344:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:40:13.45 ID:UE4lf8aI0
>第4CPの周りを探索しよう。
陽介「ああ。腹減ったしなぁ」
千枝「まったく……でも花村のそういうところにあたしたち救われてるのかもね」
>ああ、そうだな。
花村「どういうことだよ……」
>とにかく日が落ちる前に探しださないといけない
千枝「うん」
………
……
>みんな探索が終わって戻ってきたようだ。
千枝「全然ダメ……この辺り木々もまばらだし、動物も少ないみたい」
陽介「俺ほうもダメだ。食べられそうなもんがなかった。小さい河を見つけたくらいだ」
>3つだけ木の実を見つけたが……どうしよう。
13人で分ける
2隠しておいて自分だけで食べる
3千枝に渡す
4陽介に渡す
>>345
345:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:40:54.24 ID:C48v+kyO0
3
347:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:49:48.44 ID:UE4lf8aI0
>とってきた木の実を千枝に渡した。
千枝「え……? これって?」
陽介「あ、相棒?」
>これしか取れなかった。俺たちはいいから千枝が食べてくれ。
陽介「あ、相棒~……俺だって腹減ってるんだぜ……」
>今日だけ我慢しよう。
陽介「ううっ……」
千枝「番長くん……ありがと。でもこれはみんな分けよう?」
陽介「さっすが里中だな!」
>千枝は1人1つ木の実を渡した。
>陽介は一心不乱に貪っている。
千枝「(き、気遣ってくれてありがと。すっごく嬉しかった)」
>千枝が耳打ちしてきた。
>千枝とまた少し仲良くなったみたいだ。
>千枝はこちらを意識している。
>木の実がうまい。
349:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:52:11.25 ID:kgNhsKy/0
千枝ちゃんかわいい
350:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 16:57:44.43 ID:UE4lf8aI0
>あっという間に木の実はなくなった。
陽介「分かっていたけどさすがに腹は膨れないな……」
千枝「さすがに……今回はそうだね」
>陽介、さっき小さい川を見つけたといってたよな?
陽介「あ、ああ。でも魚とかいないと思うぜ?」
>水を飲みに動物が現れるかもしれない。そこに罠を仕掛けよう。
陽介「……! そうか!」
>3人で川へ向かった。
陽介「ここだぜ」
千枝「濁っていて飲み水にできそうにないね……」
>とりあえず罠を仕掛けた。
>だが確かに飲み水がそろそろ尽きそうだ。
陽介「源流の方ならまだ澄んでるかもしれないな」
千枝「罠仕掛けたし……ちょっとさかのぼってみようか」
>そうしよう。
>また3人で水流を辿っていった。
355:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:07:07.91 ID:UE4lf8aI0
>水流を辿り、岩のトンネルをくぐると開けたドーム状の場所に出た。わずかに天井から光がさしている
千枝「ここって」
陽介「ここから水が湧いてるみたいだな」
千枝「ここが……思ったより近くてよかった」
>水を確認する。澄んでいて飲み水に使えそうだ。
千枝「エコノキックスとか大丈夫かな……」
>今は心配していても仕方ない。
千枝「…そうだね」
>みんな喉を潤し各々水筒に水を入れた。
陽介「ぷはぁ……こうして一息ついて気づいたんだけど、ここ、プールみたいだよな」
>澄んだ水がたまり水面がきらめいている。小魚が泳いでいるのも確認できた。
千枝「……お風呂」
>千枝?
千枝「ねえ、番長くん。ここで水浴びしていかない?」
>そういえばここに来てから身体を洗っていない…
364:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:17:09.47 ID:UE4lf8aI0
陽介「水浴びするのはいいけど……水着も何も持ってないぜ?」
千枝「もちろん……脱いで入るの」
陽介「お、お前わかってるのか!? こっちは男二人だぜ!? 困るよな、相棒!」
>ああ。せっかくなら服も洗濯したい。
陽介「そういうこと言ってるんじゃないぞ!?」
陽介「あ、服のまま入ればいいのか、この気候ならすぐ乾くだろうし」
千枝「……あたしは身体擦りたいから脱ぐ。そのあと服洗う」
陽介「だあーかあーらあ! 覗くぞ! 百パー覗くぞ! いいのか!?」
千枝「せ、背に腹は変えられないもんっ!」
>陽介。外で待っていよう。そのあと俺たちも入ればいい。
陽介「あ、ああ……そうだな」
>陽介と2人で外で待つことにした。
……
千枝「……番長くんと2人きりなら見せてもよかったのに」
365:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:18:12.17 ID:nM+l3iyO0
ですよね
366:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:18:31.10 ID:rhl7yT3V0
しまった、凶と出たか
くっそ
くっそ
370:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:24:05.32 ID:UE4lf8aI0
>陽介と2人で外で待つのはいいが暑い……
陽介「な、なあ相棒」
>覗きはダメだぞ。
陽介「違う! ここにいるだけじゃ無駄に体力使うだけだぜ?」
>そうだな
陽介「だからせめて日陰で待とうぜ。
トンネルの出口付近なら水も近いから涼しいし」
>どうしよう。
1ここで待つ
2ドーム近くのトンネルで待つ
3思い切ってドームまで戻る
>>371
371:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:27:24.76 ID:LRsEt0Cy0
1
372:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:35:05.79 ID:UE4lf8aI0
>ここで待とう。
陽介「あ、相棒正気かよ!」
>戻ったら千枝の裸を不可抗力で見てしまう可能性がある
陽介「ってもなぁ……」
>この後の関係悪化を考えたらそんなことはできない。
陽介「……そうだな」
>マヨナカテレビから抜け出したら一緒に覗きに行こう。
陽介「……さすが相棒だぜ! 約束だ!」
>陽介と少し仲良くなった。
376:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:41:09.54 ID:UE4lf8aI0
>しかしそろそろ限界だ。暑い……
千枝「ごめん、お待たせっ!」
陽介「お、おせーよ里中……乾し肉になっちまうぜ……」
千枝「やははは……ホンットごめんっ! 気持ちよくてつい。
あたしはここで服乾かしてるから、たっぷり入ってきて」
>ああ。
陽介「日差しがきつくなったら迷わずこっち来いよ。無駄に体力削るのもアレだからな」
千枝「……うん。そうする」
陽介「うっし! じゃあ相棒行こうぜ!」
>ああ、思いっきり泳ごう。
377:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:43:17.95 ID:UE4lf8aI0
ザッパァン!
陽介「気持ちいいなぁ!」
>最高だ。
陽介「あー一瞬だけここもいいなぁとか思っちまった」
>今だけはしょうがない。
陽介「だな! ……って相棒…お、お前の相棒……」
>どうした?
陽介「ま、負けた……」
>何を言っているか意味不明だ…。
378:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:44:13.58 ID:gXe628BtO
oh…
382:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:49:27.47 ID:UE4lf8aI0
>本当に気持ちがいい。
陽介「あー、ホントにな里中が長く入ってたのもわかるなぁ」プカプカ
>服も洗ったしそろそろ出よう。
陽介「うっし。そうだな」
――ザッパァ。
陽介「お、日の当たるところに置いておいたらパンツ乾いてるぜ。
……よし。履いても気持ち悪くない」
>よかった。俺も上がろう。
――ザッパァ。
千枝「暑いぃ~。こっちにいてもいい~?」
>あ。
千枝「……………」
千枝「ごごごごご、ごめんっ!」
>見られた……。
千枝「み、見てない!」
>嘘だ。
千枝「嘘です……」
383:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 17:52:53.86 ID:UE4lf8aI0
千枝「ふ、フツ―逆でしょ! こういうのって!」
陽介「里中も、自分が悪いってわかってるから謝ったんだろー」
千枝「……はい、ごめんなさい。あたしが不用心でした」
>気にするな。
千枝「あ、あたしが気にするの!」
千枝「それより2人とも早く服着てよ! なんでパンツ1枚のまま仁王立ちしてるの!」
陽介「いやぁ、せっかくパンツ乾かしたからせめてズボン乾くまで待ってようかなって」
千枝「ここは虫も少ないからって……男はいいね」
>まったくだ。
387:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:02:48.40 ID:UE4lf8aI0
――
>そろそろ服も乾いたな。
陽介「うし、じゃあさっき仕掛けた罠のところまで戻るか」
千枝「泳いだら少し疲れちゃった」
>食料が見つかるといいな
千枝「そだね……」
陽介「……おい! 相棒! あれ!」
>陽介の指す岩山の中腹では小型のカンガルーのようなものを巨大な蛇が飲み込んでいた。
千枝「うえええええ、気持ち悪い……」
陽介「確かに気持ち悪いが……食糧だ!」
>仕留めよう。
>蛇が小型のカンガルーのようなものをの丸呑みしてしまった。食べ終わって蛇はぐったりしている。
陽介「ここは投石だな」
>ああ。しかし何度か投石したが当たらない…
陽介「くそっ! なかなか当たりやしねぇ」 ヒュン
ガッ――ボトッ
388:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:08:36.14 ID:UE4lf8aI0
陽介「やりぃ!」
>まだ蛇は生きている。
陽介「とどめ!」 ガッ!
>蛇は息絶えたようだ。
千枝「どっちが獲物?」
陽介「どっちもだ!」
千枝「仕留めたはいいけど、毒があったら中のは食べられないね」
>調べてみたが毒は無いようだ。飲み込まれたのはロック・ワラビーというらしい。
陽介「漁夫の理だな!」
>今日は食料に困りそうにないな
陽介「この調子でさっき罠仕掛けたところまで戻ろうぜ」
>陽介が蛇を担いで歩き出した
389:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:11:02.91 ID:3zSt/YEB0
陽介野生化してきたなwww
391:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:12:51.25 ID:roye7zeX0
ワラビー食べたくなってきた
393:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:17:54.08 ID:UE4lf8aI0
――洞窟内。
陽介「ちぇっ、結局罠には何もかかってなかったな」
>だがこの洞窟を見つけられたことは幸いだろう。
陽介「まあ、そうだけどさ。何かの巣って訳でもないみたいだからな」
>千枝は真剣にクマの料理教室を見直していた。
千枝「あ、あった。グラウンドオーブン……ワラビーはこれで蒸し焼きにすればいいみたい」
>蛇から取り出したワラビーはまだほとんど消化されていなかった。
千枝「うん、これだね」
陽介「蛇はどうするよ?」
千枝「あ、あたしはワラビーだけでいい」
陽介「相棒は?」
>自分もワラビーだけでいいと告げた。
陽介「お、マジ? じゃあこの蛇俺だけで食うぜ! やりぃ!」
>蛇はトカゲと同じようにただよく焼けばいい
陽介「オッケオッケ!」
395:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:23:42.49 ID:UE4lf8aI0
千枝「花村、あんた……」
陽介「あ、俺はこの蛇あるからワラビーは少しでいいぜ」
千枝「ワラビーを食べるのはいいけど……そんなに食べられるの?」
陽介「余裕余裕! 腹減って仕方がないぜ」
>少し陽介の様子がおかしい……気がする。
>ここに来たときより、ほんの少し目が大きくなったような気がする。
>気のせいだろうか。
千枝「さ、日が暮れる前に作っちゃお」
>3人で協力してグラウンドオーブンを作った。
>千枝がこちらを気にしている。
397:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:30:16.68 ID:UE4lf8aI0
千枝「……! おいっし!」
>確かにロックワラビーはこれまで食べた野生動物の中で一番うまい。
>陽介は蛇を食べることに没頭している。
千枝「ねえ、花村……美味しいの? それ」
陽介「ああ! ちょっと臭みがあるけど……食えないことはないぜ?
里中も食うか?」
千枝「ううん……ワラビーでお腹いっぱいになったから」
陽介「そうか。なら全部喰っちまうぜ? 相棒も構わないか?」
>ああ、構わない。
陽介「じゃあ遠慮なく!」
>またガツガツと食べ始めた。
千枝「ねえ、番長くん。あとどれくらいだろうね」
>わからない……。
千枝「本当にあたしたちここから出られるのかな……」
>千枝が不安に駆られている。 >>398
1俺がいる、という。
2俺と陽介がいれば、できないことはないという。
3みんな頑張ってるんだ、きっと大丈夫という。
398:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:32:17.84 ID:VyJ31JUj0
3
401:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:44:33.61 ID:UE4lf8aI0
>みんな頑張ってるんだ、きっと大丈夫。
千枝「そっか……そうだよね。あたしただけじゃないんだもんね」
>ああ。
千枝「そうだね! あたしたちも頑張らなくちゃいけないんだよね!」
陽介「みんなで、思いだしたんだけどふぁ」
千枝「食べ終わってから喋りなよ……」
陽介「わりぃ。で、だな」
千枝「で、何?」
陽介「俺らはこうやって情報のルート進んで、情報を得ているけど……
他のチームは何を各CPでもらってるんだろうな」
>そういえば……。
千枝「順当に考えれば、やっぱり同じものじゃない?
サバイバルチームはサバイバルアイテム、武器チームは武器、食糧チームは食糧……」
陽介「やっぱり? だったら食糧チームは何も食糧困らないんだな。羨ましいぜ」
>……!
千枝「そうかもね……」
402:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:45:38.11 ID:VyJ31JUj0
!
403:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:47:20.45 ID:Vky0YX6cO
保存のきく食糧か……
405:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 18:58:31.21 ID:UE4lf8aI0
――翌日。
ザァァァァァ――
>雨だ。
千枝「土砂降りね……まるで滝の裏にいるみたい」
>洞窟の入り口を大雨がカーテンのように塞いでいた。
千枝「……ま、どっちにしてもでられなかったけどね」
陽介「うう……す、すまねぇ」
>陽介が昨晩急に体調不良を訴えた。
陽介「腹を下したみたいで……下痢がひどい」
千枝「昨日の蛇ね、それくらいしか心当たりないもの」
>しょうがないだろう。
千枝「うん。この分だと他のチームも動けないでしょうし今日は休憩ね」
>陽介はかなり発汗してる。かなりだるそうだ。
>止みそうにない雨を見ながら1日が過ぎていく…
409:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 19:08:38.61 ID:UE4lf8aI0
――3日後。
ザァァァァァ――
千枝「まだ、止んでないの……」
>まだ雨が降り続いている。
千枝「もうダメ……動けない」
>千枝も陽介も自分も寝転がって動こうとしない。
陽介「くそ……腹減ったな……」
千枝「花村……塩とか砂糖とか取ってなかったっけ」
陽介「あればとっくに出してるっつーの……」
千枝「だよね……」
>みんな動く気力がなくなってるようだ…
>俺は動けないことはないが……今はエネルギーを節約しよう
416:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 19:30:09.84 ID:UE4lf8aI0
>喉が渇いた……
>コップを持ち洞窟の入り口へ行く。雨を汲んだ。
千枝「そっか……水ももうないんだったね……」
>ああ。
>雨の中に、動く何かを見つけた。
千枝「ちょ……! 怖いこと言わないでよ……」
>何か小さいものだ……。
>食べられる動物かもしれない……!
タッタッタ……
>カエルだ。ウシガエルの一種だろう。カエルにしてはかなり大きい。近くでもう一匹動いた。動きはトロい
>持って帰ろう
……
千枝「びしょ濡れになって何してきたの?」
>食べ物だ。
千枝「カエル……」
陽介「しょうがねぇって……今は貴重な食糧だ」
418:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 19:37:32.74 ID:UE4lf8aI0
>確認してみたがノーザン・スナッピング・ジャイアント・フロッグという種類らしい。
千枝「一応食用できるみたいね……」
陽介「とりあえず捌こうぜ」
>とりあえずマッチもまだ湿気ていない。サバいてから炙ろう。
千枝「あの時陽介がおなか下さなければマッチも使えなくなってたかもね」
陽介「へへへ……何がどう転ぶかわからねーモンだな」
>カエルを捌いていく。手が血まみれになっていった。
陽介「洞窟の奥にあった残りの枯れ木持ってきたぜ」
千枝「枯れ木もこれで全部ね……」
陽介「早く止まないとマズイよな……」
>捌いていたら胃の中から消化されかかった小型のカエルが出てきた。
>かなり意を決すれば食べられなくもないが……
千枝「花村食べたいなら食べていいよ……」
陽介「さすがにいらねぇ……」
>陽介なら食べるというと思ったのだが……
420:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 19:44:13.64 ID:UE4lf8aI0
>カエルの炙りができた。
>全員、貪るように食べている……が今は恰好なんて気にしていられない。
千枝「これで、あと少しはもつね」
陽介「だな」
千枝「珍しい……全然足りないとかいうと思ったのに」
陽介「……? ああ、そうだなぁ、なんでだろう」
>下痢から復帰して食欲が少し収まってきたのだろうか。
千枝「あとは早く雨が止んでくれることを祈るだけか」
陽介「だな……」
>蠅が寄ってくる。血の匂いに興奮してるんだろう。
>鬱陶しい……
426:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 19:59:00.27 ID:UE4lf8aI0
千枝「番長くん何やってるの?」
>『火星の迷宮』を読み直していた。
陽介「何かわかった?」
>バッドエンドが5つとグッドエンド、トゥルーエンドが1つずつあることを告げた。
千枝「バッドエンドがやたら多いね……」
陽介「まーゲームブックなんてそんなもんだ」
千枝「どんな終わり方なの?」
>バッドエンドは全部グールに貪り食われている。
千枝「うえ……」
千枝「ハッピーエンドっていうのは?」
>ヒロインと共に主人公が火星を無事に脱出する。そこで終わっている。
陽介「他のやつらは?」
>主人公とヒロイン以外全員グールに食い殺されている。
千枝「……」
陽介「……全然ハッピーじゃねぇ」
433:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:07:20.68 ID:UE4lf8aI0
千枝「トゥルーエンドっていうのは?」
>トゥルーエンドに分岐するまでの流れのページを見せた。
千枝「え? なにこれ?」
陽介「主人公が精神科の病室で目覚めて……ってよくわかんねーな」
千枝「これで終わりなの?」
>ああ
陽介「これってほとんど夢オチだな……」
千枝「うん……いきなりサイケな感じから現実が崩壊してって、よく分からないし」
陽介「ああ、そうか! きっとこれも夢オチなんだ!」
千枝「そんなことあるわけないでしょ……」
陽介「だよな……」
千枝「この本に今やってるゲームがなぞらえてあるとしたら、
主催者はどういう結末にしたいんだろうね」
陽介「……確かに分からんな」
>深く考える必要もないのかもしれない。
千枝「かもね」
447:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:20:55.16 ID:UE4lf8aI0
――その夜。
>ようやく雨が降りやんだ。
千枝「長かった…‥けどこれで食べ物を探しに行けるね」
陽介「ああ……ってあれ見ろよ。あんなでけー木がここまで流されてる」
千枝「もう少しで洞窟まで浸水してたかもしれなかったんだ……」
>止んでくれてよかった。
陽介「お、木の実なってるぜ。そんなに量は多くないけど」
>今日の夜はこれで凌ごう。
陽介「ああ、夜移動するのは危険だな」
千枝「移動も食糧調達も明日ね」
>木の実を採集して洞窟へと戻っていった。
450:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:30:20.00 ID:UE4lf8aI0
――翌日。
>カラッと晴れている。
千枝「晴れたのはいいけど、暑くなりそう」
陽介「ああ。食糧をとったら次のCPに急ごう」
>昨日までの雨で多くの木が流されてきている。木の実をいくらか採集することができた。
千枝「ここではこんなものかな。あとは行きがけにとりながらってところ?」
>そうだな。
陽介「思うんだが……他の奴らと今は会わないようにした方がいいと思う」
>どうしてだ?
陽介「先に断っておくけど見殺しにするわけじゃないぞ?
他の奴らもこの雨で食料が乏しくなってるはず」
千枝「そうかもね」
陽介「だが今の俺たちに食糧を分け与える余裕はない。
会えば奪い合いにまで発展するかもしれない。食が手に入らない時の人間はこえーからな……」
千枝「共倒れになる可能性があるってことね……」
陽介「ああ、だから周りに気を使いながら移動した方がいいと思うんだ」
453:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:36:33.54 ID:UE4lf8aI0
千枝「うん。それはあたしも賛成」
>2人は賛成している。どうしよう。
1それでも最短ルートでCPに行くべき
2俺もその意見に賛成だ。慎重に行こう
>>454
454:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:37:25.13 ID:uW2kN+kY0
2
455:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:38:21.66 ID:VyJ31JUj0
ナンカコワイヨー
456:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:39:38.36 ID:KLzcaMMW0
他組の動向も気になるが、見えない不気味さがまたいいね
457:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:42:13.71 ID:Vky0YX6cO
相性占いが活きてきたな
459:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:46:32.32 ID:UE4lf8aI0
>俺もその意見に賛成だ。慎重に行こう。
陽介「だな。じゃあ出発するか」
千枝「遠回りしていくなら休憩も多めに取っていかなきゃね」
>出発しよう。
………
>目のつく限り食糧になるものを採りながら進んでいく。
千枝「これくらいあればもしほかのチームと遭遇しても分けてあげられるね」
陽介「ああ。困っていたら快く渡してやろう」
>そうだな。
>さあ、CPに向かおう。
460:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 20:52:28.87 ID:UE4lf8aI0
千枝「やっと着いたー」
陽介「もう日が傾いてきちゃったな……」
>寝る場所も心配だ。早く情報を受け取って寝る場所を探そう。
>ゲーム機をかざした。
チャララララ~♪
陽介「もうこの音楽も食傷気味だな」
千枝「そうね……」
>クマが画面に現れる……がどこか様子がおかしい。
>眼の下に隈を作り、瞳孔が開いている。禍々しい印象を持った。
>BGMも変わっていた。
千枝「なに……これ」
陽介「なんか様子が変だな」
>とりあえず情報を聞こう。
469:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 21:05:59.81 ID:UE4lf8aI0
クマ『ちゃんと来たクマね。ここが第5CPクマ!
よくここまで生きて来られたクマね。褒めてあげるクマ』
クマ『もしかしたら、まだ誰も欠けてないクマ?
そんなことないと思うクマけど、もし欠けてないなら
もう一度ゲームの目的をおさらいてやるクマ!』
陽介「なんかすげー偉そうだな……」
千枝「うん、明らかに雰囲気ちがうよね」
クマ『クマがセンセイと呼んでるんだから明晰な頭脳を持ってるはずクマ!
そんなセンセイたちは気づいていると思うクマけど気づいていない可能性も含めて喋るクマ!』
クマ『本当は喋りすぎるとクマの身も危ないクマ。それをあえて喋るんだから感謝してほしいクマ』
クマ『もう一度確認してほしいクマ』
>クマがこちらに指を突き付け獰猛な笑みを浮かべている……
クマ『このゲームは定められたCPをただ通って、みんなでゴールしてああよかったねってするクマ?』
クマ『そう思ってるならあえて言うクマ! バカも休み休み言うクマ!』
クマ『センセイならそう思ってないと信じてるクマ!』
陽介「コイツ……! 今すぐぶっ壊してやりてぇ……!」
千枝「お、抑えてよ花村。あたしだってそうしたいのガマンしてるんだから……!」
475:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 21:20:22.86 ID:UE4lf8aI0
クマ『ただ分かっていても躊躇することもあると思うクマ』
クマ『そこでクマから仏教の要諦を伝授するクマ!
これ本当はお坊さんが長い間禅を組んでようやく至る境地クマ!
やっぱりここでもクマに感謝して欲しいクマ~』
陽介「……」
千枝「……」
>2人とも食い入るように画面を覗きこんでいる。
クマ『ごほん、いいクマ?
僧に会えば僧を殺すクマ、仏に会えば仏を殺すクマ』
クマ『つまりクマ! 生き残りたければ自分が殺される前に殺すクマ!
そのためには先制攻撃クマ! やるクマ! 殺すクマ! 殺せ!』
クマ『殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。』
477:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 21:21:42.13 ID:3zSt/YEB0
何このクマこわい
479:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 21:24:49.03 ID:Vky0YX6cO
救いが無さそうでたまらんな
482:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 21:32:12.69 ID:UE4lf8aI0
>画面いっぱいに殺せの文字がまだ続いている…
千枝「う、うわっ! な、なにこれ……」
陽介「……クソ」
>ふっと文字が消え画面が暗転した。
千枝「あ、あれ?壊れちゃった?」
陽介「電池切れか?」
>電池はまだ駆動時間的に余裕があるはずだが…
千枝「あ、あれ? 画面戻ったみたいだよ?」
陽介「……なんかクマのやつ椅子に縛られてる。どうしたんだこれ?」
>眼の周りに青痰ができており頭の上には星が回っている。どうやら殴られて縛られたという演出らしい。
クマ『やれやれクマ。喋り過ぎって怒られたクマ。
残念ながらクマとはここでお別れみたいクマ。
センセイ達はクマみたいにならないように気を付けるクマ!』
486:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 21:40:25.58 ID:UE4lf8aI0
>画面の上手からスーツの男が出てくる……どうやらクマをカメラで録ってるというシチュエーションのようだ。
>顔はカメラに背を向けているため見えない。
千枝「……? なんかスーツの男の人が出てきたんだけど……」
陽介「どこかで見覚えがある気がする背格好だな」
>クマに近づいていく男の手には拳銃が握られている。
クマ『そうクマ! 最期なら喋っちゃうクマ! こういうビデオ見たことあるクマ?
このゲームの主催者の目的は、ゲームをす――』
ドォン――。
千枝「……っ!」
陽介「くっ……!」
>クマは眉間に銃弾を受けたらしい焦げ跡がついている。
>クマは動かなくなっていた…
491:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 21:51:19.11 ID:UE4lf8aI0
>引き金を引いたスーツの男が振り返った。この人は……!
足立『どうもどうも! みなさんはじめまして!
僕の名前は足立って言います! よろしくねぇ~』
千枝「あ、足立さん!? なんで!?」
陽介「あ、あの人もこのゲームの関係者なのかよ!?」
足立『残念ながら、さっきの彼は重大な服務規程違反があったから、処刑しちゃいましたぁ』
>ケラケラと足立さんは笑っている……
千枝「クマくんとかから考えて……全然違うキャラクターとして
仕立てあげられてるって考えていいのかな…」
陽介「かもしれないな」
>足立さんはまだしゃべり続けている
足立『さっきの彼の代わりに、ピンチヒッターとしてこれから先は僕が引き継ぐからねぇ。
どうぞよろしくー』
>足立さんはへらへら笑っている…
498:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 22:04:12.31 ID:UE4lf8aI0
足立『ええとぉ。前任者が大半喋っちゃったかぁ。じゃあ僕がここでいうことは後ひとつしかないや』
足立『毒蛇注意の表示のお知らせだね。アルファベットのVの字に注意してね~。
あ、無知なキミたちに教えておくとヴェノムススネークのVね』
足立『それから表示が見えて、近くに数字があるときは毒蛇ランキングを参照してね。
あとは自分で考えてねぇ、以上足立情報でしたぁ』
>画面から足立さんが消えてしまった…。
千枝「クマくん……生きてるよね? あれ、クマくんじゃないよね?」
>千枝は涙を目にいっぱいためている。
陽介「きっと大丈夫さ……きっと」
>今は情報を整理しよう。生き残るために。
千枝「う、うん」
陽介「クマのやつ最期に何か言ってたよな……」
>このゲームの主催者の目的は、ゲームをす、といっていた。
陽介「この後に続く単語を考えると……なんだろう」
千枝「ゲームをす……わかんない」
>ゲームをす……。す、す……。すること?
499:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 22:05:52.91 ID:rhl7yT3V0
す…す…酢だこ!
503:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 22:09:41.54 ID:3zSt/YEB0
まさかステマが目的だったなんて…
505:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 22:11:28.88 ID:UE4lf8aI0
陽介「ゲームをすることが目的?」
千枝「どういうこと?」
>ここの場所を考えてみてほしい。
陽介「オーストラリアの、バングル・バングル国立公園だっけ?」
>違う。この苛酷な状況に忘れがちだが。
千枝「そっか! マヨナカテレビ!」
陽介「あ、ああ。そうだけど……何か違いがあるのか?」
>マヨナカテレビのことを思い出してほしい。この中に投げ込まれた人間がどうなるか。
陽介「放っておいたら、自分のシャドウに取り殺されるんだろ?」
千枝「それもそうだけど……現実世界のテレビに映る……!」
>そう。きっと犯人はこの状況を現実世界に映して楽しんでいるんだと思う。
>そして、それが目的……。
陽介「じゃあ、犯人の目的はもう達成してるってことかよ!?」
千枝「ううん……まだ、まだあると思う。だって殺し合いをさせようとしてるんだよ?」
>だがそれ以上は今の段階では分からない……
510:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 22:24:35.74 ID:UE4lf8aI0
>今日はもう休むところを探そう。
千枝「そうだね……」
陽介「もうすぐ日が落ちるしな」
………
……
…
――翌日。
千枝「今日はどうするの?」
>第6CPまで向かおう。距離も5キロ程度で短い。
陽介「また食糧集めていかないとな。昨日晩飯結構喰っちまったし」
千枝「長い距離歩いたから……しょうがないよ」
>じゃあ、出発しよう。方向は南東だ。
千枝「南東って今まで来た道を引き返す感じになっちゃうね」
陽介「出られんのかな……」
>……急ごう。
512:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 22:31:59.57 ID:UE4lf8aI0
………
……
>距離の半分といったところだろうか。
千枝「ねえ、番長くん。どうしてこんなにコソコソ移動してるの? 岩陰に隠れたり草むらに隠れたり」
>他のチームと合わないようにするためだ。
千枝「みんなを信用しようっていうのは甘い話なのかな……?」
陽介「空腹状態……俺たちの状況から考えても他のチームも極限状態を強いられているだろう。
俺たちはまだ食、という部分に困っていないからいいものの……他のところは分からない」
千枝「それは、そうだね」
陽介「そこでもし、俺たち程じゃないけど何か情報を得て、チーム員以外全員がシャドウだなんて吹き込まれてみろ。それで全員殺せば出してやるなんて聞かされたら――」
千枝「花村、考え過ぎだよ…きっと」
陽介「かもな。ただ俺が言いてーのは用心することに越したことはないってことだ」
千枝「それは、そうだけど……」
>とにかく慎重に行動しよう。対抗できる武器を俺たちはあまりにももっていない。
千枝「うん……」
540:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/17(木) 23:44:52.92 ID:UE4lf8aI0
>この先の道は開けている。手前にある大き目の岩のところに行こう。
陽介「ああ」
千枝「うん」
>岩の陰に移動した。
千枝「次は結構開けてるね」
>ああ。できれば一気に駆け抜けたい。
陽介「そうだな……他のチームに見つかる可能性が一番高い」
>岩の陰から道の方を覗いてみる。
>……!!
陽介「ど、どうした相棒?」
>ジェスチャーで大きな声を立てないように指示をする。
千枝「(だ、誰かいたの?)」
>岩陰から道の中央あたりを指差した。
千枝「ひっ(あ、あれって……!)」
>千枝は声が出そうになったのか指を思い切りかんでいる。
>あれは……生田目なんだろうか……
543:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:00:35.31 ID:FIwWfr5n0
>しかし……何だあれは。
陽介「なっ……!!」
>陽介も声が出そうになるのを必死に堪えている。
>2人の男、距離は50メートル前後。1人は横顔を確認できたが……あれは。
千枝「(ど、どういうことなのあれ? 誰なの!?)」
>あまりにも風貌が変容している……かなり痩せており頬がこけている。
>微かに生田目の面影が残っていたものの、はっきり言って別人に近い。
陽介「(あ、あれじゃ化物だぜ……?)」
>その中でも特に目を引いたのが……異様に大きく突出している目だ。
>目つきが険しいなどというレベルではない……もはや獣のそれを髣髴とさせる。
千枝「(あ、ああ、あれ、生田目さんなの……?)」
>千枝は恐怖で手指が震えている。
陽介「(い、いくらあの豪雨で食糧が取れなかったとはいえあの痩せ方はおかしいぜ!?)」
>確かに、自分たちも対して食べていなかったため気持ち痩せた気もするが……あれは明らかに異常だ。
陽介「(そもそも、生田目って食糧チームだろ!? なんであんな風になってるんだよ!?)」
>わからないことだらけだ……
545:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:02:42.21 ID:UWnSpgsKi
堂島さん…
549:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:10:25.12 ID:AECjmf6K0
いやぁ
550:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:12:07.64 ID:FIwWfr5n0
千枝「(ご、ごめん。あたしが間違ってた……彼らには絶対見つかっちゃいけない)」
陽介「(あ、ああ……見つかるわけにはいかない……なにされるかわからないからな)」
千枝「(クマくんの言ってた言葉……こういう意味だったんだね……)」
>ああ、今になって痛感することになるとは。
陽介「(……? どういう意味だ?)」
>陽介に第2CPで受け取ったクマからの警告を教えた。
陽介「(食糧って……俺らのチームのことか? 俺もあんな風になってたかもしれないってことかよ)」
>かもしれないな
陽介「(くそぉ……)」
>陽介も震えだしている。
千枝「(ま、待って! アレが生田目さんだとしたら……もう一人は堂島さんってこと?)」
>まさか……おじさんが……? 相変わらず後ろを向いていて顔は確認できない。
>しかし、風貌からはとてもおじさんとは思えない……。
陽介「(後姿じゃわかんねーな……)」
>もう一度確認しよう。
>岩陰からまた少し顔を出して確認しようとしたとき、生田目がこちらを向いた。
551:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:12:55.89 ID:KRBfBBpx0
ぎゃああああ
554:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:26:21.31 ID:CzY2BJoX0
やめて
555:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:26:25.87 ID:FIwWfr5n0
>慌てて、姿を隠した。
>マズイ、見つかったかもしれない。
バクン、バクン、バクン――
陽介「(ど、どうした相棒?)」
>生田目がこちらを向いた。もしかしたら見つかったかもしれない。
千枝「(こ、ここから結構遠いよ? 注視してなきゃ気づかないと思うけど……)」
>どうする……どうする……。
>2人のぼそぼそとした不明瞭な話声が風に乗って聞こえてくる。
>辛うじて『東』という単語が聞き取ることができた。
>こちらへ向かってくる気配はないが見つかってしまったかもしれない。
>千枝も陽介も恐怖のあまり固まっている……。
>自分が判断を下さなければいけない。
>『火星の迷宮』に同じようなシチュエーションをあることを思い出した。
『あなたは、大きな岩の後ろに隠れられるような窪みを見つけた。
2頭のグールは着実な足取りであなたに迫っているが、まだあなたに気が付いていない。
こちらにやってくるかどうかは運次第だろう。今闘っても勝ち目はない。
全速力で逃げるか、隠れてやり過ごすか、あなたは選択しなければならない』
>どちらの結末が正しいのかは覚えていない…。だがどちらかはグールに食い殺されていた。
>どうする? >>555
1気づかれることは確実だが2人を連れて全力で逃げる。
2この場で隠れてやり過ごす。
3勇ましく戦うために、あえて向かっていく
>>557
557:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:28:32.99 ID:jtNCZOvL0
1
561:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:36:59.78 ID:FIwWfr5n0
>2人とも、気をしっかり持て。
千枝「(ど、どうするの……?)」
陽介「(まさか戦おうなんて言わないよな?)」
>逃げるぞ。ここで待っていたらアイツらがこちらに来るかもしれない
陽介「(で、でも確実に見つかっちまうぞ!?)」
千枝「(うん……覚悟は決めた……行こう)」
陽介「(しょ、正気かよ)」
>3、2、1で全力で走るぞ……
>3、2、1……!!
ダダダダッ!!
生田目「おい! アイツら!!!」
>走り出してすぐ生田目の怒号が耳に届く。
>二つの猛烈な足音が迫ってくる。
>いつまで逃げても後ろの足音は消えない。
千枝「はぁ、はぁ、はぁ、ば、番長くん……も、もうダメ……」
564:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:48:06.24 ID:FIwWfr5n0
>千枝の走るスピードが徐々に落ちていく。
陽介「里中! 諦めんな!」
千枝「で、でも……も、もう心臓張り裂けそ――」
トッ――ドサッ――。
陽介「さ、里中ぁぁあああああああ!!」
>巨大なサバイバルナイフの刃が背中から胸へ突き出している。
生田目「ひひひひひ」
>生田目が突き刺さったナイフを引き抜く。
>血しぶきがが生田目に降りかかるが気にしている様子はない…。
陽介「あ……ああ……あああ……」
>2人とも千枝の死を目の前に動けなくなっていた。
生田目「いいモンが手に入った」
ドスッ――。
>俺の胸にもナイフが突き立てられる。
>その言葉を最後に、俺の意識は途絶えた。
BAD END >>565
直前からやり直しますか?
1はい 2いいえ
565:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:48:53.68 ID:KRBfBBpx0
ど1
570:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:51:00.50 ID:FIwWfr5n0
>どちらの結末が正しいのかは覚えていない…。だがどちらかはグールに食い殺されていた。
>どうする? >>571
1気づかれることは確実だが2人を連れて全力で逃げる。 →BADEND
2この場で隠れてやり過ごす。
3勇ましく戦うために、あえて向かっていく
571:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:51:45.43 ID:a082kARa0
2
572:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 00:59:48.95 ID:FIwWfr5n0
>>555から
>2人の手を握る。
陽介「(ど、どうすんだ相棒)」
千枝「(ば、番長くん……?)」
>祈ろう。こちらに来ないことに。
千枝「(に、逃げなくて大丈夫なの?)」
>逃げても間違いなく追いつかれてしまうだろう。
>だったら。
千枝「(うん……分かった)」
陽介「(ああ)」
>2人の手を強く握る。
>2人も強く握り返してきた。
>……! 2人が動き出したみたいだ。
>足音が遠ざかっていく。見つからずに済んだみたいだ。
千枝「は、はぁ~……生きた心地がしなかった」
陽介「まったくだぜ……」
>2人とも手に汗をじっとりとかいている。
575:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 01:14:28.17 ID:FIwWfr5n0
>岩陰から姿を確認すると2人が遠ざかってるのが確認できる。
陽介「もうしばらく動かない方がよさそうだな」
千枝「これからどうしよっか?」
陽介「アイツらのどうこうが分からなくなるのは怖いな……
第6CPはあいつらが向かった方向だし、ある程度の距離をとりながら尾行するっていうのは?」
千枝「そんなのダメッ! 危険すぎる! せっかくここで見つからなかったのが水の泡になる!」
陽介「じゃあ、どうするんだよ。結局第6CPにはいかないといけないんだろ?」
千枝「少し引き返して距離をとるっていうのは?」
陽介「引き返したところで結局またここにくるんだろ? あんまり意味ないと思うぜ」
千枝「じゃあ、どうすればいいっての!?」
陽介「お、怒るなよ……相棒はどうした方がいいと思う?」
>東という単語が気になる……。
陽介「東か……あいつらが向かった方向とは別方向だな」
>どうしようか… >>576
1陽介の言うとおりそのまま第6CPへ向かう
2千枝の言うとおり引き返す。
3東という単語が気になる。東へ向かう
4この場に留まる
>>577
577:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 01:16:42.03 ID:S0N+3nCa0
3
582:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 01:27:00.92 ID:FIwWfr5n0
>東に向かおう。
陽介「わかった。あいつらが言ってたことは俺も気になるしな」
千枝「あの2人から離れられるなら何でもいい」
>決まりだ。
>生田目たちが立っていた場所から東へ歩いていった。
陽介「第6CPは今日中に行けるか心配だけどな……」
千枝「そうだね……あたしもできるだけ早くこんなこと終わらせたい……」
>2人とも気分が沈んでいる。
>どうしよう。
1大丈夫。3人なら何とかなる。
2俺がいる。
3他のみんなの様子も知りたい。
4何も言わない
>>583
583:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 01:28:04.63 ID:wukMRg3Zi
1
584:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 01:36:32.91 ID:FIwWfr5n0
>大丈夫。3人なら何とかなる。
陽介「……おう! そうだな!」
千枝「そうだね。3人なら何とかなる気がする」
>不安は根強く残っている…。
>それでも口に出すことで、少しだけ心が軽くなった。
>2人とまた少し仲良くなった。
>千枝はこちらを強く意識している。
>陽介はこちらを意識している。
千枝「行こう」
陽介「ああ」
>先ほど彼らがいた場所から東へ向かって進んでいく。
………
……
…
千枝「ね、ねえ、ここ。見覚えない?」
陽介「ああ。俺もそう思っていたところだ」
>ここは……第4CPの近くだ。
千枝「も、戻ってきちゃったってこと?」
591:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 01:52:04.73 ID:FIwWfr5n0
>あの岩山はロック・ワラビーを仕留めたところだ。
陽介「あ、ああ! 間違いない! ここ第4CPの近くだ」
>かなりルートを錯綜しているらしい。
千枝「あ! あそこ! あたしたちが作ったグラウンド・オーブンの残骸!」
>だが、自分たちの作ったものよりも形状が変化している。
陽介「確かに……穴がかなり大きくなっているな」
千枝「何かもっと大きな獲物でも捕まえたってことかな」
>大量の蠅がたかっている。何か入っているのだろうか……
>嫌な予感がよぎる……
千枝「これ使ったのって、生田目さんたちなのかな……?」
陽介「どうする? 中確認してみるか?」
>2人の表情は固い。自分と同じく何か嫌な予感がしているのだろう。
>確認してみよう…。
陽介「相棒、一緒に確認しよう。里中はそこで待っていてくれ」
千枝「わ、わかった」
>グラウンド・オーブンに近づいていく。何かの腐臭がする…
592:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 01:53:14.46 ID:QntUn42I0
ヒィィィ
598:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 02:07:17.91 ID:FIwWfr5n0
>グラウンド・オーブンの近くに何かの血の流れた跡がある。
>何が入っているか確認しよう。
ガサガサ……。
陽介「……!! こ、これって」
>手だ……ところどころ指が欠損した人の手。
>……ほとんど白骨状態だが肉が少しこびりついている。
陽介「あ、相棒……吐いたら悪い」
>安心しろ。俺も似たような状態だ。
陽介「問題は……この手の持ち主だよな」
>さらに草をどけていく。
>……? 何か大きいモノが下にある。
>!!!!!!!!
陽介「う、うわぁあぁあぁあぁぁぁあぁっ!!!!!」
千枝「ど、どうしたの?」
陽介「里中来るな! 絶対にくるな!」
>堂島さんの頭部がゴロリとでてきた。
>首元と耳に歯形がくっきりと残っている。食いちぎろうとした痕だろう……。
>脳天から鼻の下までひとつの刃筋で骨諸共大きく切り裂かれていた。
599:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 02:09:22.31 ID:QntUn42I0
おっさんが食われたのか
602:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 02:14:00.15 ID:K/We0yVe0
堂島さんは人として死ねたのか・・・
606:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 02:22:54.00 ID:FIwWfr5n0
>吐き気が込みあげてくる…。
陽介「き、きっと自分が死んだことすらわからなかっただろうな……」
陽介「もう見るのはやめよう……」
>陽介は草をかけて遺体を隠した。
陽介「もう行こうぜ……相棒」
>押し寄せてくる吐き気を堪えて遺体に背を向けた。
>堂島さん……
千枝「な、何があったの?」
陽介「……相棒の、おじさんの死体だ」
千枝「ひっ……ば、番長くんの?」
>……確認したから間違いない。
千枝「番長くん……」
陽介「……相棒、今は場所を変えて情報を整理しよう」
千枝「花村! そんな言い方」
陽介「……考えていればその間だけでも忘れられる。
今ここに留まることは得策じゃない。早く移動しなければ命が脅かされるかもしれない」
608:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 02:28:37.79 ID:FIwWfr5n0
>ああ、そうだな
陽介「……あとで泣けばいいさ。今だけ我慢してくれ。わりぃこんなことしか言えなくて」
>いや、ありがとう。
………
……
陽介「とりあえずここら辺でいいかな」
>ああ。情報を整理しよう。
陽介「堂島さんは、生田目と一緒に行動してたよな?」
>ああ。食糧チームだ。
陽介「さっき会った生田目……異常に痩せてた」
千枝「それってもしかして……」
>遺体の状況から考えてもそうだろう。餓えた結果、殺して喰った……。
千枝「うっ……」
陽介「無理かもしれねぇけどできるだけ想像しない方がいい」
>だけど不自然な点がある。おじさんの顔……そこまで痩せていなかった。
陽介「……! そういえばそうだった」
613:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 02:41:18.87 ID:FIwWfr5n0
千枝「どういうこと?」
>お互いに行動して、餓えていたのならおじさんも生田目のように痩せていなければおかしい。
千枝「あ、そうか」
陽介「どういうことだ……?」
>生田目だけに何かが起こったと考えるべきだろう。
千枝「何か、か。そういえばどうして番長くんのおじさんだってわかったの?」
>なぜか頭だけ食べられていなかった。
陽介「あの感じ……きっとためらったんだろうぜ」
>だけど、一度喰ってしまえば次はもう躊躇わないだろう。
千枝「食屍鬼……グール……」
陽介「まさか、これもゲーム主催者の思惑通りだっていうのかよ」
>クマの警告が蘇る。
――クマ『最後に食料を選んだ連中クマ。こいつらには近づかない方がいいクマ~。
なんでかはまだ言えないクマ。でも中盤以降は絶対に近づかない方がいいクマ』
>そういうことだったのか?
616:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 02:55:42.41 ID:FIwWfr5n0
千枝「ちょっと待って。でもそれっておかしくない?」
陽介「何がだ?」
千枝「生田目は誰かと一緒にいたんだよ?
あのもう一人が番長くんのおじさんじゃなかったら誰だっていうの?」
>そういえば。あれは一体誰なんだ? 体格的に男だと思うが今では自信がない.。
>ボロイ布のようなものを日除けに使っていたせいで誰かわからなかった。
陽介「でも死体は間違いなく本物だったぜ」
千枝「それに一緒に行動するっていうのもおかしいよ」
>あの生田目と一緒に行動できるような人物…。
陽介「それこそグールだぜ」
千枝「同じようになった人……?」
>わからない……。
622:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 03:10:25.24 ID:FIwWfr5n0
千枝「あ、そういえば、一応これ拾ってきたんだけど……」
>ゲーム機だ。
陽介「これは……堂島さんの?」
千枝「多分。電源つけて第一CPのメッセージ確認すればだれのものかわかると思うけど」
>つけてみよう。
千枝「わかった」
パチ。
千枝「ひゃっ!」
>どうした?
千枝「画面いっぱいの大きさでこれが……」
『BAD END』
陽介「ふざけんな! 何がバッドエンドだ!」
>でもこれで一つはっきりした。
>ゲームの主催者は俺たちを間違いなく監視している。
623:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 03:16:45.83 ID:FIwWfr5n0
千枝「これ、他には何も映さないみたい」
千枝「役に立ちそうにはないけど……どうする? 持っていく?」
>どうしよう。
1荷物になるだけだ。捨てていこう。
2念のため持っていこう。何が役に立つかわからない。
>>624
624:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 03:17:56.82 ID:cO/9S8RF0
2
626:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 03:23:37.39 ID:FIwWfr5n0
>持っていこう。
千枝「分かった。最初も番長くんが壊れたゲーム機捨てないでおこうって言ってくれたおかげで役に立ったしね」
>千枝はおじさんのゲーム機をバッグにしまった。
>これからどうしようか。
陽介「アイツらもいい加減遠くに行ってるだろうし、そろそろ第6CPに向かうべきじゃないか?」
千枝「でも、あたしらが第5CPから第6CPに向かってるときみたいに、来た道を戻ってくる可能性もあるし」
陽介「だからってこの場に留まってることだって危険だと思うぜ」
千枝「何をしてもリスクはあるってわけね……」
>同じリスクがあるなら進もう。
千枝「わかった。番長くんがそう決めたのなら従う」
陽介「ああ」
千枝「それにしても、危険な哺乳類ってこういう意味だったんだね……」
陽介「俺は同じ人かどうかももう疑ってるぜ」
>空気が重い…だが進んでいくしかない。
628:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 03:31:28.31 ID:FIwWfr5n0
>周りを警戒しながら歩いていく。
陽介「強制的に、ルール追加かよ……」
千枝「どういう意味?」
陽介「アイツらに見つからないように歩いていきましょうってね」
千枝「ああ……そういうことね」
陽介「まさか、狩られる立場がこんなに怖いものだとはなぁ…」
千枝「うん……とっても怖い」
>警戒して進んでいるものの、今の俺たちにできることは、出会わないように祈るだけだ。
>必要以上の言葉を発することなく3人とも歩いていく。
>黙っていると、あの惨状が蘇る。
>おじさん……。
千枝「番長くん……これ」
>ハンカチ?
千枝「泣いてるよ……」
631:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 03:40:25.97 ID:FIwWfr5n0
>……ありがとう。
陽介「第6CPまであと少しだから」
>ああ。頑張ろう。
…………
……
足立『やあやあ! よく来たねぇ! ここは第6CPだよぉ~』
>軽快なサンバのリズムと共に足立さんが画面に現れた。
足立『ゲームもいよいよ佳境って感じかな? 僕はいつだって君たちのこと見守っているからねぇ!
ゲームの中からだけど! あ、これ笑うところね』
千枝「……あたし現実の足立さんも嫌いになりそう」
陽介「ああ」
足立『ここではぁ。この足立さんから耳寄り情報を教えちゃいまぁす! どう? いいでしょ? 嬉しいでしょ?』
足立『多分みんな知らないことなんじゃないかなぁ。心して聞いた方がいいよぉ。
言うよ? いい? 準備はできた? お風呂はいった? 歯磨きはした?
アハハ! これも笑うところだから!』
>この勿体つけ方に悪意を感じる…。
633:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 03:53:10.22 ID:FIwWfr5n0
千枝「くあー!! 腹立つ!」
足立『あ、じゃあそろそろ言うからね。いい? メモの準備はした?』
足立『実はなんと……コアラとウォンバットってもともとは同じ生き物だったんだって!
アハハハ! すっごいよねぇ!』
陽介「……ぐっ……ぐうううううううう!!」
千枝「は、花村。怒りたい気持ちは痛いほどわかるけど! ゲーム機投げようとしないで!」
陽介「こんなくだらない情報を掴むためにここまで来たってのかよ!」
>足立さんは生物の起源について話してる。表情も完全にこちらを嘲弄している。
足立『きっと君たちもゲームの中の僕に感謝してるんじゃないかなぁ』
陽介「誰がするか!」
足立『あ、そうそう。ゲームといえば僕も今君たちが持ってるハードと同じもの持ってるんだけど。
外で暇なとき便利だよねぇ。今どき電池だけど20時間持つし。
外で切れても変えればいいだけなんだからさ』
足立『あ、そろそろ時間だね! 生き残るためには持ってるアイテムフル活用してねぇ。
すっごくお得な耳寄り情報でした! じゃあねぇ』
>画面が暗転した。
陽介「ふざけんな!」
637:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 04:06:14.47 ID:FIwWfr5n0
千枝「ねえ……本当に役に立たない情報だったのかな」
>ああ、何か違和感を感じる。
陽介「感情的になりすぎて細かく聞いてなかった……」
千枝「なにかこう……前聞いたときと違うこと言ってたような」
陽介「そんなこと言っても、生き物の起源がどうとか生き物の雑学がどうとか。
挙句の果てにはゲームだぜ?」
>……! ゲーム! それだ!
陽介「?」
>ゲームの駆動時間だ。最初の説明のときを思い出してほしい。
千枝「たしか……直斗くんのものに出てたやつだっけ?」
>千枝がメモをぱらぱらとめくっている。
千枝「ん~……あ、これだ。『動作時間は10時間』
あれ? 足立さん20時間って言ってなかったっけ?」
>何か意味があるのかもしれない。
>それともうひとつ気になることを言っていた。
陽介「あったか?」
>ここにきて、あれだけアイテムの使用を念押しするのは不自然だ。
641:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 04:21:23.65 ID:FIwWfr5n0
>もう一度みんなが持っているアイテムを確認しよう。
陽介「わかった」
>各自アイテムをひとつずつおいていく。
【アイテム一覧】
小型の鉈…1
ライフツール…2
マッチ…2
ナイロンの釣糸…1
プラスチックの食器セット…1
蠅除けネット…2
受信機…1
コン●ーム…1(半ダース)
スネーク・バイト・キット…1
特殊警棒…1
催涙スプレー…1
・
・
・
etc
644:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 04:30:37.57 ID:FIwWfr5n0
千枝「花村の取ったものとあたしたちの取ったモノ結構被ってたんだ」
>この中でまだ使っていないものは……。
千枝「スネークバイトキット、これ花村のやつね」
陽介「ああ」
>重要度は確かCだったが……。
千枝「あとは警棒と、催涙スプレー……」
陽介「まあ戦ってないからな」
陽介「当然コン●ームもだな」
千枝「あ、当たり前じゃない! 水筒もあるんだし!」
陽介「何焦ってんだよ……」
千枝「ご、ごほん。あとはー……あ、これだ高性能受信機」
陽介「なんでそんなもん取ったんだ?
電池はアイテムの中になかったからゲーム機の使わなくちゃいけないって分かってたはずだろ?
だからみんな敬遠してたわけだし」
>だが、重要度は最高に近いAAAが記されていた。
陽介「……わからん。無線機ならお互いに連絡取れるんだろうけど、何を受信するんだこれ?
チューナーもついてないから単一電波しか受信できないだろうし」
646:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 04:40:38.00 ID:FIwWfr5n0
千枝「ねえ。そろそろ食糧取らないとマズイ気がするんだけど…」
>隠れながら進んだせいでほとんど食糧を採れていなかった。
>気づけば日が傾きはじめている。
>受信機の機動実験もしてみたかったがそれもあとだ。
陽介「よし、早く探そう。日が落ちたら本当に何も取れない」
>急ごう。
……
…
――翌日
>昨日は食事の後すぐに寝てしまった……。
千枝「堂島さんのこともあったし、疲れてたんだよ」
陽介「第7CPってどこなんだ?」
>近い。ここからすぐだ。
千枝「最終CPね……」
陽介「出口があるといいな」
>行こう。
652:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 04:49:31.74 ID:FIwWfr5n0
……
…
>最終CPについた。
千枝「ここが最終CPね」
陽介「ぱっと見出口はないみたいだな…
これって、アイテムか? これ見よがしにおいてあるけど」
>CPにアイテムがあるのは久しぶりだ。
千枝「双眼鏡みたいだね。120倍まで拡大できると。アイテムリストの評価はAA」
>ずいぶんと豪華だな。
陽介「最終CPにいいもの置いておくなんてタチが悪すぎるぜ」
>嫌な予感がする……。
>ゲーム機をかざした。
足立『やあやあ! よく来たねぇ! ここは第7CPだよぉ~。
ゲームもいよいよ佳境って感じかな? 僕はいつだって君たちのこと見守っているからねぇ!
ゲームの中からだけど! あ、これ笑うところね』
千枝「なにこれ? 第6が第7になっただけじゃん」
陽介「ふざけてんのか」
>動きも全く同じだ。
655:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 05:00:28.07 ID:FIwWfr5n0
足立『さてと、ここでCPは終わり。長いことよく頑張ったねぇ! 褒めてあげちゃう。パチパチパチ~』
千枝「ホント腹立つね」
陽介「さっさと出口を教えろ」
足立『CP目指して頑張ってここまできた君たちにご褒美あげちゃう。
これからの行動は自由だよ。もう面倒なCPに行かなくてもいいんだ。よかったねぇ。
あ、でもここから脱走しようとしちゃダメだからね。もしそんなことしたらペナルティあるから。
ついでに簡単な地図もあげちゃう!流石最終CP、アイテムすっごく豪華だね!よかったよかった!』
陽介「ふ、ふっざけんなよ! 何が自由に行動しろだ! 出口は!?」
千枝「きっと……そんなものないんだよ。ここで殺し合いし続けろって……」
陽介「くっそ!」
>陽介が思いきり壁を叩いた。表情も怒りに満ちている。
足立『ここではぁ。この足立さんから耳寄り情報を教えちゃいまぁす!
どう? いいでしょ? 嬉しいでしょ?』
多分みんな知らないことなんじゃないかなぁ。心して聞いた方がいいよぉ。
言うよ? いい? 準備はできた? お風呂はいった? 歯磨きはした?
アハハ! これも笑うところだから!』
足立『あ、じゃあそろそろ言うからね。いい? メモの準備はした?』
陽介「また雑学でもたれようってか?」
千枝「これ終わったら、あたし自分の壊れたゲームもっかい壊す……」
658:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 05:17:26.04 ID:FIwWfr5n0
足立『もう南のルートに行った人たちと会ったかな? 会ってたら多分ここにはいないよね。
だから次会ったときにはびっくりしちゃうと思うよぉ。
前任の彼も警告した多と思うけどできるだけあわないようにした方がいいね』
陽介「は、は? どういうことだよ」
>画面に妖怪の餓鬼のようなキャラクターが出てきた。これは……。
千枝「な、生田目にそっくり」
陽介「やっぱり生田目がああなったのはゲーム主催者の仕業か……!!」
足立『あ、これ一応人間ね。ほら握手握手』
>餓鬼のようなキャラクターは足立にいきなり噛みついた。足立の肘から先が骨になっている…
千枝「ひっ……」
足立『アハハ。困ったねぇ。食いしんぼうさみたいだ。でも君たちだって僕みたいになっちゃうかもしれないんだよ?
でもただの人間はここまでならないよね? なんでこうなっちゃうかというと……答えは食べ物!』
陽介「ま、まさか……」
足立『群生しているもの食べてればよかったんだけどねぇ。
アイテムリストの中にドクロマークついてるのあったの憶えているかな?
そう! FSビスケットとビール!罠、なんて書いてもあったんだからフツーは食べないよね。
まさか、君たちは誘惑に負けて食べたり飲んだりしてないよね?』
陽介「う……ぐ……!」
>陽介の顔が青ざめている。
663:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 05:35:27.03 ID:FIwWfr5n0
足立『でもまあ、少しくらいなら大丈夫かな。一口なら効果は全くでないし。
定期的に摂取し続けなければ一時的に症状は出るかもしれないけど、それ以上摂らなきゃ大丈夫!
たぶん。
アハハ。個人差があるからね! 僕からはこれ以上何とも言えないなぁ』
陽介「くそ……今の俺は大丈夫なのか?」
>一時、陽介の眼が少し突出していたときことを思い出す。あれが症状だったのだろうか。
千枝「大丈夫だよ、花村。顔つきから全然違う」
陽介「お、おう」
足立『でも、南のルートの人たちはそうはいかなかっただろうなぁ。だって各チェックポイントごとに毎回おいてあったんだから。
アハハハ、獲物は自分で獲ろう! 教訓だねぇ』
>足立さんはいつの間にか半分以上が骨になっている…
足立『まずはFSビスケットの秘密から教えちゃおう! FSって何の略かわかる? わからないよねぇ。
だってわからないようにしたんだから! アハハハ!
南のルートを選んだ人たちにはFamine Saver、飢餓防止って教えたんだけどね。
ぷっ……くくくく……あーっはっははっはっは!! 嘘だよ! 大嘘!
本当はFat Slicer、直訳すると脂肪を切り取っちゃうってこと! あははは!
つまりスーパーダイエット食品ってこと!』
足立『まあ、どんな成分が含まれているか専門的なこと言ってもキミたちピンとこないだろうから、
いろいろ薬がぶち込まれて作られてるって思ってくれればいいから。
それでも知りたいって言うならちょっと教えてあげちゃうけど。
ビタミンB群、こいつは脂肪の燃焼を促進する。あとは基礎代謝を上げる甲状腺ホルモン、
あと男性ホルモン各種、カフェイン、アドレナリンなんかも入ってるね』
陽介「こ、こいつなんてもん喰わせやがった……!」
足立『あ、あと食べてみたらわかると思うんだけど、一応甘いんだよね。
でもそれはエリスリトールとキシリトール。
キシリトールはほぼ全部体外に排出されちゃうし、エリスリトールはいっぱい食べると
下痢起こしちゃう! アハハ困ったねぇ!』
665:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 05:48:12.96 ID:FIwWfr5n0
足立『だから実質あのビスケットはカロリーゼロ! すごいねぇ。売ったらバカ売れだねぇ。
まあ、薬事法に思いっきり引っ掛かるから売れるわけないんだけどね! アハハハハハハ!!』
足立『このビスケットの一番の問題は甲状腺ホルモンだねぇ。
市販されてる甲状腺ホルモンは当然の如く全部使われているし。
昔は、やせ薬として普通に売られていたらしいよ?
まあとりすぎるとバセドウ病に似た症状が出るってんですぐ使用禁止になったけど』
足立『甲状腺ホルモンが何か知らない? 困った子たちだなぁ。よし。特別に教えちゃおう!
甲状腺ホルモンが過剰になると、激しい動悸、手指の震え、下痢、発汗などなど……』
足立『ここで面白いのがさ、食欲が亢進するんだよねぇ。
やせ薬として飲んで食欲増してたら世話ないね! アハハハ!』
>出発してから、しばらくの間の陽介の様子と同じだ…
陽介「くっ……」
719:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 13:02:06.83 ID:69E9Ulzt0
足立『もし食べてたら、抜けるときに似たような症状でるからね。苦しんでよかったんじゃないかな?』
足立『甲状腺ホルモンを過剰摂取するとガンガン痩せていくんだけど、
活動はやたらめったらハイになるんだよねぇ。むしろハイパーなのかな?
かなり怒りっぽくて攻撃的になるんだよ、ほらこいつらみたいにね。あー痛い痛い』
>足立さんの身体は首から上以外骨になっている…。
足立『顔もね、こいつらみたいになっちゃうの。具体的に言うと眼球がどんどん突出してきて、
いかにも恐ろしげな顔になるんだよ。あー、怖い怖い』
>足立さんはへらへら笑っている。
千枝「な、生田目はもしかして……」
陽介「ああ、こいつらの都合であんな姿にさせられたんだ……!」
>陽介の顔に現れていた変化もこれのせいだったのか…。
728:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 13:36:45.31 ID:69E9Ulzt0
千枝「花村、何かおかしいところない? 体調悪いとか……」
陽介「今はない……正直言うと出発してから洞窟で下痢するまでずっとこんな感じだった」
陽介「喰っても喰っても物足りなくてさ……」
>今はもう大丈夫なのか?
陽介「あ、ああ。食欲も収まったし大丈夫だと思う」
>顔の変化も落ち着いている。
足立『まあ、FSビスケットの効果はこんなもんかな』
足立『続いてビール! いいよねぇ、ビール美味しいよねぇ。僕も大好きだよぉ。
でもここにあるビールだけは飲みたくないなぁ!』
足立『まあ、未成年だから飲まない、なんてわけのわからない倫理観振り回してないと思うけど。
それでも飲まなかったというなら大正解、大当たり!アハハハ!
でも飲んじゃうと思うんだよねぇ。目の前にある貴重な水分なんだから』
足立『雨とか川の水とか飲むよりよっぽど衛生的だもんねぇ』
足立『でもまあ、用心するべきだったよねぇ。
缶の底見ればてっきとうに、はんだ付けした跡が見つかったんだけど!
それに味もちょっと苦かっただろうしねぇ。
口に含んでも違和感覚えて吐き出すとかもできただろうし。注意一瞬ケガ一生ってね!』
足立『え? なんでかって? 知りたい? 知りたい? アハハハハ!
焦んなくても大丈夫ちゃんとおしえてあげるから!
実はあのビールの中には数十種類の幻覚剤やら向精神薬が入ってたんだよねぇ。
特製ナルコティックカクテル! どんなヤク中でも満足すること請け合い!
アッハハハハハハ!!』
>……!
733:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 13:52:36.31 ID:69E9Ulzt0
足立『これはね、とある国で優秀な兵士を作るために調合されたものだったんだけどさ。
失敗も失敗。だーい失敗!
勇敢なる兵士、じゃなくてただの殺人鬼、サイコ・キラーを量産しただけ。
やれやれだね。失敗は成功の母だね。
意識の明晰さは保ったまま、良心やら人間らしさを麻痺させちゃったもんだから…‥』
足立『あ、彼らは被害者、社会病質者――ソシオパスだからね。
出会ったら優しく介護してあげて! その前に喰われるだろうけど!
アーッハッハッハッハハハ!!』
足立『物事はほどほどに! 教訓だねぇ』
>足立さんは甲高く笑っている…。
足立『あ、そろそろお別れかな。僕も喰われちゃうし』
>足立さんは顔の半分以上を骨になっても喋り続けている…。
足立『さあ、最後まで頑張ってねぇ。さよーならー』
千枝「消えた……」
陽介「うっ……うぉえぇええぇええぇ」
>陽介が盛大に吐き出した。
>自分の食べさせられたものに嫌悪感を覚えたんだろう…
千枝「花村……」
>初めからこうなることは決まっていたんだろう…。
千枝「生田目さん……食糧チームがこうなることは主催者側は最初から想定済みだったんだね……」
739:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 14:07:03.42 ID:69E9Ulzt0
千枝「でも、堂島さん……番長くんのおじさんに顔変化してなかったってことは……」
>きっと食べなかったんだろう。ビスケットもビールも…。
千枝「あたしたちの警告……ちゃんと受け取ってくれたんだ」
>ここからは予想だけど……。
千枝「うん。聞かせて」
>おじさんはきっと、生田目にビスケットをあげたんだと思う。
>目の前で体調不良と空腹を訴えて、痩せていく生田目にできるだけ高カロリーのものをあげようって。
千枝「普通に考えたらただのビスケットだもんね……」
>飲み物も水より衛生的だと思って、ビールだったんだと思う。
千枝「だけど生田目さんは健康になるどころか、どんどん痩せて顔も変っていった……」
>そこで、何かいざこざがあったんだろう。食べ物が少ないとか。
千枝「そして……生田目さんは堂島さんを……」
>……たぶん。
千枝「うっ……うううう……ううううううう!!」
>くそっ……。
745:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 14:22:07.36 ID:69E9Ulzt0
陽介「……生田目は最初からグールの役回りを押し付けられてたって訳か」
>大丈夫か?
陽介「ああ……」
千枝「もしかしたら花村もああなってたかもしれなかったんだよね」
陽介「考えただけでぞっとする」
>これからどうしようか…
陽介「見つからないことが前提として……」
千枝「彼らが餓死するのを待つっていうのが一つね」
陽介「もう一つは他チームと合流してあいつらを倒す、ってのもある」
千枝「少なくとも、あたしたちだけで立ち向かうっていうのは賢い選択じゃないと思う」
747:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 14:27:46.10 ID:69E9Ulzt0
陽介「アイツらと交渉してみるっていうのも論外だよな」
千枝「一番現実的なのはこの情報を見せて、他チームと合流するっていうのだけど」
陽介「どこにいるかもわからないしなぁ。闇雲に歩き回るのも得策じゃない」
千枝「生田目さんたちに会う可能性もあるしね……」
陽介「脱出は不可能、連絡は取れない、不用意に動き回れない。八方ふさがりだ……」
千枝「番長くん……」
陽介「相棒……」
>どうしよう。
1とりあえずここから離れよう。
2あえて見つかるように行動しよう。
3もう一度現状分析をしよう。
4もうなにも分からない……
>>748
748:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 14:28:19.37 ID:4cJW9Rxa0
3
750:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 14:37:30.23 ID:69E9Ulzt0
>もう一度現状分析をしよう。
陽介「って言ってもなぁ」
千枝「あ……そういえばまだ受信機試してなかったね」
陽介「そういえば……もしかしたら新情報が手に入るかもしれないし」
>スイッチを入れてみる。……なにも反応がない。
千枝「番長くん。電池入れなきゃ」
>そうか。だが、余っている電池は…。
千枝「あ、堂島さんのゲーム機!」
>千枝が拾ったゲーム機をとり出す。
陽介「ああ、持ってたな。ホント何が役に立つかわからないな」
千枝「これも番長くんが持っていこうって言ってくれたんだよ」
陽介「流石だな! 相棒!」
>2人とまた少し仲良くなった。
>千枝はこちらを強く意識している。
>陽介はこちらを強く意識している。
755:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 14:46:52.37 ID:69E9Ulzt0
>電池を入れ、スイッチを入れてみる。何も反応がない。
陽介「反応ないな。本当にこれ役に立つのか?」
>たぶん、としか言えないが。
千枝「何か心当たりでもあるの?」
>足立さんはゲームの動作時間が20時間だといっていた。
千枝「だけど、最初の説明では10時間だって言ってたよね? 何か関係あるの?」
>きっと、他に電池を消耗する装置がついているんだと思う。
>それと、謎の受信機。アイテムリストに電池がないことから電池はゲーム機からとるしかない。
千枝「本当なら、起動させるためには自分たちのゲーム機からとらなきゃいけなかったんだ……」
>ああ。つまり受信機を起動させるには、むしろこちらのゲーム機が駆動していては困るような状況なんだと思う。
陽介「……? どういうことだ?」
>おそらくだが、盗聴器が仕掛けられているはずだ。それはすべてのゲーム機に仕掛けられていると考えるのが妥当だ。
>よってゲームと盗聴器を同時に駆動させた場合、この近距離では自分たちの音声を拾ってしまうんだろう。
陽介「な、なるほど」
千枝「盗聴器……」
>千枝。壊れたゲーム機を貸してくれないか? 入っていないか調べてみよう。
757:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 14:54:48.64 ID:69E9Ulzt0
千枝「……! う、うん!」
>ゲーム機のカバーを外す。
陽介「……素人目にもわかるなこれ。盗聴器かどうかは分からないけど
完全にゲームには不要な機械だ」
千枝「これが……盗聴器……」
>実験してみよう。
千枝「実験?」
>幸いこちらはゲーム機から電池を抜かずに生きているものが2つある。
>だから起動させてみて、受信できるか確かめてみよう。
陽介「ああ、俺のと相棒のやつだな」
>近すぎると、ハウリングを起こすかもしれない。少し離れる。
>手をあげたら電源を入れてくれ。
陽介「ああ」
タッタッタ―――サッ。
チュイイン……ガガ。
陽介『どうだ? 聞えるか?』
>陽介の声が鮮明に聞こえる。間違いなさそうだ。
771:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 15:39:16.66 ID:69E9Ulzt0
千枝「本当に盗聴器だったんだ」
陽介「でも、盗聴できる距離ってどんなもんなんだろうな」
>わからない……
――ガガ。
生田目『おい……本当にこっちなんだろうな』
千枝「こ、これ、生田目さん!?」
陽介「声もしゃがれて変わっている……声帯がイカれたのか……」
>かなり鮮明だ。まさか近くにいるのだろうか。
千枝「ち、近く!?」
陽介「ヤバイんじゃねぇの!?」
生田目『そもそも、お前が取り逃がすから悪いんだからな』
??『うるせぇ』
>声がしゃがれていて誰かわからない。だが男のようだ。
??『とにかく強襲すればいいんだろ』
生田目『武器は?』
780:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 15:45:07.32 ID:69E9Ulzt0
??『さあ。スタンガンとスリングショットじゃないか?』
??『どっちにしてもアイツには使いこなせねぇよ』
生田目『……ちっ』
千枝「これって……」
陽介「誰かを襲う算段をしてるのか……?」
>そのようだ。
千枝「ね、ねえ。もう一人ってもしかして……完二くん?」
陽介「馬鹿な! ありえねぇ! だってビスケットも、ビールも俺たちが独占してたんだぞ!?」
千枝「そうだけど……男の人ってあと完二くんしかいないよ?」
陽介「う……ぐっ!」
>まだ断定するには早いだろう。
生田目『まあ、女一人襲うくらい大したことねぇな』
??『ああ』
788:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 15:56:57.35 ID:69E9Ulzt0
生田目『私は、絶対に生き残る。……なんてもうどうでもいい。人を喰いたい』
??『ああ。だけどもう餓えることはまっぴらだ。腹が減った』
>現在地をどうか言ってくれ……!
生田目『とにかく挟撃すればいい。それで終わりだ』
??『ああ』
>それっきり会話が途切れた。
千枝「だ、誰を襲うつもりなんだろう……」
>スリングショットとスタンガンを持っている人……。
千枝「両方最初の分配のときにはなかったね」
陽介「途中のCPで手に入れたか……最初から隠していたか」
>武器ルートの女性……りせ……!
千枝「ねえ、ここでもしりせちゃんがあいつらに喰われたら……」
陽介「武器も奪われるし、何よりりせちーを死なせるわけにはいかねぇ!」
>だがアイツらは一人と言っていた。完二はどこに行ったのだろう……やはりもう一人は完二なのか?
千枝「信じたくないけど……その可能性が高そうだね……」
794:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 16:15:53.01 ID:69E9Ulzt0
>このまま受信機を付けたまま移動したいが……電池が不安だ。
千枝「あたしのは電池ないし……」
陽介「安心しろ、相棒。俺のがある。このゲーム機ほとんど使ってねえからな」
>……! いいのか? 電池を抜いたらすべてのデータが消えるんだぞ?
陽介「大した情報も入っちゃねぇし大丈夫だって」
>助かる。
千枝「じゃあ早く出発しよ! りせちゃんが殺されちゃう!」
>きっとあいつらの口ぶりからして近くにいるはずだ。
陽介「急ごう」
798:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 16:30:56.98 ID:69E9Ulzt0
>受信機からは2人が歩いているであろう音だけが聞えている…
陽介「くそっ……場所が分からねぇ」
千枝「待って。 よく聞いて」
ザクッ、ザクッ、ザクッ。
陽介「2人の歩いてる音だけしか聞こえねぇ」
千枝「しっ……この地面……草むらじゃないね」
>砂礫か何かの上を歩いている音だ。
千枝「この砂の音……第5CPから第6CPに行くときになかった?」
>初めて変わり果てた生田目を見つけたところか。
千枝「うん……」
陽介「だけど第3から第4に行く最初の方もそうじゃなかったか?」
千枝「あ……」
>くそ。どちらかわからない……
805:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 16:44:26.07 ID:69E9Ulzt0
生田目『おい、これ』
??『赤い光……チェックポイントか』
生田目『……カセットを変えてください? 意味不明だ』
??『大方情報チームのCPだろうぜ。
他のやつらが簡単に情報を手に入れることができちゃ情報の価値も激減だからな』
生田目『なるほどな』
??『ここでカセットを手に入れたのか、もっと前に手に入れてたのかはわかんねぇけどな』
生田目『……ふん。まあいい。行くぞ』
??『おう』
千枝「CPの近く……」
>今アイツらがいるのは第3CPだ
陽介「その近くにりせちーもいるんだな!」
>ああ、早く行こう!
807:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 17:00:12.29 ID:69E9Ulzt0
>第3CPまでは地図を見る限り直線距離で2~3キロメートルだ。
千枝「すっごく長い距離を歩いてたように思うけど……こうして直線距離にしちゃうと案外近いんだ」
陽介「とことんゲーム主催者は俺たちを弄びたいようだな」
>憤るのは後にしよう。今はりせの救出だ。
陽介「ああ」
………
……
>開けた場所に出た。
千枝「さっきから受信機からも歩く音聞えないね」
陽介「もしかして電池が切れたか?」
>いや。電池はまだ生きている。
陽介「ってことは……」
千枝「聞えないくらい遠くに離れてちゃったのかな」
>もしくはゲームの電源を切っているか。
陽介「たぶんそっちだな」
>場所がつかめない……どうすれば。
810:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 17:16:32.82 ID:69E9Ulzt0
千枝「気づかれたってことかな……?」
>それはないはずだ。情報ルートを辿っている俺たちも盗聴器の存在を知ったのはついさっきだ。
>他のルートを進んでいるチームが知っているはずがない。
千枝「単純に節約ってことね」
陽介「だけどうするよ」
>もう一度考えよう……。
陽介「挟撃するって言ってたよな」
千枝「何でか知らないけど、あいつらりせちゃんの居場所知ってるみたいだったね」
>きっと食糧ルートがグールになることを想定している主催者だ。
>なにか他の人たちがどこにいるか分かるようなアイテムを持たせたのかもしれない。
陽介「ちっ……」
>単純に感覚器官がおかしくなってわかるのかもしれないけどな……。
――ガガ。
りせ『はぁっ……はぁっ……! な、なんでアイツが! ほ、他に武器はないの!?』
>りせこの声が!
陽介「おい、ヤバイって! この感じ襲われてるんじゃねぇか!?」
812:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 17:24:37.49 ID:69E9Ulzt0
千枝「ううん、きっとりせちゃんだけ気づいたんだと思う。それで何かほかの武器がないか情報を見るために」
陽介「ゲーム機をつけたって訳か」
>だがどちらにしてもマズイ。あいつらはもうりせの近くまで迫っている。
>りせを救出する前にあいつらに発見されるかもしれない。
千枝「ど、どうしよう番長くん!」
>俺たちに武器はない…。闘っても勝ち目はないだろう。
>どうしよう。
1とにかく走り出す。
2自分たちに注意が向くように大声を出しながらりせを探す。
3もう一度受信機に耳を傾ける。
4どうしようもない見捨てる。
>>813
813:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 17:26:21.71 ID:nnfzlATP0
3かなぁ
816:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 17:36:11.71 ID:69E9Ulzt0
>りせの場所を特定しなければ助けることができない。もう一度受信機に耳を傾けよう。
千枝「そんな悠長なことして大丈夫?」
陽介「ここは相棒に任せよう」
りせ『はぁ……はぁ……うう……なにもない。なにもない……ここに隠してあった武器もとられちゃってるし……』
りせ『うっ……うううっ…なんであたしがこんな目に……助けて……誰か助けて……セン……パイ……』
>りせのすすり泣く声が聞こえる…
千枝「番長くん!」
>千枝。地図を!
千枝「ここが、武器チームの各CP……隠すならきっと最初に取ってきたもののはず!」
>というと第1CPから第2CPの間か!
陽介「ああ、俺たちもそうした。そうに違いない」
>急ごう!
820:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 17:44:09.30 ID:69E9Ulzt0
――ガガ。
生田目『おい、ここら辺じゃねぇのか』
??『ここら辺を拠点にしてたんだがな……』
生田目『……? 木の実の種? まだ湿ってるな。唾液か』
??『近くにいるみたいだな』
生田目『探すぞ』
陽介「や、やべぇって! まじでやべぇ! すぐそこにいるんじゃねぇか?」
千枝「でもここから第2CPって1キロ以上離れてるよ!?」
>急ごう!
りせ『ううう……どうしよう……どうしよう……どうしよう…』
生田目『ここか?』
りせ『……!』
生田目『おかしいな……ここら辺にいると思ったんだが』
千枝「ね、ねえ!」
>急げ、急げ!
821:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 17:46:21.08 ID:bX18+ENq0
急げー
826:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 17:56:30.04 ID:69E9Ulzt0
>音声がダブって聞こえる。
千枝「これって2人がすぐそばにいるってことだよね!?」
陽介「くそっ! くそぉっ!! りせちーが喰われちまう!!」
『ガサッ』
生田目『そこか?』
??『おい』
生田目『なんだお前か』
??『そっちにはいなかったのか?』
生田目『ああ』
千枝「……? どういうこと? 何言ってるの?」
陽介「さっき挟撃するって言ってただろ。だからお互いに真ん中で鉢合うようにしたんじゃないか?」
千枝「あいつらの思惑が外れたってこと?」
>だが音声がダブっている。近くにいることは確実だ。
832:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 18:18:23.10 ID:69E9Ulzt0
千枝「ここでりせちゃんも食べられて、武器まで奪われたら……」
>いよいよ勝ち目はなくなる。
陽介「そんなこと抜き差し無しでりせちーを助けないと!」
>だが……もう……
生田目『おかしいな……隠れられる場所なんてなさそうなのに』
??『もう一度あたりを探すぞ』
生田目『フン』
りせ『ううう……こ、怖い……怖いよ……でもここはやっぱりあいつらも意識の外みたい……』
千枝「意識の外……?」
陽介「どこにいるんだ?」
>意識の外……
838:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 18:37:44.59 ID:69E9Ulzt0
千枝「わかんない……」
>陽介はどこにアイテムを隠していたんだ?
陽介「隠したってより、普通にCPにおいていっただけだしなぁ」
>そうか……。
>意識の外…。
陽介「意識の外ってことは、あいつらが思いもつかないような場所ってことだろ?」
>この状況でそんなことがあるか?
千枝「うーん……」
りせ『大丈夫だよね……ここまでなら大丈夫だよね……』
生田目『ちっ見つからねぇ』
??『……』
>どこだ?
陽介「ここまでならってどういうことだ?」
千枝「……」
840:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 18:46:46.77 ID:69E9Ulzt0
>……! まさか!
千枝「ど、どうしたの急に?」
陽介「何キョロキョロしてるんだ相棒?」
>ルールを覚えているか?
陽介「ルールってどの?」
>違反行為の部分だ。
千枝「岩山に上らないこと、脱走しないこと、だっけ?」
>それだ。りせは岩山やそれに近いところの中腹にいいるんだと思う。
陽介「そうか。登ってはいけないのルールのせいで上は死角だ」
>きっとりせは、何かのきっかけである程度登ってもペナルティがないことに気付いたんじゃないか?
>たとえば猛獣や虫に襲われて高いところに行ってしまった。しかしペナルティはなかった。
千枝「だから今回もある程度のところまで登って身を隠した……!」
陽介「ここら辺で岩山があるのは」
>あそこだ!
845:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 18:55:07.24 ID:69E9Ulzt0
陽介「だけど奴らまだうろうろしているぜ?」
千枝「諦めることもしないと思う」
>場所の検討がついたのに、動くことができない……!
>どうしよう。
1大声をだし、奴らがこちら呼び寄せて、そのうちにりせの場所へ向かう。
2見殺しにする
3俺がおとりになる
4誰かをおとりにしてそのうちに救出を。
>>846
846:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 18:56:16.90 ID:rTQf2Gj5i
1
851:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 19:04:40.66 ID:69E9Ulzt0
>ここからあそこまで距離がある。
>だからここで大声を出して、まず奴らをこっちにおびき寄せる。
>奴らがこちらに向かってくる間に迂回し、りせの元へ向かう。
千枝「危険すぎる!」
陽介「正気かよ、相棒」
千枝「それに奴らがこっちにくる確証もないんだよ!」
>奴らは俺たちがりせを助けに来たとは思っていない。
>だから助けを求めるような大声を出せば、いいカモが来たとりせよりもこちらを優先する。
>食欲が優先だからな。
千枝「そうかもしれないけど……」
陽介「あいつらがすぐここまでくる可能性もあるぜ?」
>岩山からここまでは500メートルほどだが…
――ガガ。
生田目『やはりここら辺にいるとしか思えないな』
??『……』
>マズイ。奴らが気づくのも時間の問題だ……
855:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 19:19:38.57 ID:69E9Ulzt0
りせ『うう……』
>音声がダブっている。
千枝「ってことは今アイツらはあそこにいるわけね」
>やるぞ!
陽介「ま、マジかよ」
>やるなら今しかない。すぅー……
千枝「待って! あたしがやる。女の方が声が通るはずだから」
陽介「さ、里中?」
>……頼んだ。
千枝「すぅー……誰か! 助けてくださぁいっ!! ここにいまぁす! 助けてくださぁい!!」
――ガガ。
生田目『なんだ?(ぇてくださぁい……)』
??『ククク……何でもいいじゃないか。獲物だ』
>千枝の声が生田目のところから聞こえる。
千枝「さあ、行こうっよ! ここからは時間との勝負だから!」
859:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 19:31:00.44 ID:69E9Ulzt0
千枝「きっと奴らはまっすぐこっちにくる!」
陽介「くそ!」
>行こう!
――
――ガガ。
りせ『な、なんだったの? さっきの……』
>より音声が鮮明になる。
陽介「頼むぜー頼むぜー、あいつらまっすぐさっきのところ行ってくれよー……」
千枝「今は早くいくことだけ考えて!」
ダダダダッ!!
――ガガ。
生田目『どうする? まずは友好的に近づくか?』
??『みつけたら問答無用でぶっ殺す。それでいい』
陽介「こえー、こええよ。あいつら。なんてこと話してるんだよ!」
千枝「見つかったら確実に終わりね…」
865:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 19:44:48.75 ID:69E9Ulzt0
ダダダダダッ!!
陽介「ここか!」
>上だ!
千枝「! りせちゃん!」
りせ「ひっ……! せ、センパイ……?」
>りせ! 逃げるぞ!
りせ「で、でも! 先輩達もあたしを殺そうとここに来たかもしれないじゃないですか……!」
>確かに殺さないなんて証明はできない……でも今だけは信じてくれ! あいつらが戻ってきてしまう!!
千枝「りせちゃん!」
陽介「りせちー!」
りせ「う……うううう………わかりました……どうせバレたんです。降りていきます」
>ありがとう。
りせ「う……ううう……ううううう」
りせ「せんぱぁぁぁい!!! こわ、怖かった……怖かった……ううう」
>りせに思い切り抱き着かれた。
>りせは強く意識している。
872:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 19:51:38.14 ID:69E9Ulzt0
>千枝の視線を感じる…。
>陽介の視線を感じる…。
千枝「ご、ごほん。いい! あいつらもすぐ戻ってきちゃうから」
陽介「そ、そうだそうだ! そんなことしてる場合じゃねぇ!」
>それでもりせは自分の胸で泣き続けている。
――ガガ。
生田目『おい、どこにもいねぇぞ』
??『……』
生田目『おおい……』
??『まさか……やられた!!』
生田目『あん?』
??『俺たちをおびき寄せるための罠だ! クソがぁ!!!! 絶対見つけてぶっ殺してやる!!』
生田目『とりあえず、さっきのところまで戻るぞ!』
『ダダダダ』
陽介「や、やべぇ! バレた!!」
千枝「逃げなきゃ!!」
873:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 19:56:35.76 ID:69E9Ulzt0
千枝「で、でも4人だとさすがに目立ちすぎるよ!?」
陽介「どうする!? 二手に分かれるか!?」
>どうしよう。
1全員バラバラで逃げる。
2それでも全員で逃げる
3千枝と逃げる。
4陽介と逃げる。
5りせと逃げる。
>>876
876:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 19:57:21.63 ID:tZn6w3wn0
2で
905:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:17:23.11 ID:69E9Ulzt0
>バラバラになるのはマズイ! 一緒に逃げるぞ!
千枝「……うん! 番長くんがそういうなら!」
陽介「走るぞ!」
りせ「うん!」
――ゥゥゥウオオオオオオオ!!!
>獣のような雄叫びが後方から聞こえる……
陽介「はええよ!!」
千枝「姿ばれたら終わりよ! 全速力で走って!」
>そっち開けた場所に出てしまう! こっちだ!
909:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:24:50.69 ID:69E9Ulzt0
陽介「くそぉ!! いつまで走っても声が聞えなくなんねぇよ!!」
>変わらず後ろからは叫び声が聞こえている…。
千枝「今は走る!!」
りせ「もー!!」
――ガガ。
生田目『どこ行きやがったぁ!!』
??『うるおおおおオヲををおおお!!』
―――おぉぉぉ……
>遠くからこだましている。
陽介「もしかしてあいつら別の方向行ったか!?」
千枝「でも、気を抜けない。今はできる限り離れる!」
……
…
陽介「はぁ、はぁ、はぁ……」
千枝「ど、どうにか撒いた……?」
りせ「わか、わかんない……」
911:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:32:29.58 ID:69E9Ulzt0
――ガガ。
生田目『ど……だ……くっ……やる……』
??『ぜっ……い……く……る……ぶっ……』
>不鮮明な音声だ。かなり離れたということだろう。
陽介「よ、よかったぜ……あいつら違う方向にいったってことか」
千枝「でも、今夜はたき火とか間違ってもできないね」
りせ「うん、火って結構遠くからでもわかるから」
>そういえばここはどこだろう。
りせ「ごめんなさい。あたしは分からないです」
千枝「あれ……? ここって……」
陽介「第4CPの近く?」
>また戻ってきてしまったのか…
912:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:36:09.38 ID:69E9Ulzt0
千枝「あ、でも待って! ここ第4ってことは」
陽介「あのプールみたいなところがあるな!」
>……!
千枝「そ、そこにいこ? あそこならきっと見つからないから!」
陽介「でも、もしあいつらがあそこに来たら袋の鼠だぜ?」
千枝「でも……」
>どうしよう。
1以前水浴びした場所に行く
2今はもっと離れよう
>>913
913:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:36:50.58 ID:ULkXE7HT0
1
915:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:37:13.75 ID:AECjmf6K0
ですよねー
916:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:38:01.92 ID:CzY2BJoX0
りせちーの水浴びktkr
919:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:45:50.21 ID:69E9Ulzt0
>あそこへ行こう。そろそろ休憩もとりたい。
陽介「相棒あそういうならいいけどよ……」
千枝「やた!」
りせ「……? 話が見えないんですけど……」
千枝「行けばきっとわかるから! りせちゃんも喜ぶと思う!」
>とにかく行くなら急ごう。とどまっていることが一番危ない。
……
…
――岩のドーム内。
りせ「わぁ……!」
千枝「とりあえず一息つけそうだね」
陽介「つ、つかれたぁ……」
>全員へたり込んでいる。
千枝「休んだ後、情報整理しよ」
>ああ。……疲れた。
921:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 21:53:48.24 ID:69E9Ulzt0
陽介「多分身を隠すことはできると思う」
>食糧をとりに出たいが、一度入ったからには出ない方がいいだろう。
陽介「だよなぁ。出るなら二度と戻ってこないくらいの覚悟はほしいよな」
千枝「うん……」
りせ「あの……4人が全員満足するほどじゃないけど、ちょっとなら」
>りせのバッグから木の実が出てきた。
陽介「り、りせちー!」
りせ「今日はこれで……」
>ありがとう。
りせ「あの……何がどうなってるか。どうして先輩たちはあそこに?」
>りせに事情を説明した。
りせ「そう……なんですか。出口はない……」
>ショックを隠せないようだ。
千枝「りせちゃん。今、何か武器持ってない?」
925:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 22:12:19.80 ID:69E9Ulzt0
りせ「武器ですか? スリングショットとスタンガンくらいですけど」
千枝「他の武器は?」
りせ「それは……」
千枝「もう隠しごとは無しだよ。あたしたち武器隠してたのだって知ってるんだからね」
りせ「はい……最初に分配で受け取った武器以外にあたしたちは武器を隠しておきました」
りせ「最初の分配で受け取った武器は2人で平等に分けました。それが催涙スプレーと飛び出しナイフです」
りせ「あたしと完二はCPから武器をとって戻っていったんだけど……
みんなの中にシャドウがいるんじゃないかって思って」
りせ「だから。さっきあたしがいるところに隠しておいたんです。
上るのは禁止されてたけど……あたし蛇に驚いちゃって。
ルールも忘れてどんどん上に登って行ったんです」
りせ「そのあとルールのこと思いだして。どんなペナルティだろうって震えてたんですけど
結局ペナルティは何もありませんでした」
>そこである程度登っても大丈夫だということを知ったのか。
りせ「はい」
りせ「だから、他のみんなは分からないだろうって思って、あそこに完二と武器を隠したんです」
りせ「隠した武器は、山刀、スリングショット、スタンガン、ボウガン……
その4つのうち、みんなと別れた後にスリングショットとスタンガンだけ回収しました」
928:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 22:18:53.90 ID:GpWd3HQP0
完二と武器・・・?
てか完二が物扱いのような気がするんだがこれはまさか・・・
934:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 22:22:10.58 ID:yeKaeLrkO
>>928
完二置いといてどうすんだよwwww
938:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 22:26:46.78 ID:9z2NVjr4O
>>934
体育座りしてる完二想像しちまったじゃねーかwwww
943:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 22:30:17.19 ID:69E9Ulzt0
りせ「山刀とボウガンは本当に万が一のとき……戦闘になりそうなときに取りにこようって」
>警棒は?
りせ「警棒は……第3CPのアイテムだったんです」
りせ「そのあと、先輩たちに会って……食糧を分けてもらったんですけど」
>あのときすごい怒声が聞えたな……。
りせ「そこで完二と喧嘩になりました。あたしは食糧を計画的に食べるべきだって。
完二はこうやって、木の実のビジュアルが分かったんだからまた採ればいい。全部食べてしまおうって」
りせ「でもそのあと、仲直りしてまた次の場所に行きましたよ」
りせ「問題は第4CPに行った後です」
りせ「完二が食糧取ってくる。そういって一人で出ていった後……あの豪雨になりました」
りせ「それ以来、完二は戻ってきませんでした」
>……!
りせ「かなり待っていましたけど、完二は戻ってこない……だから、1人で次のCPに行こうとしました」
りせ「第5に行く途中の夜に……犬のようなものがたくさんあたしの方を見ていて
……その時は襲ってこなっかったんですけど怖くなってしまって」
りせ「だから、ボウガンと山刀を取りにあそこまで戻ったら……あいつらに見つかって!」
964:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 22:58:41.49 ID:69E9Ulzt0
>それで上に上って隠れていたわけか。
りせ「うん……」
陽介「なあ、もう一人って誰だったんだ? 1人は生田目だったんだけど……」
りせ「……」
千枝「りせちゃん?」
りせ「完二……だったと思う」
>だった思う?
りせ「だって! 姿かたちが変わり果ててたんだもの!」
りせ「でも……あれは完二だったと思う」
陽介「たしかに……」
千枝「でも、完二くんならりせちゃんの隠れていた場所わかる気もするんだけど……」
りせ「……!」
陽介「そうだなぁ」
>たしかにそうだ。
11:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 23:26:38.56 ID:69E9Ulzt0
りせ「で、でも……あれは……」
>りせは混乱しているようだ…。
>今日はもう休もう。
りせ「はい……」
千枝「りせちゃん……」
りせ「な、なんですか?」
>千枝がりせに詰め寄っていく…。
千枝「ごめんっ! あたしたちも隠しゴトしてました!」
りせ「あ、いえ……あたしもごめんなさい」
>ごめん。
りせ「いえ……」
陽介「俺も、ごめん」
>4人の絆が強まった。
>千枝はこちらを強く意識している。
>陽介は強くこちらを意識している
>りせはこちらを意識している。
18:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 23:36:54.18 ID:69E9Ulzt0
千枝「りせちゃん。ここ、水浴びできる程度には綺麗だから」
りせ「ホントですか!」
>女子グループが水辺ではしゃいでいる。
陽介「なあ。りせちーの話、どう思う?」
>完二のことか?
陽介「ああ……ちょっと信じらんねぇよ……」
陽介「たとえ完二がグールになったとしても……どうやってビスケットもビールも手に入れたんだよ!?」
>ビスケットは……心当たりがある。
陽介「!?」
>第2CPのところで、FSビスケットを捨てた。
陽介「まさか……それを拾って!?」
>1枚ずつパッケージされていたから湿気たりもしなかったんだろう……。
陽介「……」
>……あくまでも予想だ。
陽介「…ああ」
26:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 23:45:07.11 ID:69E9Ulzt0
千枝「ね、番長くん。あたしたち今から水浴びするから後ろ向いててね」
りせ「流石に出ていけなんて言いませんから」
>ああ。
千枝「花村、後ろ向いたらぶっ飛ばすかんね!」
陽介「わーってるよ」
>後ろで2人が水浴びをする音がする…。
りせ「はぁぁぁぁぁ……久しぶり……気持ちいい……」
千枝「うん、気持ちいい」
陽介「……絶対振り向くなよ。絶対だからな」
>ああ。
陽介「絶対だぞ!」
>……振り向きたいのか?
陽介「だって、りせちーのネ果だぜ!? さ、里中だって……」
>気持ちは十分に分かるがやめておけ。
陽介「……だな。相棒と約束したしな」
30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/18(金) 23:50:14.36 ID:69E9Ulzt0
千枝「花村ぁ!! 聞えてるからね!」
陽介「いいっ!!」
りせ「こんなときに何言ってるんですか」
陽介「ごめん……」
……
…
千枝「ふうっ。気持ちよかった」
りせ「久しぶりに生きた心地したぁ」
>服は洗わなくていいのか?
千枝「洗いたいけど……二人がいるし乾かすのに外に出られないし」
りせ「先輩のえっち……」
陽介「やーい! えっちえっち!」
千枝「花村は後でぶっ飛ばす。ここから出たらぶっ飛ばす」
陽介「えぇ……」
34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 00:01:24.50 ID:aYVewmw90
千枝「じゃあ、今度はあたしたちが後ろ向いてるから浴びてきなよ」
陽介「おう」
……
…
陽介「ふいー」
>今日はもう寝て明日に備えよう。
千枝「うん」
りせ「はい」
陽介「おう」
>それぞれが横になっていく。
>失神したように眠りについた。
……
…
>ん……まだ夜が明けていない。起きてしまったようだ。
>1、2……誰かいない?
>いないのは……
1陽介
2千枝
3りせ
>>35
35:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 00:02:04.08 ID:qHCbk8hH0
2
41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 00:12:00.16 ID:aYVewmw90
>千枝の姿が見えない…。
>あたりを見渡すと月明かりの中で岩の切れ間から空を眺めている千枝を見つけた。
千枝「……あ。番長くん、起こしちゃった?」
>そんなことはない。
千枝「……ね。こっちこない? 空、綺麗だよ」
>ああ。
>空を見上げる。確かに綺麗だ…。
千枝「……そんなに離れたところにいないで、もっとこっちきなよ」
>……月明かりに照らされた千枝の顔が高揚している。
千枝「こうしてると、化物に追われていることも、
ここがマヨナカテレビの中だってこうしてると忘れちゃうね」
>ああ。
千枝「あたしね。番長くんがいなかったら今生きてないと思う」
>そんなことはない。千枝なら大丈夫だ。これまでも頑張ってきた。
千枝「ううん。番長くんがいたから頑張れた」
>千枝……。
43:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 00:13:29.56 ID:avsyrqy30
チエチャン・・・
62:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 00:55:43.36 ID:aYVewmw90
千枝「あ、アハハっ。極限状態でこんなこと言うのも変だよね」
千枝「でも……ちょっと疲れちゃった」
>千枝が自分の肩に頭をもたげてきた。
千枝「今だけ……いいよね」
千枝「生きたい……生きて、番長くんと一緒にここから出たい……」
>千枝……。
千枝「番長くん……」
>唇が合わさる…。
68:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:03:55.23 ID:aYVewmw90
千枝「あむ…ちゅ……ちゅる……んんっ…ふっ……んっ…ぷは」
>お互いに激しく唇を貪る…。
千枝「キス……しちゃったね…んむっ!」
>何度も、何度も貪る。
千枝「ぷぁっ……はぁ…はぁ」
>千枝の顔はさっき以上に紅潮している…。
>千枝に覆いかぶさる。
千枝「う、嬉しいけど……これ以上は……ダメ…‥みんな起きちゃう」
千枝「絶対、声我慢できない……」
>どうしよう。
1みんなが起きるのを覚悟で全力で抱く
2それもそうだ。冷静になろう
>>70
70:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:04:19.96 ID:7E/MmCo0i
2
73:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:10:01.49 ID:3TfQcKJh0
おいぃぃぃ
74:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:12:04.02 ID:avsyrqy30
__‐`'´''"'マ ____\ ー‐┐ |一
Z. __`ゝ \ ノ´ ⊂冖
∧ /| ゙仆斗┘リート=┬-、_ \ ー‐┐ ,/
/ ∨\/ | `L,.っ,ノ u }ノ ノ \ ,> ノ´ \
|__ 兀.!_// i | l、 く. ー‐┐ ー|ー
ー‐┐ ー|一ヽヽ / u' \ヽ‐'´ !| ト、 \ ,ノ´  ̄匚ノ
ノ´ ノ こ /_____, }j ハ、 ヽ ヽ,___/ / ー‐┐ ┼‐ヽヽ
ー‐┐ ニ|ニ. / ___ノ /\_,≧/ u 人. / ,ノ´ ノ こ
ノ´ ⊂冖 く {上rン´ ,厶../ / ヽヽ \ || ニ|ニ
ー‐┐ | /  ̄ ノ{こ, /,〃 !| \ ・・ ⊂冖
ノ´ l.__ノ \ ,.イ !l`T´ | / |:| / |
ー‐┐ ー‐;:‐ \ // l | |_| ∠.、 l.__ノ
ノ´ (_, / ヒ_ー--、_|ー、____,ノj┘ / ┼‐
ー‐┐ / / \ ̄\ー`トー-< / ノ こ
ノ´ \ \ \ ヽ \ ヽ  ̄ ̄|
| | 」z.___ > \. ヽ. ヽ l |/l /| ∧ /\
・・ /| (_, / ) lヽ ', l、 |/ | / V
┼‐ \ , イ、_,上ハ } 小 |/
ノ こ \ (乙≧='''"´ ,∠,__ノ/
┼‐ヽ / 厶乙iフ/
ノ ⊂ト く `¨¨¨´
\
77:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:13:25.84 ID:gXr9t9bg0
※ここは健全なスレッドです
80:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:16:49.76 ID:aYVewmw90
>ああ。そうだな。
千枝「ん……絶対、生きてここから出ようね」
>お互いに強く抱きしめあう…。
>2人とも再び眠りについた。
……
…
りせ「じゃあ行きましょうか」
千枝「うん」
陽介「気が重いぜ……」
>千枝が昨日のことを引きずっている様子はない。
86:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:32:31.80 ID:aYVewmw90
>受信機をつけてみよう。
――ガガ。
『う……る? こ……か……』
『わか……いよ……いぶ……きい……ない』
千枝「これって?」
>生田目たちでは無いようだが。
りせ「もしかして、サバイバルチーム?」
陽介「近くにいるのか?」
>音声からして、近いということはなさそうだが……。
千枝「受信できる距離にはいる、と」
りせ「探しましょ! あいつらに少人数で立ち向かうなんて無理!」
>受信機はこれ以降何の反応も示さない。
>どうしよう。
1サバイバルチームを探して合流しようと試みる
2グール達から逃げるためにとりあえずここから遠ざかる
3闇雲に動かずここに留まる
>>87
87:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:33:05.22 ID:A6geY+JY0
1
92:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:46:25.37 ID:aYVewmw90
>サバイバルチームと合流を試みよう。
りせ「さんせー!」
陽介「そうだな……今なら結構武器あるし対抗できるかもしれない」
>みんなに武器を持っておいてもらおう。
>>93 陽介
>>94 千枝
>>95 りせ
>>96 自分
【武器リスト】
1特殊警棒
2催涙スプレー
3スリングショット(石礫などを射出するパチンコ型武器)
4高出力スタンガン
5小型の鉈
被ったら余ったもの自動振り分け
93:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:47:11.22 ID:GNirHFta0
スプリングショット
94:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:47:23.33 ID:gXr9t9bg0
4
95:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:47:36.24 ID:3TfQcKJh0
2
96:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:48:00.66 ID:7E/MmCo0i
1
98:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:54:11.22 ID:aYVewmw90
>それぞれに武器を渡しておこう
陽介「俺はスリングショットか」
>遠距離で一番攻撃力のある武器だ。頼んだ。
陽介「ああ!」
千枝「あたしは高出力スタンガン?」
>近接でこれを一番うまく使えるのは千枝だと思う。
千枝「うんっ」
りせ「あたし、催涙スプレーですか?」
>一番罪悪感が少なく、躊躇なく撃てる。中距離武器だ。
りせ「ちゃんと考えていてくれたんですね」
>俺は特殊警棒を持つ。
陽介「いざとなったら頼りにしてるぜ」
>ああ
99:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:55:40.97 ID:Dhv+tpbq0
バランスいいな、以外に
100:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:56:17.61 ID:A6geY+JY0
うむ
102:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 01:57:41.73 ID:xlww4P6Vi
鉈は使えそうだけどいざとなると躊躇しそうだしな
104:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 02:05:36.27 ID:aYVewmw90
>じゃあ、使い方を確認したら行こう。
>あくまで武器は、自衛の手段にしてくれ。見つけたからって襲いかかろうとしないこと。
りせ「たぶん……ボウガンと山刀もってるから遠距離も近接も気を付けて」
>ボウガンは分かるけど、山刀ってどんなものだ?
りせ「山刀は大型の曲刀って思ってくれればいいよ。
かなり刀身が重いから、もし何かでガードできても吹き飛ばされるし、
そもそもその重さで叩き斬るようなのだから、柔いものならガードごと切り裂かれると思う」
>わかった。
千枝「うん……雪子無事でいて」
陽介「直斗……待ってろよ」
>受信機を頼りに歩き出した。
107:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 02:10:34.60 ID:aYVewmw90
>反応は相変わらずない……。
千枝「こっちは方向が違うのかな」
陽介「どうする? 別方向探すか?」
りせ「さっき聞えたってことは、たぶんつけっ放しなんだよね」
>どうしよう。
1引き返す
2このままいく。
3ここから別方向を探す
>>108
108:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 02:11:01.84 ID:GNirHFta0
2
113:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 02:17:36.31 ID:aYVewmw90
>このまま行こう。
陽介「だ、大丈夫かなぁ……」
りせ「とりあえず、拾えると思っていきましょ」
千枝「うん。結局どっち行ってもわからないから何しても同じだしね」
……
…
千枝「拾わないね……」
陽介「はずれってことか?」
りせ「あんまり時間食うのはまずいわよ」
>クソ……早く電波拾ってくれ……!
120:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 02:24:37.39 ID:aYVewmw90
>歩いても歩いても電波を拾ってくれない。
りせ「せ、先輩! これヤバイ気がするんですけど」
千枝「うん、番長くん。こっちじゃないと思う」
陽介「戻ろうぜ、もしくは別方向へ行こう」
>どうしよう
1それでもこのままで行く
2引き返そう
3別方向へ行こう
>>122
122:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 02:25:27.62 ID:rSK+9jqF0
3
128:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 02:40:10.46 ID:aYVewmw90
>別方向に行こう。
千枝「戻るっていうのはないとして……」
>こっちだ。どうせ根拠はない。迷うくらいなら早く決めよう。
陽介「おう」
――
――ガガ。
りせ「! 受信した!?」
生田目『ここら辺で……た気がす…だが』
完二(?)『ああ。血痕だ。……ガンが当たって……んだろう』
千枝「こ、これって……!!」
りせ「生田目と……完二!」
陽介「そこまではっきりと聞こえるわけじゃないから距離はあるんだろうけど…」
>気になることを言っていた……
千枝「雪子……直斗くん……」
133:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 03:03:34.17 ID:aYVewmw90
>この方向に行けば、おそらく鉢合うだろう……だが。
千枝「リスクはあるけど、やっぱり言った方がいいと思う」
りせ「あいつらと会ったら……反撃はできるけど生き残れるかは」
陽介「そうだな……」
>だけど見捨てることはできない
陽介「そうだけど……」
千枝「とにかくこのまま進もう。なにか他にわかるかもしれない」
>ああ
135:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 03:12:57.51 ID:aYVewmw90
――ガガ。
生田目『くそっ……どうやって姿をくらましやがった』
完二(?)『血痕がここで途切れてやがる……』
生田目『このままだとお前を喰っちまいそうだ』
完二(?)『俺が先に喰ってやろうか』
生田目『ふん……女の肉だ。お前なんぞより今はな』
完二(?)『喰ってやる……喰ってやるぞ』
千枝「!! まずいよ! 雪子たちが襲われてる!」
陽介「くそッ…またこの状況なのかよ!」
>自体は一刻を争うようだ…。
りせ「あの時、先輩たちきてくれなかったらあたし間違いなく食べられてた……」
>早く場所を特定しなければ!
145:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 03:42:16.60 ID:aYVewmw90
>とにかく電波の強くなる方向へ行こう!
>武器は常にすぐだせるようにしていてくれ!
陽介「ああ!」
……
…
――ガガ。
生田目『……見つけた、新しい血痕だ』
完二(?)『近いぞ』
雪子『だい……ぶ? なお……くん…・・・・』
直斗『なん……いあく、ぼ……を置いて…‥いませんか……』
雪子『なにい……るの!』
千枝「雪子!」
陽介「近づいてきたけど……いよいよやべぇぞ。直斗のやつっ怪我してるっぽい」
りせ「どこにいるのよ!」
>場所を特定できるようなことを言ってくれ……!
148:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 03:54:07.30 ID:aYVewmw90
>最初のタイムロスがここにきて響いてきている。
りせ「お願い……お願い……無事でいて……」
>徐々に音声が明瞭になってきている。
雪子『くっ……追いつかれちゃう……』
直斗『やはり、僕は置いていってください。その間に逃げてください』
雪子『嫌よ! そんなこと!』
生田目『こっちだ』
完二(?)『……?』
雪子『(き、きちゃった……)』
直斗『(隠れていても無駄でしょう……すぐに見つかってしまう)』
>2人の声のトーンが落ちる。
152:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 04:08:34.73 ID:aYVewmw90
りせ「嫌、嫌、嫌! そんなの絶対嫌!」
陽介「どうする? りせちー救ったときと同じようなことするか!?」
千枝「そうしよう! 雪子が、直斗くんが死んじゃう!」
>やってみよう!
りせ「すぅ…わあああああああああああああああああああああああ!!」
陽介「すぅ…ああああああああああああああああああああああああ!!」
千枝「すぅ…わあああああああああああああああああああああああ!!」
>……ダメだ! 受信機からはこちらの声が聞こえてこない。
>まだ遠いらしい。
千枝「雪子……ゆきこぉ……」
陽介「天城、直斗!」
りせ「いや、いやあぁあああ!!」
>叫び続けよう!
156:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 04:44:16.14 ID:aYVewmw90
生田目『おい、これ』
完二(?)『今までで一番新しい血だ……!!』
雪子『(もう……ダメ……)』
直斗『(あれは……! もしかして……!)』
直斗『(いいですか、あいつらが眼の前から消えたら全速力で走ってください)』
雪子『(……! ふ、ふざけたこと言わないで! 死ぬつもりならやめて!)』
直斗『(大丈夫です。そんなつもりはないですから)』
雪子『(どういうこと……?)』
直斗『(説明している時間はありません。ただ、神様がくれたんですよ。最後のチャンスを……)』
直斗『(あとは……ボウガンの矢が当たらないことを祈るだけです)』
直斗『(では、もし生きていれば第4CPで会いましょう。ここから一番遠いところです)』
雪子『(直斗く――)』
直斗『うわあああああああああああああ!!!』
生田目『いやがった!! ふははははは!!』
完二(?)『肉だ! 肉だ! 肉だ!!』
158:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 04:54:57.68 ID:aYVewmw90
りせ「い、いやああああああああああああああ!!」
陽介「直斗……・」
千枝「直斗くん…」
>その後、直斗と生田目たちは受信圏外へと出ていってしまったようで音声は途切れてしまった。
雪子『直斗くん……直斗くん……』
>雪子は直斗の名前を呟きながら、走っているようだ。
千枝「探そう!」
陽介「せめて天城だけでも……」
>音声から考えて遠くへ行っているということはなさそうだ。
千枝「雪子ーーー!!」
陽介「天城ーーー!! いたら返事しろー!!」
りせ「天城せんぱぁい!!」
>全員、生田目たちに見つかることなど度外視で叫んでいる
163:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 05:17:52.03 ID:aYVewmw90
雪子『この声って……!(ぃこぉぉぉぉ)』
>盗聴器から自分たちの声が聞こえてくる。
>近い。
千枝「近く!? 雪子!」
ガサッ――
雪子「ち、千枝……」
千枝「雪子!! って……それ……」
>雪子の腕には深々とボウガンの矢が突き立っている。
陽介「天城……その腕!!」
雪子「ち……え……」ドサッ
千枝「雪子!? 雪子!?」
>失神してしまったようだ。
りせ「とりあえず、場所を移動しましょ! ここは危ない!」
>場所を変えよう。
170:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 05:55:53.66 ID:aYVewmw90
>矢を引き抜いて手当てをした後も雪子は昏々と眠っている。
陽介「またここに戻ってきちまったな……」
>岩のドーム内。ほとんど自分たちの起点だ。
りせ「でもいい加減本当に目立っちゃうわね」
千枝「足跡も……目立つようになってくるしね」
陽介「ばれなけりゃいいが……」
>不安だ。
千枝「とりあえず雪子が眼が覚めるまで待機ね」
>受信機も反応しない。近くにはいないようだ。
陽介「休もう、休めるときに」
りせ「ええ……」
270:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 17:08:06.16 ID:9VQF62fY0
……
…
雪子「うう……」
>雪子が気づいたようだ。
千枝「雪子!」
陽介「天城!」
雪子「ひぃっ!」
>ものすごく怯えている。
千枝「大丈夫、ここにいる人たちはみんな味方だから」
雪子「千枝……千枝!!」
>雪子は千枝に強く抱きついている。
千枝「ね、何があったのか教えて?」
雪子「うん……」
342:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 21:41:51.58 ID:3Vo2MLNP0
>まず雪子に、こちらの状況と第1CPのことを謝罪した。
雪子「……あたしも、ごめんなさい」
千枝「ううん、今は先のことを話そう」
雪子「うん」
りせ「あのあとどうしたんですか?」
雪子「私たちは、普通に第7CPまでいったの。もちろん途中の豪雨とかは困ったけど……」
雪子「直斗くん博識で、いろんなこと知ってた。途中でとった釣り糸で罠作って動物得たり」
千枝「食糧にも困らなかったんだね」
雪子「うん。最初に千枝たちがくれた情報のおかげだって。アイテム隠してたことに罪悪感感じてるみたいだった」
>……すまない。
雪子「……続けるね。それで、サバイバル用のアイテムをとりながら最終CPまで行ったんだけど……
ゲーム機に表示された内容は絶望的だった」
>自由に行動しろか。
雪子「うん……だから他のみんなと合流するために来た道を引き返していたの」
349:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 22:06:28.71 ID:3Vo2MLNP0
雪子「引き返していたんだけど……そのとき突然足元にボウガンの矢が飛んできたの」
雪子「私はすっごく驚いたんだけど、直斗くんは冷静だった」
雪子「あたりを見回しても誰もいない。だから主催者に脱走とみなされてペナルティが発動したのかもしれない、って」
雪子「だから直斗くんは、脱走の意思がないことを大きな声で伝えたの」
雪子「そ、そうしたら突然……け、獣のような呻き声と、笑い声が……」
千枝「あいつらだったって訳ね……」
雪子「うん……それで突然笑い声が止まったと思ったら……
わ、私の腕にボウガンの矢が刺さって、それですぐ次の矢で直斗くんの脚にも…」
>どうしてすぐにボウガンの矢を抜かなかったんだ?
雪子「直斗くんが出血が激しくなるから抜かない方がいい、って。だからそのままにしたの」
千枝「流石直斗くん……でもそれで、よく逃げられたね」
雪子「うん、私もそう思う。
ボウガンの矢の方向からいる方は分かってたし、見えてないから距離もあったから
ツイてたって言うのもあるのかな」
りせ「それでも、不思議……あいつらの脚、相当早いはずなのに」
>何かトラブルがあったのだろうか……?
陽介「そう考えるのが妥当だろうな」
355:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 22:23:48.16 ID:3Vo2MLNP0
陽介「本当に矢を抜かないのは大正解だったな」
>ああ。あいつらは血痕で追っていた。もっと激しかったらすぐに追いつかれていただろう。
雪子「で、でも……直斗くんが……」
千枝「……」
>全員黙ってしまった…。
雪子「あの……ひとつ聞いていい?」
千枝「なに?」
雪子「あれ……本当に生田目さんと完二くん?」
>……? どういうことだろうか。
雪子「だ、だってあれ……も、もう人の顔じゃ……なかった」
りせ「え?」
>俺たちが見たときも豹変はしていたが、それほどということではなかったが……。
陽介「あ、ああ……辛うじてだったけど、生田目だって」
千枝「うん」
雪子「う、嘘! あ、あんなバケモノ……!!」
362:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 22:43:15.90 ID:3Vo2MLNP0
雪子「嘘よ! 嘘! あんなの……あんなの!」
>雪子が震えだしている。よほど恐ろしいものを見たのだろうか。
雪子「あの獣のようなほとんど瞬きをしない眼…口元の唾液も吹かずに垂れ流してて……
顔も異様な数の吹出物で覆われてて、ほとんど判別できなかった!」
雪子「あんな人間の顔なんて見たことない! ば、化物よ!」
りせ「あ、あたしが見たときにも特大のニキビみたいなものはあったけど……そこまでじゃなかった」
陽介「人を喰ったことの副作用か……?」
>……? 何か違和感を覚える。
雪子「あ、あんな化物に追われてたら……直斗くんは――」
>雪子が泣き出してしまった。
千枝「雪子。泣きたい気持ちはあたしも同じ……だけど、今は生き残ることを考えよう」
雪子「そんなこと言われても……」
千枝「雪子の持っているもの、教えて」
雪子「そんなこと今ッ――
千枝「見せて」
雪子「…………わかった。ごめん、千枝」
372:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 22:59:24.69 ID:3Vo2MLNP0
>雪子も今何すべきか分かったのだろう。
【雪子アイテム一覧】
ライフ・キット・ツール…1
釣り糸…1
マッチ……1
プラスチック食器セット…1
塩の錠剤…20粒
雪子「これだけ……」
陽介「武器は無しか」
雪子「ごめんね。ナイフは直斗くんが持ってて……」
陽介「あ、いや! そういうこと言ってるんじゃねぇさ」
>一応小さい鉈を渡しておこう。
雪子「うん……ありがとう」
千枝「作戦会議をしましょ」
陽介「ああ……あいつらを倒さなきゃな……」
375:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 23:08:42.94 ID:3Vo2MLNP0
りせ「あの怪物を倒すってどうするの? 一番攻撃力のあるボウガンも山刀も向こうよ?」
陽介「それは……」
千枝「餓死でも待ってみる……? 人間しか食べる気がないなら」
>……! それだ!
雪子「どうしたの番長くん?」
>さっきの違和感の正体だ。
千枝「違和感? 何かあったかな」
>奴らは何を食べているんだ?
陽介「今更確認する必要もねぇだろ? 人だって、人」
>そう。人だ……だが、奴らは堂島さん以降人を殺していない。
りせ「あ、そういえば……」
>ビールとFSビスケットで慢性的な飢餓状態に陥れられている。
>そんなやつらが堂島さん一人で足りるだろうか。
陽介「考えたくはねぇけど……保存用にとっておいたとか」
>この高温の気候では無理だ。すぐに腐ってしまう。
雪子「じゃ、じゃあ、いったい何を食べているの……?」
380:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 23:18:03.19 ID:3Vo2MLNP0
千枝「群生しているものを食べているわけではなさそうだし」
りせ「わかんないね……」
>考えても答えが出そうにない。
陽介「これからどうするか……」
>なんにせよこれからの方針を決めなければ。
>どうしよう。
1グールを倒すために打って出る
2直斗の行方が心配だ
3ゲームを放棄して脱出を試みる
4ここでしばらく待機しよう
>>381
381:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 23:18:41.50 ID:JtgSs7cC0
2
384:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 23:19:36.83 ID:A0rydS0k0
ですよねー
386:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/05/19(土) 23:26:05.93 ID:3Vo2MLNP0
>直斗の行方が心配だ。
千枝「そうだね……でも」
雪子「それ以上言わないで千枝」
千枝「ご、ごめん」
雪子「直斗くん、私たちの第4CPに来いって言ってた」
陽介「……行こう。直斗ならきっとあいつらから逃げ果せてるって」
りせ「うん、そうしよう」
雪子「じゃ、じゃあ。今から――」
>まだ雪子は目覚めたばかりだ。今日はここで休もう。
陽介「だな」
千枝「うん」
りせ「そうだね」
>明日、一気に行こう。
【 関 連 記 事 】