩るにはもう罠しかないクマ!』

クマ『ここではトロい動物を捕まえるための罠を紹介するクマよ~』

クマ『あ、ただ、ワイヤーみたいなものを持ってないとこれを聞いても意味ないクマ!』

千枝「よかった……持ってる」

>重要度AAだったから取っておいてよかった。





207:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 01:44:20.85 ID:UJca8pZR0

クマ『罠は大きく分けて3種類あるクマ! 専門用語でスネア、デッドフォール、スピアトラップっていうクマよ!』

クマ『ただ、大物を狙わない限りスネア以外必要ないクマ!』

陽介「大物って……オーストラリアでいうとカンガルーか?」

>嫌な予感がよぎる…。

>罠の説明が続く……。

クマ『最後に教えるトラップはボウトラップクマ!
   これは強力クマよ~! 獰猛な肉食獣だってイチコロクマ!
   なにせ大きな槍がブスリ! クマ!』

>また罠の説明がされていく……。

>嫌な予感が強まる。

クマ『ここからはおまけコーナークマ!
   この大地で捕れる動物の調理法を教えちゃうクマ!』

>調理方法が説明されていく。

クマ『最後にこの第3チェックポイントのアイテムを教えちゃうクマ!
   ここから反対側の岩山の蟻塚に隠してあるクマ! それじゃあセンセイバイバイクマ~!』

>そういって、クマは消えた





208:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 01:52:20.46 ID:UJca8pZR0

陽介「あーこれかな」

>陽介がビニール袋をとり出した。

陽介「なーんか宝探しやってる気分だぜ」

>ビニール袋の中を確認した。

千枝「なにこれ……? 文庫本?」

陽介「これがアイテムだってのか? ふざけんなよ!」

>かなり年季の入った本だ…。

千枝「なになに? 『火星の迷宮』?」

陽介「聞いたことないな……」

千枝「あたしもないなぁ……番長くんは?」

>初耳だ。

>ぱらぱらとめくってみる。これは……。

千枝「? 普通の小説じゃないみたいね」

陽介「これ、ゲームブックだな」

>ゲームブック?





209:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:05:33.15 ID:UJca8pZR0

陽介「なんだよ。二人とも知らないのか?」

>何ページに飛べ、など書いてある。

陽介「一種のロールプレイングゲームだな」

千枝「これが情報なの?」

>小説の内容は、火星に集められた主人公たち9人が火星から脱出するために奮闘するものらしい

千枝「これって……」

陽介「俺たちの状況にそっくりだな」

>あるページで目が留まる。

千枝「これってまるっきり……第1CPのときと同じじゃない!」

陽介「このゲームの主催者はこれになぞらえてるってことか?」

>わからない……だけど気味が悪い。

千枝「これを情報として差し出してるってことは……そうだって言ってるのかな」

陽介「わからないぜ。ミスリードかもしれない」





212:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:20:25.87 ID:UJca8pZR0

陽介「しかし、この食屍鬼(グール)ってやつは今出てきてないよな?」

>人を喰うバケモノとして描かれている。

千枝「……猛獣のことかしら」

>わからないことだらけだ。

陽介「とりあえず今日は寝る場所探そうぜ。それに腹減っちまった」

千枝「花村……ホント同じことしか言わないね」

陽介「し、仕方ねぇだろ! さっそくトラップ作ってみようぜ!」

>みんなでスネアトラップを作った。





216:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:30:51.50 ID:UJca8pZR0

>寝る場所を確保して、食糧をいくつか確保した。

千枝「ね、ねえ。これ本当に食べるの?」

>今日獲れたものは、大きなトカゲと芋虫、そしてバオバブの実だ。

陽介「当たり前だろ? これ喰わないと生きていけないんだぜ?」

千枝「ま、まだ持ってきた食料余ってるじゃん。そっち食べれば……」

陽介「節約しようって言ったのは里中だろぉ」

>ここは腹を決めて食べよう。

千枝「うう……」

>トカゲは良く焼いて、芋虫は表面をパリッと焼いた。

陽介「いっただきまーす!」ムグムグ

>陽介は躊躇なく芋虫を口に放り込んだ。

陽介「んー! うめぇなこれ! 表面はクリスピーでカリカリしてやがる!」

>陽介はどんどん芋虫を口に入れていく

千枝「うううう……」

>千枝は バオバブの実を一つずつつまんでいる





217:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:34:33.73 ID:UJca8pZR0

陽介「あれ? 相棒? 箸が進んでないぜ?」

千枝「箸なんてないじゃん!」

陽介「言葉の文ってもんだろー」ムグムグ

>どうしようか。
1芋虫を覚悟して食べる
2千枝と一緒にバオバブの実をつまむ
>>218





218:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:35:09.82 ID:DLeiOeiy0







220:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:40:21.66 ID:UJca8pZR0

>芋虫を意を決して食べた。

>……! これは予想外にうまい。

>勇気が1上がった。

陽介「な、うまいだろ?」

>ああ。

千枝「ううう……」

>千枝も動物性のタンパク質をとっておいた方がいい。

千枝「ううう……ば、番長くんがそういうなら……ぱく」

千枝「……! お、おいしい」

>千枝もゆっくりとだが芋虫をつまみだした。

>あっという間に芋虫はなくなった。

陽介「じゃあ、次はメインディッシュのトカゲだな」

陽介「かなり焼いたし大丈夫だろ」ムグムグ

陽介「む……脂っぽいけど……鶏肉みたいだ」

>みんなでサバイバル生活を楽しんだ。
>2人との仲が少し良くなったみたいだ。





221:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:46:34.64 ID:UJca8pZR0

陽介「ふー! さすがに腹いっぱいだ!」

千枝「すっかり陽がくれちゃったね」

>寝る場所も確保したし今日はこれで終わりだな

千枝「そうだね……ってあれ……なに?」

陽介「んー、どうしたそんなに怯えて」

>千枝の指差す方向を見ると、50メートルほど後方に6つの丸く光るナニカが浮かんでいた。

千枝「な、何かの眼……?」

陽介「眼だとしたら……位置が低くないか?」

>全員臨戦態勢をとる。

>3対の目はしばらくすると去っていった。

千枝「な、なんだったのあれ……」

陽介「ぐ、グール……」

千枝「そ、そんなバケモノ……」

>いるはずないと否定はできないな……何せここは――

陽介「マヨナカテレビの中……」





223:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:53:55.88 ID:UJca8pZR0

――翌日。

>寝た心地がしない。

千枝「番長くん、おはよ……」

>おはよう。千枝も疲れ切っているみたいだ。

陽介「よう、相棒……」

>ああ、おはよう。

千枝「……今日はどうしよっか?」

陽介「食糧がこの先あるかわからないしここで集めていこうぜ。
   昨日採ったのはもうなくなっちまったし」

千枝「あたしは反対。もしかしたら昨日の怪物が戻ってくるかもしれないじゃん」

陽介「そうだけど……腹減ったし……」

千枝「番長くんはどう思う?」

>俺は……
1陽介の言うとおり食糧確保をする
2千枝の言うとおり一刻も早くここから離脱する
>>224





224:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 02:57:57.37 ID:4ihuGMF4i

2





227:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 03:05:52.62 ID:UJca8pZR0

>ここから一刻も早く離脱しよう。死んでしまえば元も子もない。

陽介「うっ……そう言われると……」

千枝「正体がわからないモノがうろうろしているところなんて危険極まりないし」

陽介「…そうだな」

千枝「ん。そうと決まれば早く移動を開始しましょ!」

>第4CPは、遠い。15キロ以上離れている。

陽介「う、うええ! や、やっぱり待ってくれ!」

千枝「なによ、花村」

陽介「食料をためようなんて言わない! せめて木の実だけでも採っていこう!
   腹が減って俺死んじまう……」

千枝「花村は大げさなんだから」

>だけど陽介の言い分もわかる。少しだけ集めていこう。

千枝「もう! 少しだけだからね!」

>みんなで木の実を採集した。
>ワイルドプラム、ワイルドピーチをいくらかとることができた。





229:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 03:08:56.16 ID:UJca8pZR0

千枝「こんなもんでいいでしょ」

陽介「ああ、行こう」

>すこし自分たちのいた場所から異臭がする。

千枝「昨日食べなかったトカゲの頭……」

陽介「もう腐ったのか」

千枝「肉や虫の保存は無理みたいね」

>木の実ももしかしたら脚が早いかもしれない。急ごう。





231:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 03:17:13.14 ID:UJca8pZR0

>道中、拾った『火星の迷宮』を読みながら歩く

千枝「何か変わったことでも書いてあった?」

>変わったことではないが、気になる記述を見つけた。

陽介「どれだ?」

>主人公たちが財宝間近で3匹のグールに襲われそうになる。しかし何もせずに去っていく……。
>そこで主人公たちは選択を迫られる、その場を離れるか、留まるか。

千枝「財宝って……食糧? 昨日のあれも、ゲームの一環ってこと?」

>わからない……

陽介「その主人公たちはどうなるんだ?」

>とどまった場合グールに喰い殺されて終わりだ。その場を離れれば次の話に進める。

千枝「その本をそのまま信じるわけじゃないけど、あの場にいたら危なかったことかな……」

陽介「お、俺、里中たちと一緒にいてよかったよ……」

>先を急ごう





232:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 03:25:04.89 ID:UJca8pZR0

>前方に人影が見える。
>あれは……りせと完二だ。どうやら西へ行くルートと合流してしまったらしい。
>向こうはまだ気づいていないようだ。

>どうする?
1声をかける
2見つからないように迂回して進む
>>233





233:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 03:26:14.26 ID:85uyxFMf0

1





234:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 03:36:34.51 ID:UJca8pZR0

>声をかけることにした。
>しかし、相手はこちらを凝視したまま動かない。

りせ「……? 先輩? せんぱぁい!」

完二「……ウス」

>2人の雰囲気が明らかにおかしい。まだ1日しか経っていないはずなのに……。
>2人とも見覚えのない武器を携帯している。おそらく隠してあったものだろう。

りせ「先輩たちこんなところでどうしたんですか?」

千枝「第4CPに向かう途中なんだ」

りせ「そうなんですか……」

完二「先輩たち、何か食いもん持ってないすか? もしよかったら分けてほしいんすけど」

りせ「情けない話、あのメモ書きの実がどれかわかんなくって。
   ……あたしたちあんまり食糧取らなかったから」

完二「昨日出発して以来何も食ってないんす」

>どうしよう……
1無償で木の実を分ける
2何か武器と交換を持ちかける

>>236





236:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 03:39:07.54 ID:gXe628BtO







243:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 04:08:00.04 ID:UJca8pZR0

>木の実を分ける代わりに何か武器がほしい。

完二「武器、ですか?」

千枝「昨日何かに襲われかけたんだ。その時持ってる武器がこの小さい鉈しかなくてさ。
   すごく心細くって……」

千枝「それに食糧に関しては私たち、大飯ぐらいがいるからさ」

陽介「ははは……メンボクねぇ」

>りせと完二は顔を見合わせている。なにか小声で相談しているようだ。

りせ「じゃあ、この催涙スプレーなんかどうですか? 動物なら十分撃退できますし」

>……なぜか違和感が付きまとう。

千枝「できればもう1つほしいな。鉈含めて1人1個は装備していたくて」

完二「……じゃあ、この特殊警棒なんかどうすか? 突けば骨くらいなら軽く折れるッス」

>特殊警棒を受け取った。

完二「じゃあ、食いモノを」

千枝「このバッグの中の木の実全部上げるね」

陽介「ちょ! 里中! それじゃ足りなくなっちまうよ!」

千枝「花村が無駄に食べなければいいだけの話でしょ?」





244:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 04:11:04.44 ID:UJca8pZR0

完二「……足りねぇッス」

千枝「え?」

完二「俺たちも、なけなしの武器を譲ったんスよ。もう少し欲しいッス」

りせ「そうね……貴重な戦力を手放したわけだし」

千枝「そんなこと言われても……」

>千枝がこちらを見つめてくる。
>どうする?
1陽介のバッグにある木の実を渡す
2自分のバッグの木の実を渡す
3今持っているすべての木の実を渡す
4渡さない
>>245





245:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 04:12:17.61 ID:vRb26foAO

もしもし

2で

ガチャッ





249:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 04:32:54.23 ID:UJca8pZR0

>じゃあ自分のバッグにある木の実を渡そう

りせ「さっすが先輩! さんきゅっ!」

完二「……どもッス」

千枝「じゃあ、私たちも行こうか」

りせ「じゃね!」

>りせと完二から離れた。

千枝「こ、怖かったぁ……」

>その割には冷静だったみたいだが。

千枝「動揺したら何気取られるかわからないんだもん」

陽介「何かおかしなところあったふぁ?」ムグムグ

千枝「あ、こら! 花村ぁっ! 貴重な木の実食べるな!」

陽介「す、スマンつい……」

>それにしてもなんだったのか。

千枝「わかんない……!! って、な、何今の声!?」

>劈くような怒号が後方からする。りせと完二が口論しているようだ。





251:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 04:40:05.19 ID:UJca8pZR0

陽介「な、何やってんだあいつら?」

>怒号だけが聞えてきて何で口論してるかまでは分からない……。

千枝「とりあえず離れよう? なんか殺気立っていて怖い……」

>若干早足でその場を離れた。

――

>歩いているうちに違和感の正体に気付いた。

千枝「どうしたの?」

>りせと完二は俺たちが鉈を例に挙げて『武器』を要求したが、渡したものは催涙スプレーと警棒。

陽介「何がおかしいんだ? 十分武器だろ?」

>ああ、武器には違いないが……これは殺傷能力は極めて低い。護身用の武器だ。

千枝「……あ。言われてみればそうだね」

>おそらく俺たちの中にシャドウがいないか疑っているんだろう。

陽介「だから武器は渡せないって訳か……」

>りせたちに疑われている……憶えておいた方がいいだろう。





315:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 15:25:49.18 ID:UE4lf8aI0

>ようやく第4CPについた。

陽介「さあ、相棒。ここにあるみたいだぜ」

>赤色の可視光線が光っている。

チャララ~♪

千枝「いいかげんこの音楽にも飽きてきたね」

クマ『やあクマ! 元気クマ? センセイ達の友達クマクマ!』

陽介「元気なわけねーじゃん……腹減って倒れそうだよ」

千枝「一々ゲームに突っ込まないの!」

>静かに聴こう。

クマ『まずは生きてここまでたどり着けたことを表彰するクマ! パチパチパチークマ!』

クマ『前回までに食べるときのために毒を持った動物は教えてあったはずクマ!
   今回はそれも含めてここに住んでいる危険な動物を教えてあげるクマ!
   クマのどきどき動物ワールドクマ~!』

陽介「なんか今更だな」

千枝「きっとこの後のCPに行くときに遭遇する可能性があるんだと思う……ちゃんと聞いておかないとね」





319:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 15:36:22.93 ID:UE4lf8aI0

クマ『雰囲気を出すためにちょっと準備が必要クマ! 待つクマ~』

>帽子とマント、そして鼻眼鏡を付けた。

陽介「コイツふざけやがって……」

クマ『それじゃあさっそく始めるクマ! まずは害虫編クマ~』

>クマが害虫について説明していく……。

クマ『といったわけクマ。何匹かは感染症を引き起こすクマから気を付けるクマ~』

千枝「気をつけろってどうればいいのよ……」

陽介「教える気はねーみたいだな」

クマ『あ、感染症と言ってもマラリアにはならないから安心して苦しんでほしいクマ!
   ローズリバーフェバーも致命的な疾患クマけどね!』

陽介「うるせぇ!」

>陽介、落ち着け。

陽介「ぐ、ぐぐぐ……」

クマ『サソリも、毒グモも、ムカデにも注意するクマよ。こいつらもひどい毒持ちクマ!
   あと何種類かの蟻も毒持ちクマ。リストを送るから確認するクマ~』





324:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 15:49:06.15 ID:UE4lf8aI0

クマ『ここからは毒蛇を詳しく解説するクマ! こいつらの毒は致死に直結するから聞き逃さない方がいいクマ!』

クマ『世界の毒蛇、猛毒持ちランキングがこれクマ!』

>1位から22位まで表示されていく。

陽介「世界のって……ここオーストラリアなんだろ!? 意味ねぇランキング送ってくるんじゃねぇよ!」

クマ『今、世界の毒蛇ランキングが意味ないとか思ったんじゃないクマ?
   ちちち、甘いクマねぇ~。ちゃんと意味があるクマ!』

陽介「こ、ここここ、コイツ!!!」

>だから陽介落ち着け。

千枝「花村! 黙って聞く!」

陽介「わ、わかってるけどよ……」

クマ『実は、世界の毒蛇といっても1位から10位まですべてオーストラリアに棲息してるクマ!
   しかも22種類中19種類はオーストラリア産クマ!』

クマ『だから19種類全部気を付けるクマ! 19種類全部気を付けるクマ! 19種類全部気を付けるクマ!』

千枝「1位から……10位まで全部オーストラリア!?」

陽介「冗談じゃねぇぞ……」

>クマは延々と19種類全部に気をつけろと言い続けている…





326:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 15:56:36.60 ID:MSwlFUfB0

なにそれ怖い
オーストラリア好きなのに





328:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:01:31.67 ID:UE4lf8aI0

陽介「いくらなんでも、ここに全部生息してるなんてことはないだろ? オーストラリア全部再現してるわけでもないんだし」

千枝「でも、クマくんがこれだけ念を押すってことは……」

>意図的に放出しているんだろう。

陽介「マジかよ……」

クマ『ちゃんと覚えたクマね? 19種類全部に気を付けるクマよ?』

クマ『最後は哺乳類について教えるクマ!
   ここで危険な哺乳類はたった2種類しかいないクマ! 覚えやすいクマね~』

クマ『まずはディンゴクマ! もしかしたらもう会ってるかもしれないクマね!
   見た目は柴犬にてるクマ! でもお友達になろうなんて考えたらだめクマよ?』

クマ『特徴として烈肉歯がすっごく大きいクマ! 家畜犬とは全く違うクマよ。
   コイツでガブリ! とやられたらいくらセンセイでもイチコロクマ~』

クマ『こいつの特徴としては滅多に吠えないクマ』

千枝「あ、もしかして。昨日のあの怪物だと思ったの……」

>コイツだったのかもな。

陽介「きっと偵察に来てたんだな……もしあそこに留まっていたら」

>恐怖が込みあげる……。





330:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:08:50.84 ID:UE4lf8aI0

千枝「昨日は武器も小さい鉈しかなかったし」

陽介「襲われてたらアウトだったな……」

クマ『じゃあ、次に行くクマ! 次はクマの人類文化学クマ~!
   クマがヒトについて解説するなんて小粋なジョーククマねぇ!』

クマ『せっかくオーストラリアが再現されてる場所にいるクマ!
   オーストラリアといえばアボリジニクマ! だからアボリジニの神話について教えるクマ!』

陽介「そんなこと聞きたかねぇんだよ……」

千枝「……?」

>違和感を覚えたが、貴重な情報があるかもしれない。あとで考えることにしよう。





334:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:17:35.94 ID:UE4lf8aI0

クマ『これがカモノハシが生まれた経緯クマ!
   あ、もしかしたら水辺にカモノハシがいるかもしれないけど不用意に近づかない方がいいクマ!
   実はカモノハシも毒を持ってるクマ! でもこちらから近づかなければ安全クマよ』

陽介「本当にどうでもいい情報だったな……」

千枝「……」

>有益な情報は特になかった。

クマ『ここ、バングル・バングルについての神話クマ。
   なんとここには、恐ろしい怪物が住んでいてという話クマ!
   その名も食屍鬼(グール)クマ!』

>グール……火星の迷宮という本にも出てきた怪物の名前だ。

クマ『名前からしておっかないクマねー。
   こいつらの主食はなんと人間クマ! 人食い鬼ってやつクマね!
   クマはくまでよかったクマー』

千枝「ぐ、グール……?」

陽介「い、いるわけないよな?」

>全員が不安の表情のまま固まっている…。





339:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:26:14.36 ID:UE4lf8aI0

陽介「で、でも、こんなにポップに紹介されちゃ恐怖も半減だよな、ははは……」

>確かにアニメーションなどが使われ飽きないような処理がされている。

クマ『ちょっと長く話し過ぎたクマね。また第5CPまで頑張ってほしいクマ~。
   バイバイクマ~』

>そうしてまた画面は消えた。

陽介「クソっ。ムナクソ悪い話しやがって」

千枝「ねえ、番長くん。何か見落としてる感じしない?」

>自分も違和感を覚えたことを告げた。

千枝「やっぱり? でもなんだろう……」

陽介「な、何かあったか?」

>思い返してみる。
>……………!

千枝「うーん……あ!」

>千枝も思いついたようだ。

千枝「きっと同じことだよね。危険な哺乳類の説明、もう1種類がされてない」

陽介「そういえば……クマのヤロォ……」





340:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:32:52.07 ID:UE4lf8aI0

>これが意図するところは……。

千枝「考えたくはないけど、そういうことなのかな」

陽介「ど、どういうことだよ?」

千枝「……ここにいるじゃない。最も分かりやすい哺乳類が」

陽介「に、人間ってことか?」

千枝「やっぱりこれを主宰してる人間は殺し合いをさせたいみたい」

>もう一度目的を確認しよう。

千枝「全員で生きてここから脱出する」

陽介「ああ。奴らの意図通りになってたまるか」

>この2人となら安心できそうだ

















  

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